3月21日に大阪・心斎橋Music
Club JANUSで行われた新山詩織のアコースティック・ライヴ『Absolute
Acoustic』を観に行って来た。私が彼女のライヴを観たのは、新曲“ありがとう”のLIVE盤に映像が収められている昨年の12月12日のアコースティック・ライヴ『しおりごと〜acoustic
version〜』以来だ。
会場の心斎橋Music Club
JANUSはビルの5Fにあり、300人くらい入りそうなハコ。会場のフロアのうち、ステージ前の半分くらいはイス席で、早いもの勝ちで座れたようだ。もっとも、整理番号が244だった私にはカンケイ無い話だケド(苦笑)。古い洋楽や椎名林檎の“丸の内サディスティック”などが流れるなか開演を待っているとやがて開演予定時間の6時を過ぎ、さらに5分程度経ってから場内の灯りが消え、派手なロック・チューンが流れ始める。観客の拍手に迎えられるようにして、ステージ向かって左側から新山詩織が登場。今回は、モコモコした白いセーターに黒系のショートパンツに同じく黒のタイツというコーディネート。オープニング曲は、いきなり“絶対”(苦笑)。バック・メンバーは『しおりごと〜acoustic
version〜』の時同様に、キーボードの林
良さんとギターの植田浩二さんの2人(ただし、今回は2人とも帽子を被っていない...笑)で、詩織を含め3人での演奏。曲が終わると、「『Absolute
Acoustic』へようこそ、新山詩織です」などと大阪のファンに挨拶。久しぶりの大阪ライヴについての意気込みを語ると、「次の曲、聴いて下さい。“たんぽぽ”」と曲紹介。“たんぽぽ”を歌うと、“ひとりごと”、さらには新曲“ありがとう”のカップリング曲の“シャボン玉みたいに”が披露される。この“シャボン玉みたいに”のアレンジは英国のパプで演奏されててもおかしくないようなサウンドで、これまでの彼女が演ってきた曲とは毛色が違う新機軸な曲調。今後の彼女の音楽の方向性を占ううえで興味深い。この曲が終わると、詩織は「どうもありがとうございました」と観客に御礼を言った。ここで、バック・メンバーの2人はステージを去り、詩織ひとりでの弾き語りタイムへ。その前に、観客に対して「暑い。みなさん、暑くないですか?」と訊き、笑いを誘った詩織、会場JANUSの雰囲気の良さを褒め、「ちょうど約1年前、高校を卒業しました。このなかに、最近春卒業されたってかた、いらっしゃいますか?」と問う。手を挙げた観客に対し「おめでとうございます」と御祝いの言葉を送ると、この1年の間ひとりの自立したミュージシャンとして活動してきて感じたことについてたどたどしい口調で語った詩織、「学校生活でたくさん泣かせてもらったし、たくさん笑わせてもらったそんな日々のなかで出来た想い出をギュッと込めた4曲を演りたいと思います」と話してから、“だからさ”を演り始めた。この弾き語りタイムは、その後、針の落ちる音が聴こえそうなほど場内が静まり返った(苦笑)“分かってるよ”、“きらきら”(という曲らしい)...と曲が続き、最後の“午後3時”の演奏中に、ギターの植田さんがステージに戻り、曲の終わりのほうでギターの音色を重ねていく。弾き語りコーナーが終わると、ステージに林さんも戻り、ここでバック・メンバーの2人を植田さん、林さんの順に紹介。続いて、彼女の地元・埼玉県のFM局『NACK5』でやってるラジオ番組『新山詩織のふたりごと』の月替わりカヴァー企画で年代ごとに曲をカヴァーしたなかから4曲演ると紹介。まずは、キャロル・キングの“I
Feel The Earth Move”('70年代)。『しおりごと〜acoustic
version〜』では次にTHE
TIMERSの“デイドリーム・ビリーバー”('80年代)を演ったけど、これを飛ばして(苦笑)Coccoの“Raining”('90年代)、そしてSUPER
BUTTER DOGの“サヨナラCOLOR”
('00年代)が続いた。「次は'10年代の曲かよ? 最近の曲はオレは分かんないよ〜!」と心配してたら、再び'70年代に戻ってはっぴぃえんどの“風をあつめて”だった。私の知ってる曲で良かったぁ〜(笑)。この4曲のカヴァーが終わると、12弦アコースティック・ギターを構え、椅子に座って自分でマイクスタンドの高さを調節し(ローディーが居ないようです...苦笑)、The
Birthdayの“ピアノ”をカヴァーすることを話した詩織、「前回の12月のワンマンで新たな挑戦としてこの12弦ギターを買ったんですが、10代最後のこの年の挑戦として、ワンマンでギター・ソロを弾くという新たな挑戦をお見せ出来る場が決まりました」と語り、最近決まったこの夏の2ndライヴ・ツアーを宣伝(苦笑)。12弦ギターを弾いて詩織がThe
Birthdayのカヴァーの“ピアノ”を歌い終わったところで、ギターの植田さんが奏で始めたフレーズは“Looking
to the
sky”! 林さんと2人で演奏を進めていくものの、詩織は12弦ギター下ろして6弦ギターに替え、マイクスタンドの高さを元に戻してるので、なかなか演奏の輪に加われない(苦笑)。“Looking
to the
sky”と曲紹介してから詩織もギターを弾き始め、歌を乗せていった。この曲がこういうふうに始まるの、なかなかイイね(笑)。この曲の次に、“今
ここにいる”を演ると、「あっという間に最後の曲なんですけど...」と、詩織。これを聞いて、観客が「エ”エ”〜ッ!」と不満の声を上げる。ここで、詩織が観客に感謝の意を伝え、新曲の“ありがとう”を披露。詩織のいろんなひとに対する感謝の思いがつまった曲を演り終えると、詩織は観客に御礼を言って、一旦ステージを去った。
観客がアンコール要求の拍手をしてると案外アッサリと詩織がステージに戻って来た。服装も全く変わっておらず、Tシャツなどのグッズを紹介する気も無いらしい(苦笑)。「アンコール、ありがとうございます」と観客に御礼を言ってから、まずは“Don't
Cry”。観客が手拍子したこの曲を演り終えると、おそらく彼女の曲で一番人気があると思われる“ゆれるユレル”を紹介。この曲でも観客が手拍子をし、この日のライヴで一番盛り上がった。曲が終わり、ギターを下ろすと、詩織は観客に御礼を言って深々と御辞儀。そして、ファンの拍手に送られながら、ステージの袖へと引っ込んでった。
昨年の『しおりごと〜acoustic
version〜』と同じような流れで、エレクトリックなバンド編成の詩織への渇望感がより強まった(苦笑)。あと、彼女が全くギターを弾かない“「大丈夫」だって”がセットから落ちたのは、ちょっと残念...。
【SET LIST】...'15.3.21
大阪・心斎橋Music Club JANUS
1. 絶対
2. たんぽぽ
3. ひとりごと
4. シャボン玉みたいに
5. だからさ
6. 分かってるよ
7. きらきら(...という曲らしい)
8. 午後3時
9. I Feel The Earth Move (キャロル・キングのカヴァー)
10. Raining (Coccoのカヴァー)
11. サヨナラCOLOR (SUPER BUTTER DOGのカヴァー)
12. 風をあつめて (はっぴぃえんどのカヴァー)
13. ピアノ (The Birthdayのカヴァー)
14. Looking to the sky
15. 今 ここにいる
16. ありがとう
(encore)
1. Don't Cry
2. ゆれるユレル