'70年代のロックを聴いてみよう!(笑)

File #1

TOTO
TOTO『宇宙の騎士』
(1978年、国内盤 : ソニー SRCS-9037)
1. Child's Anthem 2. I'll Supply The Love 3. Georgy Porgy 
4. Manuela Run 5. You Are The Flower
6. Girl Goodbye 7. Takin' It Back 8. Rockmaker
9. Hold The Line 10. Angela

 この企画誕生の行きがかり上、第1回目はTOTOのデビュー作になりました(笑)。

【TOTOと私】
 私が洋楽を聴き初めた1982年は、TOTOがグラミー賞を総ナメにする『聖なる剣〜TOTO IV』をリリースした年に当たります。したがって、“Rosanna”や“Africa”...といったこのアルバムからの彼らのヒット曲は、私の洋楽原体験といって差し支えありません。TOTOっていうと、これらの曲の他には、次のアルバム『アイソレーション』からの“Stranger In Town”や、アルバム『The Seventh One〜第7の剣〜』からの“Pamela”などのヒット曲しか知らないですね。あとは...“99”かな(笑)。つまりアルバムをまともに聴いたことないし、今回聴いた『宇宙の騎士』が初めて買ったTOTOのアルバムになります。
 TOTOっていうと、'80年代初頭に人気を2分してた(?)ジャーニーと同類項扱いされてましたね。『産業ロック』って呼ばれたりして(笑)。L.A.のセッションマンたちが組んだ凄腕バンドだとか、バンドと東陶は一切無関係(笑)だということも知識として知っています。以上、私の持つ『TOTO観』でした。

【んで、『宇宙の騎士』を実際に聴いてみると...】
 ぎゃはははは〜!!! これ、いかにも『'70年代』した音ですね(笑)。TOTOっていうと、ジャーニーやカンサス、スティクスなどと並んでアメリカン・プログレ・ハードの仲間として扱われてるので、てっきりもっとハード・ドライヴィンな音してるんだと思った(笑)。やー、曲によっては、ジャーニーというよりも♪てきっい〜じ〜ってゆーふーにモロ、ウエストコースト・サウンドしちゃってる部分もあるじゃないですか?(笑) “Rockmaker”とか(笑)、ヴォーカル・ハーモニーがノー天気に響いてくるんですよね(笑)。湿り気ゼロのカリフォルニアの青い空の下をクルマでドライヴする時のBGMにピッタリ!(笑)
 私は、TOTOと『同類項』扱いされてたジャーニーは殆ど全作聴いてるくらい好きなんですけど(笑)、'82年当時から「ジャーニーはガキ向き、TOTOはオトナ向き」ってされてたような気がします。これは、ジャーニー派の被害妄想かもしれませんが...(苦笑)。“Georgy Porgy”なんかはオトナっぽいっですよね。ただ、ロックしてるか否かって点においてはジャーニーのほうが上かなぁ...。あと、ジャーニーと違うのは“You Are The Flower”などに聴かれるような「黒っぽさ」ですね。これらの曲ではブラック・ミュージックからの影響が感じられます。“I'll Supply The Love”で聴けるヴォーカルにも、アース、ウィンド&ファイアーのフィリップ・ベイリーっぽいところがあるし(笑)。そういえば、この作品が披露された1978年って、ディスコ・ブーム全盛の頃でしたよね。そういう時代背景がしっかり記録されてるなぁ...と変な意味で感心したりして(笑)。で、ディスコ・ブームっつうモノを引き合いに出したことからも解るとおり、かなりポップで親しみ易い作品。オープニングのインストゥルメンタル曲“Child's Anthem”の仰々しさは初めて聴く者の耳を捉えるだろうし、“I'll Supply The Love”や“Rockmaker”、“Angela”あたりは1回聴いただけで曲憶えそうなくらいポップ。
 TOTOっていうと凄腕セッション・ミュージシャン集団っていうイメージが染み付いてるけど、あまりテクの凄さをひけらかしてるところはありませんね。Girl Goodbye”の演奏はかなり熱いですけど(笑)。「単なるバラード」ふうに始まる“Angela”も曲が進むと聴かせどころがあるし(笑)。スティーヴ・ルカサーもニール・ショーン(ジャーニー)ばりのギタープレイを随所に聴かせています。

(2002.2.1)

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