ヒロくんのLIVE REPORT '01 PART 7 THE OFFSPRING

 オフスプリングの新作に伴う日本公演を3月24日、幕張メッセで観て来た。
 5時頃から演奏した日本のトリオ、HI-5はベースの代わりにキーボードがあるバンド。6時からはカリフォリニア出身のヴァンダルズが40分くらい演奏した。これら前座のバンドは白系統色の幕が降ろされたステージ前方の狭〜いスペースで細々と演奏してた(笑)。
 セット・チェンジの間、ステージの幕の向こうでスタッフが動き廻るなか会場に流れるBGMはB-52's。7時を廻ってしばらく経った頃、場内の客電が落ち、今にも恐竜が登場しそうなSEが鳴り響く。ステージも含めた会場すべてが暗闇に包まれたなか、ファンに耳馴染みなベース・リフが流れる。“Bad Habit”だ。このベース・リフにデクスターが歌を載せる。曲が中盤に差し掛かったところで灯りが点き、メンバー4人の他に、それまでひた隠しにされてたステージ・セットがついに姿を見せた!!! 場末の裏通りに面した家を型どったセット。ガレージのシャッターには新作ジャケットのイラストが描かれ、2階への階段が用意されてたり...と凝ったモノ(笑)。御丁寧にも電信柱まで再現されてる(笑)。
 デクスターは青緑系のジャケット姿で大人びた雰囲気。“Bad Habit”が終わると♪yeah! yeah! yeah! yeah! yeah!〜...と“All I Want”になだれ込む。フロアを埋めるキッズは最初の2曲から大暴れ。上着を脱いでTシャツ姿になったデクスター、ここでギターを構えて“Come Out And Play”。いつものように「keep'em separated !」と掛け声を入れるオヤジが登場。キッズにペットボトルの水を振りまき、空ペットを高々と放り投げた。このオヤジ、他の曲でもセットの『2階の部屋』でパーカッションを叩く役目も果たしてた。“Million Miles Away”と陽気な“One Fine Day”...新作からの2曲と“Gone Away”を演ると、前作『アメリカーナ』のアタマを飾る“Have You Ever”。キッズたちは♪falling, I'm falling〜と大合唱。この曲ではセットのガレージのシャッターが開き、(ロン・ウェルティの他に)もう1人ドラマーが登場、タイコを叩いてた。この後も曲によっては、シャッターが開きダブル・ドラムでの演奏になってた。“Have You Ever”の終盤、グレッグ・Kのベース・ソロ・パートに差し掛かる。グレッグのベースのネック部分は電飾仕様になってるようで、赤い光を放ってファンの目を楽しませてた。ここで事件が勃発!!! 突如、アンプにつながる配線から火花が飛び、“Have You Ever”の演奏がプッツリ途絶え、ステージの灯りも消えた。火花の散りかたが派手だったから、キッズは演出だと思って一瞬歓声を上げたけど、なかなか灯りが点かないわ、スタッフが何人もステージに出てくるわ、慌ただしい雰囲気。そのうちスタッフが「トラブルがあったみたいで、修復の間、アコースティックで演る」とか説明して、実際、デクスターとヌードルスがアコースティック・ギター(以下、アコギ)を構えて腰掛ける。「こうして2人並んでアコギを構えてると、オレたちなんだかサイモンとガーファンクルにでもなったような気分だなァ〜」とおどけてみせるデクスター(笑)。ファンから演って欲しい曲のリクエストを募った2人。でもなかなか演る曲が決まらず、ヌードルスはディープ・パープルの“Smoke On The Water”のイントロを弾いてみせ観客の歓声を引き出すと、デクスターも負けじとレッド・ツェッペリンの“Stairway To Heaven”(“天国への階段”ね)のイントロを弾いて観客からの歓声を浴びた(笑)。ここでようやくまともなリクエストがファンからあったようで、「O.K.、'92年の曲だ」とデクスターが言って演奏したのが、アルバム『イグニション』からの“Dirty Magic”。今や最初の2枚のアルバムの曲はめったに演奏しないので、「“Dirty Magic”を、それもアコースティックで聴けるなんて! 機材トラブルさまさまだ!」と喜んでたけれど、“Dirty Magic”の演奏が済むともうトラブルが修復されていて、すんなり元のエレクトリック仕様に復帰、“Americana”の演奏に突入! あまりにもトラブルからの復帰がスムーズに行き過ぎだから、機材トラブルそのものが『仕込まれた演出』 なのかな???...と思ってしまう。演出過多な彼らなら、やりかねんしなァ...。
 ロン・ウェルティの叩く耳馴染みのドラム・フレーズで始まった“Gotta Get Away”、続くは“Staring At The Sun”、新作から“Dammit, I Changed Again”を演ったところで「ここでもう?」ってな感じで“Original Prankster”。曲が終わるとデクスター、「ここでインターミッションに入るぜ!」と、キッズに宣言! いつもどおり“Intermission”に入ると、シャボン玉が次々と舞って、ステージ上に作り物のチ×ポをブラブラさせた全裸のオッサンが登場し、掲げた両手を左右に揺らせて踊る(笑)。ファンの女のコたちはオッサンのチ×ポを見て喜んでた(笑)。「キャ〜! 見た!見た!」 インターミッションが終わると、メンバーがステージに登場! くつろいでたのかギター無しのデクスター、人気ナンバーの“Why Don't You Get A Job?”を演ると、ここでギターを構え“Walla Walla”。前回のツアーの時は脱獄犯と警官の寸劇があったけど、今回は『2階』から『例のオヤジ』が登場してセリフ喋るだけ(笑)。この後、“Self Esteem”と“The Kids Aren't Alright”を演ると、突如デクスターが「今夜、最後の曲だ!」と宣言! キッズが「エエッ!」という間も与えず、場内に「Gunter glioben glauchen, globen」というサンプリングが流れる。“Pretty Fly (For A White Guy)”だ。キッズがみんな「ah〜, ah〜!」いって大いに盛り上がったところで、デクスターは「thank you, good night !」とキッズに手を振り、何故か「ハッハッハ!」と高笑いを残しながらステージから消えていった。
 アンコールでは「ウガチャカ」“Special Delivery”(笑)、軽薄な“What Happened To You?”、陽気な“Want You Bad”を演奏。最後に客席に紙吹雪が舞い、ライヴは終了。
 いつもどおり、大いに盛り上がったポップ・パンク大会。凝ったセットを用意してたせいで、放水や『バックストリート・ボーイズ処刑』などの演出は今回ナシ。それにしてもあのトラブル、『マジ』なのか『仕込み』なのか、気になるなァ...。 

【SET LIST】...'01.3.24 幕張メッセ国際展示場1番ホール
1. Bad Habit
2. All I Want
3. Come Out And Play
4. Million Miles Away
5. One Fine Day
6. Gone Away
7. Have You Ever
8. Dirty Magic
9. Americana
10. Gotta Get Away
11. Staring At The Sun
12. Dammit, I Changed Again
13. Original Prankster
~Intermission~
14. Why Don't You Get A Job?
15. Walla Walla
16. Self Esteem
17. The Kids Aren't Alright
18. Pretty Fly (For A White Guy)

(encore)
1. Special Delivery
2. What Happened To You?
3. Want You Bad

THE OFFSPRING live @ Tokyo Bay NK Hall '99.9.25

THE OFFSPRING live @ Matsumoto Shi-Syakai Bunka Kaikan '97.12.13

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