元スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンとジミー・チェンバレンの新バンド、その名もズワンが、デビュー・アルバムをリリースしたばかりというのに早くも日本に来てライヴを行なうというので、2月1日、さっそくZEPP
TOKYOでの日本公演初日を観て来た。
「りんかい線」開通後、とってもアクセスが便利になったZEPP
TOKYOのフロアのステージ前から数えて2番目の柵、ステージに向かって右側に陣取った私。何故、ステージ向かって右側に陣取ったかというと...紅一点のベースのパズ・レンチャンティン嬢がこっち側だから(爆笑〜!!!)。『金髪のヅラ怪人』(笑)率いるア・パーフェクト・サークルのライヴを、2000年の『FUJI
ROCK FESTIVAL』で観た時から彼女のファンなので(笑)。
開演予定時間の6時を廻って早々に客電が落ち、ステージにズワンの5人が登場。さっそくファンからビリー・コーガンに向かって「ビリー〜〜〜!」と声援が送られる。ファンに「good
evening〜!!!」と挨拶。メンバー全員の準備が整ったところで演奏始まった曲は、ズワンのデビュー・アルバムのタイトル曲“Mary
Star Of The
Sea”。ステージ上には向かって左から、帽子を被ったマット・スウィーニー(ギター)、ビリー、パズ、デイヴィッド・パホ(ギター)の順で並んでる。パズ目当てに選んだ私の立ち位置は、パズよりもデイヴィッドに近く、この日の演奏は、阪神タイガースの若きエース・井川みたいな(笑)のデイヴィッドの顔をみながら聴くハメになった(爆笑〜!!!)。マイクスタンドがひとつだけ低く設置されてるのに気が付くべきだった!(笑...紅一点のパズだけ背が低い) オープニング曲の“Mary
Star Of The
Sea”はインプロヴィゼイションの要素が高く、パズはドラムのほうを向き、ジミーの叩くリズムに合わせながら演奏。ビリーが歌を乗せた時、マイクの調子が悪くて声を充分に拾ってなかったけどそれはすぐに改善された。人指し指を掲げ「mary
star of the
sea〜!」と叫ぶビリーの姿は、スマパン時代の音獣・ビリーそのまんま。服装は、雑誌『CROSSBEAT』3月号p.
82 の写真と同じく、ゾウさん柄のトレーナー(笑)。
出だしからいきなり10分くらいの曲演って、ズワンの持つ(一般ピーポーにとって)難解な部分を披露したけど、次の曲はズワンのポップな側面を代表する“Lyric”。アルバム(日本盤)が発売されてからまだ数日しか経ってないのに、観客の間から歓声が上がる。“Mary
Star Of The
Sea”ン時と違ってドラム向き(笑)ではなく、マイクスタンドに向かってコーラス入れながらベース弾くパズ嬢。『金髪のヅラ怪人』(笑)の時には黒ずくめのゴジック姉チャンだったけど、この日は白系のツーピースで清楚なイメージ。ヴィジュアル的には当然として(笑)、パズのズワン・サウンドに対する貢献度合いはかなり大きい。極端なハナシ、ポップな時のズワンは、ビリーとパズのデュオのようにさえ聴こえた(笑)。次に、これまたポップな“Declarations
Of Faith”を演奏すると、ビリーがMC入れる。「次の曲は“El
Sol”」ってな感じで曲紹介。ファンには浸透し切ってるのか、この曲紹介にも歓声が上がる。この曲もポップだ。次の曲はアルバム未収録。この曲の歌い出しを聴いて、森高千里の“私の夏”を思い出したのは私だけでしょーか?(爆笑〜!!!)
ところで、ビリーってこんなに人気あんの?って思うくらい、観客からの「ビリー〜〜〜!」という声援は途絶えることがなかった。スマパン時代は「イハ君は好きだけど、あの坊主頭のひと、怖い...」(苦笑)といった扱い受けてた印象が強いので、ちょっと意外。私? ビリーに声援送らず、パズばかり観てました(爆笑〜!!!)。これまたポップな“Endless
Summer”、さらに“Settle
Down”を演奏したところで、マットが思わせぶりに弾き始めたギター・リフは“Jesus,
I”。この曲もインプロ要素の強い曲なので、パズはマイクスタンド離れ、ジミーのほう向いてベース弾く(笑)。爆裂ドラマーのジミーは、ルックスがRUSHのニール・パートっぽくなってたなぁ〜(笑)。“Jesus,
I”からそのまま他の曲になだれ込んでいく感じで、これまた10分くらい演奏してたんじゃないかな?(苦笑)
この長い曲が終わると、ビリーのMC。英語だったため内容はよく聴き取れなかったけど、「この間のライヴ(勿論、日本以外での)に君たちも来てたかい?」などと観客に訊いたんだろう。「yeah!」などと答えるファンが居たものだから「ウソツケー」とビリーが日本語で返したのが笑えた。ここで、パズはベースを手放しヴァイオリンを持ち、デイヴィッドはキーボードに就き、ジミーはパーカッショニストになり、静かな“Of
A Broken
Heart”を演奏。デイヴィッドはギターに戻ったものの、パズはヴァイオリンのままでもう1曲カントリーっぽい曲を演った。パズがベースとバックコーラスに戻り、“Ride
A Black
Swan”を演奏。次の曲は、アルバムのなかでも人気の“Honestly”で、ファンが盛り上がったところで一旦ビリーたちはステージを後にした。
あれだけ「ビリー〜〜〜!」の声援を絶やさなかったファンたちがこのままライヴ終了を許すワケがなく、アンコール要求の手拍子によって再びステージに戻って来た5人。アンコールではアルバム未収録曲を2曲演ってくれた。最後の曲を演奏する前には英語で「日本に来る度いつも僕にフレンドリィに接してくれて、本当にありがとう」などとファンに御礼の言葉を述べてたビリー。アンコール前には日本語で「ドモ、アリガトゴザイマス」って日本語で御礼言ってたしね。ここで演ったのはスマパンの“Zero”みたいなリフ持つ曲(笑)。この曲の演奏が終わると、ビリー以外のメンバーは挨拶もそこそこにステージを去って、ステージにはビリーひとり居残る。マイクスタンドに差したままになってるギター・ピックを観客に向かって次々に放り投げる。自分のマイクスタンドだけじゃなく、デイヴィッドやパズ、マットのマイクスタンドからもピックをむしり取り、ファンに向けて投げ入れてた。さらに、フロアの最前列を埋めるファンたちに手を差し伸べ、先ほどから「ビリー〜〜〜!」という声援を送り続けてた大勢のファンたちと握手、握手、握手。気が済むまでファンと触れ合って満足してから、ビリーはステージを去っていった。
アルバムでは、スマパン時代を知らないような初心者取り込みを謀ったようなミョーにソフトでポップな楽曲が目立ってたけど、この日のライヴではその手のポップな楽曲(主に、アルバム後半の曲)を徹底排除(笑)。アルバムタイトル曲に象徴されるようなインプロ要素の強いパフォーマンスをファンに見せつける姿は、スマパン時代の攻撃的なビリー・コーガンのイメージそのまんま(笑)。アルバム聴いた感じとはかなり印象が違ってた。
【SET LIST】...'03.2.1 ZEPP TOKYO
1. Mary Star Of The Sea
2. Lyric
3. Declarations Of Faith
4. El Sol
5. Never Love Me
6. Endless Summer
7. Settle Down
8. Jesus, I〜Soul Machine
9. Of A Broken Heart
10. Friends As Lovers
11. Ride A Black Swan
12. Honestly
(encore)
1. A New Party
2. Spilled Milk