サラ・マクラクラン
さらまくらくらん
今、全世界で大ヒットを記録してる英国の女性シンガー、ダイドのアルバム『ノー・エンジェル』を聴いて、「これは誰かに似てるなあ」...としばらく考えた末に浮かんだのがサラ・マクラクラン(笑)。そのように感じてるのは私だけではないようで、行きつけのレコ屋の檄文でも『ポスト・サラ・マクラクランの一番手、ダイド』と紹介されていた(笑)。誰の耳にもダイドはサラ・マクラクランに聴こえるようです(笑)。確かに、ダイドの声はサラ・マクラクランを彷佛させるし、サウンド・プロダクションも、サラの最新スタジオ作『サーフィシング』みたいな打ち込みぽい音造りになってるからねェ〜(笑)。
ということで、突然、降って湧いたようなサラ・マクラクラン特集です(笑)。
サラ・マクラクランと私
私・ヒロくんが、サラ・マクラクランという女性アーティストを知ったのは随分と遅くて、1995年にリリースされたXTCのトリビュート・アルバム『A
Testimonial Dinner ・ The Songs Of
XTC』を聴いて。このXTCのトリビュート盤、ジョー・ジャクソンやクラッシュ・テスト・ダミーズ、スペースホッグなどのアーティストが参加し、XTCのカヴァーに挑戦してるんだけど、どのアーティストも、どう聴いてもXTCのコピーにしか聴こえないカヴァーを披露してた。そんななか、ひとりだけXTCの音世界の呪縛から逃れたカヴァーを演ってたのが、サラ・マクラクラン。彼女がカヴァーしたXTCの曲とは“Dear
God”だったんだけど、当時の音楽雑誌『rockin'
on』のレヴューでも市川哲史氏が「サラ・マクラクラン嬢だけは自分してた。女は偉い」と書いてた(笑)。あと、XTCのパートリッジ親父もインタヴューでサラのカヴァーの出来を誉めてたな(笑)。XTCの音世界の呪縛から唯一逃れられたサラ・マクラクランとは何者ぞ!...と、彼女に対しての興味がいやがうえにも高まっていった。
興味はあったものの、サラの音を聴く機会はなかなか無く、実際にサラの音楽に触れたのはアルバム『サーフィシング』がリリースされる'97年まで待たねばならなかった。もうその頃には、女性アーティストたちによる野外フェス『リリス・フェア』の主宰者として北米では押しも押されぬトップ・アーティストになっていたサラ。『サーフィシング』はアメリカでは7月にリリースされ、アルバム・チャート初登場2位を記録。なのに、日本では9月リリースだもんなァ〜。私が聴いたのも、'97年9月。日本の音楽メディアでは「女性アーティストたちによる野外フェス『リリス・フェア』っていう催し物やってる主宰者が新作出した」という文脈でしか語られることはなかったと記憶してる。今でも、そうだけど(笑)。この『サーフィシング』というアルバムのなかでは、特に“Sweet
Surrender”という曲がメチャクチャ気に入った私。どうしてもナマのサラのライヴを観たくなり、'98年2月に東京と大阪の2公演のみ行われたジャパン・ツアーを観に行った。この時、ライヴに向けた予習をする意味で、バック・カタログをみんな揃えてサラの過去の作品をようやく全部聴いた。
メッチャ素晴らしかったサラのライヴ
私が出掛けたのは大阪のMBS毎日放送内にあるギャラクシーホールでの公演。400席くらいしかないこじんまりとした会場で、採用活動期間中は就職希望学生の集団面接会場として使われてる場所らしい(笑)。北米では数万人の前で演奏して廻ってたサラからみると、桁が2つも落ちる会場。さらには全席フリーで(笑)、私など前から2列目に座れたくらい。カナダ人やアメリカ人が聞いたらウソでしょう?...となるのが確実なチョー恵まれたシチュエーションだったんだけど、そんな位置で観たサラのライヴ・パフォーマンスはもの凄く美しかった! 人間美って言葉があるけど、まさに人間美に触れた感じがした(笑)。その日のライヴの模様については別項で触れているので、そちらを御覧いただくとして、あまりにも美しすぎたものだから、ライヴの後におかしくなった私はこんなことを考えていた。「長野で張ってればまた会えるかな?」...。ちょうどその頃長野オリンピックの開催中で、アイスホッケーにカナダのドリームチームが出てた。カナダ人のサラなら来日にかこつけてカナダのドリームチームを応援しに長野に行くかもしれない。長野で待ち伏せしてよかな...と考えた。勿論、考えるだけで、実行には移しはしなかったけど、しばらくサラに魅せられた後遺症が尾をひく日々が続いた(笑)。
ってことで、サラの作品の紹介
Touch |
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(国内盤 : BMGファンハウス
BVCA-123) |
Solace |
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(国内盤 : BMGファンハウス
BVCA-7388) |
Fumbling Towards Ecstasy |
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(国内盤 : BMGファンハウス
BVCA-638) |
Surfacing |
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(国内盤 : BMGファンハウス
BVCA-731) |
Mirrorball |
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(国内盤 : BMGファンハウス
BVCA-21023) |
その他の作品としては、映像作品『Fumbling
Towards Ecstasy Live』(写真...Nettwerk/Arista
07822-15729-3)...今のショート・ヘアのサラしか知らない目には相当違和感感じずには居られないロング・ヘア時代のサラの姿が拝める『エクスタシー』ツアーの時のライヴ。今では単なるオヤジと化しているアシュウィン・ソードが、危険な空気を漂わせる美青年だったことが判り、「これならサラが惚れるのも仕方がない」と納得できます(笑)。他に、映像作品としては『Mirrorball』の映像版がリリースされてます。 |
サラのアルバムを聴くとするならどれからか
何をいまサラ...な〜んてね(笑)。サラの作品を聴いたことのないひとがどれか1枚だけ聴いてみるとするなら、いったいどれがふさわしいかというと...。
まず、あなたが、マライヤ・キャリーやセリーヌ・ディオンが大好きで、そのような音を求めてるのであれば、最新作の『サーフィシング』を聴きなさい(笑)。
で、一筋縄でいかない趣味をお持ちの皆様がた(笑)は、3rdの『エクスタシー』から試してみて下さい。サラのライヴを観れば...観なくてもライヴ盤の『ミラーボール』の収録曲をみれば...『サーフィシング』が大ヒットした後でも、サラのライヴは『エクスタシー』の楽曲を中心に構成されてることが解る。それほどサラにとって重要な作品。
ストーカー的ファンとの泥沼裁判の原因にもなった“Possession”、♪ンタタタ、ンタタタ〜のリズム・パターンが耳をひく“Wait”、♪トゥルットゥトゥ〜のバック・コーラスとエンディングの♪until
my dying
day〜の歌詞が効果的な“Plenty”、シンセの歪んだ音色が不気味な“Circle”、ライヴで合唱の定番の陽気な“Ice
Cream”、唯一クラシック仕込みのハイ・トーンを炸裂させる“Fear”(“おそれ”)など、ヴァラエティーに富んだ楽曲群。何度聴いても飽きが来ない(笑)。
あと、手っ取り早くサラの代表曲を押さえたいかたはライヴ盤の『ミラーボール』をお薦めします。出来ることなら日本盤で。収録曲が実際のライヴと近くなるから(笑)。曲の並びはかなりシャッフルされてて、実際のライヴの曲順にほど遠く、1曲ごとにフェイド・アウトする構成は不自然でライヴ盤としては致命的ともいえるけど、それでもCDでは味気ないサウンド・プロダクションされてる『サーフィシング』からの楽曲が、ライヴならではの精気のこもった演奏で魅力を倍増させてるのを聴かない手はないと思うよ。特に、サラの旦那のアシュウィン・ソードのドラムと日系人ベーシスト、ブライアン・ミナトのリズム・セクションの演奏...彼らはもっと評価されるべきだ。
イラストレイターとしてのサラ〜Tree Of Life
「ホントは私、デザイナーになりたかったの」と言ったりするサラですが、デビュー・アルバム『タッチ』のインナーで無気味な絵を(笑)、アルバム『エクスタシー』のインナーでも意味深な絵を描いてます(笑)。そんなサラがいま、自らのシンボルマークにしているのが、この『Tree Of Life』。この絵柄がプリントされたTシャツや野球帽、ナップザックなどが作られてて、サラのコンサート会場で売られてるのは勿論のこと、サラのオフィシャル・サイトで通信販売されてます。ちなみに'98年の日本公演では売られてませんでした(笑)。
次のサラはどこへ行く?
「子供が欲しい」とかで、長期のオフに入ってるサラ。次の展開はまったく分かりません。早くシーンに復帰してね〜♪
(2001.3.1)