ヒロくんのLIVE REPORT '14 PART 2 家入レオ

 新作『a boy』のリリースに伴う全国ツアー『家入レオ 3rdワンマンTour〜a boy〜』を3月9日に新潟LOTSで観て来た。まだ19歳というレオのライヴの観客は、10代〜20代前半が多いかと思いきや、(1年前の大阪同様に)40代以上の中年と呼ばれる男女もそれなりに居る(苦笑)。開演予定時間の17:30を6〜7分くらい過ぎた頃に客電が落ちて、開演を告げるべく音楽が流れる。しばらくするとバックバンドの4人がステージに登場し、それぞれの持ち場に就く。最後に、パンクバンドのG.B.H.の黒いTシャツ着たレオが登場すると観客が沸く。オープニング曲は、新作『a boy』からメルヘンチックな“カーニバル”。曲のリズムに合わせて観客が手拍子を始める。レオはマイクを左手に持って、右手でフィンガースナップ(いわゆる「指パッチン」)をしてリズムをとる。これを見て、観客のなかには手拍子から「指パッチン」に切り替える者も居た(私もです...苦笑)。続いて、先行シングルの“太陽の女神”を披露すると、M.C.タイムへ。「ライヴのリハーサル演ってる時から、みなさんと早くお会いしたいな...と楽しみにしていました」などと語るレオ。当初はステージ上だけに照明が当てられてたけど、「みなさんのお顔が見えるように」と、フロアのほうにも明かりを当てさせたレオ、観客と向き合う形になり、お見合いみたいで緊張すると笑う。ここで「家入レオのライヴが初めてというひと(は手を挙げて)」とレオが観客に問うと、8割方の観客の手が挙がる。この生レオ初体験の観客たちに「初めまして、家入レオです」と、レオは挨拶。「家入レオのライヴは2回目、3回目だよというひと(は手を挙げて)」と訊いて挙手したひとたちには、「『ここは一緒に歌うところだよ』とか、『ここはタオルを廻すところだよ』とか、初めてのみなさんをリードしてライヴを盛り上げて下さい」と頼むレオ。ここで次の曲の紹介があり、“Time after Time”へ。さらに“君に届け”を披露。この2曲への観客の反応は大人しかった。ここで演奏されたのは、デビュー作から“Hello”。この曲の中盤では前回大阪で観た時同様、「みなさんの歌声を聴きたいです。私と一緒に歌ってくれますか?」などと言って、♪Hello〜Hello〜離れてても〜側にいるよ〜all over〜all over〜...のパートを観客に歌わせる。最初からそれなりの合唱になってたけど、レオのリクエストで3〜4回は観客たちは合唱した。「どうもありがとうございます」と御礼を言ってから曲の残りを歌ったレオ、「ひとつになりましょう!」などと観客に声をかけてから、2ndシングルの“Shine”へ。ヒット・シングルだけあって、レオの目論みどおり、ファンの手拍子で盛り上がる。ここでまたM.C.タイム。「昨日仙台でライヴがあってからすぐにバスで新潟まで移動してきたんだけど...」とレオが語り始めると、「お疲れさま〜」と観客から声がかかり、場内が笑いに包まれる。「天気予報では新潟のこの日の天気は「大雪」になってたため、ホテルで朝起きた時に恐る恐る窓の外をみたら、晴れで拍子抜けした...などと語ってから、ケータリング・サーヴィスで、他の地方であれば「白ご飯」などと書かれているところ、新潟は「コシヒカリ」と書かれている...などと地元のファンが喜びそうな話を続けるレオ、「コシヒカリ・パワー全開で行きたいと思います」というと、新潟のファンから大きな拍手が送られた。白ご飯のお供はレオの出身地の福岡では明太子なんだけど、他の地方では何か?...という話になり、関西出身のベースの島本道太郎さんに「大阪ではご飯といっしょにお好み焼きやたこ焼きなどの粉モノを食べるってホントですか?」と訊き、島本さんが「ガッツリ行きますよ!」と答え、またドラムの原 治武さんが「神奈川の名物は...落花生しか思いつきませんね」と答えてしまったため、「大阪のご飯のお供はお好み焼き、神奈川のご飯のお供は落花生」というふうに勝手に決められてしまった(苦笑)。ここで、スタッフがアコースティック・ギターやマイクスタンドやイスをステージに持ち込む。イスに座ってギターを構えてから「後半戦は、ギターでみなさんに(歌を)お届けしたいと思います」などと語ったレオ、「恋をした時の女の子の気持ちを歌った曲です。聴いて下さい。“チョコレート”」と曲紹介。切ない“チョコレート”の歌と演奏を終えると、ギターを下ろしたレオ。スタッフがマイクスタンドもイスも撤去してくと、ピアノの音色が流れ始める。“キミだけ”だ。“チョコレート”の余韻を壊さないような静かなこの曲が終わると、観客が大きな拍手を送る。キーボーディストが奏で始めたイントロは“Lady Mary”かと思いきや、新作からの“Too many”。ここから、この日のライヴが「静」から「動」へと大きく動き始める。次の曲も、新作からの“Free”。スタッフが意味ありげにステージ中央にマイクスタンドを置いてく。フツウのマイクでワン・ヴァース歌ったところで、マイクスタンドを蹴り倒し、手にした拡声器で声を歪ませながら歌うレオ。間奏でサイレンが鳴ってたのは、レオが拡声器のサイレンのスウィッチを「入」にしていたせいだろうか。先ほどまでの「静かなレオ」とは一転、ここらのレオの「急変」は、まるで『ロックの神』が降臨し取り憑いてるかのようにキレキレだった。さらにロック色が強い“Who's that”(e.p.“太陽の女神”カップリング曲)が続き、普通のロック・バンドのヴォーカリストと変わらないシャウトと熱い歌唱を披露。トドメとして、“Bless You”が披露される。キーボードの宗本康兵さんの演奏も暴走気味で、熱かった。場内大いに盛り上がったところで、チル・ダウンとしてか新作『a boy』のアタマを飾る“Lay it down”を演ると、まやもやM.C.タイム。「音楽、届いてますか?」と観客に問うレオに、観客が「オーッ〜!!!」と応える。先ほどからのオーヴァー・アクションが祟ったんだろう、「靴ヒモ結んでもいいですか?」と観客に断ってから靴ヒモを結ぼうとするレオに「がんばれ〜!」とフロアから声がかかる。「今のは、蝶結びを頑張れって意味ですか?」と反応したレオ。ここで新潟の観客に「まだまだ行けますか?」と訊くレオ。「オオーッ!」と観客が返すも、「コシヒカリ・パワー」の新潟のファンが出せる力はこんなもんじゃないだろうってことで、繰り返し新潟の観客に声を出させるレオ。ようやくレオの望みどおりの声量になったのか、「“Kiss Me”」と曲紹介し、“Kiss Me”へ。ここらへんでまた『ロックの神』が降りて来たようで(苦笑)、“Kiss Me”が終わってから治武さんが叩き始めたリズムパターンに合わせてファンが手拍子始めると、「みんな盛り上がってますか!?」と声掛けしたレオ、もっと手を高く掲げて手拍子するように指示してから曲紹介。「“Linda”〜!」 この曲では、手をクルクル廻しながら歌うのがお約束になってるんだけど、この日はタオルを手にしてクルクル廻してた。ファンもレオの動きに合わせてタオルと手をクルクル廻す。途中、ワザとなのか、それとも勢い余ってかタオルを廻しながら放り投げてしまったレオ、そのままタオル無しで手を廻しながら“Linda”を熱唱。続くは、“Papa & Mama”。曲の中盤からバンド・メンバーの紹介があり、ベースの島本さん、ドラムの治武さん、キーボードの宗本さん、そしてギターの木島靖夫さんの順に紹介。紹介を受ける度、メンバーたちは短いソロを披露した。ここで、レオのデビュー曲“サブリナ”を披露。この曲ではマイクを観客のほうに差し出して歌わせたり、♪真実は〜似合わない〜...と歌うところを♪真実は似合わない!...と怒鳴るように言葉を吐き捨てるような場面もあった。“サブリナ”で大いに盛り上がると、「楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまうものです。最後の曲になりました」などとレオが言うと、観客からは「エ"エ"〜〜〜ッ!!!」と声が上がる。「みなさんに夢はありますか。その夢はどんな夢ですか」などと語り始めるレオ、「夢への道のりは決して平坦ではないけど、一緒に頑張りましょう」などと語ってから、“希望の地球”を紹介。この曲では、それまで天井の飾りにしか過ぎなかったミラーボールが廻り、雰囲気づくりに一役買ってた。曲の終わりでは、レオの「夢に向かって、ジャンプ!」との声に合わせて、フロアの観客もみんなジャンプ。曲が終わると、声援と拍手に送られながら、レオはステージを一旦後にした。
 ファンからの「LEO! LEO!」とのアンコール要求の声に応える形で、ツアー・グッズのTシャツに着替えたレオがステージに戻って来た。「変わったところはどこでしょう?」と観客にミエミエの質問をしたレオ、そのままツアー・グッズを紹介。ツアーTシャツは手塚プロとのコラボでレオの形がプリントされてる。「芸名の由来が(『ジャングル大帝』の)レオなので、とてもうれしいです」などと語るレオ。「アンコール、どうもありがとうございます。最初はこの曲、“ミスター”」と曲紹介。“ミスター”を演ると、まだ演奏されていなかったシングル曲“Message”を熱唱したレオ。最後に、「大人になるのがイヤだった。昔は周りにはイヤな大人しか居なかったけど、こうして活動してると優しい大人もたくさん居ることに気付いて...。自分の殻に閉じ籠ってたから優しい大人が居ることに気付かなかっただけなんだけど、自分が嫌いだった大人になることに決めました!」と力強く宣言し、デビューの時はナマナマしい自分の感情をそのままブツける曲ばかりで、ライヴで歌ってみんなに受け入れられるか心配だったけど、受け入れてもらえた。新作ではライヴでの経験を生かして、ライヴの流れを意識した作品にした...と語ったレオ、最後にアルバムタイトル曲の“a boy”を紹介。曲が終わると、バンド・メンバーたちと横一列に並び、深々と御辞儀したレオ。場内に“a boy”のオケが流れ、バンド・メンバーがステージを去っても、レオはひとりステージ真ン中に残り、深々と御辞儀。ステージ向かって右端に移動し、観客に御辞儀。左端にも御辞儀しに行った時にファンから花束をもらったレオ、最後にステージ中央のモニターの上に立ってもう一度御辞儀し、「また、どこかでお会いしましょう!」と観客に声をかけてから、ステージを去った。
 通常は礼儀正しく大人しい女のコだけど、激しい曲では『ロックの神』が降りて来てるのかと思うぐらいキレまくり。その落差が凄かった(苦笑)。だいぶライヴ慣れしたね(笑)。

【SET LIST】...'14.3.9 新潟LOTS
1. カーニバル
2. 太陽の女神
3. Time after Time
4. 君に届け
5. Hello
6. Shine
7. チョコレート
8. キミだけ
9. Too many
10. Free
11. Who's that
12. Bless You
13. Lay it down
14. Kiss Me
15. Linda
16. Papa & Mama
17. サブリナ
18. 希望の地球

(encore)
1. ミスター
2. Message
3. a boy

LEO IEIRI live @ Osaka Big Cat '13.3.9

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