ヒロくんのLIVE REPORT '97 PART 8 CLOUDBERRY JAM

 スウェディッシュ・ギター・ポップ・バンドをここ日本における人気の面で番付すると東の横綱は勿論、カーディガンズ。西の横綱に相当する人気を誇ってるのがクラウドベリー・ジャムである。もっとも、この2つのバンドの人気の差は、今の貴乃花と曙の実力の差と同じくらいあるが...。そんな人気者のクラウドベリー・ジャムの8ヶ月振り3度目の来日ツアーの最終公演地に選ばれたのが、信州の松本。何で松本が公演地に選ばれたのかは、7年間松本市民だった私ですら想像つかんが、来日経験3度目ともなると、クラウドベリー・ジャムの皆さん、「都会もいいけど、ヨーロッパの街みたいな落ち着いた雰囲気の街でも演りたい」とでも要求したのだろう。日本でヨーロッパ的な場所は北海道と信州くらいなもんである。そーゆーワケで松本公演が決定しちゃった...というのが私の推測だが、これは的外れだろうか? ということで4月15日大安吉日、松本に行ってきました。
 4時半に松本入りした私、ライヴまで時間があるので松本パルコで時間を潰しているとこんなチラシが目に止まった。『4月15日6時から松本パルコでクラウドベリー・ジャムのミニ・ライヴ開催決定!!!』 せっかくだからこのミニ・ライヴも観ることにした。
 ミニ・ライヴの会場はパルコ1階の狭苦しいスペース。観客の半分は学校帰りの女子高生で、写真撮影OKのため5人に1人はカメラ...じゃなくてレンズ付フィルムを構えてた。
 時間になり、クラウドベリー・ジャムのメンバー登場。メンバーたちは時間まで松本パルコ内でショッピングを楽しんでいたそうで、店内のあちこちで彼らを目撃できたらしいが...。こうして始まったミニ・ライヴは紅一点のヴォーカルのジェニー・メディン、ギターのヨルゲン・ワーンストロムとヘンリク・サンドゥクヴィストの3人の演奏によるアコースティック・ライヴで、間にメンバーへの質疑応答を挟みながら3曲演った。ジェニーは最近のプロモ写真に見られるように、金髪のショート・ヘアになっていて、エンヂ色の縁のメガネをかけていた。演奏した曲のうち2曲は新曲で、タイトルは“I Think You Should Know”と“One Minute Full Of Foolishness”というふうに紹介されていた。ファンとの質疑応答には残りのメンバー2人も加わり行われ、ファンからは「今回日本に来て、桜の花を見ましたか?」といったような他愛もない質問が出てた。ちなみにこの質問に対し、ジェニーが「今回のツアーで廻った東京、名古屋、大阪、そして福岡ではすでに花が散っていて見られなかったんだけど、今日松本に来て初めて桜の花を見ました。松本城の桜はとても綺麗でした」と答えたものだから、松本のファンは大いに沸き、私の前にいたルーズ・ソックス姿の女子高生たち曰く「今日学校サボって、松本城張ってりゃよかったよ!」

【SET LIST】...'97.4.15 松本パルコ1F
1. Going Further
2. I Think You Should Know (新曲)
3. One Minute Full Of Foolishness (新曲)

 さて、本番のライヴは松本イチの高級ホテル『ホテル・ブエナビスタ』の敷地内にあるミュートスという名のクラブで行われた。私がブエナビスタの敷地に入るのはこれが2回目で、前に来た時はブエナビスタで行われた『長野県県内企業合同就職ガイダンス』に出席するためだった。今、私が富山に居るってことは...この時の成果、推して知るべし! 
 会場の入りはほぼ満員。年に1度あるかないかの外タレのコンサートだけに松本の皆さん、盛り上がらなければ嘘だろう。客の男女比は半々か4:6といったところか。
 7時40分頃、メンバー5人が登場。オープニング曲は“Direction Still Unknown”。次に“Another Moment Follows”を演ると、ジェニーが新作の話題をフり、迷彩柄のTシャツを着たベースのペール・ヴァルシンガーが観客に何かの紙切れを投げ込んだりして客を沸かせてから、先のミニ・ライヴでも披露された新曲“I Think You Should Know”をエレクトリックで演奏した。先の2曲ではギターを弾いてたヘンリクはここからキーボードに専念。ライヴを観てて気付いたのは彼らが相当にカーディガンズを意識してること。ドラムのペール・バイストロムの髪形とヒゲの生え具合はカーディガンズのドラムのベングドとソックリ。顔の形が違うためすぐには気付かなかったが、今のジェニーのブロンドのショート・ヘアはカーディガンズのニーナと同じヘア・スタイルだ!!! 今、スウェーデンではあの髪形が流行してるのだろうか? まるで殻を剥きたてのゆで卵みたいにツルツルした肌の顔のジェニーはこのライヴでもエンヂ色のフチのメガネをしていて、白のTシャツに水色のジャケット姿。そんなジェニーは10代の頃、パンク・シンガーをやってて、モヒカン頭だったらしい。そんな過去のためかクラウドベリー・ジャムの曲には『jazzyでオトナの雰囲気』だけど曲のテンポが早いため『体がタテに動』いてしまう曲が少なからずある。従って、ライヴは大ノリ状態で、あまりの熱気でキーボードのヘンリクのメガネのレンズが曇ったほどだ。アンコールは2度行われ、最後に観客からの「“Elevator”please~!」の声に応える形で“Elevator”を演って、90分の至福の時は終わった。
 デビュー作から6曲、2nd『雰囲気づくり』から7曲、そして新曲?が6曲...とクラウドベリー・ジャムの過去・現在・未来を平等に扱ったという見方もできる選曲のライヴで、ミスの連発だった去年の夏の来日ツアーに比べると演奏も格段に上達していた。披露された新曲の出来からすると、この夏にレコーディングに入り、年内にも発表予定という3rdアルバムが今から楽しみだ。このライヴ・リポートを見た皆さんはクラウドベリー・ジャムの新曲のタイトルを逸早く知った幸せ者だ!!! “I Think You Should Know”と“One Minute Full Of Foolishness”...ただし、私のヒアリングが正しければの話だが...。

【SET LIST】...'97.4.15 ミュートス(松本・ホテルブエナビスタ敷地内)
1. Direction Still Unknown
2. Another Moment Follows
3. I Think You Should Know (新曲)
4. Going Further
5. One Minute Full Of Foolishness (新曲)
6. Nothing To Declare
7. Yeah!
8. ? (カヴァー曲?)
9. Twice As Cool
10. Roll The Dice
11. Monday's Back In Town
12. Someday Soon
13. Cliches
14. ? (新曲)

(encore 1)
1. ? (新曲?)
2. ? (新曲?)
3. This & That

(encore 2)
1. Connected
2. Elevator

CLOUDBELLY JAM live @ Shibuya Club Quattro '96.7.31

INDEX