批判文って、おもしろい

 今、別項でLOVE PSYCHEDELICO(以下、デリコ)の特集やってますけど、デリコといえば、最近おもしろかったのが音楽雑誌『MUSIC MAGAZINE』3月号のクロスレヴューでのデリコの最新作『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』の中山義雄さんの評点。10点満点で『2』点。ぎゃっはっは〜♪
 さらに同じクロスレヴューで中山義雄さんがケミカル・ブラザーズの『カム・ウィズ・アス』に付けた評点も、10点満点で『2』点。ぎゃはははは〜♪
 今、日本で一番売れてるアーティストのひとつであるデリコや、ロック雑誌が表紙に取り上げたりして持ち上げてるメジャーなアーティストのケミカル・ブラザーズにこれだけ低い点を付ける...なんとも痛快!な出来事でした。
 ちなみに、私は
別項みていただければ解るとおりデリコのファンブックに協力するくらいのファンだし、ケミカル・ブラザーズも大ファンじゃ無いけど、彼らの音楽は好きです。そのように自分の好きなものを貶されてるのを読んで痛快に思ってる私を、もしかしたら奇異に感じるひとも居るかもしれません。ま、私は中山義雄っていう評論家のスタンスを前から知ってるので、彼がデリコやケミカル・ブラザーズを誉めるワケがないってことが最初から解ってたから、やっぱりね。思ったとおりだ...って感じて笑っちゃったんだけど、そーゆー事情を抜きにしても、私は自分の好きなアーティストに対する辛辣なレヴューを読むのが大好きだったりします、実は(笑)。この『MUSIC MAGAZINE』のクロス・レビューでは過去にも、私の大好きなライドの『ゴーイング・ブランク・アゲイン』を「下品な音!」と酷評し『1』やら『2』やら付けてたし、Bonnie Pinkの『Let go』にも辛辣なレヴューが書かれてた。それを読んで笑った笑った(ちなみに評者はそれぞれ別のひと)。おかげで、『MUSIC MAGAZINE』のクロス・レビューを読むのを毎月楽しみにしとります。
 で、音楽に限らず、自分の好みのモノを(単なる悪口ではなく)貶されるを聞きたり/読んだりするのは好きだったりします。「モノ」に限らず、人物の好みに至るまで。自分の好きな女のコのことを友達が「何であんな女いいんだよ!」って貶すのを聞くのも好きでした(笑)。っつうのは、私が「××が好き」な理由と、誰かが「××が嫌い」な理由が同じだったりする場合がけっこう多かったりするから。「好きな理由」と「嫌いな理由」は表裏一体っつうことが多いッスよ。
 例えば、「甘いからチョコレートが好き」っつうひとも居れば「甘いからチョコレートが嫌い」っつうひとも居る。「大砲を揃えて迫力ある打線だからジャイアンツが好き」っつうひとも居れば、「シャイアンツは大砲だらけの大味な打線だから嫌い」っつうひとも居る。「立山は...室堂から標高差700mで手軽に登れるから好き/観光客だらけで嫌い」とか「京極夏彦は...あのヴォリュームがたまらない/あの本の厚み見ただけでイヤ」とか「NHKの手嶋ワシントン支局長は...あのモッタリした喋りがオモシロい/あの喋りが気味悪くて嫌い」とか「TOOLのメイナードは...仮装がオモシロいから好き/仮装が怖いから嫌い」とか(笑)、好かれる理由と嫌われる理由は一緒だったりすることが多かったりします。だから、場合によっては自分があるものを好きな理由を他人が行なう批判によって再確認することが出来たりするし、場合によっては「それまで不明だった自分があるものを好きな理由」を他人の辛辣なレヴューによって初めて知ることもあったりするので、他人が自分の好きなモノに対して行なう批判っつうのは、とても参考になります(笑)。批判ってのは、自分の好きなモノを愛する理由を補強するためにとても大事な材料になるんですよ。
 話をさらに進めましょう。このサイトの内容も今まで頻繁に(笑)批判にさらされてきましたけど、ああいう批判もとっても参考になりました(今までの主なトラブル史については
こちらに掲載の「このホームページ『SPILL THE BEANS!』の歴史」を参照下さい)。で、これらの批判にさらされたことにより「こういうことを書いたらこのような反応が返ってくるだろうから書くのをやめよう」というふうにかなり気を遣って(笑)文章書いてます。ちゃんと学習してるんですよ(笑)。とても参考になってます。
 最近、昔ほど批判が来ないのは...自主規制が効き過ぎたせいかなぁ...?(笑)

('02.3.9)

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