ヒロくんのLIVE REPORT '00 PART 11 RAGE AGAINST THE MACHINE

 3rdアルバム『バトル・オブ・ロサンゼルス』を引っ提げてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下、R.A.T.M.)が日本に戻って来た!!! 去年の『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、フジ・ロック)以来、単独公演としては'97年の7月以来となる日本でのR.A.T.M.のライヴ。'97年'99年のフジ・ロックで私は過去2回R.A.T.M.のライヴを観てるが、一切手抜き無しの凄まじいパフォーマンスを繰り広げるR.A.T.M.と、そのパフォーマンスに煽られてかもの凄くハイ・テンションになった観客の盛り上がりぶり...というか、暴れぶりがとても記憶に残ってる。血気盛んなキッズたちが盛り上がるなかでモミクチャになり、死ぬかと思ったもん、私(笑)。そこで、今回のライヴを観るにあたって私が設けたテーマは『まったりとR.A.T.M.を見る』というもの(笑)。SMASHがだいぶ前から今回のR.A.T.M.のライヴのチケットを先行予約販売してるの知ってたが、先行予約でチケット手に入れたらステージ前の良い席になってしまう。そんな位置のチケット取ったらモッシュとダイヴの地獄に巻き込まれるのが分かってたので、敢えて先行予約ではチケットは取らず、一般発売日まで待った。その甲斐あって、私の取ったチケットは『Cブロック指定』。会場は『東京モーターショー』などが開催される巨大展示場の幕張メッセ国際展示場第8ホールで、赤坂BLITZをふた廻りほど大きくした感じ。その大きなホールをステージ前からAブロック、Bブロック、Cブロック、Dブロックに分けていたようだが、Dブロックっていったいどこだったの?(笑) 『Cブロック指定』のチケットを持つ私はフロアの一番後ろのほうで開演を待っていた。フロアの一番後ろほうは人の密度が小さく、ステージ上の様子も良く見える。一歩でも前に出て観たいのは人情というもので、同じCブロックでも一番前のほうへいくと人でギッシリなため、前に居るひとの頭が邪魔をしてステージ上は良く見えない。全貌を把握したかったら前に近付くよりも、後ろへ下がれ!...これ、鉄則。
 開演予定時間の6時を廻ると、オープニング・アクトの日本のバンド・bloodthirsty butchersが登場し、演奏を開始。ヴォーカル兼ギター、ベース、ドラム...の3人編成のbloodthirsty butchersを今回初めて聴いて思い浮かべたのは、デビュー当時のフィーダーにドラマ性をプラスしたイメージ。あと、日本のバンドにNAHTってのが居るけど、彼らの音はNAHTを思い起こさせてくれた。bloodthirsty butchersは全部で6〜7曲演奏してったが、最後の曲の演奏に入る前にヴォーカル兼ギターのひとが「日本人だけに、ありがとう!」とMC入れてたのが気になった。もしかしたら彼ら、会場につめかけた外国人のかたから「早く引っ込んで、R.A.T.M.出せ〜!」ってな感じのヤジを頻繁に受けてたのかも。
 bloodthirsty butchersの演奏は40分ほどで終わり、セット・チェンジが行われ、7時頃にはR.A.T.M.の演奏準備が整った。ところが、演奏準備が整ったにもかかわらず、すぐにR.A.T.M.登場!とはいかなかった。というのは、Aブロックに居る血気あふれハイ・テンションなキッズたちがステージ前の柵のところに押し寄せたため。今にも柵が倒れたり、将棋倒しが起こる危険性があったらしく、係員がステージ上から「柵のチェックしたいから、みんな1歩ずつ後ろに下がってくれ!」と指示。Aブロックだけでなく、BブロックもCブロックも柵のほうにキッズが押し寄せてるようで、みんな1歩ずつ下がるように指示を受けた。でも興奮状態のキッズたちはなかなか指示に従わず(笑)、安全にライヴが出来る状態になるまで20分以上も説得の時間が必要だった。それくらいフロアに居たキッズたちのテンションは高かったワケだ。説得続けてた係員がキッズに安全に関して最後の念を押していくと、すぐに客電が落ちて、ステージにR.A.T.M.登場。
 赤いシャツ着たザック・デ・ラ・ロチャは1曲目からステージ上を飛び跳ね廻る。トレードマークの野球帽を被るトム・モレロも飛び跳ね廻りながらギターを弾いてて、最初からエンジン全開のR.A.T.M.。2曲目は“Bulls On Parade”で、この曲のイントロに合わせてステージ後方に新作のジャケットをあしらったバック・ドロップが現れ、『Los Angeles』の代わりに『Tokyo』と文字が入っていて『The Battle Of Tokyo』になっているのを見たからか、観客がどよめいた。続くは“Testify”と“Guerrilla Radio”の新作のアタマを飾るナンバー。4曲目で“Guerrilla Radio”とはチト勿体無い気もしたが、観客は大喜びで盛り上がっている。“People Of The Sun”が終わると、ザックが観客に珍しく次の曲を紹介。「“Bullet In The Head”~!」。“Bullet In The Head”に続く“Calm Like A Bomb”ではサビの部分の♪わちゃせい、わちゃせい〜を観客に歌わせたり、ベースのY.ティム.K.(笑)に歌わせたりしてたザック。この後、トムとティムが互いに向き合って演奏始めたのが人気ナンバーの“Bombtrack”のイントロ。“Bombtrack”に観客は大喜び!!!
 ブルース・スプリングスティーンのカヴァー曲の“The Ghost Of Tom Joad”が終わった後に、トムが弾いたギター・フレーズを聴いて会場から「ウオ〜ッ!」てな歓声が上がる。“Born Of A Broken Man”だ。この曲のイントロはR.A.T.M.にしては異色で、去年のフジ・ロックでも印象に残ってる。“Born Of A Broken Man”が終わると、滅多にMC入れないザックが「アリガト!」と日本語で言ったものだから、またまた「ウオ〜ッ!」てな歓声が上がった(笑)。ここで始まった曲が“Know Your Enemy”だったものだからもっと大きな歓声が上がった(笑)。ザックとトムは相変わらずステージ狭しと跳ね廻る。新作からの“Sleep Now In The Fire” を挟んで披露されたのは“Freedom”。ブラッド・ウィリクがお馴染みのカウベルを鳴り響かせた...それまで使わないものだから、セットに無いのかと思ったよ(笑)...“Freedom”で劇的に盛り上がると、4人はステージを去った。
 観客からのアンコール要求に応え、ステージに戻って来た4人。ザックは赤いシャツのまんまで、あんなに激しく動いてりゃ汗ダクになってるハズで着替えて来りゃいいのに(笑)。ザックとティムとキッズたちの間でサビ?の部分で掛け合いが起こり盛り上がった“Killing In The Name”が終わるとR.A.T.M.は観客に手を振ってステージを後にした。
 フロア後方の人の密度が小さいところで観てたので、モミクチャにされ汗ダクになったりせず、まったりと(笑)R.A.T.M.を観ることが出来ました。まったりとR.A.T.M.を観る...最高の贅沢ですね(笑)。でも、音に合わせて体動かしたら少し汗ばみましたよ、私(笑)。

【SET LIST】...'00.6.24 幕張メッセ国際展示場第8ホール
1. Kick Out The Jams (MC5のカヴァー)
2. Bulls On Parade
3. Testify
4. Guerrilla Radio
5. People Of The Sun
6. Bullet In The Head
7. Calm Like A Bomb
8. Bombtrack
9. No Shelter
10. The Ghost Of Tom Joad
11. Born Of A Broken Man
12. Know Your Enemy
13. Sleep Now In The Fire
14. Freedom

(encore)
1. War Within A Breath
2. Killing In The Name

RAGE AGAINST THE MACHINE live @ Naeba Ski Resort (FUJI ROC FES.) '99.7.30

RAGE AGAINST THE MACHINE live @ Tenjinzan Ski Resort (FUJI ROCK FES.) '97.7.26

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