ASIAN KUNG-FU
GENERATION(以下、アジカン)のTour 2010-2011「VIBRATION OF THE
MUSIC」を私の地元・富山のCLUB
MAIROで観て来た。彼らが富山で単独公演を行うのは、2ndアルバム『ソルファ』リリース後の2005年春以来。6年振りにアジカンが富山に来るというので、チケットはSOLD
OUT。開演前のフロアには隙間も無いほどギッシリ観客が入ってる。20代のファンが圧倒的に多いなかでは自分が浮きまくることを理解してた私は身の程をわきまえ(苦笑)、開演直前に会場入りし、フロアの一番後ろに陣取った。
開演予定時間の6時を廻ると、ファンに耳なじみのループが流れ始めた。新作『マジックディスク』のアタマを飾る“新世紀のラブソング”のイントロだ。このイントロに乗り、ステージ向かって右側の袖から、ドラマーの伊地知
潔、ベースの山田貴洋、ヴォーカル&ギターの後藤正文、ギターの喜多建介、サポート・キーボーディスト(フジファブリックの金澤ダイスケ
:
以下、ダイちゃん)がステージに登場し、それぞれの持ち場に就く。ループに合わせて演奏を開始し、後藤がラップ調のヴォーカルを乗せ始める。やがて、ループ音は消滅し、生演奏のみに切り替わった。次の曲は、アルバムどおりの流れで“マジックディスク”。2曲演ったところで、早速後藤はギターを交換。次の曲は、スタジオ盤ではホーン・セクションを導入し話題となった“迷子犬と雨のビート”。今日のライヴではホーン隊は居ないので、ダイちゃんがキーボードでそれらしいフレーズを出してた。曲が終わると、後藤が「こんばんは、ASIAN-KUNG
FU GENERATIONです」などとM.C.を入れる。
次の曲は新作から離れ、2nd『ソルファ』からの“Re:
Re:”。新作からの曲でもファンは盛り上がっていたけど、この曲が披露されると多くのファンが曲に合わせてピョンピョン飛び跳ね、これまでと比べ物にならないくらい盛り上がる(笑)。“Re:
Re:”で一気に会場のヴォルテージを上げたところで、新作から複雑な楽曲構成の“ネオテニー”を演ると、早くも後藤からメンバー紹介。サポート・キーボーディストのダイちゃんとドラマーの伊地知を紹介すると、歩くと野犬が集まって来るなどとおふざけ半分のトークでギターの喜多を紹介し、観客に「最後まで楽しんでいってください」などと声かけして「“架空生物のブルース”」と曲紹介(あれっ、ベースの山田の紹介は?)。“架空生物のブルース”に続き、“さよならロストジェネレイション”を演ると、またもや後藤から「“橙”
」と曲紹介。この“橙”を演奏すると、彼らの代表曲の“ループ&ループ”が早くも登場。この曲でもファンがピョンピョン飛び跳ねる。続く“ラストダンスは悲しみを乗せて”では、ダイちゃんがカウベルを小刻みに叩き、スタジオ・ヴァージョンを忠実に再現(苦笑)。次に4th『ワールド
ワールド
ワールド』からの“アフターダーク”を演ると、楽器交換などの間があり、その間を見計らったように、観客から「ダイちゃ〜ん」などと、ダイちゃんをはじめメンバーそれぞれに声がかかる。この観客からの声に「ぅるせえ! いちいち声かけてくるな!」と怒る後藤。怒る後藤をおもしろがったのかそれでも観客の声は止まないものだから「ダイちゃんを妬いた俺が悪かった」などと降参した後藤。次に演る曲はギターの喜多が絶叫で紹介。「“惑星”〜!」 後に喜多が語ったところによると、この絶叫はX-JAPANのTOSHIを意識したシャウトらしく、TOSHIの「“紅”だゼ!」」のように曲紹介したんだとのこと(苦笑)。そんな喜多のシャウトで始まった“惑星”に続いて、2ndからの“リライト”が披露される。2ndからの曲が演奏されるのはこの曲で3曲目だけど、先の2曲同様観客の盛り上がりぶりは凄まじい。後藤がギターピックをフロアに投げ入れるので、盛り上がりにさらに拍車がかかる(笑)。“リライト”以降は『アジカン・クラシックス』が次々と披露される。観客みんなが曲に合わせて♪ンタタ、ンタタ〜と手拍子した“アンダースタンド”が終わると、伊地知がハイハットのオープンとクローズを繰り返す。“君という花”だ。アジカンの出世曲といえるこの曲では、♪つまりただそれ〜砕け散っただけ〜...の返しの部分をファンが大合唱し、大いに盛り上がった。ここで後藤からM.C.。まず「どうもありがとうございます」と観客に御礼を言い、「みんな新しいアルバムの『マジックディスク』を聴いてくれましたか? まだ聴いてくれていないひとは是非聴いてみて下さい」などと新作の宣伝をする。ここで演奏されたのは、勿論この新作からの“ソラニン”。この曲を演ると、後藤たちはギターを下ろし、アジカンの4人とダイちゃんは一旦ステージを去った。
ファンからアンコール要求のクラップが起こり、しばらくするとアジカンの4人とダイちゃんがステージに戻って来た。まず、後藤から、今日のライヴは建ちゃん(喜多)が考えたセットリストだという話があり、アンコール1曲目へ。最初に披露されたのは、2ndアルバム収録曲だけどライヴの定番曲ではないので懐かしい感じすらある“君の街まで”。続いて、前作『サーフ
ブンガク
カマクラ』から“藤沢ルーザー”を演ると、建ちゃんはギターを下ろして帰ろうとする。ところが、後藤はギターを下ろさず、建ちゃんの考えたこのセットリストじゃあ、最後が締まらないんだよなぁ〜などとボヤき、「もう1曲演ります」と言うと、観客から歓迎の大歓声が沸き起こる。この後藤のツルのひと声を受け、慌てて下ろしかけたギターを構える建ちゃん(苦笑)。最後に演奏する曲は“新しい世界”か“エントランス”のどちらか...と後藤が言うと、ファンが口々に「“新しい世界”!」、「“エントランス”!」と叫ぶ(どさくさに紛れて「“粉雪”!」、「レミオメロンの“粉雪”!」と叫ぶヤツもいたが、後藤は「レミオメロンの曲は演らないよ」とやんわり拒否)。ファンの反応をみてから後藤と建ちゃんで話し合い、“エントランス”を演ることが決定。最後に“エントランス”を披露し、この日のライヴは終了した。
時間にして1時間半ほどのライヴで、2005年の富山公演よりも短かったんじゃないかと思う。あの時は即興で富山についての歌を作って歌ったりしてくれたけど、今回はそのようなサーヴィスは無し。5年の間にさらにBIGになってそういうサーヴィスをやらなくなったのか、それとも75本もライヴを演る全国ツアーのため極力ムダを省き体力を温存してるのか分からないけど、後藤の素っ気なさが気になった。
【SET LIST】...'10.10.24 富山・CLUB
MAIRO
1. 新世紀のラブソング
2. マジックディスク
3. 迷子犬と雨のビート
4. Re: Re:
5. ネオテニー
6. 架空生物のブルース
7. さよならロストジェネレイション
8. 橙
9. ループ&ループ
10. ラストダンスは悲しみを乗せて
11. アフターダーク
12. 惑星
13. リライト
14. アンダースタンド
15. 君という花
16. ソラニン
(encore)
1. 君の街まで
2. 藤沢ルーザー
3. エントランス
ASIAN KUNG-FU GENERATION live @ Toyama Club Mairo '05.3.21
ASIAN KUNG-FU GENERATION live with FOUNTAINS OF WAYNE '03.10.5