新世代のサイケデリック・バンドとして評価が高いテンプルズ。彼らのライヴは今年の『FUJI
ROCK
FESTIVAL』(以下、『フジ・ロック』)2日目に観るつもりだった。しかし、ファミリーで『フジ・ロック』に行くため、子供ウケを狙ってRADWIMPSが出演する1日目に参戦日を変更したので、楽しみにしてた彼らのライヴは観られずじまいだった...。11月16日に東京出張が入ったので、誰か東京でライヴを演らないか調べてみたら、テンプルズの公演があった(苦笑)。ということで、テンプルズのライヴに行くことにしたんだけど、オープニング・アクトとして、つい5日前に金沢・Eight
Hallでライヴを観たばかりのGLIM
SPANKY(以下、GLIM)が出演することに...(苦笑)。ということで、11月16日に新木場・STUDIO
COASTに行って来た。
私がSTUDIO
COASTに行くのは4回目だけど、こんなに客が少ないのは、初めて(苦笑)。私のチケットの整理番号は「B」だったから入場の列の順番からしたらほぼ最後尾くらいだったろうけど、会場入りした頃にはフロアの1/5くらいしか埋まってなかった(苦笑)。ま、平日ってこともあるんだろうけど...。テンプルズのライヴだからテンプルズのファンが多いのは当然として、私の同じように(苦笑)GLIMの「山Tシャツ」着てる観客も居る。ステージ向かって左側の4列目あたりで開演を待つ。
開演予定時間の19時前になると、流石にフロアも密度は低いながらも恥ずかしくないくらいに観客で埋まってる。ふと後ろを振り返ってみたら、いきなり客が増えててビックリした(苦笑)。やっぱり、平日の公演では、開演時間までは客の入りを判断してはイケナイ(苦笑)。開演予定時間の19時を2〜3分過ぎた頃だろうか、フロアの灯りが落ち、こないだの金沢でのライヴと同じようにGLIMの登場を告げる曲が鳴り響く。ステージ向かって左側の袖からサポートメンバーの3人...かどしゅんたろう(ds.)、栗原
大(b.)、(gomes改め)中込陽大(key.)...がまずはステージに登場し、それぞれの持ち場に就く。続いてこないだの金沢公演と全く同じ柄のサイケなデザインのシャツを着た「亀ちゃん」こと亀本寛貴(g.)がステージに登場。ワンテンポ遅れて、松尾レミ(vo.,
g.)もステージに姿をみせた。こちらは亀ちゃんと対をなすような、サイケな柄の貫頭衣っぽいダブダブのワンピース着てる。「one,
two, three,
four!」と、かどさんがカウント始めて演奏が始まった曲は、こないだのライヴと同じく、“THE
WALL”。ギターをかき鳴らしながら熱唱する松尾レミ、曲のブリッジに入るところで「新木場ぁぁぁ〜〜〜!」とシャウト。曲が終わると「GLIM
SPANKYです!」と松尾レミが軽く挨拶してから、新作のタイトルトラックの“BIZARRE
CARNIVAL”へ。ステージ中央に松尾レミが居て、その左に亀ちゃん、右側にベースの栗原さん、その左後ろにドラムの
かどさん、右後ろにキーボードのgomesさんが居る総勢5人での演奏。この曲では今日もgomesさんがファルセットでバック・コーラスを頑張る(苦笑)。そのまま新作の流れで、“The
Trip”へ。この曲が終わると、M.C.タイム。改めてSTUDIO
COASTの観客に挨拶すると、「ラジオとか、いろんな媒体で『テンプルズ!』、『テンプルズ!』と言っていたら、(オープニング・アクトとして声がかかって)今、ここに居ます」などと話した松尾レミ。私も松尾レミが『テンプルズ愛』を語ってる動画を観たことあるけど(苦笑)、「私もみんなもテンプルズが好きだから、『テンププルズ友達』。友達がたくさん出来て嬉しい!」などとテンプルズ・ファンに対し一方的に『友達宣言』(苦笑)する松尾レミに、続けて亀ちゃんが「ホント、自分でチケット買ってここに来ようと思ってたくらい彼らのことが好きで、今日は、いい音楽を聴きながら美味しくビール飲むために、いいライヴを頑張ってます」などと話して、観客の笑いを誘ってた。亀ちゃんが「もう少しだけ演るんで、お付き合いください」などと言って、“美しい棘”へ。曲が終わると、松尾レミが「私たちも'60年代から'70年代前半の音楽が好きで、みんなと同じよね」などと喋ってから、新作『BIZARRE
CARNIVAL』に伴うツアー中であることを紹介し、「STUDIO COAST 2
daysもあるんで、よかったらまた遊びに来て下さい」などと観客に声掛けしてから、“END
ROLL”、そして“アイスタンドアローン”へ。最後にこの曲で場内を盛り上げて曲が終わると、松尾レミが「GLIM
SPANKYでした!」と挨拶してから、2人(+3人)はステージを去った。約30分の間に演奏した6曲全てが新作『BIZARRE
CARNIVAL』からの曲。今のGLIMが自信を持って演奏出来る曲だけを披露した...といったところだろうか。観客のなかにはGLIMのことを全く知らないひとも多かっただろうけど、フロアの反応もなかなか好意的な感じだった。
GLIMがステージを去ってから、ステージ上ではセット・チェンジが行われてる。ステージの両端には、(今ふうのスタンドに乗ったスタイリッシュなものではなくて)オルガンのようなキーボードが置かれてる。ステージの真ん中の奥には、当然ドラムセットが設置されてる。8時くらいになると、ようやくステージ向かって左側の袖からテンプルズの4人が登場し、それぞれの持ち場に就く。オープニング曲は、デビュー・アルバム『サン・ストラクチャーズ』のタイトル・チューン。この曲で、いきなりファンの心を掴む。ステージ中央には、鳥の巣頭のフロントマン、ヴォーカル&ギターのジェームス・バッグショーが居て、その右側にはジャケット着たキーボード兼ギターのアダム・スミス、左側にはベース兼バック・コーラスで、曲によってはキーボードも担当するトーマス・エジソン・ワームスレイが居る。ステージ中央奥で、ドラムのサム・トムズがリズムを叩き出す。“Sun
Structures”ではアダムはキーボードとギターを兼ねてたけど、次の曲ではギターを下ろし、キーボードに専念して演奏始めたイントロは、新作『ヴォルケーノ』のアタマを飾る“Certainty”。曲が終わると、ジェームスが「アリガト!」と観客に日本語で御礼を言い、さらに夜なのに「コンチニワ!」とこれまた日本語で挨拶してた(苦笑)。次の“Colours
To
Life”ではフライングV構えたアダム。事前のライヴ告知チラシやポスターでは長髪なのに、長髪をバッサリ切ってベレー帽を被り、眼鏡もかけて、XTCのアイディ・パートリッジふうになってる(苦笑)。曲が終わると、ベースのトーマスが深みのある声で、「アリガト、thank
you very much」と日本語と英語で御礼を言うと、次の曲を紹介。「“Roman
God-Like
Man”」 新作『ヴォルケーノ』からのこの曲を演り終えると、トーマスが「アリガト!」と日本語で御礼を言うと、ジェームスが「東京に戻ってこれて嬉しいよ」などと観客に語りかけ、「ここ(新木場STUDIO
COAST)で演奏するのは(2015年2月開催の)『Hostess Club
Weekender』以来だよね」などと想い出を語り、ファンからの歓声を集めてた。次も新作からの曲で、“I
Wanna Be Your Mirror”。曲が終わると、トーマスから曲紹介。「“Keep In
The Dark”」 リズムが面白い“Keep In The
Dark”が終わると、続いてもデビュー・アルバムからの“Move With The
Season”。ジェームスとアダムは殆ど1曲ごとに楽器を交換するため、頻繁にステージにローディーの出入りがあったけど、“Move
With The
Season”の後は珍しく楽器を替えずに、そのまま新作からの“Mystery Of
Pop”へとなだれ込む。“Mystery Of
Pop”が終わると、ステージにローディーが現れ、ジェームスのギターを預かっていく。ギター無しとなったジェームスが歌に専念したのは、新作からのキーボードが前面に出た曲の“How
Would You Like To
Go?”。アダムもトーマスもキーボード弾いてる。この曲、荘厳な雰囲気から始まるけど、音数が徐々に増えてって迎えるエンディングでは、ローディーからギターを受け取ったジェームス、最後はギターをかき鳴らしてロックに曲を締めた。トーマスが「新作『ヴォルケーノ』からの曲」と紹介し、“Open
Air”へ。さらに新作からの“Strange Or Be
Forgotten”が続いた。曲が終わると、ジェームスから英語でM.C.があり、1stからの“The
Golden
Thorne”、そして、“Mesmerise”を披露した。“Mesmerise”の演奏を終えると、トーマスもアダムもジェームスも楽器を下ろす。トーマスが英語と日本語で「thank
you〜、アリガト!」と御礼を言って、4人はステージを去った。まだ13曲しか演ってないのに、もう終わり?
観客がアンコール要求の手拍子を始める。しばらくすると、ステージに戻って来た4人。場内に響き渡る特徴的なリズムは、1stからの“A
Question Isn't
Answered”。この曲が演奏されると、彼らの1stアルバム1曲目に収録されてる、ミュージック・シーンへの名刺代わりの1曲だった“Shelter
Song”が披露された。この曲のギターのイントロが演奏された時の場内の歓声は、凄かった。アダムはギターだけじゃなく、タンバリンも演奏(苦笑)。こうして、“Shelter
Song”で大いに盛り上がって、この日のライヴは終了。「アリガト、thank
you very
much」とジェームスが観客に御礼を言うと、サムはドラムスティックをフロアに向かって投げ入る。フロアの上方を、文字どおりスティックがクルクル廻ってファンのところに落ちてくる。サムに負けじと、トーマスもタオルをフロアに投げ入れると、缶ビールを手にして「カンパイ!」とやってから(苦笑)、ステージを去った。こうして、彼らのライヴは終わったけど、CDで聴かれるとおり、サイケで摩訶不思議な音世界をステージ上でもキッチリ構築してった。欲をいえば、もうちょっと曲(特に、新作『ヴォルケーノ』からの曲)を聴きたかったケド(苦笑)。
ライヴが終わってから、ゾロゾロと観客たちがフロアから出て行く。ふと、関係者席を見遣ると、そこにはGLIMの松尾レミが居た(笑)。赤い髪してっから、目立つ(苦笑)。
【SET LIST】...'17.11.16 新木場・STUDIO
COAST
<GLIM SPANKY>
1. THE WALL
2. BIZARRE CARNIVAL
3. The Trip
4. 美しい棘
5. END ROLL
6. アイスタンドアローン
<TEMPLES>
1. Sun Structures
2. Certainty
3. Colours To Life
4. Roman God-Like Man
5. I Wanna Be Your Mirror
6. Keep In The Dark
7. Move With The Season
8. Mystery Of Pop
9. How Would You Like To Go?
10. Open Air
11. Strange Or Be Forgotten
12. The Golden Thorne
13. Mesmerise
(encore)
1. A Question Isn't Answered
2. Shelter Song