以前から懸案だった越後白山に5月8日・9日に1泊2日の予定で登ってきた。『青春18きっぷ』で登る山としてず〜〜〜っと前からリストアップしてたけど、実際に行動に移す前に、いつの間にか五泉と村松を結ぶ蒲原鉄道も廃線になってしまった。今回、『青春18きっぷ』利用での登山は諦め、クルマで富山を5月8日の8時に出発。国道8号線を東進。去年、粟ヶ岳登山で来た時と同じように、三条から国道8号線を離れたんだけど、8号線を降りるタイミングが早くて道に迷い、三条の街中でウロウロ(苦笑)。国道289号線から一旦下田村に入り、国道290号線へ。蒲原鉄道の廃線区間に沿いながら村松町に入る。白山目掛けてクルマを転がすと、登山口の慈光寺門前に13時半過ぎに到着。
門前には、茶店とトイレ、そしてだだっ広い駐車場がある。ここにクルマを駐めて、白山に向け、13:51に出発。慈光寺は越後の名刹として知られているようで、古い寺や史跡を訪ねるのが趣味...といった感じの観光客の姿が多い。そういう枯れた趣味がお似合いのジジババの他に、ギャルの2人連れの姿も。なにしろ門前まで路線バスが走ってるくらいだから。本数は少ないようだけど。そんな観光客の姿のほうが多い慈光寺の参道を、ザック担いだ登山者の格好で肩身の狭い思いをしながら往くと、やがて慈光寺前へ。門前から慈光寺までは未舗装の道だが、ムリすれば(ムリしなくても?)クルマが乗り付けられる。『関越道の山88』の著者・打田エイ一氏は「(クルマを乗り付けるのは)杉並木の参道と境内の霊気を侵すようで気が引ける」と書いているが、みんなばんばんクルマで乗り付けてる(苦笑)。門前の駐車場よりもクルマが多いくらいだ(笑)。杉に囲まれた慈光寺を後にし、滝谷川沿いの道を往くと、白山の登山道の田村線が分かれる。そのまま先を進み、滝谷川を対岸に渡ったところが、白山登山道・尾根線の入口だ。「一合目」なる札もある。ここから、時折ロープもある急な坂を登っていく。白山登山を済ませたひとたちが下りていくのとすれ違う。この時間にここを登るのは、頂上小屋に泊まるつもりなのが誰の目にも明らかなようで、すれ違った登山者に「小屋に泊まるん?」って訊かれた。「その予定です」と、私は答えたが、昼が長い今の時期ならこの時間からでも十分に白山頂上は往復して来れるハズだ。でも、私は小屋に泊まるケド(苦笑)。
急坂を喘ぎながら登る。登ってくにつれて右側に巨大な貯水池がみえた...と思ったら、水張った田植え前の田んぼだった(苦笑)。ここは米どころの新潟だ。登ってるうちに、14:41、昔、祠があったという三合目に着く。地形図上の・462
m
だが、ここから先は傾斜も緩む。15:53、四合目の標識のところで休憩。登山口からの標高差が約800
m の白山、テントなど重い荷物が無いこの日の装備なら、1時間に標高差400
m
は登れる!と思ってたけど、1時間あまりの歩きで、まだ四合目。まだ半分に来てない...という事実は、ちょっとショックだったんだけど、ここの登山道(尾根線)は一合目から四合目までは間隔が広く、四合目から先は間隔が狭く付けられている。四合目から歩き出して7分で五合目が現れ、次の六合目までは10分で到着。四合目から五合目の間では、越後の山名物のマムシ君も登場(笑...私の経験則だけど、越後の山で異様に遭遇率が高い)。六合目から七合目までも11分で通過。この調子なら、16時頃には頂上に着けるだろう...と思った。だけど、八合目の標識はなかなか現れない。標識を見逃したか?と思ったくらい。谷を挟んで東側の尾根(ちょうど田村線の登山道が付いている尾根)の(地形図上の)・798
m よりも自分のほうが高いところに居るのを確認。あと180 m
くらいかぁ...。登山道に少しずつ残雪を見るようになってきたところ、八合目の標識出現。八合目の先、登山道は20mほど雪渓で寸断され、雪の上を歩いた。雪渓横断後、登山道は頂上の裏側に廻り込む形につけられていて、傾斜が緩くなってくると九合目到着。なおも傾斜が緩くなっていく登山道を往くと、頂上避難小屋が見えて来た。
頂上小屋の左側にある鯖池はすっかり残雪に埋もれてる。「その昔、サバが棲んでいたって伝説」って嘘だろう?と思うくらいだ(苦笑)。鯖池の先にある白山の頂上に16:05、到着。みんなもう帰ってしまって無人の頂上。広々とした頂上には雪は無いが、頂上の北側には雪が残ってる。南側は粟ヶ岳への縦走路が分かれてるが、ヤブが茂ってそうだ(苦笑)。
東側は田村線の登山道が登ってきている。気温が高く、水蒸気の蒸発が活発なせいか、展望はあまり良くない。蒲原平野の広がりを見下ろすのみ。飯豊や御神楽などはよく見えなかった。この広々とした頂上でビール飲んだりしてのんびりした後、頂上避難小屋へ戻る。小屋には勿論、宿泊者は居ない。小屋は2階建てで、建てられてからそう時間も経ってないので、清潔で快適。ただし、トイレが無いので、「キジ撃ち」するものは小屋に備え付けの簡易トイレ(\400)で用を足すことになる。なるべくなら、門前の公衆トイレで用を足してから登山を始めよう!(笑) 一番驚いたのが、この避難小屋に私の勤務する会社の製品のカラ容器(プラスチック製)があったことだ(笑)。山小屋でウチの会社の製品をみるとは思わなかった(笑)。山好きなドクターが居るようで(笑)。環境保護が叫ばれてる昨今、ウチの会社でもプラスチック容器を排除し、紙容器へ変える動きがあるなか、このプラ容器はますますレア・アイテムになっていきます(笑)。18時には就寝。
翌日4時に起床。前回の十枚山登山でパリパリに割れたインスタントラーメンを作って食べる。白山頂上避難小屋周辺には水場が無いので、水は麓から担ぎ上げたものを使用。ま、いざとなれば雪渓や鯖池(笑)が頼りになるさ(笑)。夜が明けるのを待って出発の準備にとりかかる。4:56、白山頂上を出発、田村線へと入る。いきなり雪渓が現れ、雪の上をしばらく歩く。前日に登った尾根線よりも雪渓が多い印象。七合目の天狗ノ腰掛から一旦小ピーク(・798
m)を登ったあと、ひたすら下り。『関越道の山88』にて水場があるとガイドされていた五合目を通過。水場を示すそれらしい標識類はいっさい無い。送電塔のある・346
m
まで下ったところで、休憩。ここからは白山がよく見えた(送電線が邪魔だけど)。
送電塔から麓まではあっという間で(こんなに麓まで間も無いと分かってたら、休憩しなかったのに...苦笑)、歩いてるうちにいきなり目の前にお堂(天狗堂)が現れ、(前日通った田村線コース分岐ではなくて)慈光寺境内に到着してた。前日の昼間に大勢居た観光客の姿はさすがに(まだ6時半だから)無い。
茶店もこの時間には閉まってる。門前の駐車場に駐めてあったクルマに戻り、富山への帰途に就いた。
【行動記録】2004年5月8日(土)〜5月9日(日) 1泊2日
5月8日(土)
門前駐車場1351─慈光寺1400─田村線分岐1405―一合目1408─二合目1421─
─白山祠跡(三合目)1439─1453四合目1505─五合目1512─六合目1522─七合目1533─
─八合目1551─九合目1600―1605白山
5月9日(日)
白山456─天狗ノ腰掛520─六合目532─五合目540─四合目550─605送電塔615─
─慈光寺627─635門前駐車場
【1:25,000地形図】越後白山