4曲目の“ボビータンク”の後、この日のライヴ初めてのMCタイムに入ったヴォーカルの石坂マサヨ(以下、マーちゃん)は富山のキッズに挨拶した後、こう言った。「いやぁ〜、ここに来てビックリしましたよ! まさかこうなってるとは思いませんでした!!! もみの木ハウスさん、オメデトウ~!!!」 去年末に移転して新装なった高岡・もみの木ハウスに今回初めて入った私。フロアにバー・カウンターがあり、コインロッカーが置かれたり...と設備が充実したハコに変わってたので、ビックリ!!! マーちゃんならずともこれには誰でも驚く! 『旧』もみの木ハウスでは防音対策で壁に紙製卵ケースが貼ってあったり、情けなさを感じるほど設備が劣っていたが、今では大都市の場末のハコよりも立派に変身! ただ、もォ〜ちょっとだけ広ければ...。『お茶の間歌謡ポップ・パンク・バンド』ロリータ18号の『TOY
DOLLツアー』の富山公演は、この真新しいハコで行われた。観客はやはりハイティーン中心で、女のコが多い。フロアの2/3ほどは客が入っていた。
開演時間の7時を少し廻ったところで、前座として地元を拠点とする女性3人組・サンバルカンが登場。同じリフを繰り返すだけ単調なハードコア・サウンドに『少年ナイフ的世界』の歌詞が乗るようなオリジナル曲を30分ほど演奏してステージを降りていった。
セット・チェンジが行われしばらくすると、会場にDA
PUMPの曲が流れ、ベースのキム☆リン、ドラムのアヤ坊、ギターのエナゾウの3人...ダンシング・ユニット『タ・パンプ』(笑)がステージに現われ、曲に合わせて踊りを始める。『タ・パンプ』の踊りがひと段落したところで、パジャマのようなダボダボのチェック柄の黄色い上下を着用し、赤いベレー帽にグラサンかけたマーちゃんがステージに登場、演奏開始! オープニング・ナンバーはラモーンズのカヴァー曲“ROCKAWAY
BEACH”。いきなり盛り上がり最高潮のキッズたち。ただ、『ロリータ18号のライヴではダイヴなどの危険行為は禁止』が周知徹底されてきたのか、前回の『ヤリタミン』ツアーの時みたいな危険な状態にはならなかった。続く曲は『餓鬼の戦車で突撃』する“デストロイン”と、『自分のことがいいに決まってる』“マイケル卍サントジェン”に突入~! メンバー4人のうち、エナゾウは迷彩柄の上下を着ていたが、キム☆リンとアヤ坊は『TOY
DOLL』ツアーTシャツ(白)姿。メンバー全員『TOY
DOLL』ツアー特製リスト・バンドをして、新マーチャンダイズをさりげなくアピール(笑)。キム☆リンはストレートのロング・ヘアで、ティファニーみたいだった(←例えが古過ぎ?...笑)。アヤ坊は肩にかかるほど伸ばした髪を金髪にしていて、2人とも「どうして今までそうしていなかったの???」と訊きたくなるほど似合っていた。
去年ロケット・フロム・ザ・クリプトのライヴの前座で出た時にもプレイされ、その場に居た私のハートを鷲づかみにしてった曲(笑)のひとつ“ボビータンク”の後、先にも書いたようにMCタイムを挟んで、新作のアタマを飾る“プロフェッショナルレスリング”。水前寺清子(!!!)のカヴァー“三百六十五歩のマーチ”などをプレイした後、2度目のMCタイム。ここでマーちゃんが、アメリカ・ツアー...ならぬアメリカ・トゥアー(ここらの発音の妙でウケてた)をしてきた話、この後ヨーロッパ・トゥアー(笑)に出る予定がある話をしてから『おもしろメンバー』を紹介、メンバーひとりずつのトーク・タイムに突入~!!! 1番目はキム☆リン。まず、もみの木ハウス新装オープンを話題に持ち出し、「『小洒落たパスタ屋さん』かと思いました」(笑)。『旧』もみの木ハウスの楽屋入口は塀をよじ登り乗り越えないと出入り出来なかったそうで、「それが無くなってうれしいです」。その他、キム☆リンはロリータ18号の本が出るハナシなど、『多くを語らない』キャラクターとしてファンに知られている割には『多くを語った』(笑)。アヤ坊が持ち出す話題は例のように『カメ』で、飼いカメの『金ちゃん』が手のひらくらいの大きさにまで成長し、昔は片手でひょい!と持ち上げられたのに、今ではかなり重い...という話をした(笑)。「カメが大きくなると川に捨てたりするひとがいるけど、大きくなってもカワイイところがあるので捨てないでネ」とのことです(笑)。次はエナゾウの番なのに「敢えて無視して曲を演ります」(←マーちゃん)。ここでプレイされた曲はマーちゃん曰く「悩んだ時に作った曲」“ノンハモ”。ロック・ミュージシャンという『外道な生きかた』をやってく上で悩みを歌った曲だと思うけど、イイ歳こいてロック聴いてるだけで『世間様』はしっかり後ろ指をさしてくれる。だからこの曲には私、とても共感しますぅぅぅ〜!!! この後、“ラジオ・スターの悲劇”の邦題で知られるバグルズの曲“VIDEO
KILLED THE RADIO
STAR”をプレイするといよいよ『真打登場〜!』てな感じでエナゾウのトーク・タイム。
以前よりもみの木ハウスのマーク(木が2本並んでる)を気に入ってたエナゾウ、「もみの木ハウスが新しくなったから、マークは変わったのではないかと思ったら...一緒でした!!!」 よっぽどこのマークがお気に入りなのかエナゾウ、ローディーと打ち合わせ中のキム☆リンに声をかけ、腕が三角形を作るように手を頭の上で合わせて『木』を形づくり、2人並んで『もみの木ハウスのマーク』の『再現』(笑)。あとエナゾウはロリータ18号の曲がJT『桃の天然水』のCMに使われていた(過去形)話題を持ち出し、「みんなも『桃の天然水』聴きたいですか?」とキッズに問う。当然キッズが聴きたがったので、ここでマーちゃん以外の3人で『桃の天然水』を披露。歌はエナゾウ。CMソングなのであっという間に演奏終わりました(笑)。エナゾウ・トークの間、楽屋に引っ込んでたマーちゃんがステージに戻って来て「私は演奏してないんですが、桃の被りものをしてCMに出たかったですね」とコメントした後、アルバムのプロデュースをしてくれたトイ・ドールズのカヴァー“DIG
THAT GROOVE
BABY”、おなじみの“サルーン”、そしてライヴのためにあるような“パンク
DE ゴー!!”を演ると、ロリータ18号はステージを去った。
ファンのアンコール要求に応じ、黒いベレー帽被ったマーちゃんひとり戻って来て、ギターの弾き語りで“『目頭』”を披露。これを聴く度、江頭2:50を思い出して困る(笑)。この後『おもしろメンバー』3人も戻って来て、“フライング・クロ”、そしてチャック・ベリーのカヴァー“ジョニーB.グッド”で最後に大いに盛り上がってライヴは終わった。
今回のツアー、全公演録ってるそうで、この日の模様がライヴ盤で聴ける日が楽しみ!!!
【SET LIST】...'00.4.3
高岡・もみの木ハウス
1. ROCKAWAY BEACH
2. デストロイン
3. マイケル卍サントジェン
4. ボビータンク
5. プロフェッショナルレスリング
6. キャンディ・キャンディ・キャンディ
7. 三百六十五歩のマーチ
8. 毒喰う
9. ノンハモ
10. VIDEO KILLED THE RADIO STAR
11. DIG THAT GROOVE BABY
12. サルーン
13. パンク DE ゴー!!
(encore)
1. 『目頭』
2. フライング・クロ
3. ジョニーB.グッド