北信・黒姫山

2001.9.8 (日帰り)

 『青春18きっぷ』の未使用分1回を消化するため、富山から普通列車の乗り継ぎで日帰り登山が出来る山、北信濃の黒姫山へ登りに行って来た。「富山から普通列車の乗り継ぎで日帰り登山が出来る山」と書いたものの、実際のところはかなり日帰りはキビしい。普通列車利用に限定すると、富山を朝イチに出発しても登山口の黒姫駅に到着するのは9:29。登山の常識からいうと、18時前後には山麓に下りてきてないとマズいので、山行に当てる実効時間は9時間足らずしかない。これはあくまでも黒姫駅をベースに考えた時のハナシであって、今やメイン・ルートの感もある黒姫高原からの小泉ルートとった場合、黒姫高原へのバスが10:35まで無いお蔭で、登山スタートが10:55(黒姫高原へのバス到着時間)になってしまい、7時間で登山と下山を済まさなければならない一種のタイム・トライアルになってしまうのだ。さらに帰りにも黒姫高原からのバスを利用した場合、最終バスが17:20なので、登山に使える時間は6時間あまり。今回はこのタイム・トライアルに挑戦した結果の一部始終を報告することにしよう(笑)。
 9月8日、定刻どおり9:29に黒姫駅に着く。『晴れ時々曇』との予報に反して雲が多め。バス発車時刻まで黒姫駅で時間つぶし。10:35にようやく車中のひととなり、黒姫高原へ。黒姫高原には10:55着。黒姫高原は今の季節はコスモス園になっている。おとなでも\300くらいの入園料を取られるというのに多くのひとがつめかける観光名所だ。登山でコスモス園を通過するだけのひとからは料金は取らないものの、登山者は両側を有刺鉄線の柵で仕切られた通路を歩かされる。勿論、有刺鉄線の向う側にはコスモスの花が乱れ咲き、家族連れやカップルらでにぎわってる。そんな脇を歩かされる登山者の立場って...。有刺鉄線の通路に平行する形で4人乗りのリフトが運行されていて、それにも家族連れやカップルらが乗っている。そんな真下を歩かされる登山者の立場って...。いずれにせよ、コスモス園は男ひとりで来る場所じゃないってことは確かだ(笑)。そんな孤独を感じさせる(笑)道を歩いてると、リフト降り場に到着。このリフト降り場からは観光客と登山者のコースの分け隔てがなくなる(笑)。ここのすぐ北側には展望台があって観光客でにぎわってた。さらにスキー場の斜面の登山道を登る。前日まで降ってた雨のせいで道が滑り易い。さらに、陽が照りつけて来た。何の障害物も無いスキー場では陽がまともに照りつけてくるため暑くてしょうがない。歩みを止めて後ろを振り返ると、コスモス園や野尻湖などの景色が一望出来た。そんなスキー場の斜面の一角でい1回目の休憩。早くも登頂を済ませた登山者が雪崩のような速度で(笑)急斜面を降りていった。
 なおもスキー場の斜面の道を登っていくと、北登山コースと合流。さらに最後のスキーリフトを右に見送って南側の樹林帯に入っていくと、すぐにケルンのある姫見台に到着。登山口の黒姫高原から頂上までの標高差が1,200 m。「1時間に400 m ずつ登るものとして、3時間で頂上に着く」って計算をしてた。休憩時間入れたら3時間半で頂上。頂上から2時間半で降りてくれば最終バス発車時刻の17:20に間に合うって。で、標高1,500 mくらいの姫見台に1時間半の登りで来れたから、「こりゃあ、最初の予定通りに3時間半で頂上だ!」と喜んだりもした。が、問題はこの先だった...。
 姫見台から越見尾根まで登山コースは山腹をぬう水平コースに突入。水平コースといっても、木の根が張り出してるところや、岩がゴロゴロしてるところがあったり決して歩き易い道ではなかったッス。ビミョーなアップダウンもあったりして。この水平コースを抜けるのに25分もかかったッス...。25分も水平コース歩き...この間、獲得標高ゼロです...。ってことは、1時間につき400 m っていう目算が崩れたワケ...。越見尾根から急坂に入ったところで休憩してると、下りの登山者に「クマかと思った。ビックリした」とゆわれた私...。クマみたいで悪かったね(笑)。なおも越見尾根の急坂を登りつめると、黒姫乗越に到着。ここで火口へ降りるコースと、直接頂上を目指すコースが分かれてる。時間が無いので当然、頂上直登コースを選んだ。このコースは火口を1/3周して頂上に到達する。富士山なら『御鉢めぐり』に相当するようなコースだ。このコースも傾斜がユルく、木の根が往く手を阻むような道。途中、空腹に耐えきれずに3回目の休憩。ピークを1つ越えて鞍部まで下ると表登山道が左から合流してくる。ここから8分の登りで黒姫山の頂上に着いた。14:38着。
 黒姫山の頂上は東面は開けてるけど、西面は木立に視界を遮られている。先ほどの暑いまでの陽射しはすっかりどこかへ行ってしまって、野尻湖や、飯縄山、戸隠山などはガスに被われ、たまにガスの切れ目からわずかに姿を現すのみ。頂上には10名くらいの登山者が居た。黒い石材に『黒姫山』と刻まれた頂上標で記念撮影済ませたあと、15:00に頂上を後にした。
 黒姫高原のバス停からの最終バスの時刻は17:20。登りに3時間40分かかってるから、どう見積もっても、この最終バスには間に合わないと判断。特に、越見尾根から姫見台までの水平道...あれは登りで25分かかったのなら、下りでも25分かかる道だ!...のことを考えるとネェ...。来た時に使った小泉ルートよりも、一途に山麓を目指すルートの表登山道を採るとこにした。そう、直接、黒姫駅に下山するのだ! 何故なら、黒姫駅17:47発の直江津ゆき普通列車をどーしても捕まえたかったからだ。この列車に間に合うか間に合わないかでは、天と地ほどの差がある。間に合えば、富山に8時台に帰ってこれるけど、間に合わないと(普通列車使用限定だと)富山帰着が0時前になってしまうのだ。そーなると、今日は富山駅まで自転車で来て
夜10時で営業が終わる富山駅前駐輪場に入れてたから、家まで歩いて帰るハメになるうえ、翌日に自転車取りに来なきゃいけなくなり、メンドーなことこの上ない! 私がこれだけ黒姫駅17:47発の直江津ゆき普通列車にコダワる理由が分かっていただけただろうか?(笑)


表登山道合流点から見た七ッ池

 頂上から表登山道合流点まで歩いてると、頂上からは望めなかった七ッ池が見えた。これをゆっくり鑑賞するヒマすらなく、表登山道合流点から、表登山道に入る。いきなり急な坂道。そして間隔不揃いに現れる『合目標識』。8合目が現れてからわずか5分でもう7合目。7合目から6合目までは9分。どうなってんの? おそらく5合目と思われる日ノ出石を過ぎてすぐに休憩。もう半分は降りたわけだ。だけど、ここより傾斜は緩くなり、4合目から3合目にかけての『七曲り』に至っては、わざわざジグザグ・カーヴに道切る必要もないようなユル〜い道。3合目から5分くらいで、林道に出る。林道を横切った先の登山道の続きを行くとすぐに2合目の標識が現れ、10分ほどの歩きでまた林道に出た。林道を横切った先の登山道の続きを行くと5分ほどで沢に出た。ここから3分くらいでもう一度林道を横切ると、5分の歩きで長野オリンピックに乗じて造られた『町民の森』的公園に出た。全然木とか植わってなかったから、未分譲の別荘地か墓地みたいだった。この『墓地』(笑)から出たところの広い幅の車道を標識の示すとおりに右に曲がる。地図に載ってないこの新設道路を歩く。辺りは霧に包まれ、視界はゼロ。どこを歩いてるのか見当もつかない状態で、ホントに黒姫駅に着くんだろうか?...と不安に押しつぶされそうになりながらこの広い幅の車道をひたすら歩いてると、やがて急に道幅が狭まり、一つの集落に入っていった。どこの集落だろう? 民家の郵便受けに記された住所を見る。『信濃町柏原字熊倉』...熊倉ってどこだ???...と地図を広げて確認したら...黒姫駅のすぐ裏手...。用水脇の標識も『ここは熊倉』になっている。神社がある。地図にもちゃんと鳥居マークが載ってる。間違い無い! 駅の近くまで来てる。時計見たら17:20。余裕で駅に到着だ!!! 今までの不安のモヤモヤが一気に晴れた。熊倉集落からは地図を見ながら駅に向かう。駅の裏側から歩行者用の跨線橋を渡って、黒姫駅に17:33到着。黒姫高原発17:20のバスはまだ駅には到着していない。余裕で黒姫駅17:47発の直江津ゆき普通列車に間に合い、予定どおり、20:49に富山に帰着。
 で、今回の山旅、時間に追われて慌ただし過ぎ。もっとゆっくり登山したかったッス。って、『青春18きっぷ』で富山から黒姫山往復...っていうプランじたい無謀でしたかね???(笑) 

【行動記録】2001年9月8日(土) 日帰り
黒姫高原バス停1057─リフト降り場1121─1157//1207─北登山コース合流点1228─
─姫見台1238─越見尾根1303─1308//1318─黒姫乗越1345─1400//1411─
─表登山道合流点1430─1438黒姫山1500─表登山道合流点1508─日ノ出石1556─
─1600//1610─林道横断1639─林道横断1649─沢1655─林道横断1658─林道出1703─
─熊倉集落1720─1733黒姫駅

【1:25,000地形図】 信濃柏原

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