RUSHでオススメは何でしょう?

　とあるサイトの掲示板に「RUSHでオススメは何でしょう?」っていう質問が書かれてました。なにしろ、↓これだけもの作品↓を出しているひとたちです。「これからRUSHを聴いてみたい」というまったくの初心者がレコード店行ってもどれから聴けばいいか随分と迷ってしまうでしょう。

　そこで、私はこんな回答をカキコしました。

RUSHのオススメ　投稿者：ヒロくん@SPILL THE BEANS 　投稿日： 6月12日(水)06時42分55秒 　世間では、1981年の『ムービング･ピクチャーズ』が最高傑作です。 個人的には1989年のライヴ『新約･神話大全／A Show Of Hands／A Show Of Hands』を薦めます。

『MOVING PICTURES』

　巷に『ムービング･ピクチャーズ』が最高傑作という論調があふれてるからこの作品を薦めているかというと、さにあらず!　RUSHというバンドは昔と今とではかなり音楽のスタイルが変化してしまった...と個人的に捉えております。すなわち、デビュー･アルバム『閃光のラッシュ／Rush』を聴いただけでは、'80年代中後期のポップ路線の作品は想像出来ないだろうし、逆に中後期の『パワー･ウィンドウズ』を聴いたひとには'70年代の長大重厚路線の作品(例えば、『神々の戦い／Hemispheres』)の音なんか想像出来ないだろうし。その点、'81年の『ムービング･ピクチャーズ』ならば、過去の長大重厚路線に遡って聴いても違和感ないだろうし、'80年代のポップ路線に時代を下りて聴いても違和感ないハズ。すなわちRUSHというバンドを見誤らない作品が『ムービング･ピクチャーズ』...と個人的には思うワケです。『ムービング･ピクチャーズ』聴いてもRUSHの良さが分からないんだったら、彼らと縁のないひとなんだなぁ...と薦める側も諦めつく作品。『閃光のラッシュ』聴いて「RUSHの良さが分からなかった」というひとがいたら、「他の作品も聴いて!」って必死になって懇願しますが(爆笑〜!!!)。

『A SHOW OF HANDS』

　で、この「RUSHの聴くなら、まず『ムービング･ピクチャーズ』という意見は個人の趣味を完全に殺したものです(笑)。私･ヒロくんらしさを出したチョイスがライヴ･アルバム『ラッシュ･ライヴ〜新約･神話大全／A Show Of Hands』。私は'86年からRUSHファンを名乗ってるので(笑)、いわゆる『第3期』('82〜'87年にリリースされた作品群を指す)にひじょーに思い入れがあるわけです。だから、この『第3期』の曲がたくさん収められたライヴ･アルバム『ラッシュ･ライヴ〜新約･神話大全／A Show Of Hands』を個人的趣味だけでいうならオススメです。ホントはスタジオ･アルバムを薦めたいんだけど、となると私がRUSHにハマるキッカケになった『パワー･ウィンドウズ』('85年)になる。この作品、シンセサイザーの音色がハデハデ過ぎまして(苦笑)、今のサウンドに慣れた耳で聴くとそーとーに恥ずかしいので、あまり人様には薦められません(泣)。あと、この時代のスタジオ作品はアナログ時代だったものでアルバム収録時間が短いです。40分くらいで終わります。今のCD時代に慣れた世代には40分程で終わるアルバムって物足りないでしょう?(笑)　その点、ライヴ･アルバムである『ラッシュ･ライヴ〜新約･神話大全／A Show Of Hands』は74分も曲が入っててヴォリューム満点だ。お買得(笑)。

『POWER WINDOWS』

　で、「2002年、遂にRUSHの来日が決まった!!!」という日が来たとして(笑)、「セ××ク(笑)が『RUSHは凄い!』って言ってるし、ドリーム･シアターもRUSHの影響受けたって言ってるからライヴ行こうかなと思うんだけど、RUSHの曲は1曲も知らないゾ」というひとが居るとします。ライヴの日までにRUSHを『予習』して曲を覚えたいと思った時は、とりあえずこの3枚を揃えればいいのです。

『A SHOW OF HANDS』		『DIFFERENT STAGES』		『VAPOR TRAILS』

　『ディファレント･ステージズ』('98年)はRUSHの歴史の総集編的な3枚組ライヴ･アルバムで、主要曲を殆ど押さえることが出来ます。ところが、この『ディファレント･ステージズ』には致命的な欠点がありまして...『第3期』の曲...すなわち『ラッシュ･ライヴ〜新約･神話大全／A Show Of Hands』収録の曲が意図的に除外されてるんですね(苦笑)。だから、RUSHの代表曲をひととおり聴くためには、『ディファレント･ステージズ』と『ラッシュ･ライヴ〜新約･神話大全／A Show Of Hands』の2枚が必要です(笑)。そして、最新アルバムの『ヴェイパー･トレイルズ』は...『ディファレント･ステージズ』でカヴァーしていないので、当然聴かなくっちゃ!(笑)

『CHRONICLES』		『RETROSPECTIVE I』		『RETROSPECTIVE II』

　余談ですが、RUSHにはベスト盤が数種類出てます。『クロニクルズ』('90年)と『ベスト･オブ･ラッシュ[1]1974-1980／Retrospective I 1974-1980』『ベスト･オブ･ラッシュ[2]1981-1987／Retrospective Il 1981-1987』(いずれも'97年)のシリーズですけど、どれを選んでも「代表曲の“YYZ”が聴けない」という欠点があるのでオススメできません(笑)。あと、アタリマエだけど、'90年代以降の歩みがフォロウ出来ない...というオススメできない至極当然な理由もあります(笑)。
　以上をまとめます。

　ちなみに、上のRUSHのアルバム24枚のジャケットはある順番で並べてあります。その順番とは...???

　私が買った順(笑)。

(2002.6.13)

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