2ndアルバム『the spelling
of my
solution』でメジャー・デビューを果たしたNAHTの全国ツアー、その名も『my
spelling tour』の12月9日、金沢でのギグを観て来た。
私がNAHTのことを知ったのは、'99年のロケット・フロム・ザ・クリプトのライヴでのオープニング・アクトとして演奏したのを観て。壮大なスケール感のあるダイナミックなプログレ的楽曲に「日本にもこんなバンドが居るのか!!!」とド肝を抜かれたものだ。それからNAHTのことはずっとアタマのなかにあったんだけど、いよいよメジャー・デビューを果たした彼らは、ヴァイオリストを含む4人編成に変わっていた。ヴァイオリンを加えてエモーショナルに深化した彼らの演奏を観たくて、初めて金沢へとライヴ観に出掛けた。
富山から金沢ゆきの普通列車に1本乗り遅れたため、私が金沢入りしたのは予定より30分遅れの6時過ぎ。金沢駅から歩いてだいたい50分くらいかかって会場のvan
van
V4に到着。1Fは練習スタジオで、ホールは2Fにある。開演時間は6時半だったけど、オープニング・アクトがつくのが分かってたから7時くらいに会場入り。会場では出演順最初のバンドが演奏中。deafestという地元・金沢のバンドらしい4人組。モロにエモなバンド(笑)。最後の1曲しか聴けなかったんだけど、女性ヴォーカリストの
かっこサンは♪lalala〜としか歌わず、ヴォーカルさえも楽器として扱ってるかのようでした。
次に登場したバンド・GLADLYは、女性ベーシストを含む4人組。『皆殺』とプリントされたTシャツを着た巨漢ドラマーが居て、彼がバンマスらしい。イイ歳してるようだし(笑)。体が横に大きいだけでなく、ヒゲを伸ばして、バンダナしてるものだから、パンテラのヴィニー・ポールに似てた(笑)。あと、ギタリストが2人居て、ステージ真ン中に陣取るギタリスト以外が全員ヴォーカルを担当。つまり、まったく歌わないメンバーを取り囲むように他のメンバーが居て演奏してるワケ。メインのヴォーカルは、背中に『SUB
POP』のロゴが、胸には『LOSER』とプリントされたTシャツ着て異様にネックの太いベースを弾いてた女性ベーシストだけど、たまに巨漢ドラマーやギタリストがヴォーカルでからんで来て、最初の数曲聴いたところで、バービー・ボーイズを思い出したな、私。で、曲の間で何回かバンマスの『ヴィニー・ポール』(笑)がMC入れたんだけど、観客の態度、冷たい冷たい...。「ライヴの予定です。次は1月の13日だっけ?(と、他のメンバーに確認) 富山で演奏します」。観客無反応。私、富山だから反応してあげたかったんだけど、ひとりで歓声あげてもな...(苦笑)。さらには「Tシャツ作ったの、外で売ってるのでよかったら買って下さい。あとステッカーも作ったのでこれはタダでお配りしますで持って帰って下さい」...。 観客無反応...。すると『ヴィニー・ポール』(笑)「無理に持って帰らなくてもいいけどさ...」ととたんに弱気(笑)。いくらアマチュア・バンドといっても...この無反応ぶりは可哀想...(苦笑)。5曲ほど演奏したGLADLYだけど、後のほうで演奏した曲はやはりエモっぽい壮大な曲で、バービー・ボーイズっぽくはありませんでした(笑)。
8時にGLADLYの演奏が終わると、セット・チェンジが始まり、フロアの客はほとんど建物の外に出た。大都会のハコと違って再入場に関してうるさくない。この間を利用して最寄りのバス停でバスの時間を確認してハコに戻ると、ステージ上では女性のヴァイオリストがチューニングやってるぞ!? 他のメンバーも見たことあるような...? よく見たら、seikiさんたち...NAHTの4人だった!!! BLUE
BEARDというバンドがもう1組出るハズなのに、NAHTのほうが先に演奏するらしい。バス時刻など見に行ってる場合じゃあなかった!!!(笑) やがて、演奏準備が整い、場内に、アルバム『the
spelling of my
solution』のアタマを飾るインストゥルメンタル曲“spelling my
name”が流れた。これが流れ終わるとseikiさんがギターを弾き始める。アルバムどおりの流れで“either
way you
want”に突入〜!!! ステージの真ン中にヴァイオリストのyasukoさんが居て、男性メンバー3人が彼女の廻りを囲むようにして演奏してる。マキシ・シングルにもなってる“either
way you want”だけにライヴのつかみとしては最高だ。続いては“as karma
goes”。ギター兼ヴォーカルのseikiさんは口を大きく開けて熱唱〜!!! かなり前歯が欠けてるように見えたんだけど、気のせい??? ヴァイオリストのyasukoさんはとても細い体してて、あまりにカラダが細すぎるものだから、相対的に顔が大きくに見えた(笑)。yasukoさんが使用してるヴァイオリンはエレクトリック・ヴァイオリンだろうか、普通のヴァイオリンと形が違ってた。あと、yasukoさんはヘッドセット付けてた。っていうのは、ヴァイオリンって弾く時にかなり頭を小刻みに動かすから、マイクスタンドのマイクだとバック・コーラス入れる時に不都合があるから。“as
karma
goes”が終わると、seikiさん、「人間、右に左に振り子のように心が揺れることがあるけど、中心はしっかりと持っていよう...って曲です。“inertia”」って感じで、振り子の手ぶりを交えて口早に曲紹介した。“inertia”だ。この時点でseikiさん、熱唱し過ぎで、もう汗ダク。
NAHTは前にも金沢で演奏したことがあるらしく、seikiさん、「今回のツアーの日程決める時、週末はどこで演ろうかって考えたんだけど、『そうだな、金沢がいい!』ってことで金沢に決めました」とか何とかMC入れてた。そんなseikiさんが「次の曲を聴いて下さい。“last
word of the remarks”です」って曲紹介した“last word of the
remarks”ではイントロでヴァイオリンの音色がしっかりと堪能出来た。他の曲ではギターやベースの音の轟音にかき消され、ヴァイオリンの繊細な音色があんまり聞こえなかったものだから...。ドラムのtakahiroさんがシャウトで参加した“scenery”ではベースのtsuyoshiさんが大活躍!!! モミアゲの長いマッシュルーム・カットしててお坊ちゃま風の風貌にダマサれて(笑)tsuyoshiさんのことを過小評価してはイケマセン!!! もの凄く上手いです。この後、“i
disperse”を演奏すると、seikiさん、「今の曲は『間違ってるのは自分だけだろうか?』っていう内容の曲、“i
disperse”でした」って感じで曲の解説をすると、この曲がNHKの番組のエンディング・テーマにも使われてることをさりげなくアピール。その後を引き継いでドラムのtakahiroさんが、会場で売られるTシャツの宣伝などをすると、またseikiさんが曲紹介。「最後の曲です。“no
one...”」 この“no
one...”が終わると、アンコールも無いままライヴ終了...。フロアから出ると『ヴィニー・ポール』(笑)がみんなにタダでGLADLYのステッカーを配ってた(笑)。
van van
V4の会場の性質上、NAHTのファンよりも、プロのミュージシャンを目指すバンド小僧が「プロのバンドとはどんなものか?」と観に集まった感が強く、盛り上がりに欠けたなァ〜...。NAHTの演奏はアルバムどおりドラマティックで、満足いったけど...。
【SET LIST】...'00.12.9 金沢・van van
V4
. spelling my name
1. either way you want
2. as karma goes
3. inertia
4. ? (another world...?)
5. myself broke into pieces
6. last word of the remarks
7. is there any place for my heart?
8. scenery
9. i disperse
10. no one...