越中・庄川町から牛岳
2005.9.10(日帰り)

 

 今年(2005年)は弟子との結婚、そして弟子の妊娠・出産が重なり、なかなか登山に出かけられなかった。デカ腹抱えた弟子をキャラメルハウスに置いて登山に行こうものなら「師匠ばっかりズルい!!!」と弟子からの非難を浴びることになる。家庭円満のためなら私が山に行きたい気持ちをグッ!とこらえるのが一番なのだろうけど、運動らしい運動は山登りしかしない私が登山をやらないと体重が増加してくのは避け難く、先日の会社の定期健康診断の結果にもそれは如実に現れてた(苦笑)。ということで、健康のために山に行くことにしたんだけど、9月10日から11日にかけての天気予報があまりよくないのと、今年初めての登山になる...ということで、近場の牛岳に登りに行くことにした。ちなみに、今年の4月に弟子と行った九州の雲仙普賢岳、阿蘇・杵島岳、霧島・韓国岳は私が定めた内規により「登山したことにはならない」(笑)ので、それらの山より標高が低い牛岳登山(だけど、前出の内規をクリアしてる)が2005年の登山第一号になった。
 牛岳といえば、去年4月29日に登りに行ったものの、残雪に先を阻まれ、途中で引き返しを余儀無くされた山。今回も、その時と全く同じ庄川町(2004年10月の市町村合併で、現在は砺波市)からのコースを往く。去年の4月と同じく、小牧ダム湖の遊覧船乗り場を臨む国道471号線の路肩にクルマを駐め、10:29にスタート。2分ばかりクルマで来たばかりの国道を戻ると「ふるさと歩道 牛嶽登山口」の看板があるので、ここから登山道に取り付く。去年の4月とまったく同じである。去年の4月と全く違うのが、コースの雑草の繁茂状況(苦笑)。「牛岳ふるさと歩道」と銘打たれてるハイキング・コースだけど、歩くひとが少ないせいか、雑草は伸び放題で、クモの巣も張りたい放題。軽度のヤブこぎ状態だ。いちど林道に出てヘアピン・カーヴを曲った先にある分岐から砂利道(林業作業道???)へ入る。しばらく歩いてたが、去年来た時はこんなところを歩いた記憶が無いのと、この砂利道が西のほうへと逸れていくのをみて、道を間違ってると判断し、砂利道の入口まで戻る。元の林道に出てしばらく林道を歩いてみたが、右手に登っていく登山道らしきものは見当たらない。おかしい!!!...ってことで、砂利道の入口まで戻って、登山道の形跡を捜しながら再び砂利道に歩みを進めたが、登山道の形跡らしきものはどこにもない...。すっかり「???」になった私、ちょうど軽トラで乗り付けて辺りで作業中だったオジサンに牛岳への登山コースについて訊いてみたら、「登山道の入口はこの道(砂利道)と入口のすぐ隣」とのこと(ついでに「歩きにくい道だから、車道をずっと歩いたほうがいいよ」と、ゆわれた...苦笑)。問題の砂利道の入口に戻ってよく見ると、左のほうに登っていく踏み跡がみえた。登山道はすっかり雑草に覆い隠され、登り口にここが登山道である旨が書かれているワケでもないので、「ここに登山道の入口がある」と予備知識のあるひとじゃないと見落とすに違いない。去年の4月にはなんの迷いも無く足を踏み入れたコースなのに、雑草の盛りの9月上旬の今では全くの別ルートみたいな感じにみえた。ここから数分ヤブ道を往くと林道がちょうどカーヴしてる地点に出る。ここには登山ルートの案内板があり、一般の登山者はここまでクルマで来てるようだ。ただ、私にとって、ここから登ったんじゃあ『登山にならない』のである(だからこそ、国道471号から登る)。ここからは一般ルートだから、雑草の量も少なく歩き易い。四合目(助平辻)を過ぎるとすぐに林道を横断(「牛岳ふるさと歩道」の看板あり)。10分余りの登りで、無人小屋の牛嶽ヒュッテ(五合目)に11:55に到着。薄暗い小屋で、宿泊する気にはなれないが、小屋の中に水が引いてあるのはありがたい。ここで10分の休憩ののち頂上を目指し歩き始めた。
 牛嶽ヒュッテ(五合目)から六合目(牛首)までがこのコースの一番苦しいところで、結構急な登りが続く。その登りがゆるんだところが六合目(牛首)で、ベンチもあり休憩にピッタリだ。この牛首ベンチで横になってたら、夫婦とおぼしき中年登山者が下っていった。結論からいうと、私が今回の登山で出会った登山者はこの2人だけ。牛首ベンチから先は、道も水平もしくは緩い登りとなって、いくつかの沢の流れを越えていく。北面であり、沢があったりするから、雪解けが遅いと去年の4月みたいな目に遭うワケである。去年の4月の敗退地点の七合目(西谷)を過ぎ、いよいよ私にとって「未知の領域」に入った(笑)。少し草がうるさい道を歩いてるうちに、ひょっこり目の前に牛岳頂上の祠がみえた。三角点ピークへの分岐(九合目)を過ぎ、12:25、アッケなく頂上に到着。


牛岳頂上の祠

 私が前にここに来たのは富山高校山岳部在籍時の1986年の8月。19年ぶりの頂上だ。その時には祠は無かったハズだが(平成5年の建立と刻まれてるし...笑)、頂上直下のあずまやには見覚えがあるような気がした。
 富山市(旧・婦負郡山田村)からはクルマで頂上まで来れる山(19年は山田側から登った)だから、頂上には家族連れやライダーたちが大勢居てにぎやか...と思ってたら、誰も居ない。天候は下り坂で、時折雨粒が落ちてくる。砺波平野の散居村はよく見えたが、富山市街や立山方面の展望は得られなかった。


牛岳頂上から見た砺波平野の散居村

 静かな山頂を後にし、三角点ピークは目指さずに(笑)下りの二本杉コースに入る。牛岳はこれからも登る機会があるだろうから、三角点ピークはその時まで取っておく(単に、三角点ピークに行くのがメンド−臭くなっただけ...笑)。頂上から鍋谷のブナ林を経て二本杉に至るコースは、旧・山田村(現在は、富山市に合併)が整備してたせいか歩き易い。家族連れでも歩けるファミリーコースだ。あずま屋(二本杉休憩所)のある二本杉まではクルマで来れるらしく、麓から立派な舗装路が来てたが、車道には入らず、三段ノ滝コースに歩みを進める。この三段ノ滝コース、とっても急で、山慣れたひとじゃないとアブナいコース(苦笑)。ロープやハシコ場が数ヶ所あり、家族連れにはムリだろう(苦笑)。急な道を往くとひょっこり三段ノ滝に出た。文字どおり、三段の滝だ(そのまんまやん!...苦笑)。三段ノ滝へは、林道の牛岳トンネル西口から滝見物のための遊歩道が来ており、本格的な登山はいちお、ここで終了。


三段ノ滝

 牛岳トンネル西口からはさらに登山道(滝めぐりコース)が続くんだけど、どうも先ほどから局地的に雨が降ってるみたいで、登山道脇の草が濡れている。今まで歩いたコースの整備状況からすると、牛岳トンネル西口からの滝めぐりコースなんてヤブ道に決まってる!(笑) そんな道を歩いたら全身ビショ濡れになるので、林道を西に向かって歩く。やがて元の登山ルートの案内板があるカーヴに着いた。ここからはヤブ道(登りに使った道)を往き、問題の砂利道分岐にまた戻った(笑)。その後も登りに使ったとおりのコースを忠実に戻り、元の登山口、そして、15:30にクルマを駐めた国道471号線の路側に到着。
 汗で上半身はビショ濡れで、道に被いかぶさる濡れ草のせいで下半身がビショ濡れ。全身ビショ濡れになった(苦笑)。
 春先の山と盛夏過ぎの山では全く別のルートみたいになる登山道もある...ということを思いしらされあた2005年最初の山旅でした。

【行動記録】2005年9月10日(土) 日帰り
国道471号路側帯1029─牛嶽登山口1031―作業道入口1046―引き返し1055―
―1105作業道入口1115―引き返し1119―作業道入口(登山道入口)1122―登山口(木看板)
登山口(木看板)1137――四合目(助平辻)1141―1155牛嶽ヒュッテ1205―1233六合目(牛首)
六合目(牛首)1243―七合目(西谷)1257―九合目(三角点分岐)1322―1325牛岳頂上1355―
―鍋谷ブナ林1406―二本杉休憩所1421―三段ノ滝1448―牛岳トンネル西口1450―
―登山口(木看板)1508―牛嶽登山口1528―1530国道471号路側帯

【1:25,000地形図】山田温泉

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