ドラマーのYOSUKEが椎間板ヘルニアになり、ドラム演奏が出来なくなってしまったため長らく活動を停止してたミサイルガールスクート(以下、ミサイル)。そんなミサイルが活動再開して新作をリリースするというニュースに、完然復活を期待したんだけど、1月17日の渋谷クアトロ公演での突然の解散発表...。YOSUKEの腰が完治するためにはドラム演奏は厳禁のようで、YOSUKE抜きではミサイルは成立しないと、彼女たちは判断したんだろう。ということで、ミサイルの最後の勇姿を観に3月22日、赤坂BLITZへ駆けつけた。
会場の赤坂BLITZの前では「メッセージお願いしま〜す!」と、会場前に集うキッズに声をかける集団が居る。イラク戦争に対する抗議の署名活動かと思ったら、ミサイル・ファン有志が、4
m
四方くらいの巨大な白い幕に会場に集まったファンからのメッセージの寄せ書きを集めてるところだった。多くのファンが寄せ書きに協力してた。会場入りしてフロアの中ほどに陣取った私。ヘヴィーなミクスチャー・ロックのミサイルのライヴでは、ダイヴやサーフはアタリマエなので、身の安全を確保(笑)。
殆ど定刻きっかりに客電が落ちる。SEが流れてしばらく経ってから、ファンの声援を集めながらステージにミサイル登場。オープニング曲は新作『MISSILE
GIRL
SCOOT』のアタマを飾る“INVINCIBLE”。キッズはいきなりダイヴやサーフ連発。体ごとぶつかり合うような狂乱状態へ...。ミサイルの2人の看板娘...JUNNは厚手の防寒着姿、U-RIは黒地にピンクのポイント入ったTシャツにオレンジ系のミニスカート姿で熱唱。JUNNの左にギターのGAK、U-RIの右側にベースのKEITA。そしてドラムを叩いてるのは、YOSUKE!!! あれ? ドラム叩けないんじゃなかったの? その疑問は曲が終わった後に解けた。JUNNが「YOSUKEの腰はまだ完治してないの! 1曲だけムリして叩いてもらったんだけど、ここでドラマー交替します!」と言って、ステージに『ミサイル第6のメンバー』HIROSHI
SHODAを招き入れる。YOSUKEは、立ったまま叩けるような簡易なドラムセットへ移動。この後の演奏では、YOSUKEはこの簡易セットを叩いたり、ギターを弾いたりしてた。「今日で最後なんで、ミサイルの集大成ってことでいつもより多めに曲を演りたいと思います!」などと力強く宣言するJUNNにファンが沸いたところで、“Hype
The Party
Up”へ。いつの間にかもうJUNNは防寒着脱いで、上半身はブラだけになって両肩・上腕の刺青ムキ出し。JUNNの腹筋は『仮面ライダー』もビックリ!なほど筋肉ムキムキ。
“Trip”の演奏が終わると、JUNNがMC。「今、TVでは面白くないニュースばっかり流してるね!」 勿論、イラク戦争報道のことを指すわけだけど、そんなfxxkなTVに捧げる曲として、“TV”を演奏。この後、新作『MISSILE
GIRL
SCOOT』からの曲が続く。「自分の感情を内に込めちゃダメだよ! パーッと発散しなきゃ!」といった意味のMCをJUNNが入れて始まった“Border
Line”の後、KEITAが弾くベース・リフにファンが歓声を上げる。シンディ・ローパーが歌ってた映画『グーニーズ』の主題歌のカヴァー“THE
GOONIES 'R' GOOD
ENOUGH”。'80年代洋楽にリアルタイムで接してた私にはこの曲は馴染み深くて、歌詞もよく知ってるけど、JUNNは歌詞を間違えてたね(苦笑)。1番の♪they've
finally taken shape〜と歌うべきところも、2番の♪oh maybe you're out
of
place〜って歌ってた(苦笑)。この日のJUNNはことあるごとに「あたしたちが切り開いた道を そのまま切り開き続けてくれ!」という意味のこと繰り返してたけど、この曲で歌われる「あなたはここに留まっていてはいけない」という歌詞にも通じるモノがある。もしかしたら、JUNNはワザと歌詞を変えて歌った...と考えるのは穿ち過ぎ??? “THE
GOONIES〜”の後、HIROSHIが叩き始めたリズムにもファンは素早く反応。JUNNが「『グーニーズ』の世界から、『ミサイルのワンダーランド』に招待します。ようこそ『ワンダーランド』へ!」などと言う。アルバム『ワンダーランド』からの“Naked
King”だ。さらに“INSYNC
Legend”を演った後、ファンに手を掲げさせ、手拍子させるU-RI。“Bed Of
Roses”だ。この曲ではファンに♪today is a bed of
roses〜と掛け合いさせたJUNN。怪しげな宗教音楽のような“WANDERLAND”、さらには暴れたい盛りのキッズが喜ぶ(私も好きだ...笑)“NO
SWEAT”、“Fake Sista Ain't Shit !”と曲が続いていった。
ミクスチャー/ヘヴィー・ロックの枠だけに留まらないようにイロイロ挑戦した結果、「トンデモない曲が出来ました」とJUNNが紹介して始まった曲は、“Innocent
Soul”。ステージの奥をみると、それまで居なかったハズのヴァイオリン奏者2名とヴィオラ奏者が1名が居て演奏してる!!! CDで聴けるヴァージョンにもストリングス入ってるけど、ここまでライヴで再現しちゃうのはラストだからこそ? ヴァイオリン奏者とヴィオラ奏者は、次の“A
Trailing
Note”でも引き続き演奏。ヴァイオリンやヴィオラには不似合いなヘヴィーな曲。あ、よく見たら、ヴァイオリン奏者もヴィオラ奏者も耳栓してた(爆笑〜!!! 実は、モニター?)。この曲が終わるとヴァイオリンとヴィオラはお役御免。ミサイルらしいヘヴィーな曲“ERASE”へ。「嘘をついてあたしを裏切った君はもう信用出来ない。君のことはあたしの記憶の中から消去する」という内容の“ERASE”の演奏後、「雑誌のインタヴューで『コワイ曲ですねぇ』って言われたりしたんだけど、そういう暗い部分の自分も、自分であることには違いないから隠したりはしない」などとJUNNは喋ってた。
「君たちが好きなバンドって、君たちを暴れさせてくれる曲を演ってくれるバンドだと思うけど、ちょっと違ったモノも聴いて欲しい気持ちもあって、静かな曲もアルバムに入れるようにしてるんだけど、その静かな曲を演ります」とJUNNが言って始まったのが、“Everytime
It
Rains”。この曲が終わると「まだまだ静かな曲が続くんだけど、みんな我慢してくれ」となど言って、BLITZの2階席の関係者席をみる。「あたしにやさしさを教えてくれた母が今日来て観てくれてます」 このように言って演奏し始めたのが“Mind
Pain”。“Everytime It Rains”も“Mind
Pain”も好きな曲なんだけど、JUNNの言うとおり、みんなが求めるミサイルと毛色が違う曲だから、ライヴで演ってくれるのをハナから期待してなかっただけに演奏されてビックリ!(苦笑) これも最後だから(苦笑)? さらに“Gaze
Into
Space”がプレイされ、ここでJUNNが言う静かな曲シリーズはお終い。「静かな曲が続いてみんな寒いんじゃない?」と、U-RIがファンに訊く。「みんなこれまで以上に暴れられるよね!? 暴れられるよね!?」などとファンを挑発した後、ヘヴィーでファストな曲を連射!!! “411”、ニルソンのカヴァーの“Without
You”、“ROCK'N ROLL ★ HIGH
SCHOOL”、そしてリマールの有名曲のカヴァー“THE NEVER ENDING
STORY”...と、息つく間も与えぬ怒濤の4連発。ファンもダイヴ、クラウド・サーフィン連発で狂乱状態へ。そして、トドメは勿論、“One
Track
Mind”! 私もこの曲が大好きなので一緒に歌い、飛び跳ねた(笑)。ここでミサイルの5人(+1人)は一旦ステージを去った。
「M. G. S.! M. G.
S.!」と、JUNNたちを再びステージに呼び戻すべく、ファンがM. G.
S.コールを続けるなか、先ほど会場の前でファンからの寄せ書きを集めた巨大幕が広げられ、JUNNたちがステージに戻ってくるのを待ち構える。やがてJUNNたちがステージに戻って来た。ファンが大歓声で迎えるなか、この寄せ書きだらけの巨大幕を目にしたJUNN、一言「(あたしたちを)泣かすなよ〜!!!」 さらにファン代表がJUNNとU-RIに花束贈呈。ついにJUNNもU-RIも感極まって目に涙がたまり、顔がゆがむ...。ファンがくれた寄せ書き入りのTシャツに着替えたU-RIとYOSUKE。ここでJUNNが「BLITZの決まりではファンをステージに上げちゃダメなんだけど、今日は特別にファンをステージに上げていいと許可が出ました!」と言って、ファンを30名くらいステージに上げる。さらに東京スカパラダイスオーケストラのホ−ン隊が登場〜!!! 彼らを加えて“HAPPY&SONG”を演奏。ステージ上のファンもフロアに居るファンもミサイルと一体となって盛り上がった。
ステージに上ってたファンが元どおりフロアに戻った後、JUNNが言った。「あと1曲、『これを演らなきゃミサイルは始まらないだろう』って曲を演ろうと思うんだけど、みんな何の曲を演るか分ってるな!」 これにファンが大歓声で応えたので、「その曲のタイトルをみんなで言うんだぞ」とJUNNがマイクを向けると、しっかりと大合唱で返したファン(含、私...笑)。「“Big
Mouth”!」 このファンの反応にJUNNは「ありがとう!」と御礼を言う。スカパラのホーン隊の皆さんもそのまま演奏に加わった“Big
Mouth”、ふとドラムセットを見遣ると、ドラム叩いてるのは(サポートのHIROSHIじゃなく)YOSUKE。ホントに最後の最後だからムリしてドラムを叩いてるようだ。フロアではキッズがハジケたいだけハジケてる。この“Big
Mouth”が終わると、ミサイルの5人、スカパラのホーン隊、そして一度袖に引っ込んでたサポート・ドラマーのHIROSHIがステージに出て来て横一列になって手をつなぎ、観客に一礼。JUNNが言った。「また、いつか逢おう!」
YOSUKEがカメラでファンの姿を写真で撮っていったけど、仕上がった写真を見なくても、この時のファンの姿はしっかりと眼に焼き付いてて容易に思い出せることだろうな、ミサイルの5人は。そして、ファンにとっても思い出に残る特別な夜になったハズ。
それにしても、解散ライヴってのは、いつも独特の雰囲気があるなぁ...(苦笑)。
【SET LIST】...'03.3.22 赤坂BLITZ
1. INVINCIBLE
2. Hype The Party Up
3. Finish The Worry Days
4. Trip
5. TV
6. Voice Of Mind
7. Proud Of Lfe
8. Border Line
9. THE GOONIES 'R' GOOD ENOUGH
10. Naked King
11. INSYNC Legend
12. Bed Of Roses
13. WANDERLAND 〜set free my heart〜
14. NO SWEAT
15. Fake Sista Ain't Shit !
16. Innocent Soul
17. A Trailing Note
18. ERASE
19. Everytime It Rains
20. Mind Pain
21. Gaze Into Space
22. 411
23. Without You
24. ROCK'N ROLL ★ HIGH SCHOOL
25. THE NEVER ENDING STORY
26. One Track Mind
(encore)
1. HAPPY&SONG
2. Big Mouth