ブリトニー・スピアーズはロックである

 今、全世界で一番売れてるアイドル女性ティーンズ・シンガーであるブリトニー・スピアーズ。デビュー・アルバム『ベイビー・ワン・モア・タイム』を全米だけで1.000万枚以上売り、ダイアモンド・ディスクを獲得。この5月にリリースされた2ndも大ヒット中〜...とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いのブリトニー。彼女の激売れぶりは、他のアイドル連中...バックストリート・ボーイズやイン・シンクなど...と一緒くたにされ、『心ある音楽ファン』から音楽としての中身が無いくせに売れて、シーンを堕落させている...として格好の非難の的となっていて、ビリー・コーガンに至っては「アイツらが売れてる今のシーンに居場所が無くなった」とスマパンを解散させる始末(笑)。散々な言われようの現代のアイドルたちだけど、そのなかでブリトニー・スピアーズだけは私は許せるんだよなぁ〜。というのは彼女の音から『ロック』が感じられるからである(笑)。

...Baby One More Time

(国内盤 : エイベックス AVCZ-95114)
 デビュー・シングル“...Baby One More Time”とこのアルバムを共に全米チャートの1位にいきなり送り込んだブリトニー。全米では1,000万枚以上売れたアルバムに送られるダイアモンド・ディスクを獲得。“E-Mail My Heart”は何故か森高千里の“渡良瀬橋”にソックリ!(笑)
1. ...Baby One More Time 2. (You Drive Me) Crazy
3. Sometimes 4. Soda Pop 5. Born To Make You Happy
6. From The Bottom Of My Broken Heart
7. I Will Be There 8. I Will Still Love You
9. Thinkin' About You 10. E-Mail My Heart
11. The Beat Goes On

Oops!...I Did It Again

(国内盤 : エイベックス AVCZ-95153)
 デビュー作の全米大ヒットの勢いをそのまま維持して全世界で大ヒット中の2nd。“(I Can't Get No) Satisfaction”はあのローリング・ストーンズの名曲のカヴァー(笑)。
1. Oops!...I Did It Again 2. Stronger
3. Don't Go Knockin' On My Door
4. (I Can't Get No) Satisfaction
5. Don't Let Me Be The Last To Know
6. What U See (Is What U Get) 7. Lucky
8. One Kiss From You 9. Where Are You Know
10. Can't Make You Love Me 11. When Your Eyes Say It
12. Dear Diary

 私が初めてブリトニーを聴いたのは、まだデビュー作の日本盤がリリースされる前で、初めて聴いた印象を一言でいうと「安い!」(笑)。金がかかってない音だなあ〜...というものだった。特に、後にシングル・ヒットした“(You Drive Me) Crazy”なんか打ち込み主体で全然カネがかかってないよォ〜(笑)。その安〜い音を聴いて「コイツ、世の中ナメとる」と思った私。今の世の中誰しも耳の肥えたリスナーのために音質に気を配るなか、全然音質なんか気にしてないんだもん(笑)。で、私が「コイツ、世の中ナメとる」と感じて怒ったかというと、さにあらず。『世の中ナメてること』は『ロックの必要条件』とは思わないけど、『十分条件』だとは思ってる私、ナイン・インチ・ネイルズの『ブロークン』やBECKの『メロウ・ゴールド』に込められたのと同等の世の中ナメ具合をこのブリトニーのデビュー作から感じ取った(笑)。さらにデビューしたばかりというのにCD(輸入盤)にTシャツやポスターのマーチャンダイズのカタログがついてるのも、世の中ナメてた。もう人気を確立したアーティストならともかく、人気が出るかどうかも分からない新人アーティストが売れ残りリスクを考えもせずマーチャンダイズをバンバン用意するのは本来なら自殺行為だろ?(笑)
 この聴くからに「安い」デビュー・アルバムは結果的に激売れ。さぞかし儲かったことだろう(笑)。
 で、この5月に2ndが出た際、ラジオで先行シングル“Oops!...I Did It Again”を聴いた時、ホントにビックリした!!! というのはデビュー・シングルの“...Baby One More Time”と「どこが違うんじゃあああ〜!!!」と言いたくなるほどコード進行的にウリふたつだったから。これを聴いてまた、うぬぬ〜、世の中ナメとんのか〜となった私(笑)...。さらにアルバムを聴いてビックリ! あのロックを代表する名曲であるストーンズの“(I Can't Get No) Satisfaction”を脱力カヴァーしてるではないか!(笑) ストーンズが来日したら全公演観に行くような熱狂的ストーンズ・ファンのオヤジが聴いたら、脳の血管がブチ切れて耳から血を流しながらブッ倒れそう(笑)。ストーンズに対する敬意の『け』の字も無い恐るべきヴァージョン(笑)。ここまで世の中をナメてるのに、世間は大喜びで買ってるのが面白いところ。たぶん、『世間』はナメられているのに気付かないほど愚鈍なんだろう、きっと(笑)。
 先程、『世の中ナメてること』は『ロックの必要条件』とは思わないけど、『十分条件』だとは思ってる...と書いたが、今のロック・シーンを見渡してもブリトニーほど『世の中ナメてる』音は見当たらない。だから私は『ブリトニーはロック』だと思うのさ(笑)。
 勿論、正確には、ブリトニーがロック...なんじゃなくて、周りのスタッフたちの考え方がロック...なんだろうけど。ブリトニーは単にやれ!って言われたことをこなすだけのアイドルに過ぎないからさ。でも、マライア某やセリーヌ某やクリスティーナ・アギレラなんか聴くよりも、よっぽどいいよ(笑)。
 話は変わるけど、ブリトニーの顔ってどんなシチュエーションに対してもハマるよね。スポーツ新聞で振り袖姿のブリトニーってのを見たけど、全く違和感なくハマってた。ウルトラマンの『三面怪獣ダダ』にブリトニーの顔をコラージュしてもハマりそう(笑)。私は観たこと無いけど、ネット上にブリトニーのアイコラ『ヌード写真』や『fxxk写真』が蔓延してるらしいけど、たぶんそれも違和感なくハマってるんだろうね(笑...でいいのか???)。

(2000.7.11)

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