♪ボクはボクじゃない
他の何かがいい〜

 最近ドハマリしててすっかりマイ・ブームなハートバザールですが、石井皐月が書いて自ら歌う詩はホントに面白いです(笑)。ハートバザールのデビュー・アルバム『さいはて』のなかで私が一番気に入ってるっつうか、印象に残ってる詩は“色彩”です。この“色彩”では石井皐月はこういう詩を書いてます。

ボクはボクじゃない他の何かがいい。
静物になってキミの画用紙で眠ろう。

 この詩に、もの凄く共鳴覚えるのですよ、私は(笑)。私も、自分自身じゃない何かになりたい...って願望を持ってたし。私がなりたいってよく思ってたものは...そうですね、液体になりたいって昔は思ってました。横山光輝の漫画『バビル二世』に出てくる3つの僕(しもべ)のロデムみたいなのに憧れてたな(笑)。
 「静物になってキミの画用紙で眠ろう」っていうくだりは、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』に出て来た話を思い出します。こういうハナシ、ありませんでしたか? 難病にかかった女の子に恋した男がいます。彼女が助かるためには臓器移植しかありません。臓器移植にはカネがかかります。だから、男は銀行強盗に入ってカネを得ようとしますが、警官隊の突入を受けて撃たれます。撃たれて瀕死になった男はブラック・ジャックにこう言います。「センセイ、臓器用意してきたゼ」...結局、この男の臓器の移植を受け、女の子は助かり、男は望みどおり『ずっと彼女の傍に居る』...。この『ブラック・ジャック』の話を読んだ時は私はまだ小学生でしたけど、子供ごころにとってもイイ話だ!」と感じました。石井皐月の詩の「静物になってキミの画用紙で眠ろう」っていう詩のくだり読んで(聴いて???)あの頃の感覚が不意に蘇ってきて胸酸っぱい今日この頃です(笑)。

('01.12.20)

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