いきものがかり
の2ndアルバム『ライフアルバム』のリリースに伴う全国ツアー『いきものがかりの
みなさん、こんにつあー!!
2008〜ライフアルバム〜』を、ゴールデン・ウィ−ク後半初日である憲法記念日の5月3日に金沢・AZホールで観て来た。
開演予定時間の5:30にはフロアはすっかり満員になっており、フロアに降りる階段付近(本来、居てはいけない場所)にも観客が立っている。客電が消え、ライヴ開始を知らせるB.
G.
M.が場内に鳴り響くと、暫くしてステージに人影が動くのを見つけた一部のファンが、いきものがかかりのメンバーが来た!と思い歓声を上げた。が、すぐにメンバーではなくてバック・バンドのひとだと気付き、自分の早とちりにバツの悪さを感じたのか、歓声は何故か笑いに変わった(苦笑)。その後、ステージ向かって左側の袖から山下穂尊、吉岡聖恵、そして水野良樹の3人がステージに登場。今度こそホンモノのメンバーの登場で、今度はフロアじゅうが歓声に包まれた。オープニング曲はニュー・アルバムのアタマを飾る“Good
Morning”。山下穂尊のハーモニカが早くも全開。赤い半袖シャツ着た聖恵の右側にリーダーの水野良樹(electric
g.)、左側に山下穂尊(acoustic g.,
harmonica)が居て、後ろには左からキーボード、ドラムス、ベース...の3人が陣取ってる。曲が終わると「金沢、元気〜? 楽しんでいきましょう」などと聖恵がM.C.。次の曲は“ちこくしちゃうよ”。曲の終わりに、自転車のハンドル部分を持ち出し、警笛を「チリン!チリン!」と鳴らす芸の細かい演出がみられた(苦笑)。今回のライヴ・ツアーではどの会場でもやらせてる『お約束』らしく、聖恵たちと観客で「みなさ〜ん、こんにつあー!!」「こんにつあー!!」「こんにつあー!!」「こんにつあー!!」の掛け合いをしてから、リーダーがM.C.。「最初に僕らが出てきたと思って歓声上げて、間違ったと気付いて笑ったのは金沢が始めてです」などと喋ってから、「ここ(AZホール)は(ステージ)左から出て来るからみんな山下君に気付いて歓声上げたけど、(ステージ右から出てくる会場で)僕が最初に出て来た時、バックのひとと間違われて歓声が上がらない時がある」というふうに自虐的な話を続ける。リーダーはライヴ会場の空気を一変(盛り上がってる状態→白けた状態?)させることが得意なようで、自分のことを『エア・マスター』と呼んでた(苦笑)。リーダーの自虐的な話はまだまだ続いた。「ライヴでよく『今、誰々さんと目が合った〜☆!!!』と興奮してるひとが居るけど、実際は目が合ってるようで合っていないことが多いです。だけど、ライヴハウスは狭いから目が合ってる時はホントに合ってます。僕と目が合うとみんな苦笑いするんだよな」と少し淋し気なリーダー(苦笑)。M.C.が終わると、“
花は桜
君は美し”。次のホンワカとした“心ひとつあるがまま”では聖恵はタンバリンを振りながら歌った。ドラムの音に特殊なエフェクトがかかってて印象的だった(彼らにしては)ダークな曲“ニセモノ”が終わると、またもM.C.タイム。リーダーが「水とか、水分とか摂ってます?」と観客に問いかけると、聖恵から「『水とか、水分とか』って、一緒じゃん!」と茶々がとぶ(苦笑)。リーダーがそう言ってくれるのは有り難いけど、AZホールじゃあ、ドリンクチケット引き換えは終演後で、飲食物はフロアに持ち込めないだろうから、誰も水分補給はしたくても出来なかったと思う(苦笑)。「AZホールのドリンクは凄いですよ〜!」とリーダーが掲げたペットボトルには
いきものがかり
の写真が貼られてる。この日AZホールで販売されるペットボトルにはすべて
いきものがかり
のアチ写真と宣伝が貼られたことにメンバーは感動し、興奮してた。リーダーが掲げたペットボトルを遠目にみて、ペットボトルの外装フィルムじたいを
いきものがかり仕様に加工したものに見え、観客もこれと同じモノを終演後のドリンクチケット引き換えでもらえるというので、「これは、コレクターズ・アイテムだ!」とメンバー同様に興奮(苦笑)。リーダーがステージに出て来た時から「どこか変わったんじゃない?」と思ってたんだけど、ペットボトルに貼られてる写真を撮影した時に比べて体重が7〜8kg
減になってるそうで、それが本当ならば外見が変わってみえてもアタリマエ。今のリーダーの姿をみて、元・ヤクルトスワローズの杉浦
亨を思い起こした(苦笑)。
M.C.の間にステージ上からバック・メンバーが姿を消し、椅子が並べられていた。ここからメンバー3人によるアコースティック・セットへ。もともと路上パフォーマンスを演るフォーク・ユニットから始まった彼らにとっては「初心忘れるべからず」といった意味があるようだ。聖恵が「私たちの1stシングル、“SAKURA”」と曲紹介し、“SAKURA”の演奏を始めた。リーダーと山下穂尊が演奏を止め、聖恵の歌のみとなった部分では、マイクを通さずに歌った聖恵。この日のライヴ全般ではたまに高音がキツそうな箇所もあったけど、こうしてナマ歌を聴くと、聖恵の歌の上手さに改めて気付かされる。“SAKURA”の演奏が終わり、観客から大きな拍手が送られた。ここで、野外演奏をやっていた頃の思い出話に花が咲く。彼らの地元の海老名駅前や厚木駅前で駅前の「マツモトキヨシ」の宣伝と張り合いながら演奏してたことや、メジャー・デビュー前に最後に演った(横浜駅前での)野外演奏で、オッサンが目の前で倒れて救急搬送されたことなどをリーダーが語ると、聖恵から「ホントは新しい曲ばかり演るつもりだったけど、古い曲も演ってみようという話になったので、高校生時代に初めて作ったオリジナル曲を演ります」などと話があり、彼らにとって記念すべき初のオリジナル曲がここで披露された。曲が終わると、聖恵が「“ほし”でした。『地球』と書いて『ホシ』と読みます」などと紹介があった。ここでアコースティック・セットはお終い。バック・メンバーが戻って来たところで、聖恵が「“ソプラノ”」と曲紹介。“ソプラノ”が終わると、リーダーと聖恵のケンカについての話題に。山下穂尊によると、この2人はしょっちゅうケンカしてるようで、この日の楽屋でもリーダーのポテトチップス(『ポテリッチ』)を聖恵が勝手に喰ってケンカになった話や、クルマの荷物の置き場所を巡って2人がTV収録中にケンカになったエピソードが語られた。ここで、「さっき、『水分補給してないと大変なことになる』と言ってたけど、『バラードばかりでたいしたことないじゃん』ってみんな思ってたでしょ? これからが本番です」と言いながら不敵な笑みを浮かべるリーダー。『本番』の1曲目はハジける“夏空グラフィティ”。次は、モータウン風の“@miso
soup”。この曲では、手を掲げて手拍子するよう観客を煽った聖恵、「金沢の女の子〜(声上げて)」と女のコたちに声を上げさせる。次は「金沢の男の子〜(声上げて)」と男性客に声を上げさせる。観客のなかには小学生くらいの女の子の付き添いのお父さんも居て、声を上げていないのを目ざとく見つけた聖恵、「オトーサンも男の子ですよ〜!」と、オトーサンにも指示を飛ばす(苦笑)。“@miso
soup”の演奏途中にメンバー紹介があり(key→ds→b→リーダー→山下穂尊→聖恵...の順)、紹介を受けた各人が担当楽器のソロ演奏を披露。キーボーディストがバンド・マスターだ。リーダーはギター・ソロ(気合入れ過ぎて空回りしてた印象が...苦笑)、山下穂尊は見事なハーモニカ・ソロ。メンバー紹介を挟んだ“@miso
soup”であちこち跳びまくったせいで、曲が終わった頃には、すっかり髪の毛がボサボサになっていた聖恵、「みんなにも私が踊ったのと同じくらい踊ってもらいます」などと宣言し、会場内のみんなで“東京猿物語”の「そいや!
そいや!
そいや」の掛け声&腕振り上げなどの練習が始まった。ライヴ会場に入った時から、いきものがかり
のマーチャンのタオルを持ったファンが多くてビックリしたけど、どうも彼らのホームページにライヴで“東京猿物語”を演る時の振り付けやタオルを使う旨の案内があったらしい。練習どおりファンが「そいや!
そいや!
そいや」の掛け声&タオル振り(タオルを持っていないひとは、腕振り...苦笑)などで大いに盛り上がった“東京猿物語”後、1stからの“うるわしきひと”。この曲が終わると、聖恵がM.C.。「金沢に来るのは初めてで、どんなところか分からなかったから、ひとに訊いたら『食べ物の美味しいところだよ』って言われて...。(金沢は)百万石の城下町っていって、独特の文化があるところじゃないですか。だからもっと上品なところかと思ってたのに、こんなにみんな盛り上がってくれて嬉しいです」 このように言ってから自分の失言に気付いたのか「みなさんがそうだ(上品じゃない)っていう意味じゃないですよ」と慌てて言い繕ってた聖恵(苦笑)。『世紀の失言』?の後、“月とあたしと冷蔵庫”をプレイ。最後に「この会場に来てくれたみんなに捧げます」と聖恵がM.C.し、“茜色の約束”を披露してから、いきものがかりの3人(+バック・メンバー)はステージを去った。
観客からのアンコールの求めに応じ、いきものがかり
のメンバーが登場。バック・メンバーも含め、全員ツアー・グッズのTシャツに着替えてた。アンコール1曲目は“ホットミルク”。この曲が終わると、リーダーから「いきものがかりTVショッピング」風にツアー・グッズの紹介が、古畑任三郎のモノマネを織りまぜながらあった。「いきものがかりTVショッピング」ふうのグッズ紹介は前公演地の長野からやってるそうだ(苦笑)。ツアー・グッズの紹介が終わると、金沢のファンに御礼を言い、「必ずまた来ます」と約束をした聖恵、「今の気持ちもこの歌のとおりです。(金沢に)“帰りたくなったよ”」などと曲紹介。4月16日に発売されたばかりの新曲“帰りたくなったよ”を最後に披露。曲が終わると、ファンに御礼を言って御辞儀をし、いきものがかり
の3人は再びステージを去った。
演奏された曲の大半が新作からで、“HANABI”や“コイスルオトメ”といった1st収録の彼らの代表曲も殆どプレイされず、1stからの曲も多く聴きたかった私には不満が残るライヴでした。特に、“コイスルオトメ”ってホントにライヴで演らなくていいの?
ライヴ終了後に、ドリンクチケットを引き換え。公演中にリーダーが掲げたペットボトルを遠目にみて、ペットボトルの外装フィルムじたいを
いきものがかり仕様に加工したものに見えたので、「こりゃあ、コレクターズ・アイテムだ!」と興奮、末代までの家宝にしようと思ってた私だけど、実際に引き換えてみたら、市販のペットボトルに
いきものがかり
の写真・宣伝を印刷した紙を巻き付けてセロテープ止めしてるだけの安易なモノ。これじゃあコレクターズ・アイテムにはならない(苦笑)。まだ未開封で持ってるけどね(苦笑)。
【SET LIST】...'08.5.3
金沢・AZホール
1. Good Morning
2. ちこくしちゃうよ
3. 花は桜 君は美し
4. 心ひとつあるがまま
5. ニセモノ
6. SAKURA
7. 地球
8. ソプラノ
9. 夏空グラフィティ
10. @miso soup
11. 東京猿物語
12. うるわしきひと
13. 月とあたしと冷蔵庫
14. 茜色の約束
(encore)
1. ホットミルク
2. 帰りたくなったよ