ヒロくんのLIVE REPORT '99 PART 18 CIBO MATTO

 10月16日土曜日に赤坂BLITZでのチボ・マットのライヴを観て来たんで、その話をします
 開演予定時間(6時)の10分前に会場入りしたら、BLITZの1階フロアはギッシリ客が入っていた。開演時間ほぼピッタリに、前座のキティ・クラフトが登場。「女性にしては珍しい宅録アーティスト」という捉え方をされているキティ・クラフト、個人的には興味あるアーティストだが、観客の反応は可愛想なくらい冷たかった...。彼女たちが出演するとは(少なくとも私は)事前に知らされていなかったので、仕方無いと言えば、仕方無いが...。演奏は『キティ・クラフトそのもの』といえるパメラ・ヴァルガーに加え、もう一人女性ミュージシャンが参加。『演奏』とはいえ、実際はサンプラーだかテープだかを使い、それをバックにただ歌うだけ。たまにマラカスやタンバリンといった生楽器も使ってたけど、カラオケ演ってるのとなんら変わりが無い。ただ、パメラの清涼感がある歌じたいは良かったと思うけど...。キティ・クラフトは10曲ほど、約35分演奏していった。
 この後15分間ほどセット・チェンジの時間があって、チボ・マットの5人がステージに現われたのは6時50分頃。ステージに出て来たミホさんを見て、あまりにチッチャいのにビックリ! 前に
バターO8の来日公演でミホさんを見た時、そんなに小さくは感じなかったのだけど...。バターO8の時はクアトロで、今回はBLITZ...会場の広さの違いによる錯覚だろうか? ミホさんを見て、『ムーミン』のキャラクターのちょっと生意気な女のコ(←キャラクターの名前、忘れた...)みたいだと思った(笑)。とは言っても、別にミホさんが、あーゆーサボテンみたいな頭してたわけではなく、チョコマカ動き廻るさまが『ムーミン』に出てくるキャラクターを思い起こさせたのだ(笑)。ミホさんはアメリカでは絶対「子供」扱いされている違いない(笑)! 一方でユカさんのほうはこちらのイメージどおり。ライヴのオープニングは“Sunday Part I”。この曲ではアルバムのアレンジを多少崩して演奏されたので、「他の曲も相当アレンジをいじってプレイされるんじゃあないか」と、身構えていたら、続けてプレイされた“Sunday Part II”以降はアルバムのイメージを崩さない演奏。“Sunday Part II”では曲中、ミホさん、ユカさん、そしてベースのショーン・レノン君が3人揃ってくるりと一回転して見せる『フォーメーション・プレイ』もあった。3曲目に早くも“Spoon” が披露され(ここで“Spoon”とは勿体無い!!!)、曲中の「stop!」のところで一旦演奏が止まると「ウォォォ〜!」と観客から歓声が上がった。
 “Flowers”の後、ユカさんが「今日は来てくれてどうもありがとう」とキッズに御礼を言うと、ミホさんが「みんな、元気?」とMC。観客が「元気だよ〜!」と返すと、ミホさん「それは良かった。次の曲は“Moonchild”」と曲紹介。“Moonchild”ではアルバムで聴かれるとおり、ミホさんはクリアなハイ・トーン・ヴォイスを難無く披露。これを聴いて「さすが!」と思った。もっと出し惜しみせずここらへんの音域を使って欲しいよ、ミホさんには。“Speechless”をプレイした後のミホさんのMC「最近ニュー・シングル出たばっかりなんですけど...“Working For Vacation”っていう...日本人にピッタリのタイトルの曲です」。“Working For Vacation”の後は“King Of Silence”。ここまでニュー・アルバム『ステレオ☆タイプA』の曲ばかりで、デビュー作『VIVA! LA WOMAN』からは1曲もプレイしていなかった。ユカさんも演奏してるのはフツウのキーボードで、サンプラーは殆ど使ってなかった。今や5人組のチボ・マットだから、3人のメンバーが加入する前の曲は演りにくいのか、それとも、『ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイク印』がべったり!の音造りの『VIVA! LA WOMAN』を敢えて敬遠しているのか...と考えていたら、ようやく出ましたよ! “Beef Jerky”が! この曲がプレイされると少なからずの客が歓声を上げた。やっぱりみんな『VIVA! LA WOMAN』の曲が聴きたかったんだ! この後、ドラムのティモ・エリスが凄まじい連打を見せた“Blue Train”で、まるでパンクのコンサート並に大いに盛り上がると、ミホさん「みんな元気? ようやくエンジンかかってきた...っていう感じ?」とキッズに問う。「yeah!」というキッズの返事を受けてミホさん、「みんなカラオケやる?」と提案。観客みんなで“Know Your Chicken”のサビを歌う練習をやった。『VIVA! LA WOMAN』収録ヴァージョンとキー設定からして違う全くの別アレンジでプレイされた“Know Your Chicken”のサビのところを観客と一緒に歌って盛り上がったところで、チボ・マットの5人はステージを去った。
 ファンのアンコール要求に応えてステージに戻ってくるなりミホさん「今日は来てくれてどうもありがとう。こんなに入ってくれて嬉しいです」と場内を埋めるファンに御礼を言うと、「東京はカッコイイ街だよ! 自慢に思っていいよ!!! 誇りに思ってよ!!! Tokyo is cool city !!!」とMC。このミホさんの『東京賛美』に観客が沸いたところで、“Sugar Water”をプレイ。この後、ミホさんが観客に向かってこう切り出した。「みんなにお願いがあるんですけど...」。ミホさんのお願いとは、次の曲で『スライディング』という'70年代に流行ったダンスをして欲しい...というもの。ダンスといっても、右に左に...ただ横へ動くだけの簡単なものだけど(笑)。この『スライディング』の練習をみんなでやる前にメンバー紹介があり、ミホさんはユカさんのことを「My Goddess !」と紹介。これに対抗してユカさんはミホさんのことを「アマテラスの女神」と紹介。照れまくるミホさんの後ろで、ショーン君はベースでディープ・パープルの“Smoke On The Water”のイントロを弾き、ミホさんを囃したてていた(笑)。この後会場に居るみんなで『スライディング』の練習をし、“Sci-Fi Wasabi”のサビのところで練習したとおり、『スライディング』をした。“Sci-Fi Wasabi”の途中、パーカッションのデュマ・ラヴがステージの前の方に出て来て、即席ラップを披露し、そのまま“Birthday Cake”になだれ込む。待ちに待ってた“Birthday Cake”で大いに盛り上がったところで、5人はステージを去った。
 ちなみに今回のライヴ、ベースのショーン・レノン君は殆ど一言も喋らなかった。「今回のショウの主役はミホとユカだ」という気遣いからだろうか?

【SET LIST】...'99.10.16 赤坂BLITZ
1. Sunday Part I
2. Sunday Part II
3. Spoon
4. Flowers
5. Moonchild
6. Speechless
7. Working For Vacation
8. King Of Silence
9. Beef Jerky
10. Blue Train
11. Know Your Chicken

(encore)
1. Sugar Water
2. Sci-Fi Wasabi
3. Birthday Cake

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