ヒロくんのLIVE REPORT '99 PART 16 THE OFFSPRING

 “Pretty Fly”の大ヒットで、従来からの支持層であるパンク・キッズ以外からも大きな支持を得たオフスプリングの3度目のジャパン・ツアーを、9月25日、東京ベイNKホールで観て来た。チケット発売と同時に即SOLD OUTとなった今回のライヴ、元気な観客たちがダイヴ合戦するさまが容易に想像出来たため、根性の無い私は、1階の立見席ではなく、最初からダイヴとは無縁の『安全な』2階指定席のチケットを取ってた(笑)。
 開演予定時間の6時半ごろ、オフスプリングのデクスター・ホーランドが主宰する『ナイトロ・レーベル』所属で、「一発屋」という意味のバンド名の4人組・ワン・ヒット・ワンダーが登場。オフスプリングと同じようなパンク・ロック・バンドの彼ら、ヴォーカリストの声がイマイチ魅力乏しく、そのため幾分単調な感じ。9曲目のところで客席から投げ込まれた靴を拾い上げ、自分の足のサイズと比べてみたヴォーカリスト、客席から女のコをひとりステージに上げ、一緒に踊ったりするなど、それなりの見せ場も作っていた。「後輩たちの手助けをしたい」とのデクスターの意思の反映か、ワン・ヒット・ワンダーは全11曲、約30分も演奏した。この後、セット・チェンジのため、約30分間の休憩があった。
 7時半過ぎ、場内の灯りが消え、ドラムの音が響き始める。ステージでスポット・ライトを浴びながらロン・ウェルティが叩くドラム・リフはニュー・アルバム『アメリカーナ』のタイトル曲のイントロだ。ステージ後方のスクリーンには『アメリカーナ』のジャケットと同じ絵柄が映し出されている。残り3人のメンバーもステージ上に登場し、演奏に加わった。2曲目の“All I Want”までヴォーカルに専念してたデクスター、3曲目の“Walla Walla”からはギターも演奏。この“Walla Walla”では、囚人服を着た男が登場し、曲中にあるセリフの部分を喋り、これが終わると警官の服装をした男と『格闘』の末(笑)ステージから逃げて行った。勿論、『警官』も彼を追っかけるようにしてステージを去った(笑)。“Gone Away”の後演奏されたのはニュー・アルバム『アメリカーナ』のアタマを飾る“Have You Ever”。この曲では歌詞の♪Falling~ I'm falling~ に合わせ、スクリーンにはまっ逆さまに落ちる案山子の絵(アルバム『アメリカーナ』の歌詞カードの“Have You Ever”のところに載っているのと同じ絵)が映し出されていた。会場のキッズも手を振り上げながら♪Falling~ I'm falling~ と合唱し、間奏のグレッグ・Kのベース・ソロに合わせて手拍子してた。“Have You Ever”が終わると、ギターのヌードルスとデクスターの間で掛け合いがあり、ここでデクスターが曲紹介。「'94年の曲だ! “Smash”!」 '94年の大ヒット・アルバムのタイトル曲“Smash”の演奏が終わると、オフスプリングの4人以外にもパーカッション担当のバック・メンバーが登場して“I Choose”をプレイ。一度ステージ上が暗転した後、場内に耳馴染みのベース・リフが響き渡る。“Bad Habit”のイントロだ。“Bad Habit”で場内大いに盛り上がった後、ステージには5体の風船人形が用意されていた。場内には音楽と芝居がかったアナウンスが流れ、この5体の人形のことを「Backstreet Boys ~!」と紹介! そこへバットを手にしたデクスターが登場。この『バックストリート・ボーイズの5人』を次々とバットでブン殴る。哀れ『バックストリート・ボーイズの5人』はデクスターに一撃のもとに倒され、場内にはヤンヤの喝采の拍手が渦巻いた。ステージのスクリーンには、中指を立てた『fxxk you』のサインの絵が映し出された。ここで披露されたのが「憎むことがカッコイイ」とする15〜6歳のキッズの心境を歌った“Cool To Hate”。『バックストリート・ボーイズ公開処刑』も、この曲の歌詞に合わせての演出だ(←たぶん)。この後、場内に“Gotta Get Away”のイントロのドラム・リフが鳴り響く。彼らの曲はイントロだけでどの曲かすぐに判り「オオッ〜!」となる曲が多い。次も、デフ・レパードの曲をサンプリングしたイントロですぐそれと判る大ヒット曲“Pretty Fly (For A White Guy)”。観客はみんな大喜びで♪アハ〜 アハ〜 と歌ってました。この曲では♪Give it me baby ~ の部分を歌う女性(←たぶん)ミュージシャンが現われ、サンプラーなどのキーボード類を操っていた。“Pretty Fly”で大いに盛り上がった後、“インターミッション”があり、シャボン玉が多数乱れ舞うステージ上にソファーが用意され、そこでくつろいでみせるメンバーたち。そこへ、まるで『ドリフのコントの相撲取り』のような肉襦袢を着たオッサン出現!!!ただ『ドリフのコントの相撲取り』と違うのは、マワシを着けていないこと...股間には長さ30 cm はあるモノがブ〜ラブラ。勿論、ホンモノじゃなく、造りモノだケド(笑)。
 “The Kids Aren't Alright”が演奏された後、ヌードルス(←たぶん)が業務用大型消火器を持ち出し、ず〜っと熱狂的盛り上がりをみせ、すっかり汗ダクの1階立見席の観客へ『散水』。さらにデクスターが消防署が消火作業に使うようなホースを持ち出し、1階立見席は勿論のこと、2階のスタンド席の観客にも『散水』。私の居た2階スタンド席にはこの『散水』は届かなかったが、暑さで死にそうになってた観客はこの水のプレゼントを大歓迎! 最後に“Come Out And Play (Keep'm Separated)”をプレイすると、デクスターが「thank you! アリガト!」と言い、オフスプリングの4人は一度ステージを去った。
 観客がアンコール要求の手拍子をすると、アルバム『アメリカーナ』のジャケットの男のコが『白骨化』した絵がスクリーンに映し出され、ロンがドラムを叩き始める。短い曲が多いオフスプリングが10分以上ある曲に挑戦したことで話題の“Pay The Man”だがわざわざコレを演らずとも...と思った私。この後、メチャ陽気な“Why Don't You Get A Job?”(邦題は“ゲッタ・ジョブ?”)と、コカ・コーラを飲んだM.C.ハマーを思い出す(←古い?)カヴァー曲の“Feelings”を演奏すると、デクスターたちはステージを去った。
 いろんな趣向でウケを狙いつつも、観客の演奏への集中を削ぐことなくテンポ良く進んだライヴに、会場を埋めたファンは皆、大満足。私は選曲に若干不満あるケド(笑)。

【SET LIST】...'99.9.25 東京ベイNKホール
1. Americana
2. All I Want
3. Walla Walla
4. Gone Away
5. Have You Ever
6. Smash
7. I Choose
8. Bad Habit
9. Cool To Hate
10. Gotta Get Away
11. Pretty Fly (For A White Guy)
~Intermission~
12. Staring At The Sun
13. Self Esteem
14. The Kids Aren't Alright
15. What Happened To You?
16. Come Out And Play (Keep'm Separated)

(encore)
1. Pay The Man
2. Why Don't You Get A Job?
3. Feelings

THE OFFSPRING live @ Matsumoto Shi Shakai Bunka Kaikan '97.12.13

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