ニュー・アルバム『&』に伴う一青
窈全国ツアー『YO &
U』(なかなかシャレの効いたタイトルだ...笑)を、2月28日の火曜日に富山県民会館で観て来た。
開演前のステージには白い幕が降ろされてた。開演予定時間の夜7時を少し廻ったところで客電が落ちる。白い幕を透して、ひと昔前のアイドルのようなフリフリの白い衣装をまとった一青
窈がステージ上に居るのがみえる。一部スポーツ紙でこの衣装のことを『萌え系』などと称していたが、実物をみて「ウム、なるほど」と思った(苦笑)。
オープニング曲は、新作『&』からの“Oh la
la”。ステージ上の幕が家型にくり抜かれたように開いて、そこで『萌え衣装』をまとった一青
窈が歌う。“Oh la
la”を歌い終わると、横に置いてあった(小道具の)電話が鳴って、これを取り上げた一青
窈が「富山の皆さん、立って下さぁ〜〜〜い!」と、『ピンポンパン』のお姉さんの第一声のように観客に声を掛けた。呼び掛けに応じて観客が立ったところで、アルバム『&』のオープニングを飾るヘンな曲の“Banana
millefeuille”。♪わたし〜ひととよ〜...と歌うこのヘンな曲がライヴで演奏されるとは思わなかった(苦笑)。もし、ライヴで演奏するなら、かなりテープや自動演奏などを使用するかと思ってたが、ベースのひとがきちんと弾いてたりして、かなりライヴ演奏してたようだ。この曲中、白い幕をスクリーンがわりにしてイロイロな文字列を映し出していた。次の曲も『&』からの“ピンクフラミンゴ”。ステージには一青
窈以外には、ギター(2年前の富山公演でも弾いてたチエさん)、ベース、ドラムの3人しか居なかった。こんな小編成で大丈夫か?...と思ってたら、“ピンクフラミンゴ”の後ようやく白い幕が全部上がってステージ上の全貌が明らかになり、他にパーカッション、キーボード、ピアノが居て、総勢6名のバック・メンバーと判明。バック・メンバーが判明したところで“影踏み”。ロックな曲が続いたが、ようやくここでしっとり落ち着いた曲が登場し、観客は席に就く。観客には年輩のかたも多く、「このままロックな曲ばかり続いたらこのひとたちはどうするんだろう?」と心配してたが、杞憂だった(当たり前だ!...苦笑)。
“影踏み”が終わると、トーク・タイム。この日のライヴの前に富山の街のなかを散策したことを報告した一青
窈。『ハッピー食堂』は中に入るのがはばかられる雰囲気だったそうな(苦笑)。富山の中心商店街に行ったら、「どこもやってなくってシャッターばかりだった」そうで(そりゃあ、定休日は火曜日だしな...苦笑)、雑貨屋さんで高校時代に使ってたのと同じような「さかなの筆箱」を買ってきたとのことで、この筆箱を観客のなかから1人を選んでプレゼントしたんだけど、その「プレゼントを渡す1人」を選ぶのに、結構苦労してた。その他、『七越』と『九頭龍』にも行った話をした後、ベースのひとと組んで“八尾おわら節”に挑戦してた。開演前にちょっと練習したてたようで、「付け焼き刃」にしては上出来。ま、「八尾」のことを「やお」と読んだのはマイナスだけど...(苦笑)。
「みなさんにうれしいこと、ありますように」といったM.C.の後始まった“うれしいこと。”、1stアルバムからポップな“Sunny
Side
Up”、シングル“もらい泣き”のカップリング曲で、ピアノの音色が重い“翡翠”の後、一青
窈がスタッフからの手紙を朗読するコーナーへ。この日に手紙が紹介されたのは、ローディーのかた(笑)。一青
窈は自称「手紙普及委員」らしく、手紙の普及に尽力してるそうで(苦笑)、それは幼い頃に父親は台湾、母親と自分は日本...と離ればなれに暮らしてて、台湾の父親との文通が重大な意味を持ってたからのようだ。ここで、その父親との文通の想い出を題材にした曲“ぱぱへ”を披露。スクリーンには、一青
窈が大切に保管してた幼い頃書いた父親への手紙とおぼしき映像が映されたけど、自己満足の度合いが強く、私個人はこれ観てかなりヒイた...(苦笑)。
“いないばぁ”、“かざぐるま”...と曲が披露した後、「空気が綺麗だし、なんて素敵な土地なんだと...」と富山を褒めちぎる一青
窈。観客から飛んだ「立山、見た?」との質問には「あまりにもフツウにあるもので、(立山には)気付かなかった」などと回答。ここで代表曲の“ハナミズキ”が披露されたワケだけど、曲を演る前にこの曲の歌詞のもつ意義を説明した一青
窈。“ハナミズキ”が終わると、前作『一青想』からホンワカした“一思案”。冒頭のポエトリー・リーディングの部分は、富山を意識した内容に改変され、バックのスクリーンには、シャッター閉まった総曲輪通り、富山の売薬屋(池田屋安兵衛商店...苦笑)訪問時の映像や『七越』、『九頭龍』での食事の模様を録った映像が流れ、観客にウケてた(苦笑)。“アンモナイト”を演った後、メンバー紹介を挟んで“ホチKiss”。いつの間には会場は総立ち状態になってる。イントロのギターがヘヴィーな最新シングルの“指切り”(個人的には、好きな曲)に続いて、一青
窈の出世曲の“もらい泣き”。この曲で多くの客は席に就くなど、意外に盛り上がらなかった。今や“もらい泣き”以外にも代表曲が一青
窈にはたくさんある。最後に、一青
窈から「会場に来てくれたみなさんへの感謝を込めて、この曲を」といったM.C.があり、“さよなら、ありがと。”を披露。歌い終わると(まだバンドが演奏中にもかかわらず)一青
窈はステージを去った。観客が拍手を送るなか、演奏を終えたバック・バンドの皆さんがすごすごとステージを引き払ってった(苦笑)。
観客がアンコール要求の手拍子をすると、白い『萌え衣装』の下だけジーンズに履き替えた(?)一青
窈と、ツアーTシャツに着替えたバック・メンバーがステージに戻って来た。物販で売ってるツアーTシャツとアートブック(パンフ)、CDの宣伝をする一青
窈、「私のサイン入りのアートブックとCDが一部にある」となどと言うと、会場のファンから「(全部にサインしないと)不公平!」という不平不満の声が上がる。これには一青
窈も他の観客も苦笑するしかなかった?(笑) アンコール1曲目は、北京語で「みんな」を意味するという“大家”。一青
窈が観客に深々御辞儀をした“アリガ十々”が終わると、白い幕がスルスルと降りて来て開演前のような状態になり、“&”が流れた。♪もうおうち帰ろう〜...。こうして、富山のファンへのサーヴィス満点なライヴは終わった。
【SET LIST】...'06.2.28
富山県民会館
1. Oh la la
2. Banana millefeuille
3. ピンクフラミンゴ
4. 影踏み
5. うれしいこと。
6. Sunny Side Up
7. 翡翠
8. ぱぱへ
9. いないばぁ
10. かざぐるま
11. ハナミズキ
12. 一思案
13. アンモナイト
14. ホチKiss
15. 指切り
16. もらい泣き
17. さよなら、ありがと。
(encore)
1. 大家
2. アリガ十々
3. &