'70年代のロックを聴いてみよう!(笑)

File #3

BILLY JOEL--52nd Street
ビリー・ジョエル『ニューヨーク52番街』
(1978年、国内盤 : ソニー SRCS-9448)
1. Big Shot 2. Honesty 3. My Life 4. Zanzibar
5. Stiletto 6. Rosalinda's Eye 7. Half A Mile Away
8. Until The Night 9. 52nd Street

 このコーナーが誕生するキッカケをつくってくれたアクアさんが、去年の7月にこのHPの掲示板でこのようなカキコをしてくれました。
「ビリー・ジョエルの“ビッグ・ショット”と笑点のオープニングテーマが兄弟であることが判明しました。」
 で、この情報の真偽を確かめるだけのために!(笑)、この“ビッグ・ショット”が収録されている『ニューヨーク52番街』を買ったのですが(笑)、確認してみたところ「ソックリ!と言いたくなる気持ちは分かるよ、ウン、ウン」と、うなずきたくなりました(笑)。この“ビッグ・ショット”と笑点のオープニングテーマの『兄弟度』を確かめた後は、アルバム聴かずにずぅ〜と放ってたんだけど(笑)、このコーナーの誕生により、改めて聴き直してみました(笑)。

【ビリー・ジョエルと私】
 私が洋楽を聴き初めた1982年(こればっかりでスミマセン...苦笑)は、ビリー・ジョエルがアルバム『ナイロン・カーテン』をリリースした年。もうこの頃にはすでに彼はビッグ・ネームになってました。『ナイロン・カーテン』からは“Pressure”や、“Allen Town”、“Good Night Saigon”などがシングル・カットされ、ヒットを記録。翌1983年にリリースされたアルバム『イノセント・マン』からは“Tell Her About It”(邦題は“あの娘にアタック”)や、“This Night”、“Uptown Girl”、“The Longest Time”、“Keepin' The Faith”、“An Innocent Man”などなど多くの曲がシングル・カットされ、ヒットを記録。当時『全米TOP40』マニアだった私には自然と馴染み深いアーティストになりました。ラジオの洋楽番組をたくさん聴いてると自然に彼の過去のヒット曲“Honesty”や“My Life”、“Stranger”や“Just The Way You Are”(邦題は“素顔のままで”)も耳に入ってきて知ってます。ただ、アルバムじたいはほとんど持ってません。『ナイロン・カーテン』だけ(笑)。『ナイロン・カーテン』ってビリーの歴史の中でも特異な作品だったようなので、「『ナイロン・カーテン』しか持ってないヤツがビリー・ジョエルを語るな!」と熱心なファンに言われそうなので、極力ビリー・ジョエルの話題には首を突っ込まないように心掛けてました(笑)。以上、私の『ビリー・ジョエル観』でした。

【んで、『ニューヨーク52番街』を実際に聴いてみると...】
 “Big Shot”のイントロは、ホントに『笑点』のイントロに似てるなぁ〜(笑)。ま、それは置いといて(笑)、続く“Honesty”と“My Life”の連発聴くと、まるでビリー・ジョエルのグレイテスト・ヒッツでも聴いてるような錯覚に陥ってしまいます。「何で“Stranger”や“Just The Way You Are”が入ってないんだよ!」って叫びたくなる(笑)。
 全般的な印象を言うと、今から25年も前のアルバムと意識させるような古臭さは漂ってませんね。今でも、洗練されてるふうに聴こえるし、ビリーの弾くピアノと歌を主役に据えた「オトナの音楽」、もしくは「都会の音楽」を絵に描いたような(笑)音を演ってます。ロックっつうよりもジャズに近い感じがします...。よく“Honesty”と“My Life”がTVのCMで使われてるの聴きますけど、これは1978年当時にこのアルバムを聴いたひとたちを購買層のターゲット絞った選曲じゃなくって、いまでも「オシャレ」で「都会的」だからではないでしょうか?(笑) シンセサイザーなど、その時代に密着した楽器/レコーディング・テクノロジーを使うと年を経ると古臭く耳に響いたりしますけど、このアルバムはピアノやサックスなど普遍的な楽器を用いてるため、時代に対する劣化から免れてる印象もあります。
 以前、音楽雑誌『CROSSBEAT』で広瀬 融氏が書いてましたけど、このアルバムって『日本で初めてCD化された洋楽アルバム』という栄誉を勝ち取ってます(CD番号が『35DP-1』で、『1番』をもらってるから)。こういう栄誉を勝ち取るくらい評価が高い人気アルバム(少なくとも日本においては)。ふだんからラジオや、喫茶店やバーなどのBGMでかかりまくってるのを無意識に聴いてるせいかどうか知りませんけど、『今現在の音』、『現役の音』っつう感じがしてなりません。っつうか、このアルバムのいつまで経っても止まない過剰な露出が逆に、『過去の遺物』になることを防いでいるのかもしれませんが...。

(2002.5.20)

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