一度は観てみたい少年ナイフのオリジナル・メンバー再集結

 『BURRN』の最新号をみてたら、日本のヘヴィー・メタル・バンドのOUTRAGEが、デビュー20周年を記念して、8年前に脱退した橋本直樹(vo.)も参加するライヴ・イヴェントをやるという記事が載ってた。それこそ8年前に橋本が脱退するに至った経緯などは水に流して、バンドの20年を祝うにふさわしいイヴェントになるようだ。この記事をみて、何故か、少年ナイフのことを思い出してしまった...。
 この『BURRN』の最新号と同じ日に『TOWER RECORDS』高岡店で購入したのが少年ナイフの新作『Fun! Fun! Fun!』。紙ジャケ仕様で発売されたこのアルバム・ジャケットの表にはおそらく現在の少年ナイフのメンバーとおぼしき2人の女性の絵が描かれ、裏ジャケには、直子さんとえっちゃんの現メンバーの2人の写真が載ってた。

 

fun! fun! fun!

(国内盤 : P-VINE PCD-25056)
1. 重力無重力 2. Barnacle(ふじつぼ)
3. Flu(インフルエンザ) 4. Ramones Forever 5. Las Vegas
6. Birthday 7. ポップコーン 8. クッキーたべたい
9. みなみのしま 10. おやすみ


『fun! fun! fun!』裏ジャケ
左から、えっちゃん(ds.)、直子さん(g., vo.)

 アメリカ人と結婚のため渡米した敦子さんの姿は、そこには、無い。以前聞いた話では、たまに日本に帰ってきてライヴ参加もするから脱退ではない...という話だったし、その気にやればレコーディングもカセットのやりとり(表現が古い!)でいくらでも出来るんだろうけど、実際のところ「脱退」に等しいという現状がその写真からは見て取れた。少年ナイフは1982年結成、1984年デビュー。OUTRAGEよりも先輩(苦笑)のため、すでに「結成20周年」と「デビュー20周年」の節目は先に通過してしまってる。が、「結成20周年」だった2002年も、「デビュー20周年」だった2004年も、「20周年だから」という特別なイヴェントが無かったような気がする。別に、世の中に存在する全てのバンドが「結成10周年」とか「デビュー20周年」とかの節目節目ごとにイヴェントをやってるわけじゃなく、そんな節目節目ごとのイヴェントに無関心なバンドがあってもイイと思うし、少年ナイフがそういう節目のイヴェントに全く興味がなくてもいいんだけど、ちょっと考え込んでしまった。
 少年ナイフが、オリジナル・メンバーの3人が揃ってひと前で演奏することはこの先あるんだろうか?


『712』リリース時の少年ナイフ
左から、敦子さん(ds., vo.)、直子さん(g., vo.)、美智枝さん(b., vo.)

 そもそも1998年のベースの中谷美智枝さんの脱退の理由も、よくわからなかったし、その後この脱退の背景とか、美智枝さんの現況など、一切なんの情報も入って来ない。ドラムの敦子さんのベース転向と、サポート・ドラマーの真奈さんのインパクトで、「黄金のトライアングル」の一角が欠けたことは当時はあまり気にしていなかったと思う。が、美智枝さんだけでなく、敦子さんまで「寿退社」してしまうと、オリジナル・メンバーが1人しか居ない、しかもギター兼ヴォーカルとドラムの2人組になってしまうと、これはもう、違和感ありありなのである。恒例の『712 day party』は、私は2001年から2003年までの毎年と、2006年の計4回観に行ったけど、今年の『712 day party』は流石に遠慮した(『フジ・ロック』に行くので、その時に今のナイフを観るつもり)。
 「寿退社」が脱退理由である敦子さんは今のナイフとの友好な関係が予想され、現に、「里帰り」の際にはライヴにも参加する意志を既に表明してるから、敦子さんを含む編成での少年ナイフを観ることは実現可能だろうけど、美智枝さんも加えたオリジナル・メンバーでのライヴは今のところ実現不可能と思われる。OUTRAGEのように昔の恩讐を越えたスペシャル・イヴェントの実現を是非とも期待したい。
 

(2007.7.12)

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