これは、『FUJI ROCK FESTIVAL '99』の会場で、私・ヒロくんが見聞きしたことについてのリポートである。3日間で延べ10万人が参加したこのイヴェント、ひとりひとり見方が違った10万とおりの『フジ・ロック・リポート』がある筈で、これはあくまでも『私の体験したフジ・ロック』の日記みたいなもんである。そこのところを強調しておこう。
【7月29日】
いつもどおり、会社の仕事が午後5時に終わると、すぐさま自宅へ直行。家に帰るとあらかじめパッキングしておいた荷物を担ぎ、富山駅へ。18時54分発の特急『はくたか』に乗って、越後湯沢へ向かう。今回のフジ・ロック、開演が30日の午前11時で、30日朝一番の『はくたか』に乗って行っても充分に間に合うが、山梨県で行われた'97年の第1回目のフジ・ロックの『悪夢の渋滞』を知っている者としては、30日当日、もの凄い渋滞のため会場にたどり着けないかも...という不安を拭い切れなかった。だからあらかじめ前日のうちに会場入りしておくことにしたのだ。幸運にも29日のうちから、越後湯沢駅と会場を結ぶシャトルバスが動いていて、会場併設のキャンプサイトも使用可能だったし...。ちなみに私の荷物も服装も完全に『登山者仕様』。そのため、切符の検札にきた車掌さんに「こんな時間から登山ですか?」と訊かれてしまった(笑)。これに、私は「山のカッコウしてるけど、実は山じゃないんですよ」と答えておいたが(笑)。越後湯沢駅から会場へのシャトルバスに乗る。私みたいに前日のうちから会場に入っておこうと考えるひとは少なくないようで、シャトルバスは満員。約40分の乗車で会場の苗場スキー場に到着。
バスを降りてキャンプサイトへ向かう。キャンプサイトはスキー場の斜面そのものを使用していた。プリンスホテル裏手のフラットな場所はすでに先客に占拠されており、私はスキー場の斜面を少し上ったところにテントを張った。時はもう11時。すぐに寝た。
【7月30日】
朝5時に目覚める。テントの中で密かに炊飯し(一応、火気使用禁止なので)、朝食を済ませる。朝11時の開演に合わせ、テントを出発、会場へ向かった。
会場のグリーン・ステージに行くと、主催者代表の日高正博氏が挨拶していた。「このイヴェントに協力してくれた苗場の皆さんに感謝しています。でもな、オレが一番感謝してるのはな、このクソ高いチケットを買ってくれたここに居るみんなだ!!!」。会場が「ウォォォ~!」と沸いた。たしかに今回のチケット、3日間で\39,000
だもんな。確かに高いが出演アーティストの豪華さを見るとさほどベラボウな額でもない。日高氏の挨拶を受けいよいよ、フジ・ロック開演。最初のバンド、ロケット・フロム・ザ・クリプトの登場だ。
《ROCKET
FROM THE CRYPT》...Green Stage
いつもどおり揃いの衣装で登場したロケット・フロム・ザ・クリプト(以下、ロケクリ)の6人。最新作『RFTC』からの曲が中心で、時折『私のテーマ曲(笑)』“Born
In
'69”などを交えながらのセットにステージ前に陣取るキッズたちはいきなりモッシュの嵐の狂乱状態。ただし、私が'97年1月に恵比寿のライヴ・ハウスで観たロケクリのライヴのハチャメチャな状態と比べれば『かなり平和』(笑)。11曲目の“When
In
Rome”の後、ファン・サーヴィスでドラム・スティックをクルクル廻したアトム、スティックをポロリと落としていた。サックス担当のN.D.は「ガンバッテ!!!」と暑さにもかかわらず盛り上がり続けるキッズたちを励ましていた。最後に“On
A
Rope”を演ると、ロケクリの6人はステージを去り、N.D.は外国人とは思えぬほど達者な日本語の発音で「有難う!」と御礼を言った。
《PHISH》...Green
Stage
ロケクリを観終わった後、グリーン・ステージのそばにあるアーティスト・グッズ売り場に行く。そこには文字どおり、順番待ちの長蛇の列が出来ていた。この列についているうちに、グリーン・ステージではフィッシュの演奏が始まり、“Guyute”などを演奏していた。順番待ちの長蛇の列はなかなか前に進まず、このまま列についてたらホワイト・ステージでのニーヴの演奏が観られなくなるので、なんにも買えないまま順番待ちの列を外れ(泣)、ホワイト・ステージへ向かう。
《NEVE》...White
Stage
異様に混雑していた(特に橋の辺り)連絡道路を歩いて、何とかたどり着いたホワイト・ステージの入口脇には、早くも(!!!)暑さで倒れた女性が居て、係員の手によって担架が持ち込まれていた...。さて、今年の5月にアルバム『IDENTIFY
YOURSELF』でデビューしたアメリカの4人組・ニーヴ。どことなく『フジ・ロック'97』に出演したサード・アイ・ブラインドを思わせる音のバンドだ。定刻通り午後1時に登場したニーヴ。ヴォーカル兼サイド・ギターのジョン・スティーヴンスとベースのトミー・グルーヴァーはまだ表情に幼さが残る美少年といった趣き。ドラムのブライアン・バーウェルは安岡力也みたいな顔したオッサンで、ドラム・ソロまで披露。ギターのマイケル・ラファエルは、TVの『ボキャブラ天国』に出てたキャブラーのBOOMERの伊勢(←金髪、車だん吉似
)ソックリ! このマイケル、ステージから降りてギターを最前列の客に触らせたり、Tシャツを何枚も客席に投げ入れたり、水を観客にかけたり、ギター交換の際、ぽぉ~んと放物線を描くようにギターを投げたり、顔だけでなく行動パターンも『伊勢』してた(笑)。ヴォーカルとベースが美男子でドラムとギターが色物...といえば、あるバンドを思い出す...そう、チープ・トリックだ!!! CDだけではイマイチ、ニーヴというバンドのキャラクターがつかめなかったが、彼らのライヴを観て『ニーヴは21世紀のチープ・トリック』だということがわかっただけでも収穫だ(笑...もっとも、音のほうはチープ・トリックよりもダークだが)。ニーヴはデビュー作から10曲を演奏。アンコールでピンク・フロイドの“Another
Brick In The Wall (Part )”を披露していった。
ニーヴを観た後、グリーン・ステージに戻ると(奥田民夫が演奏中)、先ほどまであれだけあったアーティスト・グッズ売り場の列がほとんど無くなってた。ここでアーティスト・グッズを買った後、一度キャンプサイトへ戻る。キャンプサイトへの道の途中、プリンスホテルの庭の側を通ると、ニーヴの4人がインタヴューのTV撮影中だった。が、道行く人は彼らがニーヴとは気付かず、人だかりなど全く出来てなかった(笑)。テントで次の目的のアーティストのブラック・クロウズのCDを聴いているうちに、睡魔に襲われ昼寝(笑)。
《THE BLACK
CROWES》...Green Stage
ブラック・クロウズの演奏は薄暗くなった午後7時前のスタート。ステージに登場したクリス・ロビンソンは赤い羽根のついた黒い帽子をかぶってオシャレに登場。ドラムのスティーヴ・ゴーマンは何故か、ザ・デストロイヤーみたいな目・鼻・口のところだけくり抜かれたマスクをかぶってた(笑)。ブラック・クロウズのメンバー6人の他、女性コーラスが2人居る編成での演奏は、最新ヒットの“Kickin'
My Heart Around”や、満月から少し欠けた月に捧げられた“Black Moon
Creeping”、オーティス・レディングのカヴァー“Hard To
Handle”など、1st『シェイク・ユア・マネー・メイカー』、2nd『サザン・ハーモニー』と新作『バイ・ユア・サイド』からの曲が中心。途中、ハーモニカを吹いたクリスはそのハーモニカを観客に投げ入れたりもしてた。
《RAGE
AGAINST THE MACHINE》...Green Stage
当初の予定では今年の1月に新作がリリースされるハズだったレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下、レイジ)、いまだに終わらぬ新作のレコーディングの合間を縫ってフジ・ロックに出演してくれた。ザック・デ・ラ・ロチャとトム・モレロは昔のまんまの髪形だが、ベースのティム・ボムとドラムのブラッド・ウィルクの2人は髪が伸びていて、最初見た時かなり違和感があった。ライヴは2枚のアルバムから“Bulls
On Parade”や“Know Your
Enemy”といった人気ナンバーに加え、『鋭意制作中』の新作からも数曲プレイ。中には4AD系のギター・フレーズ(LUSHみたいなヤツ)を持つ異色の曲もあった。レイジの演奏は一切手抜き無しで、凄まじくハイ・テンション。そのため、会場の盛り上がりはもの凄く、多分3日間で1番盛り上がったんじゃないだろうか?
レイジの演奏後、キャンプサイトへ帰る。途中、ラーメン屋に寄って、\700の塩ラーメンを食べる。その後、ドリンク売り場でビールを買う。ここでは缶ビールの中味をわざわざ紙コップに移し替えてビールを売っている。『凶器になり得る缶類をキッズの手に渡さないため』の措置だろうが、紙コップの中味をこぼさずにスキー場の斜面を登るのに苦労した(笑)。自分のテントに戻り、ビールを飲んで眠りに就いたのは午後11時頃。
【SET
LIST】...'99.7.30 苗場スキー場
《ROCKET FROM THE
CRYPT》
1. I Know
2. Panic Scam
3. Made For You
4. Middle
5. Born In '69
6. ?
7. Braek It Up
8. Come See Come Saw
9. Dick On A Dog
10. ?
11. When In Rome
12. On A Rope
13. ?
《NEVE》
1. Trip And Glide
2. Digital On
3. Same Old Story
4. Freeform
5. Absent
~ Brian Burwell's drum solo ~
6. Motor
7. It's Over Now
8. Step Up
9. Skyfall
10. Wake Up Call
(encore)
1. Another Brick In The Wall (Part )
(ピンク・フロイドのカヴァー)
《THE BLACK
CROWES》
1. No Speak No Slave
2. Go Faster
3. Sting Me
4. Twice As Hard
5. Black Moon Creeping
6. HorseHead
7. Wiser Time
8. Kickin' My Heart Around
9. Evil Eye (たぶん?)
10. Hard To Handle
11. Jealous Again
12. Remedy
《RAGE AGAINST THE
MACHINE》
1. Bulls On Parade
2. Know Your Enemy
3. Vietnow
4. Testify (新曲)
5. Bullet On Your Head
6. Broken Man (新曲)
7. Ghost Of Tom Joad
8. Bombtrack
9. People Of The Sun
10. ? (新曲?)
11. Freedom
12. ? (新曲?)
13. Killing In The Name
【7月31日】
朝5時に目覚める。テントのなかで炊飯・朝食を摂り、しばらくテントでゴロゴロ。この日は午後2時のフィーダーまで観たいアーティストがいないので、会場内で販売される飲食物が高いから、一度越後湯沢駅まで行って食料の買い出しでもしてこようか...とシャトルバス乗り場へ行くも、やはり面倒になってバスに乗るのを止め、まだ会場の足を踏み入れていない場所へ探検することにする。会場の一番奥にある『FIELD
OF
HEAVEN』なるスペースには、中国政府によるチベット抑圧に反対する署名を受け付けるブースや、民族色あふれるグッズや飲食物が売られていた。この後、フジ・ロックのオフィシャルTシャツとパンフレットを買い、新星堂の出店で雑誌『rockin'
on』の9月号などを購入、一旦キャンプサイトへ戻る。メイン・ステージのグリーン・ステージからキャンプサイトまで片道約30分も歩かなきゃいけないので、極力往復する回数を抑えたかったんだけど(笑)。12時10分、ホワイト・ステージのフィーダーの出番に合わせ、キャンプサイトを出る。
《UA》...Green
Stage
フィーダーの出るホワイト・ステージへ向かう途中、グリーン・ステージを横切るとちょうど
UA が演奏中。キャロル・キングの“I Feel The Earth
Move”(邦題は“空が落ちてくる”)のカヴァーらしき曲???をプレイしてた。
《FEEDER》...White
Stage
イギリスのロック・トリオ、フィーダーは日本人ベーシスト、タカ・ヒロセが在籍していることで話題になっている。この『タカ・ヒロセ』、私の名前のアナグラムになっており(!!!)、私としては親近感を抱かずにはいられないバンドだ(笑)。ということで、ホワイト・ステージに足を運ぶと、ステージ前には『お帰りなさい
TAKA』というのぼりが立ち、タカの凱旋帰国を祝う祝賀ムード。ステージに登場したフィーダー、メンバー3人とサポート・ギタリストを加えた4人で演奏。タカに声援が盛んに飛ぶものの、最初のうちはタカはこれに応える素振りは見せず、ヴォーカル&ギターのグラント・ニコラスに「昔の仲間に挨拶しなよ!」とけしかけられてもタカは無反応だった。が、4曲目に“Day
In Day
Out”を演奏してから、とうとうタカが喋った! 「バンドで日本に初めて来て、その舞台がフジ・ロックって、とても光栄なことだよね」。これに観客、大歓声! この後、グラントが「very
beautiful song」と紹介して“Yesterday Went Too
Soon”が始まった。曲が終わるとタカは「マイクにトンボが止まってるよ!」とMC。そして極めつけは9曲目に“High”を演奏した後に起こった。「あのさ、8月3日の火曜日に、恵比寿の『MILK』でライヴ演るんだけど、みんな来る?」...久しぶりに凱旋帰国したタカを祝いに駆けつけた昔の仲間と、それに応えたタカ。なんかジィィィ~ンときちゃいましたよ、私は!
演奏のほうは“Waiting For Changes”の後、一度グラントが「see you
later
!」と演奏を切り上げようとしたんだけど、他のメンバーに止められ、もう1曲“Discend”をプレイしていった。グラントは「話が違うヨ〜」という顔をしていた(笑)。ちなみにタカもBOOMERの伊勢に少し似ていた(←金髪に染めているせいかな...笑)。
《SKUNK
ANANSIE》...Green Stage
フィーダーの演奏終了後、グリーン・ステージではキンクスのレイ・デイヴィスが演奏していた。その後、セット・チェンジがあり、黒人女性ヴォーカリストのスキンを擁するスカンク・アナンシーが登場。ステージ上を激しく動き廻りながら熱唱するスキンは、女性でありながらその名のとおりスキンヘッドだが、客席に身を乗り出した時、その坊主頭を観客にしっかりと『なでなで』されていたのが笑えた。スカンク・アナンシーの演奏中、空腹に耐え切れなくなった私は、『Virgin
Tent』のほうへ移動し、そこに並ぶ模擬店で腹ごしらえをした。『Levi's
New
Stage』では、PEALOUTが演奏中だったが、『花より団子』状態だった私。
《LIMP
BIZKIT》...Green Stage
新作『シグニフィカント・アザー』が『Billboard』のアルバム・チャートで3週間1位を記録し、まさに絶妙のタイミングでフジ・ロック出演になったリンプ・ビズキット(以下、リンプ)。リンプといえばデビュー・アルバムでジョージ・マイケルの“Faith”を極悪非道にカヴァーしていることで有名だが(???)、リンプの登場をステージ前で待っていると、女のコたちが「もしも“Faith”演ったらどうしよう。きっと私、笑いが止まらなくなるよ」と話し合っていた(笑)。新作『シグニフィカント・アザー』の“Intro”と同時にステージに現われたリンプ、普段からカラー・コンタクトをして異様に黒目がデカく不気味な容貌のギターのウェス・ボーランドは、ピエロのメイクと服装で登場、観客の笑いを誘ってた。オープニングは“Just
Like
This”。観客はレイジの時と同じくらいの盛り上がりぶり...のように思えたが、ヴォーカルのフレッド・ダーストにはこの盛り上がり具合では全く満足いかないようで、わざわざ通訳を介し「もっと盛り上がれ!!!」とゲキを飛ばす。さらには、黒人のセキュリティーに肩車されながら観客の間に飛び込むなど、徹底的にキッズを煽りまくったフレッド。さらには、KORN
の曲やレイジの曲(“Bombtrack”)のイントロを演奏して見せてキッズたちの盛り上がりに一層拍車をかける。「Do
you like RAGE AGAINST THE MACHINE ?」と尋ね、キッズが「yeah ~
!」と大歓声で応えると、フレッドは「fxxk you ~
!」と中指を立てた(笑)。「オレたちのよりも、他のバンドの曲でウケやがって!!!」という抗議だろう(笑)。さらにはピエロ男、ウェスのリード・ヴォーカルでメタリカの曲“Master
Of
Puppets”までチョロ~っと演る始末(笑)。やけにサーヴィス精神旺盛だった(笑)。この後、自分たちの曲でもしっかりと観客を盛り上げ(笑)、最新ヒットの“Nookie”をプレイすると、フレッド、またもや通訳を呼び寄せて、観客に次のようなメッセージを発した。「女のコだけの声援が聴きたい!!!」...。これに応えて女のコたちだけで、フレッドをはじめとするリンプの面々にエールを送った後、やっぱり出ちゃったよ、“Faith”が....(さっきの女のコ、笑いが止まらなくなったかな?...笑)。このジョージ・マイケル極悪カヴァーで観客が爆発的に盛り上がった後、新作『シグニフィカント~』の“Outro”に乗り、リンプの5人はステージを去った。
《THE
CHEMICAL BROTHERS》...Green Stage
リンプの後、登場したケミカル・ブラザーズ。オープニングは“Hey Boy
Hey Girl”。この後、“Music : Respond”や“Block Rockin'
Beats”、“Under The
Influence”など披露していたが、芝生に横になって聴いているうちに、寝てしまいました(笑)。
《BLUR》...Green
Stage
この日のグリーン・ステージのトリ、ブラーが登場したのは午後9時を廻った頃。ステージに登場するなり「ミンナ、ゲンキ?」と日本語で訊いてきたデーモン。オープニングは最新ヒット曲の“Tender”。次に“Bugman”をプレイした後、グレアムがヴォーカルの曲で来日記念盤にもなってる“Coffee
&
TV”。ほとんど新作『13』からの曲ばかり8曲演奏したところで、ブラーの4人+女性キーボード・プレイヤーはアッケなくステージを去った。「もう終わりなんてウソでしょ?」と観客がざわめいた後、アンコールのコールがあり、ステージに戻ってきたブラー。デーモンは戻ってくるなり「これからは昔の曲を演るよ!」とMC。その言葉どおり“Beetlebum”で始まった『第2部』ではファンに人気の曲をプレイ。“The
Universal”ではデーモンはステージから降り、最前列に居る客と握手しまくっていた。“This
Is A
Law”まで5曲で『第2部』は終わり、ブラーはステージを去った。が、ファンはまたもアンコールを要求。再びステージに戻って来たブラーは“Girls
& Boys”と“Parklife”、“Song
2”...とファンが満足するような曲をプレイしていった。というふうに、新作『13』の曲よりも圧倒的に昔の曲のほうがウケていた。
この後、キャンプサイトに戻ると11時50分。ラーメンを作って食べた後、寝た。
【SET LIST】...'99.7.31
苗場スキー場
《FEEDER》
1. Crash
2. Cement
3. Insomnia
4. Day In Day Out
5. Yesterday Went Too Soon
6. You're My Evergreen
7. I Need A Buzz
8. Can't Dance To Disco
9. High
10. Tinsel Town
11. My Perfect Day
12. Waiting For Changes
13. Discend
《LIMP BIZKIT》
. Intro
1. Just Like This
2. Show My What You Got
3. Fake
4. 9 Teen 90 Nine
5. Re-arranged
6. I'm Broke
7. Stuck
8. Don't Go Off Wandering
9. A Lesson Learned
10. Break Stuff
11. Nookie
12. Faith
. Outro
《BLUR》
1. Tender
2. Bugman
3. Coffee & TV
4. Chinese Bomb
5. B.L.U.R.E.M.I.
6. Battle
7. Trimm Trabb
8. No Distance Left To Run
(encore 1)
1. Beetlebum
2. The Universal
3. Country Sad Ballad Man
4. Popscene
5. This Is A Law
(encore 2)
1. Girls & Boys
2. Parklife
3. Song 2
【8月1日】
朝6時に目が覚める。例によってテントのなかでこっそりと炊事し、朝食を摂る。10時にテントを撤収し始める。ホントはライヴを観終わってからテントを撤収したいところだが、メイン会場からキャンプサイトまで30分くらい、途中登り坂もある道を歩かなあかんので、そんなことしてたら帰りが遅れる。全ての荷物を持って会場入りすることにする。会場の入口では荷物検査が行われていて、ステージに投げ込まれると危険なビン類と缶類や、バーナーなどの火器などの持ち込みが制限されている。会場の入口脇に『禁制品お預かり』ブースがあるので、そこに預けなきゃいけない。今までテントに『危ないモノ』を置いていたのでほとんど問題なく会場入り出来たが、今回だけはヤバそうなガスボンベやガスバーナーを『禁制品お預かり』ブースに予め預けてから会場の入口の荷物検査を受ける。そしたら、私の前にいた外国人、所持品にエアガン(!!!)があって、見事に荷物検査に引っかかっていた...。私は問題なく会場入り出来たけど(笑)。
《FEMI
KUTI》...Green Stage
11時頃、カタトニアのステージ開始に合わせてグリーン・ステージに向かうと、すでに演奏を終えているハズのフェミ・クティがまだ演奏中。この日は『グリーン・ステージでカタトニアを観てから、急いでホワイト・ステージに移動、ミシカとファウンテインズ・オフ・ウェインを観た後、グリーン・ステージに戻り、オーシャン・カラー・シーンを観る』という計画を立てていた。少しでもフェスティヴァルの進行に遅れが生じると計画が狂う!「すぐに演奏が終わるだろう」と高を括っていたが、なかなかフェミの演奏、終わらない! カタトニアの開演予定時間になっても演奏し続けるフェミ。自分の立てたプランが時間と共にどんどん崩壊してくのに怒りを覚えながらフェミ・クティを観る。どうやらフェミの演奏じたい、時間が押して始まったみたいで、フェミには責任はないのだが...。彼のナイジェリアン・リズムの陽気な音楽は本来『怒り』とは無縁のハズなのに...(苦笑)。
《CATATONIA》...Green
Stage
フェミ・クティだけで30分ほどの進行の遅れが生じたグリーン・ステージ。さらにセット・チェンジに時間が掛かり、私の『フジ・ロック最大の目的』カタトニアがステージに登場したのは、なんと予定を1時間も押した12時20分!!! 『ロック界の豪快ネーチャン』扱いされているヴォーカルのケリス・マシューズは白のドレスにグリーンのコートを引っ掛け、頭巾をしていた。オープニングは新作『カースト・アンド・ブレスト』より“Storm
The Palace”。次の“I Am The
Mob”では「私、悪い子だもん」という曲の意味に合わせてか、スカートの裾を持ち上げてチラチラ太ももを見せつけたケリス。これには男性客から歓声が上がった(笑)。ここでグリーンのコートを脱ぎ、続く“Dead
From The Waist
Down”の後には頭巾もとったケリスが曲間に水の代わりにラッパ飲みしてたのは赤ワイン!!! 梅宮アンナにちょっと男性ホルモンを打ったようなルックスのケリス、やはり『ロック界の豪快ネーチャン』のイメージどおり。“She's
A
Millionaire”の演奏中、たて笛を吹いたケリス、何のためらいもなくそのたて笛を客席へ投げ入れた。この笛をキャッチした男性が「ケリスと『間接キッス』。」などとバカなマネをしなきゃいいけど(笑)。6曲目に“Don't
Need The
Sunshine”をプレイした後、「ニホン、イイトコ!!!」と日本語しゃべったり、ウェールズ語の曲“International
Velvet”の後には「日本の流行!」と言いながら、会場のみんながバンダナやタオルでしているようなのと同じ巻き方で頭巾を装けてみたり...と、ケリスは日本の観客とコミュニケイトしていった。
《MISHKA》...White
Stage
カタトニアのライヴが終わると、すぐにホワイト・ステージへダッシュ。息切らせながらたどり着いたホワイト・ステージでは、すでにミシカの演奏は終わっており、ステージ上にはファウンテインズ・オブ・ウェインのセットがかなり整っていた。グリーン・ステージの進行が1時間押してるのに、ホワイト・ステージでは予定どおりコトが運んでいたことによる『時間差』が致命的で、本来観ることが出来たハズのミシカのライヴ、1曲も聴けなかったどころか、その姿さえ観られなかったわけだ。ミシカは私の『だぁぁぁぁぁ〜い好きな』某女性アーティストの弟であるため(笑)、是非とも観ておきたい、聴いておきたいアーティストだったのに...(涙)。
《FOUNTAINS
OF WAYNE》...White Stage
そのままホワイト・ステージでファウンテインズ・オブ・ウェイン(以下、FOW)のライヴを待っていると、ホワイト・ステージの司会者からお詫びがあった。「グリーン・ステージの進行が約1時間、遅れていて申し訳ない!」。これは知ってるから驚かなかったが、次のセリフに私は激怒した!!! 「あと、バーナード・バトラーとオーシャン・カラー・シーンの出演順が入れ替えになった。ホントにゴメンナサイ!」。馬鹿野郎! オーシャン・カラー・シーンを観たら帰ろうと思ってるのに、トリの1つ前のバーナード・バトラーと入れ替えになったら、帰りが遅くなって、富山へ帰る電車が無くなるじゃねェか!!! というふうに怒りで頭のなかがいっぱいの頃、FOWの5人がステージに登場。新作『ユートピア・パークウェイ』でFOWを初めて聴いたひと(←実は私もそう)が多いと思っていたが、意外にもデビュー盤からの曲でも観客は大いにウケ、実際、FOWも新作『ユートピア〜』よりも、デビュー盤からの曲を多くプレイしていた。「アイツが読めるはポルノ雑誌の文字だけだゼ! そんなヤツと早く別れてしまえ!!!」と彼女を寝取られた相手に罵詈雑言を浴びせまくる情けない男の歌“Leave
The Biker”もしっかりプレイ(笑)。“Hat And
Feet”の後、グリーン・ステージで演奏中のアッシュの音が響いてきた。ヴォーカル&ギターのクリス・コリンウッドが「僕たちもアッシュに負けず盛り上がろう!」と言って“Troubled
Time”を披露したが、やっぱりアッシュの音に負けていた(笑)。ここでもう1度クリスがアッシュに負けるな!」と言って“Sink
To The
Bottom”をプレイしたが、やはり負けていた(笑)。結局、隣から響くアッシュの音に勝ったのは、ヒット曲の“Denise”(邦題は“愛しのデニース”)を演奏した時だけ。この時ばかりは観客もバンドもワイルドで、演奏後ギターのジョディ・ポーターが自分のギターをステージ裾まで足蹴りしたくらい! この後、“It
Must Be
Summer”を演奏すると、ベースのアダム・シュレシンジャーは「また9月に日本に来るよ!」と観客に呼びかけてたが、オイオイ、次の来日は10月だろ?(笑)
《ラフィータフィー忌野清志郎》...Green
Stage
FOWを観た後、グリーン・ステージに戻ると、忌野清志郎の演奏準備中。やがてステージに現われたキヨシロー、RCサクセション時代の曲は無かったものの、「オマエら暑くなんかないだろ?」「yeah
!」「ウソつけ! ホントは暑いだろ?」と観客と掛け合いをしたり(笑)、“君が代”を歌ったり(笑)、相変わらずキヨシローらしいパフォーマンス。
《OCEAN
COLOUR SCENE》...Green Stage
忌野清志郎の演奏終了後、グリーン・ステージに流れた案内。「次はオーシャン・カラー・シーン(以下、OCS)が登場します」...突然の出演順変更の知らせに「話が違う!!!」と私のように怒り出した客が他にも居たらしく、出演順変更は撤回され、結局OCSは予定どおりの順番で登場することになったようだ。出演順は予定どおりでも、時間は1時間20分も予定より遅れてグリーン・ステージに立ったOCS、オープニングは“Hundred
Mile High
City”。次にヴォーカルのサイモン・ファウラーが「スティーヴがピアノを弾くゼ!」と紹介して“Better
Days”が披露された。OCSは4人組だが、時にはローディーのかた3人もステージに現われてピアノやパーカッション類をプレイし、気心知れた仲間同士の和気あいあいとした雰囲気でライヴは進む。ベースのデーモン・ミンケラはタバコを吸いながら、さらにオーヴァー・アクションで観客を沸かせながらプレイ。OCSは9月に新作が出る予定で、2曲ほど新曲を演奏。特に反戦ソングとおぼしき曲でのサイモンのヴォーカルは凄まじい。OCSの演奏中一番盛り上がったのは“The
Riverboat Song”と“The Day We Caught The
Train”がプレイされた時。特にUKロック・ファンの間では『超有名曲』で『超名曲』扱いされてる“The
Day We Caught The Train”、サビの部分の♪oh~ la la la~, oh~ la la la~
のフレーズでは会場で大合唱が起こった。この後“Get
Away”をプレイすると一旦、OCSの4人はステージを去ったが、ファンの「あの曲をまだ演ってないぞォ〜!」というアンコール要求によってステージに呼び戻された。ここでOCSがプレイしたのはやはりあの曲...ファンにはアンコールの定番として馴染みのビートルズのカヴァー“Day
Tripper”だ。“Day
Tripper”で大いに盛り上がるとOCSはステージを後にした。
《Z Z
TOP》...Green Stage
OCSの演奏を見届けてから、私は苗場スキー場を後にしてるので、Z Z
トップの演奏を観ていないわけだが、Z Z トップ・ネタを1つ。
会場を歩いていたら、ドラゴン・アッシュの『I 。 HIP
POP』のシングル・ジャケットをパロった『I 。 Z Z
TOP』のデザインの入ったTシャツを着たひととすれ違った(笑)。オマケにこのTシャツの文字、マジックインキで手書きされたものだった...(爆笑!!!)。
OCSを見届けてから会場を後にし、入口に預けた『禁制品』を引き取ってから、シャトル・バスに乗り越後湯沢駅へ。越後湯沢駅に着くとちょうど良いタイミングで直江津行の普通列車があったので、『青春18きっぷ』を買ってこれに乗る。ところが、直江津に着いたら、2時間以上も富山行の普通列車が無い...。直江津で2時間時間潰しをしたうえ、ようやく乗ることが出来た普通列車は富山着が午後11時52分なので、もう市電も動いてない...。富山駅から1時間かけて家まで歩くことにする。家まで1時間歩く...最後の最後まで『フジ・ロック』的だよなあ...(笑)。
【SET LIST】...'99.8.1
苗場スキー場
《CATATONIA》
1. Storm The Palace
2. I Am The Mob
3. Dead From The Waist Down
4. She's A Millionaire
5. Do You Believe In Me
6. Don't Need The Sunshine
7. International Velvet
8. Karaoke Queen
9. Mulder And Scully
10. Road Rage
11. Strange Glue
《FOUNTAINS OF
WAYNE》
1. I've Got A Flair
2. Please Don't Rock Me Tonight
3. Red Dragon Tattoo
4. Barbara H.
5. Utopia Parkway
6. Leave The Biker
7. Hat And Feet
8. Troubled Times
9. Sink To The Bottom
10. Denise
11. It Must Be Summer
12. Radiation Vibe
13. Survival Car
《OCEAN COLOUR
SCENE》
1. Hundred Mile High City
2. Better Days
3. Travellers Tune
4. Profit In Peace (新曲)
5. The Circle
6. Fleeting Mind
7. The Riverboat Song
8. Besides Yourself
9. I Am The News (新曲)
10. One For The Road
11. The Day We Caught The Train
12. Get Away
(encore)
1. Day Tripper (ビートルズのカヴァー)
【8月2日】
富山駅から歩き続け、ようやく家に着いた時、時計は午前1時1分を示していた...。