2010年なんでもTOP10

−2010年 ベスト・アルバム10−

by ヒロくん(師匠)

(1) LOSTPROPHETS『The Betrayed』
(2) 相対性理論『シンクロニシティーン』
(3) SELENA GOMEZ & THE SCENE『A Day Without Rain』
(4) KATE NASH『My Best Friend Is You』
(5) ASH『A-Z Vol.1』
(6) BROKEN BELLS『Broken Bells』
(7) 凛として時雨『still a Sigure virgin?』
(8) FEEDER『Renegades』
(9) H.I.M.『Screamworks : Love In Theory And Practice, Chapters 1-13』
(10) VERSUS『On The Ones And Threes』
(番外) SKILLET『Awake』

 ええっと、このベスト・アルバムのランキング対象となるのは、ヒロくんズ年間チャート集計期間の2009年12月24日から2010年12月22日までに日本盤がリリースされた(日本盤リリースが無い場合には輸入盤がリリースされた)作品のうち、同期間内に私が10回以上聴いたものとなります。
 2010年は...自信をもって万人にオススメ出来る傑作は上位5枚までですね...(汗)。個人的には、不作の年でした。

(1) パンクの世界からもヘヴィー・メタルの世界からも支持を受ける新世代バンド(っても、30代のオヤジだけど)が放つコンセプト・アルバム。前作までの彼らの持ち味といえるキッズのアンセムとなり得る親しみ易いポップな歌メロと、仰々しいドラマティックなサウンド・プロダクションの融合が素晴らしい。内容の割には、(日本ではともかく他国では)セールス的に苦しい状況のようだけど...(汗)。

(2) ここ2〜3年の間、日本のインディー・ポップ・シーンで話題のバンドの3rd。別プロジェクトでも活躍中の やくしまるえつこの萌え萌えヴォーカルは聴けばすぐに彼女って分かるほどの特徴的なモノ。言葉遊びのような不思議な歌詞もすっごく魅力的。一方、バックを務める楽器隊も密かに実力者揃いです。

(3) 今回選んだ10枚(+1枚)のなかでは異色ともいえる1枚で、ロックもオルタナもインディーも関係ないバリバリのポップ・フィールドで活躍するシンガー(しかも、女優でもあるセレブ)の(セレーナ・ゴメス&ザ・シーンとしての)2ndアルバム。ケイティ・ペリーやマイリー・サイラス、テイラー・スウィフトなど女性ポップ・シンガーは他にも居て、彼女たちの作品と比較すると総じてダンス・チューンでまとめられたこの作品に面白みを感じないひとも居るかもしれないけど、何故か最初の1回目聴いた時からドハマリしてしまったんだよなぁ...(苦笑)。明るいダンス・ポップでノリノリに始まりながら、3曲目の“Rock God”でテンポと雰囲気を変えたのがかなり奏功してると個人的には分析しとります。

(4) 『田舎のリリー・アレン』(と呼んでたのは私だけのようです...苦笑)ケイト・ナッシュ嬢の、バーナード・バトラー・プロデュースによる2nd。1stを聴いた時はリリー・アレンの二番煎じにしか思えなかったけど、その後『FUJI ROCK FESTIVAL '08』の演奏みてかなり評価が変わってた。この2ndではライヴ感を持ち込み、肉感的なよりロック・フィールドに移行したサウンドになったと思います。セールスが伸び悩んだのはそのせいかも知れないケド...(苦笑)。

(5) アルバムはもう作らず、公式サイトで2週おきにシングルを発表していくという『A-Z』プロジェクトの構想を聴いた時、なんて無茶な...と思ったけど、シングル曲をリリースしてくという意識が、『フリー・オール・エンジェルズ』のような傑作を生み出した彼らの才能を再び目覚めさせたようで、『A-Z』プロジェクトの前半部分を集めたこの作品は元気さと明るさとみずみずしさにあふれるポップな名盤となった。前作『トワイライト・オブ・ジ・イノセント』での翳りも一掃した。ただし、『Vol. 2』のほうはイマイチだったケド...(苦笑)。

(6) ザ・シンズのジェイムズ・マーサーとデンジャー・マウスによるユニットのアルバム。アニマル・コレクティヴなどに代表される現代のオルタナティヴ・シーンを反映した作品だと思います。ザ・シンズの曲やデンジャー・マウスが関わったBECKやゴリラズのアルバム聴いて動かされることは無かったけど、このアルバムには動かされました(苦笑)。

(7) 「君はまだ『時雨』のことを知らないのかい?」といった意味のタイトルが付けられた自信あふれるタイトルの4th。これまでの時雨の路線を堅持しつつも、ピアノをフィーチュアした“シャンティ”(何故か、原田真二を思い出してしまう...苦笑)や、ドラマーのピエール中野がドラムを叩く代わりに十ン年振りにギターにトライした“eF”など、新機軸もみられる。

(8) 「2008年 ベスト・アルバム10」で前作『サイレント・クライ』を「3rd『エコー・パーク』以来のロック・アルバム」と評してたけど、本作はそれを上廻るバリバリのロック・アルバム。ドラマーのマーク・リチャードソンが(スカンク・アナンシー再結成のため)脱退し、所属レーベル『Echo』が倒産したため自主レーベルから再出発...そんな追いつめられたかのような境遇が彼らのロック魂に火を点けたか?

(9) ヴィル・ヴァロ率いるフィンランドの『ラヴ・メタル』バンドの7作目。前作『ヴィーナス・ドゥーム』はタイトルどおりドゥーム/ストーナー・ロック色が濃く退屈だったけど、本作はワールドワイド・デビュー盤にして大出世作となった『ダーク・ライト』の日本の歌謡曲的な世界に戻り、ひと安心。“Like St. Valentine”のエンディングでのヴィレ・ヴァロのシャウトも印象的。

(10) 昨年の+/-の来日公演のスペシャル・ゲストとして帯同し、単独公演も行ったVERSUSの10年振りの復帰作。10年前の『Hurrah』の延長線上にある作風で、10年という時を忘れさせてくれる(苦笑)。'90年代のVERSUSにあったソニック・ユース風のいかがわしい雰囲気は少なく、聴き易い作品。Fontaineのヴォーカルも昔のまんま。『Hurrah』を超えてるとは思わないけど、「私が推さずして誰がVERSUSを推す?」と思うので、10番目に滑り込ませたよ(苦笑)。

(番外) 本ランキングの対象期間開始の1日前(2009年12月23日)に日本盤がリリースされているという理由で本ランキングの対象外となった不運なアルバム。ただし、中身はランク外にするのが勿体無いくらい充実。(リンキン・パーク+ドートリー)÷2...といった感じの今のアメリカのロック・シーンをよく体現してるサウンド。男女ツイン・ヴォーカルも特徴的。

 他によかったのは、アンバーリン(2年連続...苦笑)、福原美穂、ウィ・アー・サイエンティスツ、ザ・フューチャーヘッズ ...といったところです。

('10.12.24/12.25)

ヒロくん(師匠)のプロフィール...中学3年生から高校時代まで1ヶ月に10冊ミステリを読んでた読書熱が甦ってきてしまったこのサイトの管理人。

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