2003.5.4〜5(1泊2日)
5月3日〜5日のゴールデン・ウィークの3連休のうち、5月4日と5日に1泊2日でどこか山へ出掛けようと思って白羽の矢を立てたのが、南アルプス深南部の池口岳。すっかり池口岳に行く気になってたんだけど、2,392
m
という標高を考えると、まだ残雪がありそうだ。ゴールデン・ウィークの時期、例年だとほぼ同緯度の恵那山ですら残雪があるんだから! だから、急遽行き先を変更して訪れたのが中央アルプス前衛の吉田山、前高森山、本高森山。飯田の隣町、下伊那郡高森町の山だ。この吉田山、山と渓谷社から1993年に出版された『アルペンガイド16
中央アルプス・御岳山・白山』にてコースが紹介されてたので、以前から念頭にあった。なにしろ、1,400
m
級の山にもかかわらず、コース途中にキャンプ場を備えてるから、遠方からの日帰りが日程的にキツそうな登山者が1泊2日で登るのにピッタリじゃないか! この吉田山登山については1996年くらいから考えてたけど、いよいよ実行の時が来た!
ただ、吉田山だけだと、私が自らに定める『700 m
ルール』に抵触する(苦笑)。登山口の堂所の標高が約800
m、吉田山頂上が1,450 m。差し引き650 m で、700 m
に少し足りない(苦笑)。そこで、隣の前高森山、さらにその奥の本高森山まで足を延ばすことにした。本高森山頂上は1,890
m で、『700 m
ルール』をクリアするし(苦笑)。長らく、吉田山から前高森山、本高森山の間はササ薮が凄まじく一般向けではないと言われてたけど、便利な時代になったもので、ちょっとネットで調べれば、前高森山、本高森山周辺の登山道が手入れされ、ササ薮も刈り払われたことがすぐに分った(笑)。
ということで、吉田山キャンプ場で1泊の予定で、吉田山から本高森山まで往復する計画を立てて、5月4日〜5日に実際にそのコースを歩いて来た。
5月4日は、堂所から吉田山キャンプ場までのコースタイム1時間半の行程だけなので、朝8時に富山をゆっくりクルマで出発。国道41号線で高山を経て、下呂へ。下呂から国道257号線に入り、付知を過ぎたところで坂下へ抜ける。坂下から国道19号、南木曽で国道256号線に入って妻籠を経由し、大平街道通って飯田市へ。これは前に飯田・風越山に登りに行った時と同じ道順。飯田市街北のロータリーを経て、広域農道で高森町へ。不動滝林道に入り、吉田山登山口の堂所に着く。富山からここまで6時間弱のドライヴ。吉田山登山口の標識があったちょっと先の林道脇のスペースにクルマを駐めて、13:44、登山開始。不動滝林道から登山口に入る。が、山道はほんの4分歩いただけで途切れ、林道に出る。そのままその林道をものの2分歩くと、林道終点に到着。ここが吉田山のホントの登山口らしく、林道の終点には登山者のクルマが1台駐まってた。林道終点から沢沿いの登山道に入る。沢をきちんと整備された橋で何度か渡って、ジグザグに切られた登山道を登ってく。傾斜が急なところは階段状に整備されてるので、登山道というよりは遊歩道、ハイキング・コースといった趣き。その整備された道を歩いてるうちに、大島山からの支稜が合流する地点に到達。ちょうど登山開始から1時間だったので、ここで小休止。10分の休憩の後、歩き出してすぐに・1,257
mピークへの登りにかかる。この小ピ−クを越え、鞍部に下り切ったところが、吉田山キャンプ場。
吉田山キャンプ場は東側が大きく開けていて、南アルプスの展望がバッチリ。仙丈ヶ岳から赤石岳にかけての南アルプスの巨人たちがよく見えた。いつ描かれたのか分からないような古ぼけた展望案内板が設置されてる。吉田山側にトイレもあり、キャンプ場から西側に1分も下ると沢が流れてて水場も近い。この水場への道をそのまま行くと、不動滝林道に出られるようだ。キャンプ場の大きな木のそばにテントを張って、この日はここに宿泊。
翌5月5日は、不要な荷物(『iBook』など...笑)をテントに残し、朝5:49に吉田山キャンプ場を出発。30分の登りで、右側から戒壇不動からの道が合流してくると、そこが吉田山の頂上(笑)。木々の隙間から辺りの展望が望める程度で、眺望がいいとは言えない場所だ。日帰りハイキングのこの山に、朝の6:20頃に居るひとは皆無で、頂上に居るのは、私ひとり。この頂上で休憩した後、そこまでのハイキングコースとはうって変わって(苦笑)ヤブがうるさい前高森山への道に入る。笹が道の両側から覆い被さっていて道を隠してる。おまけに刈り払いされたササの切り株が鋭く、短パン姿で歩いてた私は、いくつも擦り傷や切り傷を作ってしまった。特に、前高森山への登りがキツい辺りが一番ヤブがうるさかった。前高森山へのキツい登りとヤブのうるさいところを過ぎると、前高森山頂上から北東に伸びる尾根上に出る。本高森山登山道からの道との分岐だ。ここから前高森山頂上へは4分で到着。前高森山頂上には頂上を示すようなものは見当たらず、どこが頂上か分かりにくい。この前高森山頂上から先の分岐に戻って、本高森山への道に入ると、すぐに本高森山登山道合流点にひょっこり出た。ここから緩いものの、いくつかアップダウンのある道を往く。道じたいは、吉田山─前高森山間とは違い、笹ヤブがきちんと刈り払われていて歩き易い。本高森山登山道の入山口となる高森カントリークラブからの登山の目安となる「8/10」や「9/10」といったコースサインも現れる。「9/10」から18分で、雪を頂いた中央アルプスの主稜線が一部眺められる本高森山の頂上に到着。
本高森山の頂上には、いくつもの山名標が建っていて、うち1つには、登山者ノートが収納されてる大きなペットボトルがぶら下がっていた。この頂上でフルーツ缶を空けたりしてしばらく休憩。5月とはいえ、陽射しの強さは夏を思わせ、暑い。30分の休憩後、来た道を忠実に戻る。前高森山─吉田山への分岐までは、面白いように下って行けた。ここからまたササ薮がうるさい前高森山─吉田山への道に入る。来る時とは違って、前高森山の頂上は踏まず、分岐から直接吉田山への道をとる。この吉田山への道の分岐、テープが巻いてあるだけだから、分かりにくい。
ヤブのうるさい道を、吉田山まで我慢しながら歩く。10:40に吉田山頂上に戻り、そのまま休まずに吉田山キャンプ場へ。10時台ともなると、総勢4名のハイカーとすれ違った。中高年登山者がヒイヒイ言いながら登ってったけど、彼らは吉田山止りで、前高森や本高森には行かないだろうな(苦笑)。10:58、吉田山キャンプ場着。
吉田山キャンプ場でテントを撤収してると、ハイカーの一団が通り過ぎてったんだけど、その一団のなかのオバチャンがこの吉田山キャンプ場を見て放ったひとこと。「白装束軍団、林道でキャンプせんと、ここみたいに誰にも迷惑かからないところでキャンプすればいいのに!」(笑)。「白装束軍団」こと、パナウェーブ研究所の皆さんには、1時間20分の登りが必要なこのキャンプ場に来る気力、無いでしょ?(苦笑)。吉田山キャンプ場から40分の歩きで、元のクルマを駐めた場所に戻った。
帰りは、広域農道をずっと通って伊北インター辺りの国道153号線へ。途中、上片桐辺りから望んだ烏帽子ヶ岳は登高意欲をそそる秀峰にみえた。来年はあれにチャレンジだ!(笑) 国道153号線で塩尻に出た後は、安房トンネル経由で富山に戻った。
【行動記録】2003年5月4日(日)〜5月5日(月) 1泊2日
5月4日(日)
堂所・駐車場1344─林道終点1350─1444大島山からの支稜合流点1454─1511吉田山キャンプ場
5月5日(月)
吉田山キャンプ場549─617吉田山627─727前高森山742─本高森山登山道合流点751─
─840本高森山910─本高森山登山道合流点941─前高森山北947─1017//1027─
─吉田山1040─1058吉田山キャンプ場1133─大島山からの支稜合流点1144─
─林道終点1210─1214堂所・駐車場
【1:25,000地形図】飯田、安平路山