ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 3 CYNDI LAUPER

 シンディ・ローパーのブルース・カヴァー・アルバム『メンフィス・ブルース』に伴うワールド・ツアーの日本公演を、3月21日にNHK大阪ホールで観て来た。
 開演予定時間の5時を10分ほど廻ったところで客電が落ちると、ステージにバンド・メンバーが登場し、各々の持ち場に就く。バンドはステージ向かって左からキーボード、ギター、ドラム、ベース、キーボード...という5人編成だ。バンドがスタンバったところで、ステージに金髪のシンディが登場。シンディの衣装は黒のジャケットにパンツ。エナメル加工されてる生地なのか、てかてか光ってる。「大阪、コンバンハ〜!」といきなり日本語で挨拶したシンディ、震災を意識してか「頑張ッテ!」などと観客に声をかけた。オープニング曲は新作『メンフィス・ブルース』と同じく、“Just Your Fool”。ライヴ開始早々からステ−ジ上を所狭しと動き廻るシンディ、曲中早くもステージから客席に降りてファンにもみくちゃにされる場面があった。2曲目も、新作からの“Shattered Dreams”。この曲でも精力的にステージ上を動き廻ったシンディ、ステージに寝そべったまま両脚を掲げるなど年齢を感じさせないパフォーマンスぶり。途中、高音を張り上げシャウトしてみせたけど、ヴォーカルについても全く衰えを感じなかった。曲が終わると、シンディは「アリガトウゴザイマス」と日本語で御礼を言った。
 今回はあくまでもブルース・アルバムの『メンフィス・ブルース』に伴うツアーのため、昔のヒット曲(シンディ・クラシックス)がどれくらい演奏されるのか心配だったけど、3曲目に早くも“She Bop”が登場。曲を歌い終わり、ファンから喝采を浴びると「ドウモアリガトウゴザイマス」とまた日本語で御礼を言ったシンディ、ここで「“Early In The Morning”」と、曲紹介。新作からの“Early In The Morning”では、バック・バンドの皆も♪early in the morning〜とコーラスで活躍。曲が終わると、シンディはバック・バンドの皆をひとりずつ紹介した。スタッフがステージ中央に楽器を搬入する。一見したところキーボードかと思ったけど、実際にはマウンテン・ダルシマーを台に固定したモノ。これを琴のようにシンディがつま弾き始め、それに合わせてギタリストが奏で始めたリフにも乗せながら歌い始めたのは“All Through The Night”。ステージ奥のスクリーンには星空をイメージしたかのような画像が映し出された。マウンテン・ダルシマーはこの1曲のみでステージから撤収されると、観客に向けて長いM.C.(おそらく、震災がらみ?)をし、「とても昔の曲なのよ〜」といった感じで曲紹介し、“Lead Me On”を披露した。
 ブルースの世界のみならず、ロックの世界でもクラシックスである“Crossroads”を披露した後、またもや日本語で「アリガトウゴザイマシタ」と御礼を言ったシンディ、新作から“Down Don't Bother Me”、そして“Don't Cry No More”を披露。“Don't Cry No More”ではまたもやステージから客席に降りて、ファンにもみくちゃにされながら熱唱。次の曲はオールド・ファンには懐かしい“The Goonies 'R' Good Enough”(邦題は“グーニーズはグッド・イナフ”)。中間部には簡単なドラム・ソロの見せ場もあったこの曲で盛り上がると、次は2ndからのヒット・ナンバー“Change Of Heart”。この曲の中間部ではギタリストにギター・ソロの観せ場を作ってあげてたシンディ(苦笑)、ギター・ソロから曲に戻り、曲のエンディングで♪waiting for your change of〜まで歌ったシンディ、マイクをすうっと観客に向ける。ファンも心得たもので、きちんと♪heart〜と歌い返した(笑)。ここでシンディとバンドの5人は一旦ステージを去った。
 たった11曲しか演ってないし、あの曲もこの曲も演ってない...ってことで、多くのファンが当然アンコールを演ると思ったんだろう、場内にアンコール要求のクラップが鳴り響くと、ステージに(ステージ向かって右側の)キーボーディストのみが登場し、キーボード・ソロを披露。名演に観客から拍手が沸き起こるなか、他のメンバーたちもステージ上の各々の持ち場に戻り、最後にシンディ登場。キーボーディストのソロは軽快な調子に変わり、いつの間にか“Girls Just Want To Have Fun”になっていた(苦笑)。シンディの大出世曲のこの曲では、ファンに♪just fun〜just fun〜と歌わせたりして大いに盛り上がる。曲が終わると、再びマウンテン・ダルシマーがステージに登場。“Rain On Me”(?)をチョロ〜〜〜っとアカペラで歌った後シンディが弾き始めたのは“Time After Time”のイントロで、これを聴いたファンからは「オオ〜ッ!!!」というどよめきが起こる。この曲でも♪if you're lost〜you can look〜and you will find me〜と歌ったところでシンディがマイクを観客に差し出し、観客がうれしそうに♪time after time〜と返してた。“Time After Time”が終わり、マウンテン・ダルシマーが撤収されると、観客のひとりがシンディへのプレゼントをステージに置いてった。早速シンディが中身を確認すると、「日の丸」の旗だった(苦笑)。その日の丸をマントのように羽織ったシンディ、次の曲“Shine”を歌い始める。そして、三たびステージから客席へ降りてった。当然のようにファンにもみくちゃにされ、演奏が終わるまでにステージに戻れなかった。曲が終わってからステージに戻ったシンディ。急遽、ギタリストとベーシストとドラマーと話し合い、予定に無かった1曲を追加(もしくは予定曲を変更)した模様(苦笑)。ここで披露されたのは、2nd収録のマーヴィン・ゲイのカヴァー“What's Goin' On”。この曲を演り終えると、シンディは改めてバンドの5人を紹介し、みんな横一列になって肩を組み、観客に向かって深々と何度も御辞儀した。ここでバンドの5人は御役御免でステージから退場。入れ違えで三たびマウンテン・ダルシマーがステージ中央に持ち込まれた。今度はバンドもなく完全にシンディの弾き語りで披露されたのは、“True Colors”。この曲のエンディングでも♪true colors〜true colors〜beautiful〜と歌ったシンディが客席にマイクを向け、♪like rainbow〜...と観客に歌わせた。シンディは観客に御礼とお別れの挨拶をしながらステージから去った。
 時間にして1時間半くらいのライヴで、正直言ってもの足りないところもあったけど、年齢を考えると長くは出来ないだろうし...。だた、聴きたい曲は殆ど聴けたので、満足度は高かった。長いライヴを演らないせいか、ヴォーカルやパフォーマンスに衰えを全く感じさせない最高のパフォーマンスだった。

【SET LIST】...'11.3.21 NHK大阪ホール
1. Just Your Fool
2. Shattered Dreams
3. She Bop
4. Early In the Morning
5. All Through The Night
6. Lead Me On
7. Crossroads
8. Down Don't Bother Me
9. Don't Cry No More
10. The Goonies 'R' Good Enough
11. Change Of Heart

(encore)
1. Girls Just Want To Have Fun
2. Rain On Me (?)〜Time After Time
3. Shine
4. What's Goin' On
5. True Colors

CYNDI LAUPER live @ Nagoya Club Quattro '96.12.15

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