ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 2 より子

 東京出張のついでに、君津市民文化ホール大ホールで催された より子のコンサート『歌・ピアノ・より子』を観て来た。東京での用事が済んでから東京湾アクアライン経由の高速バスで移動した関係で開演時間の18:30には間に合わず、私が会場に着いた時、ちょうど代表曲の“ほんとはね。”の演奏中...。しかも、演奏中はホールへの出入りは認められないため、ホールの入口で足止めを食らった。扉越しに響いて来る“ほんとはね。”を聴きながら地団駄を踏む思いで曲が終わるのを待つ。入場時にもらったチラシには本日のコンサートが休憩を挟んだ2部構成であることと演奏予定曲目が記されており、それによると“ほんとはね。”は2曲目だったようだ。コンサートのタイトルからして、この日は全て より子によるピアノ弾き語りかと思ってたら、“ほんとはね。”のエンディングではドラムやヴァイオリンの音も響いて来た。曲が終わり、ようやくホール内の自分の座席に就いてステージをみると、確かに、より子以外にも女性のパーカッショニストとヴァイオリニストが居る。より子が「初めまして、より子です」と挨拶してたから、この日初めてのM.C.タイムだったようだ。続いて、より子から「春は卒業シーズンですね。そんな時期にピッタリの曲です。“Dear My Friend”」などと曲紹介があり、“Dear My Friend”へ。この曲が終わると、誰もが知ってる曲のカヴァーを演ると話し、「感動出来るアレンジになってるので、右手にティッシュ、左手にハンカチを御準備下さい」とおどけてみせる より子。披露されたカヴァー曲は、BEGINの“涙そうそう”。曲を演り終えた より子が、「いつも1人でピアノで歌ってるので、バンドで演るとこんなにいいアレンジになるとは思わなかった。私自身、もの凄く感動しています」などと話すと、場内から彼女へ拍手が贈られた。ここで、バンドの2人は退場し、より子から大好きなディズニー・ソングのカヴァーを2曲演るとの紹介があった。“美女と野獣”と『人魚姫』からの“Part of Your World”の2曲を披露した後に より子が語ったところによると、“Part of 〜”のほうは初めてピアノで歌った思い出の曲とのこと。「小さい時、おばあちゃんがたくさん童謡を教えてくれて〜」と語り始めた より子、日本の童謡を3曲メドレーで演ると紹介し、「童謡って、曲を聴いただけで歌詞が出て来るじゃないですか。アタマで憶えてるんじゃなくて、魂で憶えてるんだなぁ...と思います」などと話した。“ペチカ”〜“冬景色”〜“冬の星座”の順で歌うと「若い頃は今ふうの音楽に夢中になって童謡には見向きもしなかった」などと語った より子、「今、『若い頃』って言ったけど、私はまだ26ですから、今も十分若いです」と念押しも忘れない(苦笑)。ここで、より子が「沖縄(“涙そうそう”)に始まり、ディズニーでアメリカ...物語の舞台はヨーロッパですが...、そして童謡で日本を旅してきましたが、ここで皆さんをフランスに御招待したいと思います」などと話す。越路吹雪による日本語カヴァーで知られるシャンソンの名曲“愛の讃歌”を原語で歌うとのことで、歌う前にこの曲の歌詞の内容について説明した より子、「私も男のひとにこれくらい愛されてみたい〜」と言うと、観客から「がんばれ!」との声援がとぶ。この「がんばれ!」の声援に「ツボっちゃった」と笑いが止まらなくなった より子(笑)、水飲んだりしてコンディションを整えてから“愛の讃歌”を無事に歌い終えた。場内にヴァイオリニストのみが戻り、“忘れられた桜の木”へ。スクリーンには桜のイメージが投影されていた。この曲が終わると第1部はお終い。富士山の絵が描かれた緞帳が降りて、15分間の休憩へ。
 ピアノとパーカッションの音とともに緞帳が上る。それが第2部の始まりの合図だ。ステージ上には より子とパーカッショニストの2名が居て、“それでいいのですか?”を演奏。第1部では白いドレスを着てた より子は第2部ではYシャツにベストに黒パンツ姿に着替えてる。ヴァイオリニストがステージに戻り3人揃ったところで、メンバー紹介。ヴァイオリンは古明地洋哉との活動で知られた(苦笑)岡村美央さん。パーカッションは佐藤直子さん。より子を含め3人とも背が低いので、「小粒美人3姉妹」と呼んでくれとのこと(苦笑)。第2部ではライヴならではの躍動感/一体感を大切にした構成を狙ってるのか、ステージ後方に真っ黒な幕が下りて来て、より子が「第2部ではじゃんじゃん手拍子やってもらいますよ」などと宣言して演ったのは、中森明菜のカヴァー“飾りじゃないのよ涙は”。曲中、より子は右手で指パッチンし、左手でピアノを弾きながら歌うという器用なマネもみせる。曲が終わり、黒い幕が上がると、より子から次に演る“臆病なライオン”について、「昔は怖いもの知らずだったけど、守りたいモノが出来た時に初めて臆病になり、ホントの強さを知った」などと曲説明があった。“臆病なライオン”を演り終わるとそのまま“Happy Birthday To You”になだれ込み、「今日、誕生日のひと、おめでとう! 1月から12月生まれのひともおめでとう!」と より子が言って、観客に手拍子させた。
 「私はホームパーティーが好きで、(中略)今日、この会場は私のお家です。みんなでホームパーティーです」などと大風呂敷な(苦笑)発言をした より子、“Home Party”では観客に♪音楽を鳴らそう〜ラララ〜ララ〜ララ〜...の部分を合唱させた。DREAMS COME TRUEのカヴァー“LOVE LOVE LOVE”を演ると、ここで退くバンドの2人を改めて紹介。「2人が居なくなって淋しい〜」と嘆いてみせた より子、次に演るこの日最後の曲の“あい”に込められた意味について長々と説明。この“あい”を演ると、より子はステージの中央で観客に向け深々と御辞儀してステージを去った。が、緞帳は降りなかった。
 コンサートが終わったと思い、一部の観客が席を立つなか、多くの観客がクラップを始めると、3人がステージに戻って来た。ピアノに就いた より子から、この日のコンサートはバンドと一緒に演る初めてのホールでの単独公演であるということが語られ、2月27日のジャズ・クラブでのライヴについて告知してから、“星に願いを”を披露。最後に、もう一度バンド・メンバーを紹介し、3人並んで観客に深々と御辞儀する最中、緞帳が降りた。
 広い会場で、彼女のうたの力強さを再確認出来た貴重な一夜となりました。

【SET LIST】...'11.2.10 君津市民文化ホール大ホール
(第1部)
1. Amazing Grace
2. ほんとはね。
3. Dear My Friend
4. 涙そうそう
5. 美女と野獣
6. Part of Your World
7. 童謡メドレー (“ペチカ”〜“冬景色”〜“冬の星座”)
8. 愛の讃歌
9. 忘れられた桜の木

(第2部)
1. それでいいのですか?
2. 飾りじゃないのよ涙は (中森明菜のカヴァー)
3. 臆病なライオン
4. Happy Birthday To You
5. Home Party
6. LOVE LOVE LOVE (DREAMS COME TRUEのカヴァー)
7. あい

(encore)
1. 星に願いを

YORICO live @ Osaka Koo'on '09.9.5

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