8月29日に長女・ポッポを出産したばかりの弟子を引き連れ、登山に行って来た。ポッポを産んでまだ2ヶ月あまりの弟子の体を気遣いつつも、山に登るからにはある程度登りごたえが無いと私としては満足出来ない...ってことで、今回登るコースとして白羽の矢が立ったのが、地元・富山県の入善町にある負釣山(おいつるしやま)。「入善町の最高峰」とはいえ、標高が1,000
m
に満たないこの山は体力に大いに不安のある弟子のリバビリにピッタリ。麓の舟見から登れば標高差も800
m
ほどあり、登りごたえがある。というわけで、天気に恵まれ、登山日和だった11月13日の日曜日に出掛けて来た。
愛娘のポッポは私の実家のほうに預け、富山I.C.から北陸道で黒部I.C.まで移動。チャイルドシート設置の関係で、私の愛車『Anonymous
2112』号ではなく、弟子の『こまわり君』を使い、私が運転した。途中、道に迷ったりしたが、9:30前に明日(あけび)温泉『バーデン明日』に到着。道路を挟んで向い側にある公園の駐車場にクルマを駐め、登山開始。
負釣山に登る多くのひとは、クルマで林道を登り、オコ谷峠登山口の駐車場まで乗り付け、そこから登山を始めるんだろうけど、「登山開始地点と頂上の標高差を必ず700
m とる」という私のコダワリ『700 m
ルール』を満たすため、明日温泉から舟川沿いの林道を歩く。久しぶりの登山になる弟子がいきなり登山道歩きを開始したらカラダがビックリするだろうから、山歩きの感覚を少しずつ呼び戻すためのリハビリにも林道歩きはピッタリだ(笑)。山神社を過ぎ、工事作業用の大型特殊自動車の洗車場(弟子曰く「サラブレッドのリハビリ温泉みたい」...笑)を過ぎると、林道がふた手に分かれる。右に行く道は負釣山西尾根ルートに通じる道で、案内標識にはペンキで「×」マークが打たれてたのでそちらは(少なくともクルマでは)通行不能のようだ。したがって、もう片方の展望コースに通じるオコ谷沿いの林道に入った。もっとも、西尾根コースに入る予定は最初から無かったんだけど...(苦笑)。
オコ谷沿いの林道はただいま工事中で、粘土質の地面がムキ出しなっており見るからに滑り易そう。しばらく登ると、数台のクルマが駐まってる。上のオコ谷峠の駐車場が満杯になったのか、ここにクルマを置いて負釣山に登ってるようだ。工事区間が終わると、道は「こんな山中にどうしてこんな立派な道が!?」と目を疑いたくなる舗装道路に変わり、しばらく行くとログハウス調の作業小屋(避難小屋かと思ったよ...苦笑)が左手に現れ、右手に簡易トイレ、その奥に駐車場と登山案内板があった。ここがオコ谷峠の登山口。多くのクルマが駐まってた。
トイレ休憩の後、10:44に登山口出発。しばらくオフロード車なら走れそうな砂利道を行くと、左手に階段状になった山道の入口が現れた。ここが負釣山への入口だ。地元の猟友会の「クマ出没注意」の看板もある(笑)。しばらくは階段状に整備された登山道が続くが、やがてそれも終わり、スギの植林帯のなかを往く。やがて尾根上に出ると周囲が開け、周囲の木々の葉が黄色く色付いてるのに気付く。足元は枯れ葉だらけ。もう紅葉シーズンも終わりだ。
この負釣山の展望コースは、オコ谷峠の登山口から頂上までを10等分にした「合目」標示がきちんと設置されていて歩く際の目安になって便利。三合目で休憩し、さらに上を目指す。この時間になると、すでに頂上を踏んで下山にかかるひとたちとすれ違うようになる。数名の登山者が休んでた△679.6
m
三角点を過ぎると、前方から大勢のひとが談笑する声が聞こえる。「五合目に到着か!」と思ってたら、オジサン・オバサン10名ほどが登山道の真ン中でコーヒー沸かして休憩中(苦笑)。しかもそこは五合目でもなんでもないところだった(苦笑)。五合目はこれといった特徴もないところで、休憩もせず通り過ぎる。四合目から五合目にかけては傾斜がゆるみ、小さな起伏を登り下りするだけの歩き易い道だったけど、六合目から七合目にかけては急な登り。途中すれ違った登山者が鳴らしてたラジオから『NHKのど自慢』のオープニング・テーマが流れてる。ゲッ、もうそんな時間か!
急登を登り切ってたどり着いたピークが七合目。ここでようやく雪を頂いた北アルプスの姿がみえた。急な登りだっただけに、雪化粧した朝日岳の姿をみて感動も沸き上がってくる。七合目は朝日岳の展望が抜群で、それを見越してかテーブルやベンチも設置されており、休憩スペースになっている。その七合目ベンチで休憩。もう正午を廻ってるから弟子も私も腹ペコ。ビスケットを開けたら、あっという間に1箱がカラになった(苦笑)。休憩の後、さらに頂上を目指す。ガイドブック(ヤマケイの『分県登山ガイド
富山県の山』)によると、七合目から頂上までは25分。頂上はもうすぐだ。八合目も九合目もすぐに現れ(どうやら、合目ごとの間隔は等しくなく、頂上付近では間隔が短くなってるようだ)、ガイドブックのコースタイムよりも短く、七合目から20分で負釣山頂上に到着した。到着時刻、12:52。弟子と2人で無事登頂を祝って「バンザ〜〜〜イ!」
負釣山頂上には展望板が設置されており、北アルプスの朝日岳や白馬岳、清水岳方面の展望が抜群。残念ながら、ガスに隠れて剱岳方面は望めなかったけど、麓の黒部川扇状地や日本海が見えた。
頂上からさらに負釣山南峰に続く踏み跡が続いてて興味があったけど、「秋の陽は釣瓶落とし」である。日没まで下山しようと思うと、遊んでる時間はない。
頂上ではインスタントラーメンの昼食を摂り、さらにコーヒータイムとしゃれこんで1時間ゆっくりと過ごす。頂上に居たオジサンが西尾根コースを下ってったので、そちらのコースにも興味があったけど、「秋の陽は釣瓶落とし」。「安全パイ」の策をとり、来た道をそのまま忠実に戻る。いきなり頂上から急な下り。登って来た時は「頂上が近い!」と興奮状態にあったせいか、こんな急坂とは気付かなかった(苦笑)。坂が急だからどうしても慎重にならざるを得ず、七合目まで19分を要した。登りのタイムと殆ど一緒(苦笑)。
そのまま忠実に往路を戻る。△679.6 m
三角点で休憩後、さらに下る。この時間だから今から登って来る登山者は居ない...と思ってたら、逢う筈がない登りの登山者(60歳くらいのオジサン)とすれ違ったのは四合目あたりだったろうか。もう3時近いのに、これから登って日没までに(オコ谷峠登山口駐車場までとしても)下山出来るんだろうか? 私はそこまで確認しなかったけど、弟子のチェックによると、登山靴やトレッキング・シューズではなく、フツウのサラリーマンが履くような革靴を履いてたそうな(苦笑)。
15:25にオコ谷峠の登山口駐車場に到着。駐車場にはクルマはもう1台もない。みんなもう登山を終えて帰ってしまった(あのオジサンのクルマは???...苦笑)。そのまま林道を下り、日没で辺りが暗くなってきた16:34にクルマを駐めてた公園駐車場に帰還。下山後は、明日温泉『バーデン明日』で入浴。
私は約2ヶ月ぶりの登山、弟子に至っては7ヶ月ぶり、しかも産後初の登山。いったいどうなることかと不安が全く無かったといえば嘘になるけど、無事に登って来れた。弟子の頑張りに感謝です。ま、もっとも弟子に言わせると、私は負釣山を「ハイキング感覚であるける山」などともっとラクな山と紹介してたらしく、ハイキング気分で出掛けたら意外なほど急な山道で本格的な山歩きにだったものだから、「だまされた!」感が強かったらしい(苦笑)。体調がまだ戻っていない弟子には負釣山展望コースはまだまだ荷が重かったようで...(苦笑)。
【行動記録】2005年11月13日(日) 日帰り
バーデン明日931─西尾根コ−ス分岐959―1034オコ谷峠登山口駐車場1044―1121三合目
三合目1131―△679.6 m
1143―五合目1150―1217七合目1232―1252負釣山頂上1352―
―七合目1411―五合目1433―1438△679.6 m
1448三合目1457―1525オコ谷峠登山口駐車場
オコ谷峠登山口駐車場1535―西尾根コ−ス分岐1608―1634バーデン明日
【1:25,000地形図】舟見