少年ナイフがその土地その土地で活躍する地元のバンドをゲストに招きながら全国廻るツアー『Wonder
World 2001』を12月24日、名古屋・MUSIC FARMで観て来ました。
地下鉄東山線の東のターミナル・藤ヶ丘駅から徒歩5分のところにあるMUSIC
FARMはこぢんまりとしたハコ。今まで私がナイフを観たハコのなかでは最も規模が小さい。BGMはグラハム・ボネット在籍時のレインボー(笑)で、“Since
You've Been
Gone”などを聴きながらステージ向かって右側のアンプの前でアクトの出番を待ってると開演時間の7時になり、ナイフ『横S字』Tシャツを着た直子さんがステージに登場。マーチャン売り場でトレーナーお買い上げの方先着15名様にメンバーのサイン入りポスターが付いてくる!...ハズが、サイン入りのポスターが無く、ちょっとした騒ぎ(?)になってたので「今、サイン入れたんで、帰りにもらって帰って下さい」と事務連絡したところで直子さん、「テルミンが入ったカッコいいバンドです」ってな感じで、basquiat
(バスキア)を紹介。
この日最初に演奏したbasquiat
は、ギター、ベース、ドラムのトリオ。ヴォーカルはフロントの2人で分け合ってて、ギタリストがテルミンも操る。ここ最近、テルミンを使うバンドだらけで、ちょっと食傷気味(苦笑)。音的にはエモ系アメリカ・インディーズから影響受けたギターバンド(?)。7曲くらい演ってから、basquiat
はステージを降りた。
セット・チェンジの間、敦子さんが自分のお気に入りの曲を流してる。ステージではbasquiat
のみなさんが機材を撤収し、2番目のバンド、スペース☆ライダー(以下、S☆R)の3人が機材調整に追われてる。S☆Rの機材準備が整い、楽器を構えて『2001』の形したファッション・グラスを付けて後は直子さんからの紹介待つだけになったところで、ちょうど敦子さんがかけてた曲が終わった。直子さんが出て来てS☆Rを紹介するのにピッタリなタイミング。ところが、事態を全く飲み込めてないのか敦子さんが「それではセミソニックの“Never
You
Mind”聴いて下さい」って次の曲かけるんだもんなぁ...(苦笑)。曲かかってる間、S☆Rの3人は楽器構えた状態で『さらし者』...(苦笑)。さすがに、長く『さらし者』にしとくのはマズいと判断したようで、セミソニックの“Never
You
Mind”は1コーラスでフェイドアウト(笑)。直子さんがステージに出て来て、S☆Rのことを「ハーモニーがきれいな女のコ3人組」などと紹介、ようやくS☆Rの演奏が始まった。
S☆Rは女のコ3人組。3人ともカウボーイハットと『2001』の形したファッション・グラスを付けてる(演奏が進むと、メガネは外したけど)。音的には...自分たちで「少年ナイフのCD山ほど持ってて、たくさん曲もコピーしました。対バンできるなんて夢のようです」などと語ったとおり、完全に『ナイフ・チルドレン』(笑)。ただ本家と違うのが、直子さんの紹介にもあったとおりヴォーカル・ハーモニーがあるところでしょう。S☆Rは、会場でも売ってたマキシシングル曲“ポストマン”など、ナイフの音楽と同じく「fun」をふりまく楽曲を8曲演奏していった。『712
day party』の時のGIRL
MOTORもそうだったけど「fun」にあふれたバンドっていいよね(笑)。会場詰め掛けたナイフ・ファンにはbasquiat
よりもS☆Rのほうがウケてたハズ(笑)。
S☆Rの3人の演奏が終わるとステージは黒い幕が引かれ、幕の奥でセットチェンジが行なわれてる。その間、今度は直子さんが曲をかける。選曲は、追悼ジョージ・ハリスンってことでジョージ・ハリスンの曲かけ、その後はラトルズかけたり、エンジェルかけたり、脈絡無い(笑)。直子さんのかけたアース・ウィンド&ファイアーの“Fantasy”(邦題は“宇宙のファンタジー”)が曲の終盤に差し掛かると、ステージを隠してた幕が取り払われる。曲が終わって暫く無音状態が続いてから、少年ナイフの山野姉妹と、西浦“チャイナ”真奈さんが、昔のパンダ衣装をアレンジしたようなお揃いの衣装でステージに現れた。それぞれが持ち場に就き、チャイナさんがスティックでカウント取って演奏始めた曲は彼女たちのライヴのオープニングの定番“Konnichiwa”。次は“Wild
Life”。注目のチャイナさんだけど、私の居場所からは直子さんに隠れて見えない! レギュラーグリップ(トラディショナル・フォーム)でタイコ叩くチャイナさんの左腕だけが見える程度。直子さんがギターソロでマイクスタンドから離れた時だけ、ドラムセットが見えた。このMUSIC
FARMってハコ、縦長のフロアで、ステージの幅が短いせいもあり、フロアが横長の心斎橋クアトロのようにチャイナさんをジックリ見ることは出来なかった(苦笑)。
“Wild
Life”が終わると直子さんがMC。「そういえば今日はクリスマス・イヴでしたね。クリスマス・イヴがなんぼのもんじゃい!...というワケではありませんけど、今度は超能力の歌を聴いてください。“E.S.P.”」といった感じの曲紹介して、“E.S.P.”に突入〜!!! この曲ではチャイナさんは原曲にないフィルイン入れまくる(笑)。今回再びチャイナさんを目撃して、どうしてチャイナさんは凄いのか...その秘密の一部(笑)が解った。勿論ドラム叩く技術も優れてるんだけど、彼女、もともとイスを高くセッティングしてる。スネアの位置、メチャクチャ高いモン(笑)。普通のドラマーは膝を90゜くらいに曲げて叩いてると思うけど、チャイナさんはペダルをキックするのに必要最小限の角度しか付けてないんじゃないかな? つまり、イスに座る...というより『腰掛ける』感じで叩いてる。殆どのドラマーがドラムセットに埋もれながら(笑)ドラム叩いてるのに、イスが高いと上身があらわになるからパッと見た感じ目立ちます。特にチャイナさんの前に2人のドラマーが同じセット使って叩いてるの観たばかりだから、違いがすぐに分かったよ。ドラムセットに座った段階でもうチャイナさんは目立ってます(笑)。おまけにあのレギュラーグリップの左手でしょ。今やロック・ドラマーはみんなマッチドグリップで叩くから、それに見慣れたロック・ファンの目には、彼女の左ひじをいからせたような(笑)フォームは新鮮なハズ。で、あの爆裂ドラム演奏でしょ(笑)。目立たないワケがない(笑)。そのチャイナさんが叩きまくった(笑)“E.S.P.”の後、直子さんが『The
Powerpuff Girls』の話題をフり、“BUTTERCUP (I'M A SUPER
GIRL)”。曲が終わると、ベースの敦子さんがMC。「今度は新曲演ります。新しいマキシ・アルバムから...え? マキシ・シングルから...」。横から直子さんが「普通のシングルよりも大きいからマキシ・シングル。マキシ・アルバムやったら5時間くらいのアルバムになります」とギターのチューニング合わせながら注釈。「ハハハ、勉強になりましたね。少なくとも私は勉強になりました」って笑ってごまかす敦子さん。すると後ろからチャイナさんも「私も勉強になった〜!」ってフォロウ入れてあげてた(笑)。「そのマキシ・シングルから“オレンジの太陽”と“Herbs”、2曲続けて演ります」と、結局直子さんが曲紹介してこの2曲を演奏。ここでまたも敦子さんがMCに挑戦(笑)。「パワフルなドラムを聴かせてくれてる真奈ちゃんです」ってまず、チャイナさんを紹介。「ギターは直子さんですぅ〜」ってメンバー紹介。後で直子さんが言ってたけど、名古屋に来るのは3年振りだそう。当然、今の編成になってから初めてで「前に来た時、ドラマーだったアッちゃんがベースになってます。ドラマーがベースになるバンドって世界的にも珍しいと思うんですけど...」などと自ら言っていた(笑)。
敦子さんが飲みかけのペットボトルのフタを締めようとしたら、フタを落として行方不明に。チャイナさんといっしょに床に落ちたフタの行方を捜したら見つかった。だけど、またフタを締めようとして落とした敦子さん。直子さんから、フタ開けたままのペットボトルを倒れないようにアンプ横に立て掛けておくように指令受けた敦子さん(笑)。そんな敦子さんのヴォーカルで、「日本語で言うと『奇妙な薬屋さん』って意味になります」って曲紹介されてた“Mysterious
Drugstore”。次は『Let 's Knife』収録の懐かしのナンバー“Insect
Collector”、「猫の歌ではないけど、“Nya
Nya”です」という曲紹介で始まった♪ニャ〜ニャ〜ニャニャ〜ニャ〜ニャニャ〜ニャニャニャニャ〜の“Nya
Nya”。曲が終わるとすかさず“ロケットにのって”で、チャイナさんの爆裂ドラムが炸裂!!!
直子さんが観客に♪sushi, sushi, sushi bar〜going to the sushi
bar〜って歌って『スシ・グルーヴ』(笑)を作り出すように要求した“Sushi
Bar Song”では、観客は直子さんの要求どおり♪sushi, sushi, sushi
bar〜going to the sushi
bar〜って合唱で応えた。曲が終わると直子さん、「素晴らしい『スシ・グルーヴ』でした。今頃、藤ヶ丘の駅は揺れていることでしょう」などと観客に御礼を言ってた(笑)。次に披露されたのは、ニュー・アルバム『ミレニアム・エディション』からモンキーズのカヴァー曲“Daydream
Believer”。ここからは一気に畳み掛ける感じで“Lazybone”、“Twist
Barbie”、そしてトドメの“Antonio Baka
Guy”。ステージ中央で直子さんと敦子さんが並んで上身を前後に揺らし、チャイナさんは爆裂ビートを叩き出す。そんなトドメとも言える“Antonio
Baka
Guy”の爆音の余韻を残して、少年ナイフのみなさんは一度ステージを去った。
観客のアンコール要求に応え、ステージに戻って来た3人が横一列に並ぶと、ファンも何が起こるのか知ってて(笑)歓声上げる。もはやお約束の(笑)カラオケでの“Chinese
Disco”。敦子さんとチャイナさんは例のフリ付きで踊る踊る(笑)。“Chinese
Disco”が終わると、クリスマス・プレゼントを観客に投げ入れる3人。チャイナさんは「後ろのひと〜!」ってフロアの後ろのほうに投げようとしたけど、天井が低いものだから後ろのほうに届く前に天井に当たって落下。ナイフからのクリスマス・プレゼント...直子さんによれば「大阪名物・粟おこし」(笑)。そんな時、ステージ上を走る配管から水滴がポタポタ落ちてくる。会場の熱気が凄いものだから結露して、水滴が落ちてきてたようだ。決して配管が漏れてるワケじゃないと思う(笑)。これ見て直子さんも「すごいね〜」。最後に、クリスマス・イヴってことで“Space
Christmas”を演奏して、最高に盛り上がったライヴ。ナイフのみなさん(含む、チャイナさん)、素敵なクリスマス・イヴをありがとう!
【SET LIST】...'01.12.24
名古屋・藤ヶ丘MUSIC FARM
《スペース☆ライダー》
. オープニング
1. ポストマン
2. シャンプーハット
3. ギリカジ
4. 闇のダンスホール
5. エンド・オブ・テクノロジー
6. 労働のススメ
7. モーターサイコロ
8. 預言者
. エンディング
《少年ナイフ》
1. Konnichiwa
2. Wild Life
3. E.S.P.
4. BUTTERCUP (I'M A SUPER GIRL)
5. オレンジの太陽
6. Herbs (ハーブのうた)
7. Mysterious Drugstore
8. Insect Collector
9. Nya Nya
10. ロケットにのって
11. Sushi Bar Song
12. Daydream Believer
13. Lazybone
14. Twist Barbie
15. Antonio Baka Guy
(encore)
1. Chinese Disco
2. Space Christmas