2001.4.6〜8(車中2泊・山中日帰り)
春の『青春18きっぷ』を使ってどこか登山出来ないか...と考えた末、白羽の矢が立ったのが、四国の法皇山系・赤星山だ。春の『青春18きっぷ』の時期、中部山岳方面以北はみんな残雪の影響が大きく、無雪期登山はムリだけど、時間さえかければ暖かい四国・九州方面の登山に使える。四国の東予地方の法皇山系は海際から1,500
m前後の山がそびえていて、麓を走る予讃線の駅からのアプローチも短く、『青春18きっぷ』利用の登山にうってつけ! 特に、春休み期間中は臨時快速『ムーンライト松山』が運転されるので、寝ながら移動できる利点がある。
4月6日、会社を早退し、富山駅16:35発の福井ゆきの普通列車で山旅はスタート。普通列車乗り継ぎで京都に出て、京都23:27発の臨時快速『ムーンライト松山』に乗車し、車内泊。
翌4月7日、5:47、新居浜で臨時快速『ムーンライト松山』を下車。伊予三島あたりで停まってくれればいいのに、岡山を出ると新居浜まで『ノン・ストップ』だからなァ〜。当初、この日は赤星山の頂上でテント泊、4月8日の朝に下山・帰宅予定だったけど、よく考えたら赤星山からこの日のうちに下山して、この日の上りの臨時快速『ムーンライト松山』に乗ればいいと気がついた。しかし、きっぷを押さえてないのでテント泊道具一式フル装備持ってきたんだけど、この新居浜駅で無事、上りの臨時快速『ムーンライト松山』のきっぷを押さえた。この瞬間、私が持ってきたテントなどの用具は「余計な荷物」に成り下がった...。
逆方向の高松ゆきの普通列車に乗り、4つ戻った赤星駅で下車。屋根つきベンチがホームにあるだけの赤星駅を7時に出発、赤星山に向かう。津根小学校の横を通り、国道11号線を歩道橋で渡り、伊予柑畑の緩斜面を登って行くと松山自動車道の土居インターチェンジ脇に出た。このインターチェンジの下をくぐるところに『三角寺へんろ道』という札が立ってる。『へんろ道』というところがいかにも四国らしい。その三角寺とやらの敷地内では桜が満開で花見の準備がされていた。三角寺からすぐに林道野田線の入口に到着。ここまで駅から30分。林道野田線の入口には地元・土居町が建てた赤星山登山口の標識もある。この林道に入ってなおも歩き続けると、神戸ナンバーの軽四が登ってきた。窓から60代以上と思われる高年登山者が顔を出し、「登山口まで載せてあげようか」とありがたい申し出。ふだんなら受けるんだろうけど、今回は時間に余裕あるし、1,500
mに満たない山に登るのに中腹までクルマで行くと、面白みがないような気がして、お断りした。大地川沿いに林道を登って行くと、やがて林道終点に出た。ここまで赤星駅から1時間弱。
林道終点で10分休憩取った後、いよいよ登山道にかかる。いきなり耐久性に問題ありそうな木橋で対岸に渡る。もういちど木橋で川を渡り返すと、あとはもう木橋はなし。川はすべて石伝いで渡ることになる。今回の登山は去年の11月に買った新しい靴での初めての登山だったんだけど、濡れた石ンところでメチャクチャ滑る。靴底が濡れた石面をまったく噛まない...。だから何度か川を渡るのに失敗しそうになった。登山口から40分ほどで滝が次々に現れる。山と渓谷社から出てる『分県登山ガイド37
愛媛県の山』によると、下から機滝、紅葉滝、布引滝、稲妻滝、千丈滝と名前が付いてるらしいけど、滝自身に案内板など一切ないのでどれがどの滝なのかサッパリ分からない...。それまで右岸を歩きながら滝群を眺めてたのが、ナメ滝の脇を通り過ぎると左岸に渡り、ちょっと登ると荒れた作業小屋が現れた。小屋からまた右岸に戻り、ロープの張ってあるところを過ぎる。このあたりで登山口から1時間経ってたので休憩。10分休んで行動開始。歩き始めてから10分あまりでメインルートと千丈滝経由の道の分岐に出たので、後者の道を採る。イマイチ、ハッキリしてない沢沿いの道を歩くこと30分、ようやく千丈滝に到着。千丈滝で軽く腹ごしらえ。20分休んでからまた登り始める。10分あまり歩くと、メインルートと合流。そのまま頂上目指し歩く。ここまで私のほかに誰も居ない登山を続けてたけど、下のほうから鈴の音がする。「誰か登ってきたな」と思って振り返ると、その誰かとはイヌだった。でもイヌが登ってくるからには、その飼い主も近くに居るということ。千丈滝から1時間足らずで最後の水場(沢)に到着。ここで水を汲んで10分休憩。もし、頂上でテント泊するつもりならここから水をかつぎ上げしなきゃならない。でも、もう頂上は間近なハズだ。さすが南国・四国といえども、この高さで北面だということもあって残雪がある。といっても、無いに等しい量(笑)。日陰にわずかにある程度で、登山道に雪は殆ど無く、あっても問題にならない量だ。やがて尾根に出た。
例の『分県登山ガイド37
愛媛県の山』には「尾根にはシャクナゲが群生してて、ここから10分足らずで頂上」というように記述されてるので、「しめしめ、もう頂上はすぐだぞ」と思ってたら、シャクナゲ群生地から5分以上歩いたところに『頂上まで10分』っていう標識があった。「ゲゲッ! 騙された!」と思ってたら、その『頂上まで10分』という標識からアッサリとすぐに頂上に出た(笑)。どっちがホントなんだァ〜!? 頂上には4人組のパーティーや、先ほど会った神戸ナンバーの高年登山者などがくつろいでた。4人組のパーティーに「何時間かかりました?」って訊かれたので「赤星の駅から5時間かかりました」って返事。11:54、赤星山頂上着。後から犬を連れた登山者が登って来た。使いもしないテントや寝袋をかついで登ってきてたから、他の登山者はみんな私の装備にビビってた(笑)。日帰りの山なのに何でだろう?...って(笑)。
この日は気温が高め。水蒸気の蒸発が活発なため、遠方がかすんでみえる。期待してた瀬戸内海の島々などは見えない。南西方に「石鎚山か?」と見紛う立派な山が鎮座。これは二ッ岳。なるほど、確かに名山だ。赤星山の頂上は広い。その広い頂上でインスタントラーメン食べたり、コーヒー飲んだり、昼寝などしてるうちに2時間ほど経った。昼寝してる間に他の登山者はみんな下山にかかり、頂上には私ひとりだけ。
13:54、私も下山にかかる。来た道をそのまま戻るだけだけど、帰りは千丈の滝を通らない本道コースを採る。1時間で『赤星山山頂まで2.0
km』という標識まで下り、ここで休憩。さらに1時間で『赤星山山頂まで4.0
km』という標識まで下り(笑)、ここで早い夕食を摂った。途中、山桜がきれいなところがあった。春だよねェ〜...。ここから10分で元の登山口(林道終点)へ。17:41、赤星駅に戻った。赤星駅から赤星山を見ると...大したことない山に見えるねえ。よっぽど隣の豊受山のほうが立派だ(笑)。あとは『青春18きっぷ』利用で富山に戻るだけ。
こうして21世紀最初の山旅は意外にラク〜に終わった。
【行動記録】2001年4月6日(金)〜4月8日(日) 車中2泊・山中日帰り
4月7日(土)
赤星駅700─林道野田線入口730─757林道終点807─作業小屋854─908//918─
─千丈滝分岐930─1001千丈滝1021─本道合流点1032─1118水場1128─1154赤星山頂上
赤星山頂上1354─水場1412─本道合流点1444─1452『赤星山山頂まで2.0
km』標1502─
─千丈滝分岐1516─作業小屋1535─1601『赤星山山頂まで4.0
km』標1641─
─林道終点1651─林道野田線入口1712─1741赤星駅
【1:25,000地形図】 東予土居、弟地