『ニセ林檎』
たちは
ホントに、ニセ林檎か?
もう、このホームページのBBS掲示板では語り尽くされたネタなんだけど(笑)、『ヤイコ』こと矢井田 瞳と、そして新たに、吉田知加ってのが『ニセ林檎』 呼ばわりされ、椎名林檎のパクリとの扱いを受けている。椎名林檎が流行ったから『柳の下の2匹目のドジョウ』を狙ってレコード会社が仕掛けた『志低い』女性アーティストとして叩かれてるんだけど、ここでホントに彼女たちは『ニセ林檎』なのか、検証してみたい。
矢井田 瞳について
『ヤイコ』こと矢井田 瞳については、マキシ・シングルしか出していない段階から各方面で『椎名林檎のパクリ』呼ばわりされてたけど、デビュー・アルバム『daiya-monde』を聴いてみたら、林檎っぽいのはシングル曲だった“B'coz
I Love You”と“My Sweet
Darlin'”だけで、他の収録曲には林檎っぽいところは見受けられない。この『daiya-monde』を聴いて、「林檎のパロディーを期待してたのに、これじゃあ笑えない」などと全くおかど違いな失望の声が聞こえたりしてるけど(笑)。ヤイコの曲には、林檎姫の曲に込めらてるような情念ってものはあまり感じない。っていうか、ヤイコってノッペリした、起伏に乏しい平坦な声してるでしょう? ウェットな感覚よりも、『カリフォルニアの青い空』的、突き抜けたアッケラカンさを多く感じます(笑)。明るい娘ですよ、基本的にヤイコは(笑)。アルバム収録曲のなかで、一番ヤイコのキャラクターを表してる思ったのは“もしものうた”。この曲でのヤイコは林檎的どころか、松田聖子を思わせるクドいキャラクターをうかがわせてる。この路線こそがヤイコの本質のような気がしたんだけど...。ヤイコには“もしものうた”がピッタリです。これは誉め言葉だからね。だからもっと“もしものうた”みたいな曲をやりなさい!(笑)
あと、大きなお世話だけど、ヤイコはもっとメイクアップの勉強しましょう(笑)。頬の部分だけピンクに塗っちゃダメだよ〜(笑)。
吉田知加について
まだ、マキシ・シングル2枚(“こうぶつ”、“刹那系”)しか出していないから確信持って語れないけど、どうもこのひと、文学的に椎名林檎を凌駕しようとしてるフシがある。「私の書く歌詞のほうが林檎さんよりも文学度は高くてよ」って言い出しそう(笑)。手書きで書かれた歌詞カード、そして林檎姫を思わせる文語的な語彙を多用した漢字だらけの歌詞を見ると、そのように感じてしまう(笑)。彼女のホームページ覗いたら、尊敬するひとは与謝野晶子だって。「さもありなん」と思ったね(笑)。ただ、椎名林檎よりも文学的な歌詞を書こうとするあまり、
貴方は云う
『君ノ全テヲ愛シテイル』
何時も
あたしの体に蛆が湧いても
その残酷な言葉 囁いてね (“痴人”より)
...という、センス疑うような歌詞を書くのはいただけない。私、この歌詞見て、『屍体愛好癖』思い出したゾ(笑)。だって、今の日本で体にウジが湧くまで傷を化膿したまま放置する女っていないでしょう? 屍体になっても愛してくれ...って言われてるみたいで気持ち悪ィィィ〜!!! こんな歌詞書いてしまうのも「林檎に勝つ」という力みだろうと勝手に解釈してる。
歌詞だけ読むと、歌詞に込められた情念は林檎姫も知加さんも一緒だろうと思う。ただ林檎姫は、歌うことによってその情念の世界を超越するところまでブッ飛んでしまってるのに対し、吉田知加はそのままその歌詞世界にズブズブと沈んでいってる気がする。聴いてると「そこで死んでろ!」(田中宗一郎...笑)って言いたくなってしまう。確かに、林檎的巻き舌も確認できるけど、吉田知加は20年前なら間違いなく中島みゆきのパクリと呼ばれてた...と思えるほど純日本的なメンタリティーの持ち主だと思うんだけどね。ま、まだアルバム・デビュー前の段階のところだからあまり断定的なことは言わない方がいいんだろうけど...。
結論
『ヤイコ』こと矢井田 瞳も、吉田知加も、椎名林檎のパクリではなく、独自の世界を持ったアーティストです。ただ、林檎姫がミュージック・シーンに対して投げ掛けたモノがあまりにも大き過ぎるものだから、結果として林檎姫のフォロワーに見えてしまうだけのこと。『畑違いのモノ』が『瓜ふたつ』に見えてしまうくらいのインパクトをシーンに与えた林檎姫ってやっぱり偉大なんですねェ〜...と結局、結論はそこに行き着く(笑)。
(2000.12.3)