「新しいミクスチャーはじめました」とのオビタタキのアルバム『フィエスタ!』で去年の2月にメジャー・デビューを果たしたミサイル・ガール・スクート(以下、ミサイル)。2人の女性ヴォーカリスト、JUNNとU-RIの2枚看板を擁するこの5人組の音楽性を、誤解を恐れずに言うと『女リンプ・ビズキット』? そのミサイルが『KKP
Communication』と題した日本縦断ツアーの一環で金沢・AZホールにやってきた。オンナが男勝りなハードコア・ミクスチャー/ラップ・メタル演ってる...ということで、どんなに怖いネェチャンたちなのだろうか?...と、イメージだけがひとり歩きするなか、怖いモノ見たさの好奇心から、彼女たちのライヴを観に2月3日、金沢・AZホールに私は足を運んだ。
今回のライヴ、ミサイルの前に2つ前座のバンドが付いてて、まず登場したのは地元・金沢のバンド、ナダレ。MCが2人居て、あとはギター、ベース、ドラム...という5人組。メンバー全員、バスケットやサッカーのユニフォームを身に付け、ストリート感覚ってやつを全面に出してる。やってる音楽はリンプ・ビズキットの1st『スリー・ダラー・ビル・ヤ・オール$』の悪いところばかり抽出したような粗暴なハードコア・ミクスチャーだ(笑)。
2番手に現れたのは、先月のリンプ・ビズキットの来日公演の前座も務めた宇頭巻で、今回初めて6人組って分かった。先のリンプ・ビズキットの来日公演ではステージが遠すぎてメンバーの風体も見えなかったから(笑)。MCの獣サンって凄いね。髪の毛からヒゲまで、文字どおり『しましま』の虎刈りです(笑)。このMC×2、ギター×2、ベース、ドラムの6人組も、やってる音楽はやっぱりリンプ・ビズキットの1stの悪いところばかり抽出した(笑)粗暴なハードコアなのであった。会場を埋めるキッズには宇頭巻のラップ・メタルは好評で、大暴れするものが続出。このなかにナダレのメンバーも居て、キッズと一緒に暴れてた。宇頭巻の面々が去ると、ステージではセット・チェンジが行われた。
8時30分頃、場内にいかにもミサイルらしいSEが流れ、フロアの客電が落ちた。ステージに『看板娘』(笑)の2人以外のメンバー、ドラムのYOSUKE、ギターのGAK、ベースのKEITAが現れ、楽器を構える。少し遅れてようやくJUNNとU-RIが登場。U-RIはラガーシャツみたいな横縞のシャツ姿で、JUNNはコートを羽織りフードで頭をスッポリ覆って、何故か観客に対して後ろ向きでステージに立つ。曲の演奏が始まる。4thシングル曲の“No
Sweat”だ。勿論、JUNNはフードを外し、キッズに向き直ってツラを見せ、歌い始める。キッズはいきなり盛り上がるんだけど、サウンドバランスが悪く、U-RIの歌うメロディー・ラインが聴き取りづらい。これはライヴが進むにつれ、改善されたけど。で、ナマで見たミサイルの第一印象をいうと、意外にカワユい(笑)。特にロングヘアを揺らしながら歌うU-RI。「エッ、これがミサイルのひとですか?」って思ったモン。JUNNも小柄なためか男勝りな感じは受けなかった。“No
Sweat”が終わると、早くもコートを脱ぎ捨ててグレーのタンクトップ姿になったJUNN、両肩に彫られた刺青を見せつける。「今日は2月16日にリリースされる新曲2曲持って来たからね〜」って言ったJUNN、さらに「みんなでパーティー盛り上げていってよね!」って言うと始まったのが“Hype
The Party Up”。さらに“Trip”、“Fake Sista Ain't Shit
!”...と、アルバム『フィエスタ!』収録曲が次々と披露された。
ミサイルのフロントの2人は殆ど曲が終わるごとにMC入れてた。「前のツアーで福井、金沢、富山...って廻った時はどこも(ファンが)熱くて、『北陸は熱い!』っていう印象があります。今日も熱いの期待してるよッ!」とか「今回のツアーもあと横浜を残すだけなんだけど、美味しい魚をたくさん食べて東京に帰ろうって思ってます。あとで美味しい店教えて下さい。物販のところにメンバー出ると思うんで」とか言ったり、盛り上がりが足りないと思ったら「アタシの知ってる金沢(の盛り上がり)はこんなもんじゃなかった!!!」とか。ま、そんなふうに言うのはJUNNが多いんだけど。で、曲が進むにつれ、JUNNのグレーのタンクトップに汗がにじんでいくのが分かった。汗ダクだ。U-RIのほうも結構汗かいてるハズなのに、ラガーシャツ姿でずっと通してた。
「2月16日発売のニュー・シングルのカップリング曲」という紹介で“I
Can't Down, No
More”が披露されると、「2ndアルバムが出来ました。タイトルは『WANDERLAND』で、3月7日のリリースです。ハードな曲から、聴かせる曲から、バカみたいな曲までいろいろ入って全16曲」という嬉しい知らせの発表。“Naked
King”を演奏した後は2月16日発売のニュー・シングル曲“KKP Connections
”。この曲が終わるとJUNNが言った。「今まではアタシたちがみんなを楽しませてきたけど、これからはみんな盛り上がってアタシたちを楽しませてよね!!!」 ここで始まったのはアルバム『フィエスタ!』から“411”、そして曲間にMC挟まないで“One
Track Mind”にそのままなだれ込む。私はこの“One Track
Mind”大好きだから、この時だけはキッズのなかに突進した(笑)。“One
Track
Mind”はCDでも3分ない短い曲なのに、テンポ・アップして演奏されたから2分半くらいで終わったと思う(笑)。“One
Track
Mind”が終わると、「最後の曲〜!」ってJUNNが宣言。「最後だからみんなの大好きな曲を演るわよ〜」ってU-RIが言って始まったのは“Big
Mouth”。これが終わると、2人はミネラルウォーターのペットボトルをファンに投げ入れ、JUNNはファンに手を差し出て、コミュニケイトしていった。
キッズのアンコールの手拍子に再びステージに呼び戻されたミサイルの5人。「ふだんアンコールはやらないんだけどネ...」というJUNN、「誰もが楽しめる曲」って紹介で披露されたのは、ニルソンのカヴァー“Without
You”。1970年代を代表する名曲で、曲名を知らなくても、音楽好きなら誰でも聴いたことがある屈指の名曲。歌い出しはU-RIが、そして続きをJUNNがフツウに歌ってたんだけど、サビの部分にさしかかった途端、原曲を崩したハチャメチャなアレンジに突入〜!!!(笑)。アッハッハ〜!!! そういえば、リンプ・ビズキットもジョージ・マイケルの“Faith”をハチャメチャに崩して歌ってたね(笑)。もう1曲“TV”を演ると、JUNNはまたもファンに手を差し出て、コミュニケイトし、YOSUKEはドラム・スティックをファンに投げ入れ、ミサイルはステージを去った。
『男勝りなハードコア・ミクスチャー』ってイメージと裏腹に、U-RIのヴォーカル・ラインはポップで親しみ易く、彼女自身、プリティーだし(笑)、JUNNがファンとコミュニケイトする時見せた笑顔は可愛かった。怖いネェチャンじゃなかったと保証します(笑)。
【SET LIST】...'01.2.3
金沢・AZホール
1. No Sweat
2. Hype The Party Up
3. Trip
4. Fake Sista Ain't Shit !
5. I Can't Down, No More
(2/16発売のニュー・シングルのカップリング曲)
6. Naked King
7. KKP Connections (2/16発売のニュー・シングル曲)
8. 411
9. One Track Mind
10. Big Mouth
(encore)
1. Without You
2. TV