森高千里を振り返る

 ネットサーフィンしてたら、とあるミステリー作家の開設するホームページに当たりました。そのミステリー作家氏は、私と同じく信州大学の出。年齢も私と同じだから第23期('88年)入学組になるんでしょう。経済学部卒だから『23K』で始まる学籍番号をお持ちだったハズ。理学部の私は学籍番号『23S112』でした(笑)。で、この私と同じ歳で、同じ大学出てるミステリー作家氏、好きなタレントとして、森高千里の名前を挙げてるんだけど(笑)。これを見て「我が意を得たり!」っつう気分になってしまいました(笑)。っていうのは、'88年の信大松本キャンパスの学園祭『銀嶺祭』の『雪町コンサート』に森高が来たから(笑)。大学生になって初めて経験する学園祭にやってきたのが、当時はまだ一部マニアにしか知られていなかったものの後にBIGに成長する森高。さらに言うと森高は第23期入学組の大多数と同じ1969年生まれで、いわゆる『同級生』にあたったりします。第23期入学組の男に多大なインパクト与えたことは想像に難くありません(笑)。勝手な憶測だけど、信州大学第23期入学組の男はみんな森高ファンか、そうじゃなくても多少なりとも森高にコダワリあるんじゃないのかなぁ〜...と、決めつけてます、ハイ(笑)。ってことで、信州大学第23期入学組の男である私は、森高にコダワリありました(笑)。以後、アルバム出す度に律儀に買ってましたから(笑)。決して『森高オタク』じゃなかったけどね(笑)。ホントよ〜(笑)。

ここで森高作品の紹介
 そもそも森高は「第1回ポカリスエットイメージガールコンテスト」(今も続いてるんでしょうか、このコンテスト...笑)で見事優勝を果たして芸能界入りしたいきさつがあります。最初のお仕事はその『ポカリスエット』のTVCMで糸井重里と共演することでした(笑)。1986年のこと。
 歌手としてデビューしたのは翌'87年になってからです。

NEW SEASON

(国内盤 : WEA WPCL-502)
1. 涙 Good-bye 2. 夢の終り 3. 林檎酒のルール
4. オーティスレディングに乾杯 5. WAYS 6. ピリオド
7. あの日のフォトグラフ 8. Miss Lady 9. NEW SEASON
 これが森高が1987年に出したデビュー盤。『新人アイドル歌手・森高千里』のためにプロのセンセイたちが提供した楽曲で成り立っていて、新人アイドル歌手も必死に歌って周囲の期待に応えようとしてる姿がなんともケナゲ。なんか、恐る恐る「お仕事」してるような感触アリ。後の作品と比べると歌声が硬い印象持ちます。この作品を責めるのは不毛ですけど、何故「オーティスレディングに乾杯」なのでしょう? いろんな疑問が沸き上がってきます(笑)。“NEW SEASON”は先行シングル曲で森高のデビュー曲。“夢の終り”は隠れた名曲。

ミーハー

(国内盤: WEA WPCL-503)
1. オーバーヒート・ナイト 2. YOKOHAMA ONE NIGHT
3. GOOD-BYE SEASON 4. CAN'T SAY GOOD-BYE
5. PI-A-NO 6. 47HARD NIGHTS 7. WEEKEND BLUE
8. KISS THE NIGHT 9. ミーハー 10. GET SMILE
 私・ヒロくんが森高の最高傑作に推す'88年3月リリースの2nd。前作と同様、まだ歌が硬い印象はありますが、だいぶ余裕が感じられるようになってきました。♪お嬢様じゃないの〜私た・だ・のミーハー〜っていうサビの歌詞が大評判呼んだ初の森高作詞曲“ミーハー”収録。この作詞がウケたため、森高の運命は大きく変わることになる。“オーバーヒート・ナイト”と“GET SMILE”はシングル曲で、初期の代表曲。“YOKOHAMA ONE NIGHT”と“ WEEKEND BLUE”は私・ヒロくんのイチ押し曲。

見て

(国内盤 : WEA WPCL-504)
1. おもしろい(森高コネクション) 2. 別れた女 3. 私が変?
4. ALONE 5. ストレス 6. 出たがり 7. 戻れない夏
8. 見て 9. LET ME GO
 ミニ・アルバム『Romantic』('88年7月)を挟んで、1988年11月に早くもリリースされた3rd。“おもしろい”で♪おもしろい〜自分流がおもしろい〜などと、うそぶく?ように(笑)、“ 私が変?”と“戻れない夏”以外の全曲の作詞に関わるようになった森高。サウンドもユーロビートふうの打ち込み主体に変化し、後にみんなが知る『森高ワールド』がほぼ完成。一番評判良かった“ストレス”はシングル化され、TVの歌番組ではウェイトレス姿で脚を露出する森高の姿が見られるようになる。関係無いけど、私はこの作品が森高初体験でした(笑)。

非実力派宣言

(国内盤 : WEA WPCL-505)
1. 17才(カーネーション・ヴァージョン)
2. これっきりバイバイ 3. だいて 4. 非実力派宣言
5. 今度私どこか連れていって下さいよ
6. はだかにはならない 7. 私はおんち 8. しりたがり
9. 若すぎた恋 10. A君の悲劇 11. 夜の煙突
12. その後の私(森高コネクション) 13. 夢の中のキス
14. 17才(オレンジ・ミックス)
 '89年に南沙織の“17才”をカヴァーし大ヒットさせた直後にリリースされた4th。宅八郎の『森高人形』のモデルになったジャケットでも知られる(笑)。いよいよ作詞家としての才能暴発〜!!! “今度私どこか連れていって下さいよ”、“はだかにはならない”、“私はおんち”...などなど、いったい何が起こったのか???と思うほどキレまくってます(笑)。本作では数曲、カーネーションと共演していて、“はだかにはならない”と“夜の煙突”はそのカーネーションの直枝政太郎の曲。 “夢の中のキス”では初めて森高がドラム叩いてます。

森高ランド

(国内盤 : WEA WPCL-688)
1. うわさ 2. ミーハー 3. ストレス 4. ALONE
5. GET SMILE 6. 夢の終り 7. オーバーヒート・ナイト
8. 17才 9. LET ME GO 10. GOOD-BYE SEASON 11. 道
12. NEW SEASON
 人気が大ブレイクし、一種『現象化』したところでリリースされたこれまでの歩みをまとめたベスト盤。ただし、全ての曲が新しく録り直されていて、いよいよギョーカイずれし始めた森高の歌はともかく、バックトラックも打ち込み主体のチープなものにすべて変更。“ミーハー”や“GET SMILE”などの『森高クラシックス』のカラオケはみんなこの作品での下品なヴョージョンに準拠しており、これらの曲の過去のヴァージョンが持ってた繊細なアレンジを一掃させた...という意味において『罪深い』作品。聴くなァ〜!!!

古今東西

(国内盤 : WEA WPCL-689)
1. プロローグ 2. 鬼たいじ 3. ザ・バスターズ・ブルース
4. Interlude No. 5
5.あるOLの青春〜A子の場合〜(森高コネクション)
6. OYE COMO VA 7. 雨(アルバム・ヴァージョン)
8. 大冒険 9. 香港 10. 晴れ 11. 岬
12. ファンキー・モンキー・ベイビー 13. 月夜の航海
14. 友達 15. この街 16. テリヤキ・バーガー
17. エピローグ 18. うちにかぎってそんなことはないはず
 “プロローグ”で始まり“エピローグ”で終わったり、一部収録曲にS.E.やセリフが入ったりして一種コンセプト・アルバムっぽい仕掛けがされてる'90年リリースの5th。相変わらず打ち込み主体の楽曲が多いなか、ジャジーな“ザ・バスターズ・ブルース”、カーネーションが作曲と演奏で再び参加した“うちにかぎってそんなことはないはず”などが耳をひく。何故かキャロル(矢沢永吉が居たバンド)の“ファンキー・モンキー・ベイビー”のカヴァーを収録...。

ザ・森高

(国内盤 : WEA WPC6-8321)
1. 短い夏
2. 臭いものにはフタをしろ!!(もっと臭いものヴァージョン)
3. だいて(ラスベガス・ヴァージョン/reproduction)
4. ザ・勉強の歌 5. 八月の恋(アルバム・ヴァージョン)
6. GET SMILE(コンサート・アレンジ・ヴァージョン)
7. ザ・のぞかないで 8. 雨(ロック・ヴァージョン)
9. 彼女 10. 青春(ザ・森高テイク)
11. ザ・ミーハー(ザ・森高ヴァージョン)
12. 臭いものにはフタをしろ!!(おじさんヴァージョン)
13. この街(ザ・森高ヴァージョン)
 森高が一方的に“17才”をカヴァーしたのがキッカケになった縁で、作詞・森高/作曲・筒美京平という夢の共作が実現!!! 森高ナンバーのなかでも屈指の名曲でシングルになった“八月の恋”と、“短い夏”がそれ。実際に受けた覗き被害への怒りをブチまけた“ザ・のぞかないで”の歌詞は強烈。森高がクリームのヴィデオ見てインスパイアされたという“彼女”は、クリームの“White Room”のパクリってよく聞くけど、そんなに似てない! あとは既発表曲のヴァージョン違いを多数収録してお茶を濁した'91年夏のベスト盤的意味合いも持つ企画盤。「ストーンズを10回見た!」と自慢する男をコケにした歌詞で有名な“臭いものにはフタをしろ!!”も収録。

ROCK ALIVE

(国内盤 : WEA WPC6-8322)
1. コンサートの夜(アルバム・ヴァージョン) 2. やっちまいな
3. 私がオバサンになっても 4. 叔母さん 5. ギター
6. THE BLUE BLUES 7. ファイト!!(アルバム・ヴァージョン) 
8. ふるさとの空 9. ROCK ALIVE 10. 酔わせてよ今夜だけ
11. 見つけたサイフ 12. RHYTHMとBASS
13. わかりました 14. BOSSA MARINA 15. 夏の海
16. 雨のち晴れ
 1992年にリリースした6th。打ち込み主体のゴージャス路線(ヴィジュアル的には、きらびやかな衣装路線)の終着駅がコレ。大学2年生の女の子がいまだに浪人生活送る彼氏をコケにする辛辣な歌詞の歌“THE BLUE BLUES”の次に「がんばって!」ってセリフで始まる“ファイト!!”でフォロウする曲順にニヤリ!!! 歌詞が話題になってシングルカットされ彼女の代表曲になった“私がオバサンになっても”、森高自身が作曲した演歌調の異色作“酔わせてよ今夜だけ”、個人的には名曲と思ってる“わかりました”などを収録。なかでも♪A7〜A7〜というふうに曲のコード進行のナレーションが延々と入ることが話題になり、森高が『ジャカジャカ・ギター』も担当してる“ROCK ALIVE”は、次作以降の布石になった重要な曲。

ペパーランド

(国内盤 : WEA WPC6-8323)
1. ペパーランド 2. どっちもどっち
3. 頭が痛い 4. サンライズ 5. ロックンロール県庁所在地
6. 雨の朝 7. 常夏のパラダイス 8. Uターン(我が家)
9. ごきげんな朝 10. ROCK ALARM CLOCK 11. 青い海
 '92年の秋に早くもリリースした7th。今までの打ち込み主体のゴージャス路線を放棄し、森高自身が叩くドラムと歌を主役に据えた『森高流』ローファイ路線に大転換した作品。曲によってはドラムの他に、ピアノやギター、ベースも演奏。日本の県庁所在地名をその土地の名産を折り込みながら北から順に並べただけの曲“ロックンロール県庁所在地”は作曲も全ての楽器の演奏もすべて森高自身による。“ROCK ALARM CLOCK”はカーネーションの直枝政太郎作曲で、演奏にも参加。“青い海”は森高が手掛けた詞のなかで最高傑作との誉れ高い名曲。

ラッキーセブン

(国内盤 : ゼティマ EPCE-4016)
1. 手をたたこう 2. 短期は損気 3. 晴れた日曜日
4. 地味な女 5. 遠い昔 6. ばっさりやってよ
7. 私の夏(アルバム・ヴァージョン) 8. I LOVE YOU
9. ハエ男 10. 渡良瀬橋 11. さよなら私の恋 12. 友達の彼
13. 男のロマン 14. Momories
 CMデビューを果たしてから7年目ってことで『ラッキーセブン』というタイトルがつけられた(笑)'93年の8th。前作で確立した『森高ローファイ路線』を推し進めた作品。勿論、全てのドラム演奏は彼女自身によるもの。ヒット曲“私の夏”と“渡良瀬橋”を収めてるほか、“地味な女”や“ばっさりやってよ”、“I LOVE YOU”などの佳曲もある。個人的にはここらへんが彼女の創作活動のピークだと思ってます。ところで、森高自身の作曲で後にシングル・カットされてTV番組の『ウッチャン・ナンチャンのやるならやらねば』ではコーナーまで作ってもらった“ハエ男”はビートルズの“Eight Days A Week”に似てるっていう声、よく聞くんだけど...。

ステップ・バイ・ステップ

(国内盤 : ゼティマ EPCA-7002)
1. 気分爽快(アルバム・ヴァージョン) 2. 若さの秘訣
3. ずる休み 4. 男なら 5. 夏の日
6. Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
7. 鳥かご 8. 星の王子様 9. 私の大事な人
10. 一度遊びに来てよ 11. オフィス街の恋 12. 台風
13. 風に吹かれて 14. STEP BY STEP〜彼の人生〜
 ワン・アップ・ミュージック(現・ゼティマ)に移籍して'94年にリリースした9th。移籍しても音楽的方向性は前作を踏襲。変わったとしたらそれは歌詞のほうで、奇をてらったものではなく、同年代の女性の共感を得るような内容に完全に脱却。そのせいかかなり落ち着いた印象を持つ。ドラムは全曲森高自身が演奏。“私の大事な人”と、ギターも弾いてる“若さの秘訣”は森高の自作曲。“Everybody's Got〜”はビートルズのカヴァー。“台風”の安易な作詞みるとかなり感性が『消耗』してきた感も拭えない。“男なら”は、何故かホリーズの名曲“Bus Stop”にソックリ!!!

ドゥー・ザ・ベスト

(国内盤 : ゼティマ EPCA-7003)
1. ロックンロール県庁所在地'95 2. 雨
3. 私がオバサンになっても(アルバム・ヴァージョン)
4. 渡良瀬橋 5. 私の夏 6. ハエ男(シングル・ヴァージョン)
7. memories(シングル・ヴァージョン) 8. 風に吹かれて
9. ロックン・オムレツ 10. 気分爽快 11. 夏の日
12. 素敵な誕生日
13. 私の大事な人(シングル・ヴァージョン)
14. 二人は恋人(Remix) 15. 今日から
 '95年にリリースしたタイトルどおりのベスト盤。“雨”を除いて、'91年の『ザ・森高』以降のヒット・シングルでかためられている。セールス的には頂点の1枚(だったハズ)。TVの幼児番組『ポンキッキーズ』で使われてた“ロックン・オムレツ”が収録されてるのがうれしい(笑)。“今日から”はこのアルバムのために録音された新曲。

TAIYO

(国内盤 : ゼティマ EPCA-7006)
1. 夏はパラレイロン(ララ サンシャインPart2)
2. 出来るでしょ!! 3. GIN GIN GIN 4. 秋の空
5. 長男と田舎もん 6. SO BLUE 7. 太陽と青い月
8. 休みの午後 9. ララ サンシャイン 10. 薹が立つ
11. 夜の海 12. HEY VODKA! 13. 照れ屋
14. ボーッとしてみよう 15. HERE COMES THE SUN
 オリジナル・アルバムとしては2年ぶりとなった'96年の10th。『ステップ・バイ・ステップ』と特に変わったところは無し。TVCMで話題になった“GIN GIN GIN”が♪サントリー・アイス・ジン〜という商品名そのものズバリ!!!の状態で収録されているのは有難いけど、「ホントにイイの?」って苦笑いしてしまう。“HEY VODKA!”も♪サントリー・アイス・ウォッカ〜のまんまだし(苦笑)。♪オレの住む町はめちゃくちゃ田舎〜ほんとイヤになる〜と歌われる“長男と田舎もん”や、♪薹薹薹薹薹薹薹〜薹が立つ〜のリフレインが強烈な“薹が立つ”も歌詞が面白く、2年の充電期間はムダじゃなかったようで久々に作詞のセンスがキレとります(笑)。“SO BLUE”は久々の胸キュンポップ。またもビートルズのカヴァー、“HERE COMES THE SUN”収録。ま、アルバム・タイトルが『TAIYO』ですから(苦笑)。なお、このアルバムは初回3D仕様でリリースされました。

Peachberry

(国内盤 : ゼティマ EPCA-7010)
1. SWEET CANDY(ALBUM VERSION)
2. マイ・アニバーサリー 3. おしゃれ風
4. 心頭滅却すれば火もまた涼し 5. Let's Go!
6. あなたは人気者 7. 普通の幸せ 8. 見たとおりよ私
9. 星に願いを 10. 片想い 11. Tony Slavin
12. クラリネット幻想曲(INSTRUMENTAL) 13. 銀色の夢
 1997年の夏に向けてリリースされた11th。もうすっかり購買ターゲットを女性に絞ってるのか、初回限定盤はオシャレな箱仕様になっとりました。前作で久しぶりにキレをみせた歌詞も大人しく、夏のBGMにピッタリな商品にこぢんまり収まっております。ハハハ...(虚無笑)。自作曲“見たとおりよ私”だけはヘンだけど(笑)。その他、“おしゃれ風”と“Tony Slavin”、“クラリネット幻想曲”も作曲は森高自身。

今年の夏はモア・ベター

(国内盤 : ゼティマ EPCE-5001)
1. 東京ラッシュ 2. 夏の海 3. Hey!犬 4. ア・ビアント
5. 風来坊 6. ビーチ・パーティー 7. カリプソの娘
8. ミラクルナイト(twist version)
9. ミラクルウーマン(vinyl version)
 1998年の夏向けにリリースされた12thは。森高の全カタログの中でも異色な作品。TVのCMで夫婦役で出演した縁で、「ハリー細野」こと細野晴臣との共演盤が実現。全曲に細野サンが参加。“東京ラッシュ”は細野サンのソロ曲('78年)の、“風来坊”は細野サンの はっぴいえんど時代の曲('73年)のカヴァー。“夏の海”は森高の'92年の曲のリメイク。“Hey!犬”における♪きみはいぬ〜居てもいぬ〜だからいぬ〜きみはいぬいぬ〜って歌詞は「さすが森高だ!」と評判になった(笑)。この作品を森高のリーダー作品扱いするのは、あまりにも細野サンが可哀想すぎ(苦笑)。「森高千里&細野晴臣」の名義で出すべきだった作品。

Sava Sava

(国内盤 : ゼティマ EPCE-5004)
1. ユートピア 2. 電話(Album Version) 3. たんぽぽの種
4. いつもの店 5. 流されて… 6. Two of me 7. 海まで5分
8. 忘れかけてた夢 9. ザルで水くむ恋心 10. 危険な鋪装
11. SNOW AGAIN
 1998年9月に早くもリリースした13thは企画盤ふうだった前作とは異なり、従来の『同世代の女性共感買い路線』に戻ってます。“流されて…”はイイ曲だと思うし、“Two of me”は『作詞・作曲森高千里』になってるすべての曲のなかで最高傑作だと個人的には思っとります(笑)。久保田利伸作曲でシングル曲だった“海まで5分”や、スガシカオが作曲、演奏にも参加した“たんぽぽの種”など、有名ミュージシャンとの共作を積極的に進める新展開がみられます。それよりも話題になったのはアルバムのアートワークで、ジャケットに写るような無表情の森高の顔写真が、CDの盤面や初回限定ブックレット、歌詞カードまでいたろところに増殖・蔓延。同じ表情してるけどミビョーに違ってるこれらの31枚のポートレート群。久々に森高が仕掛けた!!!

the best selection of first moritaka 1987-1993

(国内盤 : WEA WPC7-8535〜6)
《DISC 01》1. NEW SEASON 2. オーバーヒート・ナイト
3. GET SMILE
4. ザ・ミーハー(スペシャル・ミーハー・ミックス) 5. ALONE
6. ザ・ストレス(ストレス中近東ヴァージョン) 7. 17才
8. だいて(ラスベガス・ヴァージョン) 9. 道 10. 青春
《DISC 02》11. 臭いものにはフタをしろ!! 12. 雨
13. 勉強の歌 14. 八月の恋 15. ファイト!!
16. コンサートの夜
17. 私がオバサンになっても(シングル・ヴァージョン)
18. 渡良瀬橋 19. 私の夏
20. ハエ男(シングル・ヴァージョン)
 1999年にリリースされた2枚組CDベスト盤。ワーナー時代のシングル曲を発売順に並べただけの安易な商品。よりによって一番最後は“ハエ男”で、尻切れトンボの感は否めない。ゼティマ(ワン・アップ)移籍以降のベストは出ないの???

 うわっ〜!!! こんなに作品出してたとはビックリ!!!(笑) 新譜が出たらその都度律儀に買ってたら、知らないうちにこんなに作品たまってました(苦笑)。さらに言うと、ほとんどマニア垂涎の初回限定仕様盤だし(笑)。これだけ持ってると『森高オタク』と間違えられそうだけど(苦笑)、'88年のミニ・アルバム『Romantic』持ってないし、'99年にリリースされたリミックス・アルバム『MIX AGE』も無いし、'99年の裏ベスト盤『harvest time』も持ってないゾ〜!!! オマケにCDシングルは殆ど無いし、映像ソフトは1枚も持ってないし、アサヒビール『Z』の森高等身大立て看板を酒屋の店頭から盗んで家宝になんか間違ってもしてないし(笑)。私は全然『森高オタク』ではありません!!!(笑) くどいようだけど、念押しします(笑)。

森高のキャリアを整理する
 森高のキャリアは大まかに3つに分けられます。「B級アイドル時代」、「太もも露出時代」、「同性の支持指向時代」...かなり乱暴な分け方ですけど(苦笑)。同性の支持を集めるようになってからの時代が一番長いので、さらにこの時代をベスト盤『ドゥー・ザ・ベスト』リリース以前とリリース後に分けます。ということで、森高の音楽キャリアは4つの期間に分けて整理します。

《第1期》1st『NEW SEASON』から2nd『ミーハー』に至るまで。
 歌詞もバックの演奏も全てあらかじめ用意された曲をただ歌うだけのアイドル歌手してた時代。
《第2期》3rd『見て』から6th『ROCK ALIVE』に至るまで。
 歌詞を自分自身で書き始め、バックのサウンドも打ち込み主体に変化。歌詞書く感性も一番キレてた時代。太ももの露出が始まり(笑)、一番イメージ的にインパクトあった時代。殆どのひとは『森高』と聞いてこの時代を思い浮かべるのでは?
《第3期》7th『ペパーランド』からベスト盤『ドゥー・ザ・ベスト』に至るまで。
 森高自身のドラム演奏を主役に据えたナチュラルなサウンドに変化。森高自身の書く歌詞も奇をてらったものから同性の共感を呼ぶようなものに変わった。
《第4期》10th『TAIYO』以降
 第3期とはサウンドや歌詞的に変化は無いんだけど...要は、人気が明らかに下降線を辿り出したってことです...(ア〜ア、ハッキリ言っちゃった...笑)。

 また書きますが、森高が一番トンガってたのが《第2期》であることは衆目の一致するところ。結局、森高が天下のNHK『紅白歌合戦』に出してもらえたのは《第3期》に差し掛かった'92年からのことですから。歌った曲は“私がオバサンになっても”で、これは《第2期》末期の曲にあたりますが、要はそれまでの森高は天下のNHK『紅白歌合戦』に出すにはラジカルな存在だったってことでしょう?(笑) 《第3期》に入ってラジカルさが薄らいだからようやく『紅白』に出してもらえた(笑)。私が思うに'89年の時点で『紅白』に出てないとおかしいっスよ。それくらいの人気はありました。

森高の最高傑作はどれか?
 これは難題です(笑)。個人的には2ndの『ミーハー』が楽曲的に優れていると思いますケド、これは、現象としての『森高』を否定することになるので危険な意見だ(苦笑)。時期にを分けて考えましょうか。《第1期》は勿論2ndの『ミーハー』、《第2期》は一番トガってた時代だから選択に迷うけど、4thの『非実力派宣言』かな。《第3期》は8thの『ラッキーセブン』、《第4期》は10thの『TAIYO』です。
 で、森高の全ての時期を網羅するような便利なベスト盤は、レコード会社移籍の壁が立ちはだかって存在しません(苦笑)。ベスト盤はここに紹介してないモノも含めると5種類くらい出てますけど、どれも森高の歴史を振り返るには役不足なモノばかりですね。「もう終わってしまったアーティスト」扱いするのなら、そろそろ決定版!!!的なベスト盤を編纂してみる気がありませんかねぇ、レコード会社さん?

ドラマーとしての森高
 芸能界デビューする前、まだ熊本で高校生やってた頃にバンドでドラムスを担当してたという経歴の持ち主である森高は、'92年の『ペパーランド』以降、自分自身でドラムを演奏するようになったけど、かなりスネアのスナッピーが緩めに張ってあるような印象受けます(笑)。お蔭でかなりカル〜い音色だよね。森高が叩くドラム・サウンドで一番印象深いのは『ペパーランド』収録の“どっちもどっち”。この曲はスネアの音が他のどの曲よりもカルく聴こえる。笑ってしまうほど。ここで聴けるスネアの音と同じくらいカルいのは、メタリカの『メタル・ジャスティス』くらいじゃいのぉ〜???(笑)。この曲のタイコの音聴くと楽しいので、何度も“どっちもどっち”ばっかり聴いたものです(笑)。あと、森高はどちらかというと後ノリタイプのドラマーだよね(笑)。

今後の森高
 ええっと、'98年のアルバム『Sava Sava』以後、オリジナル・アルバムのリリースが途絶えてる森高ですけど、みなさん御存知のとおり、森高は江口洋介と結婚、そして出産しまして1児の母になっとります。母になった森高には当然うたで表現したいことはあるでしょう。たぶん、同世代のママたちの共感を呼ぶような曲を歌うんじゃないかな。だけど、同世代のママたちは殆どCD買わないからねぇ...(苦笑)。しょーじき言って今のJ-ポップ・シーンには森高の居場所は無いんじゃないですか? ちなみに、森高が所属する事務所(芸能プロダクション)『アップ・フロント・エージェンシー』って、モーニング娘。と同じ事務所なの(笑)。本体だけじゃなく、メンバーのバラ売りで大忙しな事務所には森高に費やす時間など1分もないんじゃないのお?(笑) 海外ではマドンナやクランベリーズのドロレスなど、母になっても支持集める女性アーティストが多く居ますが、それに比べるとやっぱりJ-ポップ・シーンって未熟だと思います(勿論、UAとかは頑張ってますが)。たぶん、↑上↑のディスコグラフィーに作品が追加されることは無いんじゃないかな(苦笑)。

(2001.11.25)

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