陣馬山ー生藤山縦走...'00.2.27(日帰り)

 バーナード・バトラーのライヴを観た後、私は山梨県内に停めた車のところに戻り、車中泊。せっかく東京に出たんだから、東京近郊の山歩きをしておかないと勿体ない...というわけでもないが、2月27日、陣馬山-生藤山縦走をして来た。コースは、中央本線藤野駅から尾根ルートを通って陣馬山へ登り、和田峠に一旦降りた後、醍醐丸に登り返し、連行山、茅丸を経て生藤山へ。三国峠(山)から佐野川峠まで尾伝いに来て、石楯尾神社に降りるもので、ガイドブックによると歩行時間が4〜5時間のコース。
 山梨県内に車を停めた車のところに戻り、車中泊。6時スタートで午前中にみんな片付けて、さっさと富山に帰ろうと思っていたら、おもいっきり寝過ごしてしまい、藤野駅に着いたのは8時。藤野駅から歩いて陣馬山登山口のバス停のある落合まで行ってもよかったが、ちょうど8時6分発和田行のバスがあったのでこのバスに乗り込むと、バスの中は中高年登山者の大群に占拠されていた...。バスが発車し、やがて陣馬山登山口に着く。しかしあれだけ登山者が乗っていながら降りたのは私1人だけ。みなさん、和田まで行ってそこから陣馬山に登るようだ。
 バス停から川上に少し歩いたところの交差点のところに『陣馬山登山口』の標識があるので、そのとおり枝道に入る。地形図では破線表示されている道だが、実際は簡易舗装された車道で、道に沿って民家も数軒建っている。舗装が切れたところから林の中に入る。ここには小さな祠があった。この頃、天気は晴れで南方向に振り向けば富士山も見えた。
 尾根伝いに歩いていると、葉っぱをすっかり落とした雑木林からぎっしり杉が植林された造成林に入る。麓を走るバスにはハイカーがぎっしり乗っていというのに、この尾根コースでは誰にも会わなかった。地形図上の・620m の先にある和田コース合流点までは。このコース合流点には中高年登山者の一団が休憩を取っていた。人数からして先ほど同じバスに乗り合わせた皆さんだろうか。私もここで1本取ることにした。

 

陣馬山頂上から見た富士山

中高年登山者の一団が去ってしばらくしてから私も出発。たいしてツラい登りもなくやがて陣馬山の頂上に着いた。頂上では20名を超えるくらいの登山者が休憩中。ただし、この日は水蒸気の蒸発が活発だったようで、展望は余りよくなく、先ほどまで良く見えた富士山もカラダの半分を雲の中に隠そうとしていた。山小屋のオヤジによれば、前日には尾瀬の至仏山や燧ヶ岳や日光連山が見えたそうだが、この日は見えそうな気配すらなかった。これから向かう生藤山をバックに記念撮影をしたところで、陣馬山頂上を出発。急な階段状に作られた道を下り、和田峠に出た。
 和田峠から、道路崩壊で迂回を呼びかける看板が建つ林道に入る。すぐに生藤山への道の登り口があり、そこから登山道へ入る。しばらく登ると尾根上に出ると小さな祠があった。ここからは登りが少しキツくなる。和田への下山コースと生藤山巻き道コースを見送って醍醐山コースをとる。登り着いた醍醐山は『八王子市の最高峰』だそうだが、北面こそ切り開かれているものの、南面は鬱蒼と樹が繁っており、展望が良いとは言い難いどおってことない小突起。たぶん八王子市民も『八王子市の最高峰』だからといって特別な思い入れなどないと思う(笑)。この、ベンチが設置された頂上で一本。
 今回の山行、一番のミスは水を汲んで来るのを忘れたこと。前回、1月9日〜10日に伊勢の獅子ヶ岳に登りに行った時の残りの水がわずかに150 ml ほどポリタンに残るのみ。ザックにはインスタントラーメンを作るためのコッヘルやバーナーが入ってたが、これらはザックの形を整える『つめもの』くらいの役にしか立たないことになってしまった(笑)。醍醐丸の頂上で、もしかしたら当たるかも...とおびえながら、2ヶ月近く前に汲んだ水を少し消費し、ピーナッツチョコを食べてから再び歩き出した。
 陣馬周辺とは違い、和田峠から先は人影もまばら。私のとるコースの逆を歩く人たちとクロスしたのは、地形図上の・837m 地点を超えてからで、それまで誰にも遭わなかった。
 醍醐丸からはワン・ピッチで生藤山に着くかも...と思っていたが、今回のコース最大の盲点『最高地点は生藤山ではない!!!』。標高1,010 m を超す行道山で一本。ここでの休憩中に12時のファンファーレがどこからか響いてきた。ここでいよいよポリタンの中のわずかな水を完全消費。以後の行動は下山まで水無しになった。行道山頂上から少し下りたところには、北面の柏木野に下るルートの分岐があったが、あまり歩かれていないようだった。特に今の季節、稜線は雪なしでも北面は雪アリだろうから余計のこと歩くひとは少ないだろう。
 今回のコースを歩いて感じたのが異様に巻き道が多いこと。今回のコース上最高地点になる茅丸(1,019 m)にすら巻き道が付けられていて、多くの登山者がこの巻き道を通っていく。陣馬山や生藤山に比べると知名度で劣るといえ、仮にも、コース上数少ない1,000 m 峰を踏んでいかなくて勿体ないとは思わないのだろうか? せっかく来たのに...。「ひょっとして、メインの生藤山にも巻き道があったりして(笑)」...と思っていたら、本当に巻き道がついていてビックリ。まさか生藤山の頂上を割愛していく登山者は居ないだろうけど...。生藤山の頂上につくと、そこでは大勢のひとが昼食をとったりしてくつろいでいた。天気は曇り。富士山は雲のなか、ようやく裾の曲線の一部が確認できるくらいで、先ほど歩いてきた陣馬山でさえモヤって見えていた。
 陣馬山と生藤山周辺はひとが多いが、その間の稜線上では登山者はまばら。首都圏の登山者にとってはこの2つの山はそれぞれ別々に登るべきもので、つないで歩く発想をするのは私のような『遠方からの登山者』だけなのかもしれない。
 生藤山からわずかで三国峠(山)に着く。この甲斐・相模・武蔵の三国の境からコースを南にとる。しばらく歩くと甘草水の水場分岐に着く。この時期、表日本は渇水期だから水があるとは期待してはいなかったが、『禁水状態』が続いていたため、一応確認しに行った。ら、案の定、水は涸れたか凍ったかで流れてはいなかった...。
 しばらく尾根沿いに南下を続けると石楯尾神社への下山口に着いた。ここでは大人数のパーティがここで下るかそれとも鎌沢へ下るか思案中。その横をスリ抜け石楯尾神社へのコースを取る。前日、上京した折、新宿の『TSUTAYA』のとこにある某パソコン店の急な階段を7階まで登り降りしただけで(情けないことに)腿の筋肉を痛めてしまい、ここでの下りは筋肉痛との闘いとなった...(苦笑)。私よりペースが早い登山者1名に追い抜かれたりもした(ホント、情けネェ〜)。途中、林道を横切り、沢沿いを歩く感じになる。大きな祠が置かれているところからは車が通れる幅の道になり、やがて大洞橋の脇に出た。石楯尾神社から200 m は先にある上岩バス停に着くと、バスの待ち時間が1時間以上もあったので、石楯尾神社の水を汲んでインスタントラーメンを作る。ず〜っとかついできた荷物を使う機会がようやく訪れた(笑)。ラーメンを食べ、コーヒーを飲んでゆっくりしているとバスの時間になり、バスで上野原駅に出た。
 今回の山行、やはり朝の寝坊が大きく響いた。帰り道、甲府の渋滞に引っかかり、信州蔦木宿の『道の駅』でフロ入っていこうかと思ったら丁度スキー帰りのひとたちの車で駐車場は埋り、車の停めようがなかったのでフロにも入れなかった...。

【行動記録】2000年2月17日(日) 日帰り
藤野駅806━810陣馬山登山口(落合)821─921和田コース合流点931─959陣馬山
陣馬山1009─和田峠1022─1057醍醐丸1107─1159連行山1212─1237生藤山
生藤山1252─甘草水1311─上岩コース分岐1322─1356上岩バス停1528━1546上野原駅

【1:25,000地形図】 与瀬、五日市、上野原

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