'70年代のロックを聴いてみよう!(笑)

File #2

RAINBOW--Down To Earth
レインボー『ダウン・トゥ・アース』
(1979年、国内盤 : ユニバーサル UICY-9194)
1. All Night Long 2. Eyes Of The World
3. No Time To Lose 4. Makin' Love
5. Since You Been Gone 6. Love's No Friend
7. Danger Zone 8. Lost In Hollywood

 第2回目は、この企画誕生のキッカケになった(笑)レインボーの『ダウン・トゥ・アース』です。

【レインボーと私】
 私が洋楽を聴き初めた1982年は、レインボーが『闇からの一撃』をリリースした年で、シングル“Stone Cold”がヒット。この頃のヴォーカルはジョー・リン・ターナーで、すでに幾度となくメンバー・チェンジした後だったレインボー、当時すでに音楽雑誌『MUSIC LIFE』の名物読者コーナー「He said, She said」で、リーダーのリッチー・ブラックモアは「リッチー首切りモア」とか「リッチーハゲ」とか、読者のみんなのギャグの対象になっており、洋楽初心者だった私もよくワケの分からぬままいっしょになって笑っておりました。勿論、リッチー・ブラックモアというひとがディープ・パープル(以下、DP)というロック史上に名を残す偉大なバンドのギタリストだったってことも知り、DP時代の“Highway Star”や“Smoke On The Water”などの有名曲も聴いて知ってます。ただし、レインボーっていうバンドじたいシングルヒットが乏しかったこともあって、レインボーの曲ってあまり知らなかったりします。曲知ってるのは“Stone Cold”と“Gates Of Babylone”ぐらいかなぁ...。
 ところで私は今も毎月、音楽雑誌『BURRN!』買ってますけど(笑)、この雑誌の編集長である広瀬和生氏は筋金入りのレインボー・ファンで、常々「レインボーのアルバムは全作必聴〜!」と力説してます。お蔭で『BURRN!』読んでるだけでレインボーっていうバンドの知識だけは豊富(笑)。ロニー・ジェイムズ・ディオ→グラハム・ボネット→ジョー・リン・ターナー...ってふうにヴォーカリストが変遷した...とか、昔はドラゴンとか伝奇じみた題材を扱ってサウンドも仰々しかったけど、どんどん洗練されていって、ラジオのオンエアを意識したコマーシャルなポップものに変化していった..とか、音じたい聴いてなくても知識はある(笑)。今回聴いた『ダウン・トゥ・アース』はグラハム・ボネット在籍時唯一のアルバムってことも知ってるし、短髪にサングラス姿という出で立ちがリッチーに嫌われていろいろイヤガラセを受けてたことも知ってるし、グラハム・ボネットがレインボー辞めた後にマイケル・シェンカー・グループ(以下、MSG)に加入したり、アルカトラスやったり、インペリテリやったりしたのも知ってる(笑)。MSG辞める時のセリフも覚えてるよ。「ちょっとトイレに...」って出ていったまま帰って来なかったんでしょ?(笑) 以上、私の持つ『レインボー観』でした。

【んで、『ダウン・トゥ・アース』を実際に聴いてみると...】
 レインボーっていうと、リッチー・ブラックモアのバンド。リッチー・ブラックモアっていうと、元・ディープ・パープル。ディープ・パープルっていうと、ハード・ロック...っていう印象が強いんだけど、想像以上にポップでなんか肩透かし喰らった感じ。リッチーのバンドだからギターが主役...っつうイメージ持つけど、グラハム・ボネットのガナリ立てるヴォーカルが前面に出てて、ギターのよりも目立ってますね(笑)。よくグラハムのことを「青筋立ててガナリたてる」って表現されることがあるけど、この歌聴いてたらその光景が容易に想像出来るもんで笑ってしまいます。ま、リッチーのギターも聴き込んでいくと分かるんだけどね(笑)。でも、ギター・ヒーローの割には主張が少ないね。今ギター・ヒーローやってるインギーなんかと比べるとかなりおとなしい(笑)。この頃のレインボーって、ドラムがコージー・パウエルで、キーボードはドン・エイリー。どちらもメタル界では名手とされてるひとですけど、リッチーのギター同様、控えめ。グラハムのヴォーカルに完全に負けてます(笑)。グラハム主役のアルバム。
 この企画を始めるキッカケの一つになった“All Night Long”や“Since You've Been Gone”は、アルバムで聴いてもやっぱり名曲だと思いました。特に“Since You've Been Gone”!(笑) このポップで明るい歌を歌いたくないがために、ロニー・ジェイムズ・ディオ(前任者ヴォーカル)はバンド辞めた(クビになった)んでしょ? 解るなあ(笑)。ドラゴンやら魔女やらが登場する仰々しい世界ばかり歌ってたロニーがこんなポップな曲歌う姿はとても想像出来ない!(笑) アルバム聴いてなくても曲知ってる...ってことはすなわち、ラジオや有線放送で流れてるのを1〜2回耳にしただけで曲を覚えてたってことだから、1〜2回耳にしただけで曲を覚えてるられるキャッチーさがこれらの曲にはある...ってことでしょう? 他には、“Lost In Hollywood”もイイねぇ〜(笑)。
 このアルバム聴いて思ったのが、全然音が古くないってことです。2002年リリースのアルバムっていっても通用するんじゃないの?(笑) 前回ここで取り上げたTOTOなんかは悲しいくらい『'70年代』してましたけど、このアルバムならいつ聴いても大丈夫かも。これが『BURRN!』広瀬編集長の主張するレインボー・マジックなのかな?(笑)。間違いなく『名盤』です、コレは!!! このアルバム限りでレインボー辞めたグラハムを、再結成アンセムがゲスト・ヴォーカルで招いたりするなど、いまだに日本のメタル・ファンのひとたちが有り難がる理由がよ〜く納得出来ました。なるほどねぇ〜(笑)。


グラハム・ボネットの勇姿(笑)

(2002.3.1)

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