4thアルバム『エレファント』が世界的に大ヒットを記録した『姉弟ガレージ・ロック・デュオ』ザ・ホワイト・ストライプス(以下、ストライプス)のライヴを10月23日に名古屋クラブ・クアトロで観て来た。この日のライヴは前売りチケットがSOLD
OUTになっていて、多くのファンがフロアを埋めてる。入場整理番号が70だった私は、ステージ向かって左側(要するに、ドラムのメグ側...笑)の前から2列目に陣取った。
開演時間の7時になってステージにオープニング・アクトのワールウィンド・ヒートの3人が登場。ジャック・ホワイトが肩入れしてる彼らは、デイヴィッド(vo.
moog)、スティーヴ(b.)、ブラット(ds.)...のギターレスのガレージ・ロック・トリオ。全員日本デビュー・アルバム『うさぎの悩み』のジャケットがプリントされたTシャツを着用。彼らもストライプス同様、ドラムセットを前のほうに置くセットにしており、しかもちょうどストライプスのメグの定位置と同じところにドラムがあったから、ブラットの激し過ぎるくらいのドラムプレイを目の前で観た私。ブラットは元ブルータル・トゥルース〜S.
O.
D.のダン・リルカを思わせるルックスの長身ドラマーだ。坊ちゃん刈りのスティーヴは、欽ちゃんを思わせる軽快なステップを踏みながらベースを演奏。デイヴィッドは時折MOOGでSE的なフレーズを弾きながら熱唱。カン高い歌声がストライプスと共通? ギターレスのトリオ編成での演奏は最初は面白かったけど、同じような曲が続くので何曲も聴いてたらさすがに飽きがくる(苦笑)。彼らの演奏観て、ギターやキーボードといった楽器が如何に楽曲に表情付けてるかが分かった(苦笑)。40分も演奏時間をもらった彼らは、「ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトに感謝する」と最後に英語で御礼を言って、ステージを降りた。
ステージ前2列目に居た私は、ここで行われたセットチェンジの模様がしっかり見渡せたんだけど、メグのドラムセット、バスドラムの前面だけじゃなく椅子にも例のペロペロキャンディー模様が描かれてます(笑)。
8時10分頃、ステージにジャックとメグが登場。観客からの歓声が場内に渦巻く。ジャックが弾き始めたギター・リフは、新作『エレファント』からの“Black
Math”。メグもシンプルかつ力強いリズムを叩き始める。去年の『フジ・ロック』同様、今回も2人だけでの演奏だ。黒いTシャツに、「片足赤色、もう片足は黒色」のケッタイなスボン履いてたジャックは垂らした前髪をチリチリにしてるうえに顔色が白いこともあり、一瞬マイコー・ジャクソンかと思った(爆笑〜!!!)。一方、メグはというと、黒いTシャツに赤の革パン姿。髪型は、去年の去年の『フジ・ロック』の時に多くのファンの心を鷲づかみにした(笑)ツインテイルじゃなくて、今回はフツウに下ろしてる。
ファストで荒々しい“Black
Math”に続いてジャックが弾いたギターリフは、大出世作『ホワイト・ブラッド・セルズ』のアタマを飾る“Dead
Leaves And The Dirty
Ground”。ファンが「ウォ〜〜〜!」と歓声上げる。ステージには、中央、キーボード、ドラムセットの横...と、全部で3本ジャック用のマイク・スタンドが用意されていて、ジャックは自分の好きなマイクを択んで歌うことが出来る。ドラム横のマイク・スタンドはメグのほうを向いてセットされているから、このマイクでジャックが歌うと、メグのほうを向きながら歌うことになる。演奏中結構このドラム横のスタンドに移動してたジャック、メグのほう向きながら歌ってました(笑)。
オリヴィア・ニュートン・ジョンのカヴァーという枠を飛び出し、もはやファンに馴染みのナンバー“Jolene”では多くのファンが♪Jolene〜Jolene〜Jolene〜Jolene〜...とジャックに合わせて歌う。名古屋のファンと一体となった和やかムードを切り裂くように、ジャックが奏でたシャープなギター・リフは“I
Think I Smell Like A Rat”
。この曲が終わったところでジャックが演奏始めたファンに耳馴染みなリフは“In
The Cold, Cold
Night”。メグがヴォーカルとる曲だ。ドラムセットんとこのマイクで歌うのかと思いきや、ドラムセットを離れ、はにかみながらステージ中央のマイクに歩み寄るメグに、大歓声を送る観客。メグの歌に合わせて(主に男性)ファンが♪いんざここない〜と歌ってる。メグがドラムに戻り、“The
Same Boy You've Always
Known”(意外な選曲)が披露されると、メグがバスドラムのみでリズムをとり始める。“The
Hardest Button To
Button”のリズムだけど、いろいろなギター・リフをかき鳴らし、ジャックは勿体つけてなかなか曲に入らなかった(苦笑)。去年の『フジ・ロック』では、ジャックは携帯用のオルガンを弾いてたけど、今回のツアーでは立派なキーボードを用意してる。キーボードの上には白色のゾウの像が置かれてる。そのキーボードにジャックが就いて始まった“I
Want To Be The Boy To Warm Your Mother's
Heart”(邦題は“アイ・ウォント・トゥ・ビー・ア・ボーイ”)、2nd『デ・ステイル』からの“Death
Letter”が終わると、ファンに早口英語で御礼を言ったジャック、この期に及んでまだメグのことを「my
sister」って紹介してたな(苦笑)。ここでプレイされたのは“Hotel
Yorba”。ノリの良いポップな曲にファンは喜び、♪1〜2〜3〜4〜...と合唱。いよいよ盛り上がって来たぞ! イイ感じだ!!!...と思ってたところで、何故かジャックとメグがステージから去ってく...。あれぇ! もうお終い?
早い! あまりにも短過ぎる! 当然名古屋のファンはアンコール要求の手拍子を始める。客席のライトも点き、BGMも流れてたからアンコール無しの危惧さえあったんだけど、熱心な手拍子が5分くらい続けたところでようやくジャックとメグが姿を現した。アンコールの1曲目は“Girl,
You Have No Faith In
Medicine”。一部のファンがクラウド・サーフィンしてコロコロ転がってく。曲が終わるとキーボードに向かったジャック。ジャックが弾き始めたイントロ聴いて“Apple
Blossom”かと思ったけど、“St. James Infirmary
Blues”だった(苦笑)。この曲を1コーラス歌って、メグのドラムんところのマイク・スタンドに向かう。ここでジャックが歌った曲は、メグがクラッシュ・シンバル連打しまくったので、うるさくて何か聴き取れず。曲が終わると、ジャックとメグはまたもアッサリとステージ上から姿を消した。ファンは再度アンコールを要求したけど、「本日の公演は全て終了致しました」とアナウンスが入り、無情にもライヴは終わってしまった...。名古屋のファンは「金返せ〜!!!」などと暴言を吐いたりせず、大人しく家路に就いてました。
全部で50分、正味は40分あまりのチョー短いライヴ。あまりに短過ぎて物足りない気がしました。聴きたい曲はだいたい演ってくれたけど、まだ聴きたい曲があったなぁ...。
【SET
LIST】...'03.10.23
名古屋クラブ・クアトロ
1. Black Math
2. Dead Leaves And The Dirty Ground
3.
Jolene (オリヴィア・ニュートン・ジョンのカヴァー)
4. I Think I Smell Like A Rat
5. In The Cold, Cold Night
6. The Same Boy You've Always Known
7. The Hardest Button To Button
8. I Want To Be The Boy To Warm Your Mother's Heart
9. Death Letter
10. Hotel Yorba
(encore)
1. Girl, You Have No Faith In Medicine
2. St. James Infirmary Blues
3.
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