ヒロくんのLIVE REPORT '11 PART 12 BEADY EYE
(opening act : 8otto)

 ノエル・ギャラガー、オアシス脱退...。2009年8月29日に入ったこの衝撃的なニュースから早2年、残されたリアムたちは一旦オアシスを終わらせ、全く新しいバンド、ビーディ・アイとして活動してくことを決意。今年2月にはデビュー・アルバム『ディファレント・ギア、スティル・スピーディング』をリリース。5月には早くもジャパン・ツアーを行う予定だったけど、東日本大震災の影響で9月に延期となってた。この間『SUMMER SONIC '11』出演のため来日してることで、すでに日本での初の御披露目ではなくなってる。予定どおり5月に来日してればもっと...などと詮無いことを言うのはやめよう(苦笑)。私が会場に到着した時には開演予定時間の7時を過ぎており、オープニング・アクトの8ottoがすでに演奏中。彼らの演奏を観るのは、the telephonesのライヴ以来。“You Just Not Only One”など少なくとも6曲を演奏。リード・ヴォーカル兼ドラムのマエノソノマサキは「名古屋〜〜〜!」などと何度も観客を煽り、ベースのTORAは名古屋の観客が曲に合わせて手拍子してくれたことにいたく感動してた模様。8ottoは30分ほど演奏してった。
 ステージ上でセット・チェンジが行われてる間、場内にはセックス・ピストルズの“God Save The Queen”などが流れてる。セット・チェンジが済み、客電が落ちたのは7時57分。オアシス時代の“Fuckin' In The Bushes”を思い出させるようなイントロが流れ、ステージ奥のスクリーンに黒地に白く「BEADY EYE」のロゴが映し出される。ステージ向かって右側からリアムをはじめとするビーディ・アイのメンバーとサポート・メンバーが登場し、それぞれの持ち場に就く。オリーヴ・グリーンのジャンパーを着たリアムがステージ中央のマイクの前に立ったところで演奏始まったオープニング曲は、“Across The Universe”。東日本大震災チャリティ・シングルとしてリリースされてるこのビートルズ・カヴァーの演奏中には、ステージ奥のスクリーンに巨大な日の丸が映し出されてた。「BEADY EYE」のロゴが入ったタオルを首にかけたリアム、次の“Four Letter Words”でいよいよロック・モード全開。リアムの左側(かつてノエルが居た位置)にはゲム、右側には黒の帽子+黒の革ジャン姿の若いサポート・ベースのジェフ・ウートンと、ベースからギターに再転向したアンディが居て、アンディはバック・コーラスも頑張る(元々ライドで歌ってたし...苦笑)。クリス・シャーロックのドラムセットは、他のメンバーと同じ平面に置かれてるようで、フロア後方のファンからは彼の姿がちゃんとみえただろうか?(苦笑) サポート・メンバー扱いだったオアシス時代と違うんだから、もっと目立つように高い台の上でドラム叩いてもいいんじゃない? そのクリスの右隣に、金髪のサポート・メンバーのマット・ジョーンズが「BEADY EYE」のロゴが入った台にキーボード載せて弾いてた。あまりにストレート過ぎるタイトルの“Beatles And Stones”の後の“Millionaire”では、ステージ奥のスクリーンにはデビュー・アルバムのブックレットのアートワークが大写しになった(このようなスクリーン上の演出は、その後もいくつかの曲で行われた)。曲が終わると、観客に「thank you〜!」と御礼を言ったリアム。
 ライヴじたいは特段の仕掛けも無く、ポンポンとテンポ良く進んで行く。リアムの機嫌はすこぶる良く、曲と曲との合間には殆ど必ず短いM.C.を入れてた(「thank you」程度のものも含む)。「歌わせてもらえないためステージから引っ込んでる曲」があったオアシス時代とは違い、全曲自分で歌えるんだから...そう考えると、機嫌の良さも合点がいく(苦笑)。オアシス時代には皮無しタンバリンを振ることもあったけど、この日は(クリスが使う場面はあったけど)リアムが皮無しタンバリンを手にすることは無かった。今や「オアシス」では無いのでギターを構える...ということもやってもいいハズなのに、そういう場面も無かった(苦笑)。 ゲムがアコースティック・ギターを構え、(出番が無いマットが退出して)演奏されたシンプルかつポップな“For Anyone”。マットがキーボードに復帰し、リアムが「“The Roller”」と曲紹介してからプレイされたこの痛快なロックン・ロール・ナンバーでは、ローラーコースターに乗った人形の動画がスクリーンに映し出された。
 “Wind Up Dream”を演った後一旦ステージ袖に引っ込んでったリアムがすぐに「rock'n roll〜!」と叫びながらステージに復帰。“Bring The Light”へ。この曲が終わると、リアムがステージ前に陣取るファンに手を差し伸べ、握手したものだから、ファンはみんな「いいなぁ〜」とうらやましそう(この後も数回、リアムがファンに手を差し伸べ握手する場面あり)。“Kill For A Dream”を演ると、リアムがまた「“The Beat Goes On”」と曲紹介して始まったこの曲では、スクリーンにアルバムのブックレットのアートワークが映された。聴かせる系のこの曲が終わると、観客の反応に気を良くしたのか、またもや「thank you〜!」とリアム。この後“Three Ring Circus”と激しいリフが印象的な“Man Of Misery”を演ると、リアムが「美しいオマエたち、最後の曲だぜ〜!」ってな感じでM.C.し、“The Morning Son”を演奏。ライヴで披露されるこの曲聴いてど、この曲はビーディ・アイにおける“Champagne Supernova”を狙ってるように感じた(苦笑)。演奏が終わると観客に手を振って、ビーディ・アイの4人(+2人)はステージを去った。
 ファンの熱心なアンコールのクラップにすぐさまステージに戻ったリアムたち。アンコール1曲目は、リアムが「アルバムから1曲まだ演ってないのに気付いてたか?」などと嘯いてたことから分かるようにワザと残してあった“Wigwam”。リアムが観客に「thank you〜!」などと言ってるので、これでライヴはお終いかと思いきや、日本盤ボーナス・トラックの“Sons Of The Stage”をプレイ。曲が終わると、リアムは首にかけてたロゴ入りタオルをフロアに投げ入れ、そのタイミングを見計らったようにスクリーンに「BEADY EYE」のロゴが大写しにされた。こうしてアンコールを含めて70分ほどのライヴは終了。
 事前にオアシス時代の曲は演らないとリアムが宣言してることもあり、オアシス・ナンバーが演奏されないことに驚きはなかったけど、“Songbird”などのリアム自作曲を演ったほうがファンにはウケるんじゃない? 今回の来日は挨拶代わり。次回のジャパン・ツアーこそオアシスの伝説を超えられるか否かの真価が問われる。

【SET LIST】...'11.9.6 ZEPP NAGOYA
1. Across The Universe
2. Four Letter Words
3. Beatles And Stones
4. Millionaire
5. Two Of A Kind
6. For Anyone
7. The Roller
8. Wind Up Dream
9. Bring The Light
10. Standing On The Edge Of The Noise
11. Kill For A Dream
12. The Beat Goes On
13. Three Ring Circus
14. Man Of Misery
15. The Morning Son

(encore)
1. Wigwam
2. Sons Of The Stage

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