2005年の末から2006年初頭にかけての冬はここ数年にないくらい雪がばんばん降った。そのお蔭でいつもの3月なら雪を気にせず登れる山も今年ばかりは残雪を考慮しなければならない。最初は東濃にある笠置山に行くつもりだったけど、残雪の不安が払拭し切れなかったので、中止。「いくらなんでもこの山なら(支障となるような)残雪はないだろう」と思い、2006年初の登山の行き先として選んだのが、岐阜県の養老山。養老の滝の『孝行伝説』によって知名は全国区の山だ。
朝6時にキャラメルハウスを出発。愛車『Anonymous
2112』号に取り付けたチャイルド・シートの初使用となった(笑)。途中、愛娘・ポッポを弟子の実家に預け、砺波I.C.から高速に乗り、米原J.C.T.から15年の運転歴にして初めて名神高速に入る(苦笑)。いつもガラガラ(苦笑)な北陸道の運転に慣れてしまうとクルマだらけの名神の運転にはもの凄く気を遣ってしまった。はっきり言うと、キンチョーした(笑)。
大垣I.C.で名神高速を降り、キンチョーから解放され(苦笑)国道258号線経由で養老公園を目指す。養老公園の有料駐車場には午前9時過ぎに到着。養老の滝の『孝行伝説』で全国的に名の知れた観光地だというのに、人影は殆ど無い。駐車場の管理人のおじさんも見るからにヒマそう(苦笑)。「全国に名の知れた観光地の養老の滝の人出やにぎわいとは、この程度か」などとと思いながら、土産物屋が並ぶ舗装路を往く。リフト乗り場を過ぎ、川を渡ってさらに整備されたハイキングコースを往くと、養老の滝に到着。ここで記念撮影。
養老の滝からは沢沿いから外れ、養老の滝駐車場のほうへ向かう。ここまでクルマで来ることも出来るけど、ここから登り始めた場合登山としてはいかにももの足りないし、普通車1回\1,000の料金は高過ぎる(笑)。もっとも、弟子はここまでクルマで登って欲しかったようだけど(苦笑)。
ここまでは一般の観光客の領域だが、地味な林道に入ると一気に『ヤマ屋』さんと工事関係者のエリア。旧牧場(笙ヶ岳方面)へつながる林道から離れ、養老山への登山道に入り、いったん沢まで下る。砂防ダム建設工事中の影響か、沢を渡る橋すら無い。飛び石で対岸に渡るとジグザグ電光型の登りが始まる。急な斜面に付けられた道とはいえ、整備されたハイキング・コースだから、後日(2006年5月30日)にこのコースから滑落した高齢女性ハイカーが頭をうって死亡したと聞いて「どこをどうやったらこのコースで死亡するんだ?」と随分と不思議に感じたものだが、コースは緩く付けられてても斜面じたいは急傾斜なので、コースを一歩踏み外すと奈落の底まで転がり落ちてくってことなんだろう。登りの途中で弟子から「まだ休憩しないの?」と訊かれた。そういえば、養老公園の有料駐車場から歩き始めて1時間以上経っている。この登りが終わって尾根上に乗ってから休憩しようと思ってたけど、弟子の要望に応え、登山道脇で休憩。持って来たゼリーをパクつく。休憩の後わずかな登りで尾根上に乗り、そして休憩用のベンチまでが用意されているのをみて、「もうちょっと頑張ればこんなイイところがあったんだ。ヘンなところで休憩とらせてゴメン」などと弟子が恐縮(苦笑)。植林帯のなかの登山道を行くと、ひょっこり三方山頂上への分岐に出た。分岐からはほんの数分の歩きで、三方山の頂上に到着。
三方山の頂上からは、木曽三川の河口地帯「輪中」がまるで箱庭のようにみえた。小学校の社会科の教材にもってこい(笑)。遥か彼方に真っ白な山がみえる。山の形から判断し「あれは乗鞍、あれは御嶽」などと弟子に説明。弟子は師匠の言うことを何の疑いもなくフンフンと聞いてたが、その後頂上にやって来た登山者御一行により、師匠の言うことがデタラメだらけということが判明(苦笑)。左側に大きく見える雪山は白山で、乗鞍は遥か彼方にちょこんと姿をみせているだけだった。学生時代に松本平からみえる乗鞍ばかりみてた悪影響が出ましたね(苦笑)。ということで、師匠のメンツ丸潰れ(苦笑)。
三方山から分岐に戻り、さらに先を進むと、いつしか植林帯を抜け文字どおり笹原の笹原峠に出た。ここからは元牧場に通じるコースが分岐してるが、養老山のほうへ進む。笹原峠からも先は見通しのよい登山道が続く。時折斜面に雪が残ってるところがあったけど、問題となるような量ではない。11:51に、360°の展望が得られ、あずま屋などの休憩施設が揃ってる小倉山頂上に到着。小倉山頂上から先を急ぐあまりそのまま直進したら、小倉山頂上の遊歩道に入ってしまった。養老山へのコースが見当たらないので頂上の遊歩道を一周してから(苦笑)頂上にある看板のほうに戻ったら、南側の斜面に登山道が付いていた。急斜面を一旦鞍部まで下る。鞍部には雪があったが、これも問題なく通過。一旦、車道(上石津からのコース)にひょっこり出て、養老山頂上への最後の登りに入る。ここから先はコースは状況が悪く(苦笑)、残雪や雪の重みで倒れた枝が行く手を阻む。残雪のためどこがコースなのか分かりにくいところもあった。登山道のすぐ西側に車道(林道)が通ってるため、倒れた枝などが無く見た感じ歩き易そうな車道のほうを歩きかけるが、この車道はどんどん稜線から離れてくようで「このままじゃ、養老山の頂上には行けない」と判断、登山コースから外れた箇所に戻る。ここで久しぶりに登山者(30歳ぐらいの男性)とすれ違ったけど、車道から歩いて来た弟子と私を見て、「いったいどこから歩いて来たんだろう?」と、不思議そうな顔をしていた(苦笑)。本来のコースに戻り、歩きづらくても我慢して雪面に先行者の足跡を頼りに行くと、樹林帯のなかの登山道に養老山の頂上への分岐を示す標識が現れた。うっかりすると見落としてしまいそうなほどの標識で、10
m
くらい後ろを歩いてた弟子はそのまま真っすぐ津屋避難小屋まで行ってしまいそうになったぐらいだ(苦笑)。頂上分岐からはわずかな登りで養老山頂上に到着。養老山頂上は一等三角点が設置されているというのに展望が殆ど無い薮のなか。ここで昼食を摂る気にはなれなかったので、小倉山のあずま屋まで戻った。あずま屋でインスタントラーメンを作って食べたりして1時間くらいのんびり。琵琶湖の向こうの比良山系の山々がよく見えたのが印象的。登山教室の中高年登山者たちの声がうるさいのは興醒めだったケド...(苦笑)。
小倉山からは来た道を忠実に戻り、1時間ほどで旧牧場への林道分岐まで下山したんだけど、登山前にはあれだけ人影まばらだった養老の滝界隈が、山から下りてみたら多くの観光客で混雑してんのにはホントにビックリ!した。なかにはいかにもデート中といった感じのカップルも居て、登山者の格好をしてる弟子と私は肩身が狭い...(苦笑)。流石は全国に名を知られた観光地だけなことはある!...とミョーに感心してしまった(苦笑)。朝の閑散さだけをみて「全国に名の知れた観光地の養老の滝の人出やにぎわいとは、この程度か」と思ったのは、大きな間違いでした(苦笑)。
帰りは、養老の温泉施設『ゆせんの里』で汗を流そう...と思ったんだけど、山の汗だけを流しに入るには勿体無いような豪華なところだったので、そのまま大垣I.C.から高速に乗って帰り、砺波I.C.そばに最近出来た温泉施設『湯来楽』(ゆらら)で山の汗を流した。食事も『湯来楽』で済ませ、弟子の実家に寄って愛娘・ポッポを回収してから、午後9時過ぎにキャラメルハウスに帰着。
【行動記録】2006年3月25日(土) 日帰り
養老公園駐車場926─養老の滝945―養老山登山口955―1033//1043―1114三方山頂上
三方山頂上1126―笹原峠1139―1151小倉山1156―上石津コース分岐1216―1219養老山頂上
養老山頂上1229―上石津コース分岐1239―1249小倉山1349―笹原峠1358―
―三方山分岐1404―養老山登山口1451―養老の滝1459―1515養老公園駐車場
【1:25,000地形図】養老