カタトニアの初めての単独来日公演を11月7日、渋谷クラブ・クアトロで観て来た。
今回、久しぶりにクアトロのフロアの最前列で観た。最前列まで行けたのは、チケット整理番号が155番で良かったのと、客の集まりが今一つ悪かったことため(笑)。開演時間を15分ほど押した頃、場内にスタンダード・ナンバーの“Just
A
Gigolo”(←元ヴァン・ヘイレンのデイヴ・リー・ロスがカヴァーしてたことでも有名)が流れ、ステージにカタトニアの5人が登場! 出てくるなり、ヴォーカルのケリスはこの“Just
A
Gigolo”に合わせてちょっと踊ってみせた。手のひらが半分隠れるくらい袖の長い白(←こんな色だから豊満な胸をおおうブラジャーが透けて見えていた...)のツー・ピースに銀色の太いベルトをしてたケリス、手には、もはや彼女のトレード・マークの(笑)ワイン・ボトルがあった。オーブニング曲は新作のアタマを飾る“Dead
From The Waist
Down”で、シットリと聴かせる曲でスタート。観客の間からは一部、ケリスの歌に合わせて合唱する者も居た。と、いうのは、今回のライヴ、フツウのロック・コンサートよりも外国人の姿が目立った。約3割は外国のかただったんじゃないかな。それも、どうやらウェールズのかたのようで、あちらこちらで.『緑と白と“怪獣”』のウェールズの旗がなびいていた。私のすぐ後ろにもウェールズのかたが居たようで、私の頭上でも時折、ウェールズの旗がパタパタはためいていた。で、主にケリスの歌に合わせて歌っているのは、ウェールズのみなさん。同じウェールズ出身のマニック・ストリート・プリーチャーズとステレオフォニックスのライヴも観ているけど、ここまでウェールズのみなさんの姿が目立ちはしなかった。この後も、静かな“Game
On”、さらにはのどかな感じさえする“Londinium”と曲が続いた。
“Londinium”が終わると、さっそく足元に置いたワインのボトルを手にしたケリス。どうもこのワイン、会場のウェールズのみなさんからの差し入れだったのか、これについて御礼を言った後、ワインをグビグビ...。この後にプレイされたのも、おとなしい感じの“Goldfish
And
Paracetamol”。この後、早くもメンバー紹介があった。カタトニアのメンバーというと、ケリス以外のメンバー情報が乏しく、いまだに顔と名前が一致しなくて困るが(笑)、2人居るギタリストのうちどちらがマーク・ロバーツで、どっちがオーウェン・パウエルなのか未だに判らない。キーボードも担当してたほうがマークだと思うけどいまだに確証がもてない(笑)。便宜上、向かって左側のギタリスト(キーボードも担当)、向かって右側のギタリスト(リード・ギター担当)と書くことにする(笑)。『フジ・ロック』でも披露された“Don't
Need The
Sunshine”は、向かって右側のギタリストの弾くアコースティック・ギター1本のみをバックに演奏。ベースのポール・ジョーンズと、向かって左側のギタリストはステージ袖に引っ込んでた。曲が終わると、ファンからプレゼントが差し出され、カスタネットを受け取ったケリス、「カマクラ」がどうしたこうした...とか喋っていた。この後、ファンからネックレスのプレゼントもあった。この後、メンバー5人で“Valerian”をプレイ。曲が終わるとケリスはまたワインをグビグビ...。“Shoot
The
Messenger”(邦題は“メッセンジャーを撃て!”)を演奏すると、向かって右側のギタリストがノリきれないでいる観客に「静かだな...」と言った(もしくは「静かにしろよ!」と黙らせたのかもしれない)ところで、ケリスがリコーダー(たて笛)を手にする。“She's
A
Millionaire”だ。この曲の間奏でリコーダーを吹くとケリス、『フジ・ロック』の時と同じくリコーダーを客席に投げ入れた。“She's
A
Millionaire”が終わった後、ケリスはまたまたワインをグビグビ...。次の“Karaoke
Queen”はベースがカッコイイ曲。なのに、何故かベースのポールはキーボード担当。だけど会場にはベースの音がしっかり流れている。が、ステージにベースを弾いているにとが居ない!!! どうもテープ類でベースの音出していたみたいだけど、どうしてこんなマネするの? ポールがベース弾きゃいいじゃない? この曲で観客はこの日一番盛り上がったかんだけど、私は「いったい誰がベース弾いてるの?」と気になって、イマイチ、ノリ損ねた。“Karaoke
Queen”が終わると、ケリスはまたもやワインをグビグビ...。続く“Road
Rage”でウェールズの皆さんから合唱が起こって盛り上がったところで、ケリス、今度はミネラル・ウォーターのペットボトルの水をグビグビ...。「今夜最後の曲よ!」とケリスが言うと、外国のかたから「あと何曲か演ってよ!」とのヤジと、日本人たちから「エェ〜ッ!!!」とのブーイングがとんだ後に披露されたのが“Dazed,
Beautiful And
Bruised”。この曲が終わるとケリス、「ドモアリガト! thank
you~!」と観客に御礼を言いステージを去った。
この後、観客のアンコール要求にステージに戻って来たカタトニア。アンコール1曲目でようやくアップテンポの“Storm
The
Palace”。曲が終わったところでの、ケリスのトーク。英語のヒアリングに自信無いが、「東京は世界で一番クレジット・カードが使いにくい街。おかげで常に小銭をジャラジャラいわせてなきゃいけなかったわ」(もしくは全く逆の「東京は世界で一番クレジット・カードが使い易い街。おかげで常に小銭をジャラジャラいわせてなくて済んだワ」...だから『ヒアリングに自信無い』って!!!)と言ってたようだった...。この後、翳りを帯びた曲“That's
All
Folks”をプレイすると、カタトニアの5人はステージを去り、もう一度のアンコールを求める観客のコール虚しく、ライヴはここで終わっちゃった...。てっきり2回目のアンコールで、彼女たちの代表曲で最高に盛り上がる“Mulder
And Scully”と“I Am The Mob”をプレイすると思っていたのに...。
カタトニアというとケリスが『女傑』と呼ばれてるため豪快なイメージがあるが、彼女たちの曲の半分はのどかな牧歌的なモノ。ところが『女傑』のイメージが染みついているため、次々に披露される牧歌的な曲にどう反応していいか解らず、観客がノリ損ねたようで、イマイチどころか、『イマニ』、『イマサン』も盛り上がりに欠けた感じ。もし、観客の反応がもっと良かったなら、間違いなく“Mulder
And Scully”と“I Am The
Mob”は、2回目のアンコールとして演奏されたろうね。それにしてもケリスの声は、例のトム・ジョーンズのアルバム『リロード』でもそれとすぐ解るほど独特な声だね。カタトニアを誤解する理由も、カタトニアの魅力も、すべてケリスの声が原因である...と痛感...。
【SET LIST】...'99.11.7
渋谷クラブ・クアトロ
1. Dead From The Waist Down
2. Game On
3. Londinium
4. Goldfish And Paracetamol
5. ?
6. Don't Need The Sunshine
7. Valerian
8. Shoot The Messenger
9. She's A Millionaire
10. Karaoke Queen
11. Road Rage
12. Dazed, Beautiful And Bruised
(encore)
1. Storm The Palace
2. That's All Folks