『FUJI
ROCK FESTIVAL '99』(以下、フジ・ロック)に出演後すぐにニュー・アルバム『ワン・フロム・ザ・モダン』をリリースしたところで、ホントに絶妙なタイミングで決まったジャパン・ツアー...だったハズなのに、ギタリストのスティーヴ・クラドックの急病により、昨年11月から延期になっていたオーシャン・カラー・シーン(以下、O.C.S.)のジャパン・ツアーを、ようやく...といった感じで観て来た。私が当初持っていた11月27日(土)の公演は、4月14日(金)に振り替えられてしまったので、いったん払い戻したうえ改めて買い直したチケットで、4月15日(土)、恵比寿ザ・ガーデン・ホールに行って来ました。会場には今までおあずけを喰らっていたファンが大勢集まっていたが、その中にはノーザン・ブライトのメンバーの姿もあったらしく、彼にサインをねだっていたヤツも居た(笑)。
開演予定時間の6時を15分くらい廻った頃、O.C.S.の4人のメンバーがステージに登場。ライヴ延期の原因となった病気よりも『ゲーハ』の進行のほうがファンの間で心配されていた(笑)スティーヴ...その頭はフジ・ロック時よりも改善されていた(笑)。火のついたタバコを手にしてステージに現われたベースのデーモン・ミンケラは、マイク・スタンドのそばを通りかかったところで「コニチワ!」と日本語で挨拶。ギターを構えたスティーヴが弾き始めたフレーズは“Hundred
Mile High
City”のイントロ。いきなり盛り上がる観客。デーモンはベースのヘッド部分の弦に火のついたタバコを挟んで、煙を揺らせながらの演奏。勿論、火のついたタバコをそんなところに付けるのは暇な時にすぐに吸うためで、実際ライヴ途中にステージ上が暗くなった時、デーモンの吸うタバコの火の光だけが赤々...という場面もあった(笑)。そんなお茶目なデーモン、曲が終わると日本語で「オマタセシマシタ!」などと言い、ファンからの歓声を集めていた。1曲目ではギター無しだったヴォーカルのサイモン・ファウラーがアコースティック・ギター(以下、アコギ)を構えた2曲目は、フジ・ロックで日本初御披露目となった新曲“Profit
In
Peace”。テーモンが観客に手拍子するように盛んに煽り、観客はサビの部分(♪俺たちはもう戦いたくないけれど、平和は金にならないから戦わなきゃいけない)を、サイモンの歌に合わせ歌う。サイモンは曲によってアコギ(ごくまれにエレキ・ギター)を弾いたり弾かなかったり。曲が終わってアコギが不要になり、ローディーにギターを預ける度にほとんど毎回、ファンの居るフロアに向けてギター・ピックを投げ入れファン・サーヴィス。フジ・ロックの時は野外だったからずっとサングラスかけたままだったサイモン、今回はサングラス無しだったのでその表情が見てとれた。そんなサイモンが「Good
afternoon~!」とファンに声を掛けたところで始まったのは“The
Circle”。曲の後、サイモンが「スティーヴがピアノを演奏する」と紹介して“Lining
Your Pockets”をプレイした。
デーモンはライヴ途中に何本か新しいタバコに火を点けて吸っていた。だからベースのヘッドからタバコが消えることがない。サイモンもスティーヴも曲と曲の間にちょっと一服吸っていたけど、演奏途中には一切吸っていない! 演奏途中にタバコ吸うのはこのひとだけ(笑)!!! さらにデーモンの足元には『黒ラベル』(←会場が恵比寿だからサッポロビール...笑)が多数置いてあって、デーモン、これを曲と曲の間に...どころか演奏途中でも平気でグビグビ(笑)。うれしそうに日本語でMC入れたり、笑みを浮かべながらファンに手拍子求めたりするなど、おもしろい行動が目立ってたので、ライヴ終了後ファンの間から「ベースの奴、酔っ払ってたな」との声もあったほど(笑)。デーモンはフジ・ロックの時もこんな感じで、女のコたちに「見て見てあのひと〜」って、指さされてたしな(笑)。
フジ・ロックでも演った新曲“I Am The
News”、サイモンがアコギとマウスハープを持ち出した“So
Low”...と曲が続く。サイモンが「new
single」と紹介した“July”の後、“One For The
Road”を挟んでプレイされたのは、オスカー・ハリスンの叩き出すノー・ミュートのタムタム(←たぶん)のスカァ〜ンという音と、ハイハットのクロース音が耳に残る“Soul
Driver”。ここではオスカーもウラ声で奇声を出しウケを取ってた(笑)。曲が終わると日本語で「ドウイタシマシテ!」とおどけるデーモン(笑)。
演奏はメンバー4人だけでなく“The
Waves”ではキーボード担当のスティーヴの代役としてローディーのひとりがギター弾いたり、“Jane
She Got
Excavated”では別のローディーが鉄琴(!)で参加したりと、曲によってサポート・メンバーが加わっていた。
オスカーが刻み始めたリズムにスティーヴがなじみ深いギター・リフを重ねた。“The
Riverboat Song”だ! 人気曲の“The Riverboat
Song”の登場にファンは大いに沸き、デーモンが例によって手拍子を求め、熱狂に拍車をかけた。続く“The
Day We Caught The Train”ではサビの部分の♪oh~ la~la
では場内はこの日一番の大合唱。最後に人気曲を2連発でブチかまし、ファンを熱狂させたところで、4人はステージを去った。
最近のライヴではアンコール要求もおざなりなことが多いが、今回の会場に集まったのは熱心なファンばかりなのか力強い手拍子。これに応えて1人だけステージに戻って来たサイモン。アコギを構え、10代の時に作った曲だという“Foxy's
Folk
Faced”を弾き語り。サイモンの独演が終わったところで、残りの3人もステージに戻って来た。デーモンは戻ってくるなり「ドウモ、スミマセン」と『林家三平』してた(笑)。4人揃ったところでプレイされたのは“Get
Away”。“Get
Away”が終わったところで、サイモンとスティーヴが次に演る曲についていろいろツッコミ合う。スティーヴが「昔のフォーク・ソングを演る」とかなんとか宣言したところで弾き始めたフレーズがいつもの『あの曲』だったものだから、サイモンは笑ってた。ビートルズの“Day
Tripper”だ。一種『お約束』ともいえる“Day
Tripper”で会場内大いに盛り上がり、ライヴは終了〜!!!
サイモンの歌心あふれるものの真面目過ぎともいえる熱唱で、ともすればシリアス過ぎになりそうなところ、デーモンのふるまいで適度にユルんで(笑)なごめるライヴでした。
【SET LIST】...'00.4.15
恵比寿ザ・ガーデンホール
1. Hundred Mile High City
2. Profit In Peace
3. The Circle
4. Lining Your Pockets
5. I Am The News
6. So Low
7. Fleeting Mind
8. Travellers Tune
9. Better Day
10. July
11. One For The Road
12. Soul Driver
13. The Waves
14. Jane She Got Excavated
15. The Riverboat Song
16. The Day We Caught The Train
(encore)
1. Foxy's Folk Faced
2. Get Away
3. Day Tripper (ビートルズのカヴァー)