Kalafina Live Tour
2015-2016 “far on the
water”を11月28日に私、そして、メンバーのHikaruの地元である富山で観た。このツアーは、5thアルバム『far
on the
water』リリースに伴うもので、今回の富山公演の会場は、前回の富山県での公演となった2013年7月27日の高岡市民会館でHikaruが「次は是非そこで演りたい」などと宣言したオーバードホール。球場やサッカー場での屋外ライヴを除けば、富山県で一番大きい会場。とうとうHikaruの夢が叶う...その感動の現場に潜入してきた。Hikaruの凱旋公演となるため、北陸新幹線が開通し交通の便が良くなったこともあり、遠方から観に来たファンも居たと思うけど、会場の外は実に富山らしい冷たい雨が降り、遠征組に洗礼を浴びせてた(苦笑)。
開演予定時間の18時を6分くらい過ぎてから、会場の客電が落ちて会場備え付けの赤い幕が開く。しかし、その奥にも白く薄い幕があって、その幕を通してステージ上の様子が透けてみえる。ステージには「ディーヴォの帽子を真っ二つにしたような」とゆーか「蒲鉾を大きなものから小さなものへと積み上げたような」とゆーか半円形状の階段があり、その左右に演奏陣が陣取ってる。オープニング曲は“ring
your
bell”のシングルのカップリング曲の“こいびとの昔語りの夕暮れの”で、Kalafinaの3人が白く薄い幕の向こうで歌ってる。白く薄い幕には映像が映されており、歌詞に合わせて白い三角形の旗がはためく模様が流され、その旗がどアップになると、「Kalafina
Live Tour 2015-2016 “far on the
water”」の文字が映され、ちょうど歌も終わった。ここで白い幕が落ち、ステージの全貌が露になると、半円階段の頂点部に居たKalafinaの3人がゆっくり階段を降りて来る。3人の衣装は白黒を基調としたドレス。スカート部分はWakanaはロング、Keikoはミニで脚をみせつけ、Hikaruは腰巻き程度だけどしっかり下に黒のスパッツ履いてて、三者三様(苦笑)。曲は新作からの“monochrome”で、いきなりこの曲からフォーメイション・プレイというか息のあったダンスを披露する3人。早くもステージ前に陣取る熱心なファンたちは立ち上がって盛り上がる。ステージ向かって右側にはギターの是永さんとドラムの佐藤さんが陣取り、左側にはキーボードの桜田さん、ベースの高橋さん、ヴァイオリンの森本さんの3人が居て熱い演奏を繰り広げる。次に、アルバムどおりの流れで“五月の魔法”を熱唱すると、M.C.タイム。Wakana、Keiko、Hikaruの順に富山の観客に挨拶。地元凱旋となるHikaruは「感動のあまり、話そうと考えてた内容が飛んでしまった」と苦笑い。ここでkeikoが「何曲かバラード曲をお届けします」と紹介し、新作からの“空色の椅子”と、シングル“believe”のカップリング曲の“lapis”、そしてここでようやくKalainaクラシックスといえる“輝く空の静寂には”が披露され、「新しめの曲攻勢」にタジタジだった私はようやくひと息つけた(苦笑)。ここで、M.C.タイム。Wakanaがこれまで歌ったバラード3曲の曲名を紹介。Wakanaが歌った曲名を紹介するのはいつものことで、過去に観たライヴでは殆ど全曲紹介するような勢いだったけど、この日のライヴで曲名紹介したのはこの時くらい。もう、全曲曲名紹介するのは、止めた? バラード・シリーズの最初に歌った“空色の椅子”について、「『空色』と一口に言っても、人によってイメージするのは夕焼け空だったり曇り空だったり青空だったり、それぞれ違うと思います」などと話し始めたWakana、「次の曲に、『プラネタリウムの空』という歌詞が出て来るんですけれども、富山ってきっと『プラネタリウムの空』のように星空が綺麗なんですよね!?」と喋ったところで、Hikaruから「晴れてたらね...」とツッコミが入った(苦笑)。その「プラネタリウム」という歌詞が入る曲“むすんでひらく”をWakanaが紹介し、曲を歌い終わると、“君の銀の庭”のカップリング曲の“misterioso”、“One
Light”...と曲が続く。“One
Light”が終わると、Kalafinaの3人は一旦ステージから退いた。
キーボード奏者の桜田さんがいろんなフレーズを弾き始める。Kalafinaの3人の衣装替えの時間稼ぎで、「また“when
the fairy tales
ends”かな?」と思ってると、残りのメンバーも音を加え始め、童謡のようなメルヘンチックな旋律となった。後ほどのメンバーからの紹介によると、『劇場版
魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』のサントラからの“Nightmare ballet
”という曲のようだ。一旦ステージの赤い緞帳が降り、場内には新作『far
on〜』のイントロの“into the
water”が流れる。赤い緞帳が上がると、半円形の階段に寝そべってたKalafinaの3人がムクリと立ち上がり、歌い始める。曲はシングル“believe”のカップリング曲の“in
every
nothing”。3人ともヒラヒラとしたローブのようなものを纏ってる。このローブは1曲のみで脱ぎ捨てられ、次の“闇の唄”では御色直し後のドレスを披露。Keikoはピンク、Wakanaは水色、Hikaruは紫で、これまた三者三様。続いて“believe”を披露すると、M.C.タイム。先ほどの衣装替えの際に演奏陣が演奏してた“Nightmare
ballet
”を紹介したWakana、素晴らしい演奏を披露してくれた演奏陣に拍手〜!...とフり、場内から演奏陣に惜しみない拍手が送られた。さらにアルバムのイントロに当たる“into
the
water”についての話題となり、アルバムの最初の曲だけどレコーディングしたのは一番最後だったとのことで、高音パート順(Wakana→Hikaru→Keiko)にスタジオ入りし、ひとりが自分のパートの録音が終わってスタジオから出ると残りの2人が「おめでと〜〜〜!」と祝ってくれたということが3回繰り返されたというエピソードが紹介された。また、Hikaruはレコーディングの時には曲に合わせて衣装を替えてスタジオにやってくるという話題も出て、3人がトークで大いに盛り上がったところで(苦笑)、Wakanaがバラード曲を2曲演ることを紹介し、「そのうちの1曲の“灯影”という曲の雰囲気が好きで...」と話し始める。この“灯影”を、桜田さんのピアノだけをバックにして情感たっぷりにしっとりと歌い上げると、もう1曲のアラビアン・テイストなバラードの“うすむらさき”へ。この曲が終わると、ハード・ロッキンな“identify”へと一気に曲調が変わる。ステージ前の観客たちは皆立ち上がり、先ほどまでのヴォーカル・リサイタル的な雰囲気からロック・コンサートのそれへと、あっという間に様変わり。ステージ中央にはマイクスタンドが用意され、Keikoがここでヴォーカルをとる。さらに2番からはWakanaがこのマイクスタンドでヴォーカルをとる。半円形の階段の真ん中辺りでは、ライヴの雰囲気を様変わりさせたアジテイター、ギターの是永さんがギター・ソロを弾き狂ってる。盛り上がった“identify”が終わると、Hikaruがマイクスタンドをステージ袖まで運んでった(苦笑)。この後、ビートが強烈な“signal”、1stからの“音楽”が続く。“音楽”では曲のもつ勢いに任せ、観客を煽りまくる3人。曲の中盤には、森本さんがヴァイオリン・ソロを披露し、盛り上がりに拍車をかける。盛り上がる観客に「ありがとう!」と御礼を言って、すぐさま新作からの“heavenly
blue”へ。この曲が終わると、またもM.C.タイムとなり、Wakanaからメンバー紹介。ヴァイオリンの森本さん、ベースの高橋さん、キーボードの桜田さん、ドラムの佐藤さん、ギターの是永さんの順に紹介があり、それぞれ観客から拍手を受けた。ステージ袖からマニピュレイターの大平さんも姿を現して紹介され、拍手を受けてた(苦笑)。最後に「今日ここに集まって下さったみんなに、大きな拍手〜!」とWakanaが言うので、観客は自分たち自身に向けて大きな拍手(苦笑)。ここでKeikoが2011年の富山、2013年の高岡に続く富山公演だということに触れ、「ひーちゃん(Hikaru)から聞いてたけど、水も空気も食べ物も美味しくて。そして何よりもおもてなしの心を感じる機会が多くて...」と富山を誉め称えてから、「久しぶりに帰って来てどうですか」とHikaruにフる。「前回、富山でライヴをさせていただいた時に『いつかオーバードホールで歌いたいです』と言ったその『いつか』が、まさかもう叶うとは思っていなくて...」とHikaruが感慨深げに語ると、場内から大きな拍手が送られる。「いつも皆さんに『夢』を叶えてもらってるな...と思って、ホントに嬉しいです」と感謝。「今回のアルバム『far
on the
water』の歌詞に、♪何処までも何処までも続いてる〜という歌詞があります。私たちも自分たちの音楽を何処までも何処までもたくさんのひとに伝えたい。力の限りそうしたいな...と思います」と、Keikoが締め、アルバム・タイトル曲の“far
on the
water”を披露。ステージ奥のスクリーンには大海原が映し出され、まるで3人が船首に居て、あたかも航海してるかのような視覚的演出が施された。本編は、これにて終了。
今どき珍しい?アンコール・コールも一部で飛び交うなか、作務衣のような衣装を着て、Keikoが旗を掲げて半円型階段を上がる。WakanaもHikaruも同じようんば服装で旗を持って階段を上がる。立てかけた旗を指差したところで、“ring
your
bell”。これで新作の曲は全曲演った。この後、今日のセットのなかではひと際懐かしさが漂う“storia”を披露すると、物販紹介タイム。今回のツアー、物販紹介はその土地の方言で行うことになってるようで、Hikaruが富山弁でグッズを紹介しようと頑張るけど、富山を離れて永いため、富山弁が全然出て来ず、四苦八苦(苦笑)。最後に、Hikaruの出身地の富山だからってことで、HikaruのKalafinaとしてのデビュー曲“sprinter”を披露。曲が終わるともう一度メンバー紹介があり、メンバー横一列となり観客に御辞儀。メンバーがステージを去っても3人がステージ上を移動し、あちこちで観客に挨拶。最後にHikaruが「富山に生まれてよかった!」と感謝の意を告げ、3人はステージを去ってった。
Hikaruの凱旋ライヴならではの感動の場面が多かったけど、2014年にベスト盤に伴うツアーを行った反動からか最近の曲が多過ぎ、個人的には『選曲に難アリ』だった(苦笑)。
【SET LIST】...'15.11.28
富山・オーバードホール
1. こいびとの昔語りの夕暮れの
2. monochrome
3. 五月の魔法
4. 空色の椅子
5. lapis
6. 輝く空の静寂には
7. むすんでひらく
8. misterioso
9. One Light
. Nightmare ballet
. into the water
10. in every nothing
11. 闇の唄
12. believe
13. 灯影
14. うすむらさき
15. identify
16. signal
17. 音楽
18. heavenly blue
19. far on the water
(encore)
1. ring your bell
2. storia
3. sprinter