ロック史上最強の確信犯・ポリス

 この4月にポリス全カタログ(ライヴ盤含む)のリマスター盤がリリースされるようです。今のところ米盤でのリリース予定しか聞いていないけど、日本盤もリリースされるとの噂。1982年から洋楽を聴き始めた私・ヒロくんにとって、1983年リリースのアルバム『シンクロニシティー』でもって英・米同時制覇(ま、要は、アルバム・チャートでNo. 1 を取ったっつうことですワ)を果たしたポリスは洋楽原体験に近いアーティスト。思い入れもタップリあります。
 そこで、今回の全カタログ・リマスター化を祝して、そんなポリスについて語ってみたいと思います。


ポリス・ファンだったヒロくん(当時、中学2年生)が大事に保存してた切り抜き。
『FM fan』1983年 No.18 p. 54〜55。
『ビートルズとストーンズ以来の大旋風』という見出しが踊ってます(苦笑)。

 こういうホームページやってるといろんな世代の音楽ファンと接する機会があるわけだけど、自分より年齢が下の音楽ファンとやりとりしてて時たま「世代の壁」や「年齢のギャップ」を感じることがあります。特に、ポリスとスティングについての話が出てきた時にそのギャップを激しく感じる(苦笑)。ギリギリだけどアルバム『シンクロニシティー』でポリスの活躍にリアルタイムで接した私にとっては、スティングはいつまで経っても「元・ポリスのスティング」だし、彼の出すアルバムはみんな「スティングのソロ・アルバム」なのです(笑)。ところが、1985年のスティングのソロ・アルバム『ブルータートルの夢』以降に洋楽聴き始めたひと(要は、ソロになってからのスティングしか知らないひと)にとっては、ポリスとは「スティングが昔やってたバンド」にしか過ぎないワケ。私にとってこれが歯痒くて歯痒くて仕方がない。巷あふれるスティングのイメージって、「オシャレな音楽演ってるオトナのアーティスト」とか「髪の毛さみしくなったマッチョなオッサン」(苦笑)とか、そんなものだと思うけど、ポリス時代のスティングは、今の彼からは考えられないほどカッチョよいロックを演ってたんである。なのに、「ポリスとは?...スティングが昔やってたバンド」というように、ポリスをスティング側から見下したような物言いが平然と出て来るなんて...(苦笑)。ま、育った時代が違うから、このギャップは絶対に埋まらないし、埋まるほうがおかしいのは分かってます。そう分かってても、何だか釈然としないんだよなぁ〜...。

ポリスとは、何ぞや?
 ポリスとは、'70年代後半のパンク/ニュー・ウェイヴ・ムーヴメント真っ只中に登場した3人組。メンバーは、スティング(vo., b.)、アンディ・サマーズ(g.)、スチュワート・コープランド(ds.)。'78年のデビュー・アルバム『アウトランドス・ダムール』から'83年の『シンクロニシティー』まで全部で5枚のアルバムをリリースしとります。


左から、スティング、スチュワート・コープランド、アンディ・サマーズ

 '70年代中期まで活動してたプログレ・バンド、カーヴド・エアーでドラムを叩いてたスチュワート・コープランドが、英国のパンク・ムーヴメントに誘発され、パンクっぽいロック・バンドの結成を画策。英国のニューキャッスルで教職の傍らジャズ・バンド「Last Exit」でベースを弾きながら歌ってたスティングを引き抜き、フランス人のギタリスト、ヘンリー・パドヴァーニを加えて結成したのが、ポリス。このバンド名を決めたのも、この頃の曲を書いてたのも、シングル・ジャケットをデザインしてたのも、スチュワート・コープランドそのひと。ポリスとはそもそもスチュワートのバンドだったのです!(笑) スチュワートはスティングの引き抜きにとっても苦労したみたいですよ(笑)。

「結成したばかりの頃は、スティングをバンドに留まらせるのに本当に苦労したんだ。その時の彼が一番やりたいタイプのグループではなかったからね。彼はソフィスティケイトされたジャズがやりたかった。ソフィスティケイトされた環境でね。そういう彼に『いやいやそれより、ワイルドなキッズのために、荒々しくやかましい野蛮な音楽をプレイしようぜ』って説得しなければならなかった。」

(『rockin' on』'95年8月号 p. 55 掲載のスチュワートのインタヴューより)

アルバム・デビューを果たす頃には、メインソングライターはすっかりスティングになってたケド(苦笑)。
 1977年にデビュー・シングル“Fallout”をインディー・レーベルの「Illegal」(禁制品ッスか?...苦笑)からリリース。この直後に、アニマルズやソフト・マシーンで活躍してたキャリアばりばりのギタリストのアンディ・サマーズが加入。一旦4人組になるものの、ヘンリー・パドヴァーニが脱退し、誰もが知るポリスの3人になりました。なお、スティングとスチュワートがほぼ同年齢なのに比べ、アイディだけが10歳くらい年上だったのは有名な話。童顔のために目立たなかったケド(笑)。
 と、ここまで読んでもらえば分かるとおり、ポリスの3人は、元プログレ・バンド、元ジャズ・シンガー、キャリアばりばりの辣腕ギタリスト...と、パンクとは全く無縁なバック・グラウンドどころか、パンク/ニュー・ウェイヴ全盛の頃、忌み嫌われ蔑まれた「オールド・ウェイヴ」にどっぷり漬かった連中じゃないですか!(笑) ポリスの正体とは、パンクじゃない「オールド・ウェイヴ」なひとたちがパンクの名を騙って、他のどのパンク/ニュー・ウェイヴ・バンドよりも人気とセールスを獲得した...という、ロックの歴史に残る確信犯なのです!(笑) そもそも、バック・グラウンドか全く違う3人がくっ付いたのも「世界を制覇する!」という共通の遠大な目標を達成するためというから、恐れ入る(苦笑)。彼らが全英/全米共に1位を獲得した'83年の『シンクロニシティー』をもって活動停止したのは、その「世界を制覇する!」という目標が達成されたため。ただ「世界を制覇する!」という目標を立てるだけなら、そこらのアマチュア・バンドにも出来る。ポリスの3人は「世界を制覇する」ためには何をすればよいか緻密に計算し尽して、それを実行に移し。期待どおりの成果を上げていった。文字どおり、百戦百勝(笑)。元高校教師のスティングが“Don't Stand So Close To Me”(邦題は“高校教師”)のヒットについて、後にこう語ってます。

 「確かに俺は教師だったけど、自分の生徒とは一度も関係を持ったことはなかった。持ちたいとも思わなかったよ。当時を思い出してほしいんだけど、俺たちはブロンドの色男三人組で、ファンのほとんどが若い女の子だったろ。だから、俺もその役割を演じてやろう、と思ったわけだ。それを利用してやろうぜってね。効果てきめんだったよ。あのシングルは英国で100万枚売れたんだ。」

(『rockin' on』'94年2月号 p. 25 掲載のスティングのインタヴューより)

 このように、ポリスの音楽/楽曲には戦略が付き物だったワケ(笑)。ポリスの音楽を語る際に、「ポリス=レゲエ・ビートを最初にロックに取りれたバンド」という文脈で語られることが多いッスけど、レゲエを取り入れたバンドが過去にも他にも居るにもかかわらず、ポリスの名前ばかりが取り沙汰されるのも、あまりにも効果的にレゲエ・ビートを取り入れたからにほかなりません! あまりにもハマったものだから、レゲエ・ビートってポリスの代名詞か専売特許のような感覚すらありますね(苦笑)。
 こういうふうに書くと、「ポリスの音楽は売らんがために計算された偽物じゃないか!」という声が上がりそう(苦笑)。っつうか、そういう戦略の存在に一般大衆が気が付く前に「店じまい」して居なくなったような気がする(笑)。当時のファンの感想でした(笑)。話は戻るけど、ポリスが「売らんがために計算された偽物」かというと、そうでもない。やっぱり楽曲の質も高かったし、演奏技術も高かった。私が中学時代に売られてたギタ−雑誌は、ページのほとんどをマイケル・シェンカーやエディー・ヴァン・ヘイレンなどのメタル系にページを割いてたんだけど、非メタル系ではポリスだけが載ってた(苦笑)。テクニック的にも凄かったワケです。(ライヴCD聴く限りでは)ライヴではテンション高かったし、そこらのパンク・バンドよりもよっぽどテンション高い演奏披露してます。そういえば、ポリスが来日してフジテレビ系『夜のヒットスタジオ』に口パク出演した時のフザケ具合は今でも語り種になってますね。スティングを始め3人ともわざとアテレコ外しまくってたらしい。みんながそろって「日本をナメてる!」と非難するなか、渋谷陽一先生だけが「あれはポリスらしくて良かった」と喜んでたとの噂(笑)。こういう悪ふざけもテンション高く保つために必須だったのかな?...と思う。バンド内のテンションを保つため、スティングとスチュワートはライヴの後いつも殴り合いのケンカしてたというし...(苦笑)。ところで、問題の『夜ヒット』のポリス映像、私は観たことないんだけど、誰か観たことある?(笑)
 ポリスについては、音楽雑誌『rockin' on』の兵庫慎司氏がことあるごとに面白い文章を書いてます。これらの文章に私はかなり共感出来るので、ポリスとは何ぞや?を端的に紹介する文章として、ここに載せておきます。

 ■思春期のなかったバンド
 ポリス解散の時スティングは「バンドとは非常に思春期的なものだ」と言っていたが、この台詞が僕にはよく分からない。ポリスにはハナから思春期的なバンド幻想などなかったからだ。「表現衝動やパッションなんかないのに、スタイルや音像を取り繕うのだけは上手い偽物」というポリスに対する批判は、そのまんま誉め言葉である。そういう思春期的な燃料がゼロの状態で、どこまで高いテンションが出せるかという、ある種倒錯した、そしてとんでもなく難しいトライを続けることがポリスの存在意義だったからだ。
(以下、略)

(兵庫慎司、『rockin' on』'95年7月号 p. 208 より)

 やっぱり、こんな完璧なバンドは後にも先にもない。完璧なもんなんか面白くない、ガキの熱さに大人のクールさが勝てるわけはない、とポリスを聴くまでは思っていた。いや、今でもポリス以外に関してはそう思っている。つまり、IQが天然に勝った瞬間を見た唯一の例、それが僕にとってのポリスなのだ。個人的に、一番好きなバンドが未だにポリスである理由も、その辺にあるのかもしれない。ただし、僕はスティング個人に興味を持ったりはしない。3人を好きなのではなく、ポリスが好きなのだ。そういうクールな好きになり方も、ポリスが初めてだった。(以下、略)

(兵庫慎司、『rockin' on』'96年11月号 p. 207 より)

ポリスのサウンドについて
 前にも述べたとおり、ポリスの面々は、元ジャズ・ベースマン、元プログレ・ドラマー、キャリア・バリバリのギタリスト...が組んだバンドで、当時流行ってたパンク・ムーヴメントに便乗して世の中に登場した...といういきさつゆえ、初期はパンクロックのもつ荒々しさと躍動感に満ちあふれてます。インタヴューで、スティングは「現状に対する憤激みたいな部分ではパンクスに共感を覚えてたけどね」(『rockin' on』'94年2月号 p. 22 より)と語り、スチュワートもインタヴューで「パンク・ムーヴメントの中にいる内に、自分自身、その姿勢に影響されたよ。曲も短くなった。何よりもポップバンドになったね」(『CROSSBEAT』'95年8月号 p. 82 より)と話しているとおり、戦略としてスタイルだけを拝借したワケではなく、パンクスに共鳴した結果パンク・スタイルが身についたフシもあります。デビュー作『アウトランドス・ダムール』はストレートなロック・アルバムですね。2ndの『白いレガッタ』ではデビュー作の延長線上にありながら、トリオ編成を逆手に取って、空間の広がりを意識した独特の音づくりに成功。後のミュージック・シーンに大きな影響を与えた「ポリス風サウンド」がここでほぼ完成。湿り気が少なく、乾いた感覚のサウンドに、頭脳明晰さからくるクールネス。「オレたち頭良さそうだろ?」ってサラリと言ってのけるようなカッコ良さがポリスにはあった(笑)。まだパンクっぽい荒々しさもあったし。
 3rd『ゼニヤッタ・モンダッタ』では、ムーヴメントも下火になり、もはやパンクを騙る必要は無くなったため、ここまで築いたポリス・サウンドを堅持しつつも、思いっきり実験に走ってます。4th『ゴースト・イン・ザ・マシーン』では、トレードマークであった独自の音空間の使い方にも変化が見られ、ホーン隊を導入したり、プログレふうだったりして異様に完成度が高い(苦笑)。もはや「パンク・バンド」ではないです(苦笑)。最終作の『シンクロニシティー』では、トリオ編成らしいシンプルなサウンドに回帰。独特の空間の広がりを意識したサウンドに戻りました。ただ、(旧アナログA面の熱い演奏とは対照的に)旧アナログB面収録曲は「スティングのソロ活動への助走期間」とも思えるような内容で、初期のようなロック・バンドならではの緊迫感はあまり感じられません。
 「ポリス風」と呼ばれた空間の広がりを意識した独特のサウンドは、多くのアーティストに影響を与えました。U2もかなりポリスっぽい(笑)。ただ、ポリスとU2の最大の違いは、ポリスは「ユーモラス」、U2は「シリアス」(笑)。あと、1982年から数年間のRUSHもかなりポリスの影響受けてます。だから、ポリスが活動停止した後の1986年、私はポリスからRUSHへと流れていったのでした(笑)。同じトリオ編成だったこともあったし(笑)。
 ところで、↑上↑で写真載せてる『FM fan』の記事の切り抜き、今から読むと笑えます。『ビートルズとストーンズ以来の大旋風』とか『ロックエイジが待ち望んでいた新しい時代のヒーローがついに目の前に出現したのだ』とか(苦笑)。その「新しい時代のヒーロー」はその後あえなく解散しちゃいましたけど、ポリスが抜けた穴は、U2がしっかりと埋めてくれました(笑)。

スチュワート・コープランドのドラム
 ポリスの3人って、3人ともキャラが立ってるので、どのメンバーにもファンがついてました(今でも???)。一番多いのがスティング大王のファンだけど。このスティング大王に敵意...じゃなくてライヴァル心ムキ出しで挑んでたのが、バンド創始者にもかかわらず主導権をスティングに奪われたスチュワート・コープランド。この2人はバック・ステージで日常的に殴り合いの喧嘩(という名のじゃれ合い...笑)をやってたことでも有名ですが。ポリスというと、スティングとスチュワートが睨み合う緊張の中、アンディ・サマーズが例の「欽ちゃん走り」で(笑)ひらりとギター弾いて廻るというイメージが私のアタマのなかに勝手に出来上がっています(笑)。話は逸れましたが、私はポリスの3人の中では、スチュワートが一番好きです。なにしろ、'83年、スチュワートさまに憧れてドラムを始めた!という過去があるくらい。すぐに挫折したケド(爆笑〜!!!)。スチュワートが青色のドラムセットで叩いてる写真を偶然みたんでしょう、青色のタイコ買いましたよ。スネアだけ(笑)。そのスネアは今も家にあります(笑)。ま、そんなどーでもいい話は置いといて、スチュワートのどこが好きだったかというと、やっぱりドラム・プレイです。彼の叩き出すタイコの音はホント独特で、聴けばすぐにそれと分かる音色してます。彼独特の音色とは...軽くて乾いてる...ってところでしょうか。すかたん! 当時のことを(思い出せるひとは...笑)思い出して欲しいんだけど、日本のロックバンドのドラマーって、つのだ☆ひろ(笑)から始まって、世良公則とツイストのふとがね金太、横浜銀蠅の嵐ヨシユキ...そういう伝統のお蔭で、ドラマーやる奴はドン臭い...というイメージがありました。ところが、日本の歌謡ロックから洋楽の世界に入ってきてすぐの中坊(私のこと)の目に飛び込んで来たスチュワートの姿は見てのとおり、スラっと長身で、テニス・プレイヤーと見紛うようなスポーティーなスタイル。それまで日本の歌謡ロックのドン臭いドラマーばかり見て育んできたドラマーのイメージを一気に覆すような新鮮さがありました。あと、ドラマーっていうと、汗だくになって叩く肉体労働者っていうイメージがあったケド、スチュワートの叩く音って軽快でスマートで、知的なニュアンスが凄くあったんですよ。「肉体労働」じゃなくて「スポーツ」やってるような爽快感。この爽快感持った乾いた音色を叩くドラマーは、いまだスチュワートだけだと思ってます(笑)。


ドラムヘッドに日本語書くくらい日本びいきのスチュワート

 ということで、当時中学2年生だった私はスチュワートに大いに憧れたワケです。今でもスチュワートが参加したアルバムがリリースされたら買ってます。スティングのソロも買ってるケド(苦笑)。アンディのソロを買ったことは1回もありません(苦笑)。

THE POLICE discography

OUTLANDOS D'AMOUR

(国内盤 : ポリドール POCM-1835)
1. Next To You 2. So Lonely 3. Roxanne
4. Hole In My Life 5. Peanuts 6. Can't Stand Losing You
7. Truth Hits Everybody 8. Born In The 50's
9. Be My Girl-Sally 10. Masoko Tanga
 パンク・ムーヴメント吹き荒れる1978年のイギリスでリリースされたポリスの記念すべきデビュー作。“Roxanne”が娼婦を題材にしたことから放送禁止、続くシングルの“Can't Stand Losing You”も自殺をテーマにしたせいで放送禁止処分を喰らい、その問題児ぶりからパンク・バンドとして見なされる。“Next To You”のスティングのシャウトぶりは確かにパンクだ(苦笑)。“So Lonely”はロックとレゲエの融合としては先駆者的存在。“Peanuts”や“Truth Hits Everybody”、“Born In The 50's”(邦題“俺たちの世代”)や“Be My Girl-Sally”(邦題“サリーは恋人”)など元気な楽曲は、後々の彼らからすれば青いが、この頃だからこそ出せた音ともいえる。
 なお、パンク第3世代が台頭してる2003年の今のロックシーンに慣れた耳で聴くと、一番違和感ないのがこのアルバムだったりして...(苦笑)。

REGGATTA DE BLANC

(国内盤 : ポリドール POCM-1834)
1. Message In A Bottle 2. Raggatta De Blanc
3. It's Alright For You 4. Bring On The Night
5. Deathwish 6. Walking On The Moon
7. On Any Another Day 8. The Bed's Too Big Without You
9. Contact 10. Does Everyone Stare
11. No Time This Time
 『白いレガッタ』の邦題で知られる1979年リリースの2nd。ロック史上に残る名曲(と、個人的には思ってる)“Message In A Bottle”(邦題“孤独のメッセージ”)収録。基本的に前作の延長線上にあるものの、前作が「パンク」なら、本作は「ニュー・ウェイヴ」だ(笑)。パンク的勢いよりも頭脳明晰さが感じられるようになってきた。ライヴではヤマ場に演奏されることが多かった“Raggatta De Blanc”(邦題“白いレガッタ”)や、スティングのソロ・ライヴでも演奏される“Bring On The Night”や“Walking On The Moon”も収録。

ZENYATTA MONDATTA

(国内盤 : ポリドール POCM-1833)
1. Don't Stand So Close To Me 2. Driven To Tears
3. When The World Is Running Down, You Make The Best Of What's Still Around
4. Canary In The Coalmine 5. Voices Inside My Head
6. Bombs Away 7. De Do Do Do, De Da Da Da
8. Behind My Chamel 9. Man In A Suitcase
10. Shadows In The Rain 11. The Other Way To Stopping
 来日公演があり、ポリスの人気が日本で最も高かった頃にリリースされた'80年の3rd。私の持ってるアナログ国内盤のオビには『来日記念盤』と書かれてます(笑)。このアルバムからは“Don't Stand So Close To Me”と“De Do Do Do, De Da Da Da”(邦題“ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ”)の2大ヒット曲が生まれたけど、アルバム全体の印象としては、“Behind My Chamel”と“The Other Way To Stopping”(邦題“もう一つの終止符”)の2曲のインストと“Voices Inside My Head”(邦題“果てしなき妄想”)に代表されるように、実験色が濃い。“Shadows In The Rain”は、1985年発表のスティングの1stソロ『ブルータートルの夢』に収録された曲のオリジナル・ヴァージョン。
 この頃のポリスを語る際に避けて通れないのが、“De Do Do Do, De Da Da Da”の日本語ヴァージョン。作詞・湯川れい子で作られたこの曲では、スティングが♪ドゥドゥドゥ〜デダダダ〜ハ愛ノ言葉ダ〜などと歌っており、『ポリス最大の汚点』と呼ばれてる(苦笑)。

GHOST IN THE MACHINE

(国内盤 : ポリドール POCM-1832)
1. Spirits In The Material World
2. Every Little Thing She Does Is Magic 3. Invisible Sun
4. Hungry For You 5. Demolition Man
6. Too Much Information 7. Rehumanize Yourself
8. One World (Not There) 9. Omegaman
10. Secret Journey 11. Darkness
 1981年リリースの4thで、プロデューサーにはヒュー・パジャムを起用。ファンの間でも『最高傑作』との呼び声が高い一方で、ホーン導入などで「実験的過ぎで小難しくなった」との声もあり、作品に対する評価は分かれる。が、作品としての完成度や緻密さはポリスの残した5枚のなかで群を抜く。“Every Little Thing She Does Is Magic”(邦題“マジック”)のようなポップな曲もあるものの、全般的には個性ある3人がお互いを鼓舞しながら生まれた緊迫感あふれる演奏が聴ける楽曲が多い。今の耳で聴くと、“Spirits In The Material World”(邦題“マテリアル・ワールド”)のイントロのシンセはダサいケド(苦笑)。個人的には“Omegaman”から“Secret Journey”への流れがこのアルバムのクライマックスだと思う。
 ちなみに、ジャケットは3人の顔をディジタル化したモノ。

SYNCHRONICITY

(国内盤 : ポリドール POCM-2078)
1. Synchronicity I 2. Walking In Your Footsteps
3. O My God 4. Mother 5. Miss Gradenko
6. Synchronicity II 7. Every Breath You Take
8. King Of Pain 9. Wrapped Around Your Finger
10. Tea In The Sahara 11. Murder By Numbers
 ポップス史上に残る名曲“Every Breath You Take”(邦題“見つめていたい”)が大ヒットを記録した勢いで、全英および全米チャートで1位を獲得して頂点に登りつめた1983年の5thにして、最後のアルバム。とはいっても、音楽的には前作が完成の域に達してやるべきことがなくなったのかどうか知らないけど、旧アナログのA面に当たる“Synchronicity II”まででロック・バンドとしてのポリスは終わってる。一歩譲っても“King Of Pain”まで。旧アナログB面(“Every Breath You Take”以降)はスティングがソロ転向後聴かせている音楽と大差なし。アンディ・サマーズ作の“Mother”も浮いてて、バンド終焉を予感させる作りになっている。プロデューサーは前作に続いてヒュー・パジャム。
 なお、“Murder By Numbers”は旧アナログには収録されておらず、元々はシングル“Every Breath You Take”のB面曲だった。

THE POLICE LIVE!

(国内盤 : ポリドール POCM-1090)
(Disc One) 1. Next To You 2. So Lonely
3. Truth Hits Everybody 4. Walking On The Moon
5. Hole In My Life 6. Fall Out 7. Bring On The Night
8. Message In A Bottle 9. The Bed's Too Big Without You
10. Peanuts 11. Roxanne 12. Can't Stand Losing You
13. Landlord 14. Born In The 50's 15. Be My Girl-Sally
(Disc Two) 1. Synchronicity I 2. Synchronicity II
3. Walking In Your Footsteps 4. Message In A Bottle
5. O My God 6. De Do Do Do, De Da Da Da
7. Wrapped Around Your Finger 8. Tea In The Sahara
9. Spirits In The Material World 10. King Of Pain
11. Don't Stand So Close To Me
12. Every Breath You Take 13. Roxanne
14. Can't Stand Losing You 15. So Lonely
 バンド活動停止後10年以上の歳月を経て、突如1995年になってリリースされた初のオフィシャル・ライヴ・アルバム。2nd『白いレガッダ』リリース時の1979年11月ボストン公演と、5th『シンクロニシティー』リリース後の1983年11月アトランタ公演の模様を収めた2枚組。この2枚を聴きくらべると、たった4年でバンドが如何に成長したかを確認できる。'79年のクラブ・ギグのほうでは、粗くもパッションあふれる熱い演奏が、'83年のほうではすっかり円熟の域に達し、完成度が高いスタジアム・ツアーの模様が聴ける。このアルバム聴いてると、スティングが飛び跳ね、アンディが『欽ちゃん走り』する様が目に浮かんできます(笑)。ポリスとはいったい何だったのか?を確認するためにはうってつけの商品。

その他のおもな作品

『Greatest Hits』(国内盤 : ユニバーサル UICY-2510)
1. Roxanne 2. Can't Stand Losing You 3. So Lonely
4. Massage In A Bottle 5. Walking On The Moon
6. The Bed's Too Big Without You 7. Don't Stand So Close To Me
8. De Do Do Do, De Da Da Da 9. Every Little Thing She Does Is Magic
10. Invisible Sun 11. Spirit In The Material World 12. Synchronicity II
13. Every Breath You Take 14. King Of Pain
15. Wrapped Around Your Finger 16. Tea In The Sahara
※ヒット曲ばかり集めた入門者向け作品。

『Every Breath You Take-The Classics』(国内盤 : ポリドール POCM1990)
1. Roxanne 2. Can't Stand Losing You 3. Massage In A Bottle
4. Walking On The Moon 5. Don't Stand So Close To Me
6. De Do Do Do, De Da Da Da 7. Every Little Thing She Does Is Magic
8. Invisible Sun 9. Spirit In The Material World
10. Every Breath You Take 11. King Of Pain
12. Wrapped Around Your Finger 13. Don't Stand So Close To Me '86
14. Massage In A Bottle (New Classic Rock Mix)
※「↑上↑の『グレイテスト・ヒッツ』とどう違うんじゃあああ〜!!!」といいたくなる選曲によるベスト盤。だけどこちらのほうが「本家」で、1986年リリースの『見つめていたい-ザ・シングルズ』に“Massage In The Bottle”のリミックス・ヴァージョンと“Don't Stand So Close To Me”オリジナル・ヴァージョンを追加した商品。

『The Very Best Of Sting & The Police』(国内盤 : ユニバーサル UICZ-1058)
1. Massage In A Bottle 2. Can't Stand Losing You
3. Englishman In New York 4. Every Breath You Take 5. Seven Days
6. Walking On The Moon 
7. Fields Of Gold 8. Fragile
9. Every Little Thing She Does Is Magic 10. De Do Do Do, De Da Da Da
11. If You Love Somebody Set Them Free
12. Brand New Day 13. Desert Rose 14. If I Ever Lose My faith In You
15. When We Dance 
16. Don't Stand So Close To Me 17. Roxanne
18. So Lonely
※スティングのソロ作品も一緒になった1997年編集のベスト盤から、スティングの6thソロ『ブランド・ニュー・デイ』(1999年)の曲と数曲差し換えた2002年リリースの新編ベスト。「スティングのソロ?...そんな『不浄なモノ』とポリスの曲を一緒にするんじゃねぇぇぇ〜!」(爆笑〜!!!)。『不浄なモノ』については曲名を見にくくしております(笑)。なお、差し換え前の1997年ヴァージョン(国内盤 : ポリドール POCM-1552)には、『ポリス最大の汚点』と呼ばれる(苦笑)“De Do Do Do, De Da Da Da”日本語ヴァージョンが特別に収録されてました(笑)。

『Message In A Box-The Complete Recordings』(国内盤 : ユニバーサル UICY7063 )
※『The Complete Recordings』という名のとおり、ポリスの残した5枚のアルバム丸ごとと、B面曲、サントラ収録曲など全レコーディング作品を網羅したことが「売り」だった1993年リリースのBOXセット。デビュー曲“Fallout”聴くために必携! 上の3種類のベスト盤を買うくらいなら、このCD4枚組買ってください(笑)。私もポリス聴きたい時は、このBOXセットで聴いてます(笑)。

ポリスを聴き始めるなら、どの作品から聴けばいいのか
 これはファンによって意見が分かれると思うけど、私がオススメしたいのはライヴ2枚組の『ポリス・ライヴ』です。このライヴ盤聴いたら、ポリスがどんなにカッコいいバンドだったかよく分かる(笑)。
 次のオススメなのは、4枚組BOXセットの『メッセージ・イン・ア・ボックス』です。(。_゜☆\べきばき。
 オリジナル・アルバムなら、最初の2枚を聴いてみればいいなじゃないかと思います。今のロック・シーンで流行ってる音とも共通項あるような気がするし。間違ってもつまんない選曲のベスト盤なんか買わないように!

ポリスのベスト盤を作ってみよう!
 ↑上↑のディスコグラフィーを見てもらうと分かるとおり、これまでに幾度かポリスのベスト盤なるものが編纂されてますけど、どれもヒット曲中心で、バンドの歴史をそのまま追っただけの曲順。あんまり代わり映えがなく、イマイチ面白みに欠ける商品になっております。スティングのソロなどと一緒になったベスト盤なんて論外! 「ポリスのベスト盤はゴミばっかりじゃあああ〜〜〜!!!」(爆笑〜!!!)。
 そこで、「私ならこういう曲でベスト盤を作る!」...と自分で曲選んでベスト盤を編纂してみました。5枚のアルバムから4曲ずつピック・アップして合計20曲...という構想で。ただし、この選曲は「今あるベスト盤の代替案」であって、要は「今あるベスト盤CDを廃盤にしてこれを出せ!」という意味。「ポリス初心者は最低これくらい聴いておくべきだ!」という意図で選曲してるので、大ヒット曲は外せないし、個人的な趣味は最小限に留めなければなりません。その制約のなかでどれだけ選曲者のセンスが出せるかが腕の見せどころ。
 この『ベスト盤案』を組むのに(
以前のLUSHの時と同じように)次の条件を付けました。
1. 全部で78分程度(CDの収録時間内)に収める。
2. 同じアルバムからの曲が並ばないように、完全シャッフルした曲順にする。
 年代順に曲を並べるだけならアホでも出来る...ってことで、DJが曲をつなげる要領で自分が聴いてしっくり来る曲順を考えました。

 ...ということで、まず選曲から。
 1stの『アウトランドス・ダムール』。このアルバムは個人的には「今のロックに聴き慣れた耳で聴くと一番ハマるアルバム」と思っているので、選曲に迷う。“Roxanne”“Can't Stand Losing You”は必須。残り2曲は“So Lonely”“Truth Hits Everybody”を選びましたが、“Next To You”や“Born In The 50's”も捨て難かったッス(苦笑)。
 次は『白いレガッタ』。このアルバムから4曲選ぼうとすると、誰が選んでも同じ顔ぶれになりそう
(笑)“Massage In A Bottle”、“Reggatta De Blanc”、“Walking On The Moon”、“Bring On The Night”は外せないッス。これらの名曲が一挙収録されてることからも『白いレガッタ』が名盤扱いされるのもよく解る(笑)。もう1曲選べるとしたら“The Bed's Too Big Without You”(邦題“ひとりぼっちの夜”)です。
 『ゼニヤッタ・モンダッタ』は、“Don't Stand So Close To Me”“De Do Do Do, De Da Da Da”の2曲が突出してます。残り2曲は“Driven To Tears”(邦題“世界は悲しすぎる”)と“When The World Is Running Down, You Make The Best Of What's Still Around”(邦題“君のなすべきこと”)にしましょう。“Canary In The Coalmine”(邦題“カナリアの悲劇”)も“Bombs Away”もホントは選びたかった。『ゼニヤッタ・モンダッタ』はアルバムをトータルで聴いてナンボだと思うので、ホント、難しいッス(苦笑)。
 異様に完成度が高いアルバム『ゴースト・イン・ザ・マシーン』も難しい。“Every Little Thing She Does Is Magic”“Spirits In The Material World”は当確。個人的趣味で“Secret Journey”“Rehumanize Yourself”にしましょう。“Invisible Sun”や“Hungry For You”、“Too Much Information”も捨て難かったケドね(苦笑)。『ゴースト・イン・ザ・マシーン』からの選曲は、選ぶひとのセンスによってかなりバラツキそうです。
 一番のセールスを記録した『シンクロニシティー』ですが、このアルバムから4曲選ぶと“Every Breath You Take”、“King Of Pain”、“Wrapped Around Your Finger”は誰が選んでも入るでしょ? もう1曲はロックな曲にしたいので、“Synchronicity II”にします。“Synchronicity I”や“O My God”でもよかったケド。
 こうして20曲出揃ったところでトータル・タイムみたら79分を超えてました(苦笑)。さらに、衝撃のデビュー・シングル“Fallout”も入れたいという事情もあって、一度選んだ“When The World Is Running Down, You Make The Best Of What's Still Around”を除外しました。これで78分台になったかな。
 ところが、曲順決めていく際に“Driven To Tears”が上手くハマる箇所がどうしても見つからなかったので、最終的には“When The World Is Running Down, You Make The Best Of What's Still Around”を再び入れて、“Driven To Tears”を外しました。
 ここで、20曲がようやく出揃ったので、本題の
私・ヒロくんが自分自身で選曲し、曲順も指定した『ベスト盤案』を発表します。仮に『Truth Hits Everybody』とでもしときましょう(笑)。↓下↓の曲順を決めるまでに随分と紆余曲折がありました(苦笑)。最初はアタマのなかで「これだっ!」という曲順を考えてたんだけど、実際にそのとおりに曲を並べて聴いてみたところ、全然シックリ来なかった(苦笑)。入れ替えに入れ替えを重ねて、「この20曲ならこの曲順以外にあり得ない!」と私自身が納得するまで曲順を検討した結果、このようになりました。なお、曲の演奏時間は『メッセージ・イン・ア・ボックス』に準拠しました。

『Truth Hits Everybody〜Hiro-kun's selection』(total time : 78' 39'')
1. Synchronicity II (5' 03'')...from AL『Synchronicity』
 オープニングはロックな曲にしたかったので、この位置に。日本では“〜 I”のほうがシングル・カットされましたが、英米ではこちらのほうがカットされスマッシュ・ヒット。カッコいいプロモ・ヴィデオも印象深いッス。
2. Truth Hits Everybody (2' 54'')...from AL『Outlandos D'amour』
 ♪wow〜oh〜oh〜。この曲、もの凄く好きなんですよ。「Truth Hits Everybody」って深〜いタイトルも気に入ってます(笑)。
3. Walking On The Moon (5' 02'')...from AL『Reggatta De Blanc』
 
3曲目くらいにはスロウな曲を...ってことで、2ndからのヒット曲がここに。
4. When The World Is Running Down, You Make The Best Of What's Still Around (3' 36'')...from AL『Zenyatta Mondatta』
 このコンピレーションの他のメンツだと、“Driven To Tears”がどうしても埋没してしまうので、土壇場で躍動感あふれるこの曲と入れ替えました。
5. Can't Stand Losing You
(3' 01'')...from AL『Outlandos D'amour』
 自殺がテーマになってて、1978年当時に放送禁止になった曲。後にこの曲をフィーダーがカヴァーしましたが、そのフィーダーから自殺者が出てしまったのは何とも皮肉...(涙)。
6. De Do Do Do, De Da Da Da
(4' 09'')...from AL『Zenyatta Mondatta』
 
自殺がテーマの重い曲から一転、意味不明の明るい曲を(笑)。湯川れい子・作詞の日本語ヴァージョンでも可(爆笑〜!!!)。
7. Rehumanize Yourself
(3' 10'')...from AL『Ghost In The Machine』
 名盤との評判は高いものの、曲単位では聴き手によって好みが分散しがちな『ゴースト・イン・ザ・マシーン』ですが、私はどことなくユーモラスなこの曲を推します。ユーモアも、ポリスを語る上で欠かせない要素。
8. Massage In A Bottle
(4' 50'')...from AL『Reggatta De Blanc』
 
無人島に居る男が「俺は孤独だ」とメッセージ入れた瓶を海に投げ入れたら、「俺のほうがオマエよりもず〜〜〜っと孤独だ!!!」という返事が入った瓶が数百万個も島に流れついた...というロック史に残る面白い歌詞の曲。ポリスのレパートリィの中では“Every Breath You Take”とこの曲が「2大名曲」になるのは、大方のひとが賛同してくれることでしょう。
9. So Lonely
(4' 52'')...from AL『Outlandos D'amour』
 スティング自身がボブ・マーリーの“No Man No Cry”のパクリだと認めた曲(笑)。モロにレゲエしてて、「ポリス=レゲエ・ビートを巧く取り入れた最初のロック・バンド」のイメージ確立に貢献大(笑)。
10. Spirits In The Material World (2' 59'')...from AL『Ghost In The Machine』
 『ゴースト・イン・ザ・マシーン』のアルバムのオープニングを飾る曲で、シングル・カットされてヒットも記録。イントロなどで使われているシンセの音色が、今の耳で聴くと絶望的にダサい(苦笑)。
11. King Of Pain
(4' 59'')...from AL『Synchronicity』
 このコンピの曲順を決めるにあたり、“King Of Pain”〜“Fallout”〜“Reggatta De Blanc”の流れにするのは最初から決めてました。『シンクロニシティー』からの大ヒット曲で、大ヒットした故に、あのパロディー大王、アル・ヤンコビックの餌食になってます(笑)。「人間の魂と太陽黒点の関連性を歌った曲」とされる“King Of Pain”ですが、パロディー曲“King Of Suede”(笑)では「自分の体に致うサイズの服を捜しまわる男の歌」にパロられてます(笑)。
 あと、この“King Of Pain”、アラニス・モリセットが『MTVアンプラグド』でカヴァーしてます。アラニスは女性だから♪queen of pain〜...って歌ってますが(苦笑)。
12. Fallout (2' 03'')...from debut E. P.
 
この記念すべきインディー・デビュー・シングルを落としたベスト盤しか出てないのは、アホとしか言いようがないです。アンディ・サマーズ加入前、まだヘンリー・パドヴァーニ在籍時の音源。1977年(パンク元年)リリースという時代背景からして分かるとおり、かなりパンクなサウンドで、今のスティングからは想像出来ないような攻撃的なハイトーン・シャウトは聴きモノ(笑)。今、これを聴こうと思ったら...『メッセージ・イン・ア・ボックス』を買いなさい!(笑)
13. Reggatta De Blanc (3' 06'')...from AL『Regatta De Blanc』
 ライヴでのクライマックスに演奏されてたインストゥルメンタル??? この曲のせいで、スティングの鳴き声は「イヨォ〜イヨォ〜イヨォ〜」に決定!(笑) 技巧派バンド・ポリスの側面の一端が垣間見てとれる。このコンピのなかでは、インタ−ミッション的位置付けとしてここに持って来ました。
14. Roxanne (3' 14'')...from AL『Outlandos D'amour』
 娼婦を題材に扱ったためにBBCで放送禁止処分を喰らったメジャー・デビュー・シングル曲。スティングのソロでもよく演奏されるので、この曲はハズせないでしょう(笑)。
15. Don't Stand So Close To Me
(4' 03'')...from AL『Zenyatta Mondatta』
 スティング自身が「絶対ヒットすると思った」と話す、高校教師と女子生徒の関係を扱った曲。歌われてるテーマのワリには淫靡な空気は無く、ユーモラスですらある。この曲は1986年にリメイク版“Don't Stand So Close To Me '86”(邦題“高校教師'86”)としてリリース(ベスト盤『見つめていたい〜ザ・シングルズ』のオマケ扱い)されたけど、どーしよーもない出来。“De Do Do Do, De Da Da Da”日本語ヴァージョンが『ポリス最大の汚点』と呼ばれてますが、私に言わせれば“Don't Stand So Close To Me '86”こそが『ポリス最大の汚点』! これ聴くくらいなら、ダイアー・ストレイツの“Money For Nothing”を聴くよ(笑...スティングがゲスト参加してる“Money For Nothing”には“Don't Stand So Close To Me”のフレーズが織り込まれていて、作曲クレジットにもスティングの名がある)。
16. Every Little Thing She Does Is Magic
(4' 21'')...from AL『Ghost In The Machine』
 この曲だけズバ抜けて、オシャレでかつ優雅なアレンジが施されてて、他の曲たちと耳触りが違うので、曲順に一番苦労した。全米TOP3入りした大ヒット曲。
17. Wrapped Around Your Finger
(5' 14'')...from AL『Synchronicity』
 この曲のどんでん返しな歌詞が個人的には大好きなんですよ。全米TOP10に入ったヒット曲だし、外せません。
18. Bring On The Night (4' 16'')...from AL『Reggatta De Blanc』
 スティング、ソロ移行後初のライヴ・アルバムのタイトルにもなってるこの曲はハズせないでしょう。この曲がこの位置に来たのは、幾度となく並べ替えを経たうえの結果です。
19. Secret Journey
(3' 33'')...from AL『Ghost In The Machine』
 
『ゴースト・イン・ザ・マシーン』のアルバムのなかで、“Omegaman”と一緒になってクライマックスを形成してるこの曲、個人的には大のお気に入りだったりします。アルバム同様、このコンピのなかでも最後のヤマ場に持ってきたかったので、あらかじめ「最後から2番目はこの曲!」って決めてた(笑)。アメリカではシングル・カットもされてます。大ヒットは記録しなかったけど(最高位は46位)。熱心なポリス・ファンのなかには「何でこの曲?」って訝る向きもあるかもしれないけど、この曲が好きなのは、私がRUSHファンだからでしょう(笑)。RUSHが'82~'87年にリリースした4枚のアルバム(いわゆる『第3期』)は、俗に「ポリスの時代」とも呼ばれてます。RUSHが積極的にポリスの音を自分たちの音楽に取り入れてた頃で、特に『シグナルズ』(1982年)と『グレイス・アンダー・プレッシャー』(1984年)の2枚にポリスの影響が顕著です。この“Secret Journey”聴くと、「この頃のRUSHの元ネタはコレか!」と思わずヒザを打ちたくなる(笑)。
20. Every Breath You Take
(4' 14'')...from AL『Synchronicity』
 ポリス最大のヒット曲にして、ポップス史上永遠の名曲として残るであろうこの曲も、扱いに困ったんだよな。ところが、この曲はこのようなコンピレーションの一番最後に置くとハマるということを発見しました!(笑) これは私的には「大発見」(笑)。この曲を一番最後に持って来るだけで、ポリスというバンドは「過去の遺物」じゃなく「現在もファンのなかで続いてる」ような印象を持ってしまうから、不思議なもの。個人的には、この曲にはイロイロ思い入れがあったりします。この曲がヒットした'83年、当時のレコード会社、アルファ・レコードがこの曲のカラオケシングルを発売。『ポリス・カラオケ・コンテスト』などと銘打ち、「歌唱部門」と「日本語詩部門」の2つでファンの参加を待ってたような記憶があったんだけど、このコンテストの結果どーなったのかは、残念ながら知りません(爆笑〜!!!)。私も参加したかったんだけど、問題のカラオケ・シングル、どこにも売ってなくてさあ...(苦笑)。

 以上が私・ヒロくんのポリスのベスト盤試案『Truth Hits Everybody』(笑)でした。実際にこの曲順にCD-R焼いてばんばん聴いてますよ。自分で選曲しておきながらこう言うのはなんだけど、イイなぁ〜(笑)。

 なお、このポリスのベスト盤私案『Truth Hits Everybody』(笑)よりももっと良いベスト盤選曲案がある!...というような対案を当サイトでは募集しております。↑上↑に掲げた2条件(「CD収録時間内に納める」、「同じアルバムからの曲を並べない曲順にする」)を満たしたみなさんのアイディア、お気軽に投稿下さい(笑)。このサイトで紹介させていだだきます。

(2003.3.4/3.5)

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