'82年のバンド結成以来、『なおこ・あつこ・みちえ』の不動のラインアップを守ってきた少年ナイフからベースの中谷美智枝さんが脱退したのが'99年のこと。残る山野姉妹の2人だけでレコーディングされた『ストロベリー・サウンド』を2000年のアタマにリリースしてもライヴ活動の話は一向に聞こえてこなかった。ドラムの敦子さんがベースに転向するという前代未聞?のコンバートのため、敦子さんのベースの腕前が上達するまでライヴは出来ないんだろう...とは、多くのファンの見方(笑)。それっきり活動情報が途絶えたてたナイフだけど、3月28日に発売された矢沢永吉のトリビュート・アルバム『JOYRIDE』に、“HURRICANE”(邦題“止まらないHa〜Ha”の英語ヴァージョン)を提供したのが復活の狼煙。続いて自主レーベル『Burning
Farm』から覆面ユニット『712』名義でカセット“POWER OF
MONEY”のリリース、さらに『Burning
Farm』から少年ナイフ名義でマキシ・シングル“オレンジの太陽”のリリース...と活動が活発になってきた。そして、恐らく3年ぶりの国内での復活ライヴが、7月12日に地元・大阪で行われることになった。題して『712
Day Party 2001』!!! その復活ライヴを観てきました。
会場の心斎橋クラブ・クアトロにはナイフの復活ライヴってことで多くのファンが集まってる。ただし、SOLD
OUTにはなってなかったケド(笑)。私はステージに向かって右端の2列目のアンプの真ン前(心斎橋クアトロでの私の定位置)でナイフ登場を待ってた。今回のライヴはメイン・アクトのナイフの前に、MO'SOME
TONEBENDER、bloodthirsty butchers、Girl
Motor...の3組のバンドが演奏。なにしろ『712 Day
Party』ですから(笑)。開演時間の7時になると、紺色の最新ナイフTシャツ着た直子さんがステージに登場、「新世紀に入った今年から7月12日を『ナイフの日』と勝手に決めました」などと喋った後、最初のバンド・MO'SOME
TONEBENDERを紹介。MO'SOME
TONEBENDERは男3人組で、エモとサイケが入ったシュウゲイザー系ギターノイズまき散らすヘヴィー・ロック(←なんじゃそりゃ...笑)。彼らが7曲ほど演奏してステージを降りて、セット・チェンジが済むと、ステージに直子さんが登場、次のbloodthirsty
butchersを呼ぶ前に、「8月22日、『ハニニの日』にニューアルバムがリリースされるそうです」などと、彼らのリリース・インフォなどを紹介していた。直子さん...イイひとじゃ(笑)。で、直子さんの紹介を受けてステージにbloodthirsty
butchersが登場。彼らのライヴは、去年のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの前座で一度観たけど、あの時は会場がだだっ広い幕張メッセだったからメンバーの顔すら見えなかった(笑)。今回は前から2列目に陣取ってたから、彼らの姿がよく見えた。ブッチャーズの吉村さんのマイクスタンドの足元には譜面台が取り付けられてて、そこには歌詞が綴られたクリアブック(ルーズリーフ???)が...。曲が進む度(2曲ごとに)、ローディーのかたがこの『歌詞本』のページをめくっていくのがとても印象深かったです(笑)。曲が終わるごとに観客に「どうもありがと!」ってお礼を言ってた吉村さんは赤色の照明が嫌いなようで、1曲目が終わったところで「赤い照明はやめてくれませんか」ってスタッフに向かって言ってた。新曲“nagisanite”や『ハニニの日』にリリースされる新作のオープニング曲“Happy
End”など、全部で7曲演奏。
「心斎橋歩いてたら、『私たちのライヴ観に来て下さい』ってチケット渡された」と、バンド紹介の際に直子さんが知り合うキッカケを話してた3バンド目のGirl
Motorは、少年ナイフのカヴァー・バンドあがりの女のコ3人組。ネズミのようにちっちゃいギタリストとベーシストに、スポーツ選手のように立派な体格したドラマーの対比が面白い(笑)。3人が交互にリード・ヴォーカルを担当。ナイフの“E.S.P.”や、バグルズの“ラジオスターの悲劇”など4曲演って、カワユイGirl
Motorはステージを降りた。彼女たち、前座の3組の中でナイフ・ファンに一番ウケてた。ナイフの音楽と一緒で『fun』があるから(笑)。
みんなが待ちに待った『第2期少年ナイフ』がステージに登場したのは、9時半前のこと。前説(男)に紹介を受け、少年ナイフの2人とサポート・ドラマーが登場〜!!! 先ほどまで紺のナイフTシャツ姿だった直子さんを始め、メンバー全員アッちゃんお手製の衣装に身を包んでの登場。今回の衣装は上が白。青のジャージふうのスボンには白いラインが入ってて、水兵サンをイメージした感じ。オープニング曲は、アルバム『Happy
Hour』からの“Konnichiwa”。そのまま“がんばれバイソン”に突入〜! サポート・ドラマーは、辞めた美智枝さんが若返ってダイエットに成功し、二重アゴじゃなくなったような感じのルックス(笑)で、直子サンより10は若いネェチャン(笑)。このサポート・ドラマーが凄いの(笑)。レギュラー・グリップでタイコ叩き始めたのを観た時から「コダワリのあるドラマーだな」と思ったんだけど(今やロック系ドラマーはマッチド・グリップが主流だからね)、予想以上に凄かった。バンバン叩きまくる手数の多いドラミングに圧倒〜!!!
“Bear Up
Bison”が終わり、直子さんが「『第2期少年ナイフ』の大阪での初めてのライヴです」などとMC入れると、先ほどGirl
Motorも演奏した“E.S.P.”をプレイ。ただし、Girl
Motorが日本語詞だったのに対し、直子さんは英語で歌った。ここらでもうフロアはクラウド・サーファーが登場する狂乱状態に。次に“バナナチップス”を演ると、直子さんがMC入れて紹介したのは、『712』名義での“POWER
OF
MONEY”。712本限定リリースだったハズなんだけど会場前のグッズ売り場で売ってたので、買いました(笑)。シリアル・ナンバー入ってて、私のは『447/712』(笑)。“POWER
OF
MONEY”が終わると、またも直子さんのMCが入り、ニュー・マキシ・シングルの“オレンジの太陽”が話題に。そうなるとここで演奏されるのは当然、“オレンジの太陽”とカップリング曲の“Herbs
(ハーブのうた)”。個人的には“Herbs”のほうが好きです(笑)。
ここで、アッちゃんのMCタイム。ドラマー時代はMCは直子さんと美智枝さんに任せっきりで、ファンから「アッちゃんもなにか喋ってよ!」と声がかからない限り、喋ろうとはしなかったんだけど、ベーシストになって、フロントマン(フロントウーマン???)としての自覚が出てきたのか、結構おしゃべりしてましたよ。ベーシストとしてのアッちゃん? 演奏については「可もなく不可もなく」って感じでしょうか? そのアッちゃんが「今度は、私がヴォーカルとります!」って宣言。アッちゃんのリード・ヴォーカルでカヴァー曲をプレイ。この曲が終わると、メンバー紹介。凄すぎるサポート・ドラマーは直子さんから「マーちゃん」と紹介されていた。新曲“オレンジの太陽”のCDにクレジットのある「Mana
Nishiura」(西浦真奈)さん。アルバム『ストロベリー・サウンド』の“Mosquitoes”にクレジットされてる「China」さんも彼女のことらしい。
メンバー紹介が終わると、直子さんが「『ストロベリー・サウンド』のアルバムからノミの歌。“セサミ”」と紹介。“セサミ”が終わると、直子さん、「“Nya
Nya”」と曲紹介。ファンは直子さんの歌に合わせて♪ニャ〜ニャ〜ニャニャ〜ニャ〜ニャニャ〜ニャニャニャニャ〜と大合唱(笑)。
そのまま“Wild
Life”に突入〜!!! アルバム『ストロベリー・サウンド』からの曲が続いたところで、直子さんが「『The
Powerpuff
Girls』って知ってますか?」ってファンに訊いてきた。私は知らなかったけど、女の子3人が主人公の全米で大人気の人気アニメで、直子さんに言わせると「日本でいうと『ポケモン』ほどの人気があって、飛行機の機体に描かれてるくらい」だそう。この『The
Powerpuff
Girls』のサントラ盤に、ナイフが参加してて。3人の女の子のうちの1人の『バターカップ』っていうキャラクターのテーマ曲をやってるそうだ。そこで、このBUTTERCUPのテーマ“BUTTERCUP
(I'M A SUPER GIRL)”がプレイされた。
ここまでメジャー・デビュー以降の曲ばかりが披露されてたけど、いよいよ『ナイフ・クラシック』の登場〜(笑)!!! まずは“Twist
Barbie”。そして、直子さんが「“Riding On The
Rocket”」って曲紹介して、“ロケットにのって”。ここらの『ナイフ・クラシック』になると、真奈さんのドラミングの凄さが明瞭になってくる。初代ドラマー・敦子さん(笑)のドラミングになかった『オカズ』を入れまくるし、お蔭で曲じたいもの凄くパワフルでアグレッシヴに生まれ変わってる。最後にラウド過ぎで『バカ貝』と区別が付かないほどの“Cobra
Versus Mongoose”をプレイすると、3人は一旦ステージを去った。
ファンのアンコール要求の手拍子にステージに戻って来た3人。真奈さんはドラムセットに就かないし、アッちゃんも直子さんも楽器構えないから、おかしいな?と思ってた。意味ありげに3人横一線に並んだところで、直子さんが「ミュージック、スタート!」と言うと、それを合図に流れるディスコ調の音楽。“Chinese
Disco”だ。完全なカラオケをバックに直子さんが歌う後ろで、アッちゃんとマーちゃんはダンサーと化し、振り付けつきで踊る踊る(笑)。よっぽど練習したんだろう(笑)、ロリータ18号のダンシング・ユニット『ダ・ハンフ』より上手かった(笑)。ファンから「カワイイ〜!」って次々にかかる声を受け、アッちゃんが「ミニモニに勝ってる?」って訊いてきたのが笑えた。この後、バンド演奏で、“オレンジの太陽”のマキシにも収録のカーペンターズのカヴァー曲“Top
Of The World”を披露すると、最後に爆音の“Antonio Baka
Guy”炸裂〜!!! 『バカ貝』が終わると山野姉妹はファンと何人も握手してからステージを去ったのでした。
ライヴの感想言うと、サポート・ドラマーの真奈さんは凄い!に尽きます。敦子さんにはムリだった(笑)手数の多いドラミング。アクセントつけたい時には立ち上がってペダル踏んだり、そんな激しいドラミングしながら、常に笑顔だし(笑)、タイコ叩きながら楽しそうに歌ってるし...で、「このひと、スンゲェ〜!」って、真奈さんばかり観てました(笑)。すっかりファンになっちゃいました(笑)。是非とも真奈さんを正式メンバーに!!!(笑)
で、アンプの真ン前で観てたお蔭で、耳がぁぁぁ〜! 最後の『バカ貝』に殺られた〜!
【SET LIST】...'01.7.12
心斎橋クラブ・クアトロ
1. Konnichiwa
2. Bear Up Bison
3. E.S.P.
4. バナナチップス
5. POWER OF MONEY
6. オレンジの太陽
7. Herbs (ハーブのうた)
8. ? (カヴァー曲)
9. セサミ
10. Nya Nya
11. Wild Life
12. BUTTERCUP (I'M A SUPER GIRL)
13. Twist Barbie
14. ロケットにのって
15. Cobra Versus Mongoose
(encore)
1. Chinese Disco
2. Top Of The World
3. Antonio Baka Guy