ヒロくんのLIVE REPORT '02 PART 17 BAD RELIGION

 現代パンク隆盛の礎を作った『Epitaph』レーベルのオーナーとして著名なブレット・ガーヴィッツ(以下、Mr. ブレット)がレコーディング・メンバーとしてバンドに復帰したバッド・レリジョンが日本にやって来た。レコーディング・メンバーとしてバンドに復帰...というからには、ライヴには参加しないんだけど、日本でのツアーだけ特別にMr. ブレットがバンドに帯同するという。ってことで、10月6日、赤坂BLITZへと足を運んだ。
 開演時間の7時を廻るとステージにオープニング・アクトのバウンシング・ソウルズの4人が登場。スレイヤーのメンバーみたいなイカツいベーシストの姿が目を引く(笑)。この日の東京のライヴまでに、大阪でも演奏してるせいか「オオキニ!」と関西弁でMC入れたり、何度もステッカーを紙吹雪のようにまき散らし(苦笑)キッズを沸せたバウンシング・ソウルズ、全部で15曲40分、前座とは思えないくらい長いセットを演奏してった。
 バッド・レリジョンがステージに現れたのは、8時ちょっと過ぎのことだった。メンバーそれぞれが持ち場に就いてすぐさま演奏始まったのは、新作『ザ・プロセス・オヴ・ビリーフ』のアタマを飾る“Supersonic”。ファンが♪すーぱーそーにぃっく〜と合唱で応えながら、初っ端から熱狂的盛り上がりをみせる。続くも新作からの“Prove It”。後ろのほうからも血気盛んなキッズが前へ前へと押し寄せていく。40過ぎの女性ファンも居たけど、観客の主力は血気盛んなパンク・キッズ。私はフロア中ほど左側の柵のところに居た。後ろから押されても将棋倒しにならない安全な位置。ステージ中央には、またアタマが淋しくなったグレッグ・グラフィン(以下、グレッグ・G)が居て、渋い歌声でファンを魅了。その右隣に野球帽を被って青ずくめの服装でキメてたジェイ・ベントリー、その右隣に、また太った感じ(苦笑)のブライアン・ベイカーがギターを弾いている。グレッグ・Gの左隣には長髪のギタリストがギターを弾いている。彼こそがMr. ブレットの筈なんだけど、メガネも掛けてないし、写真で見て知ってる姿と大きく違うので「Mr. ブレットだ」と確信が持てずに居た。が、“Suffer”が終わると、グレッグ・GがファンにMr. ブレットを紹介。外見上は大きく変わったけど、間違いなくMr. ブレットのようだ。Mr. ブレットへファンから声援が送られてる。人気曲“21st Century (Digital Boy)”の曲の中盤でMr. ブレットがリード・ヴォーカルをとると、ここでもファンが沸いた。ジェイは早くも野球帽を脱ぎ捨ててる。Mr. ブレットの左隣には小柄なグレッグ・ヘトソンがギターを弾いてた。“21st Century (Digital Boy)”の後、グレッグ・Gが曲紹介。「“I Want To Conquer The World”!」 この曲には私も熱くなった(笑)。♪I want to conquer the world〜(笑)。
 中盤に“No Control”、“Skyscraper”、“Turn On The Light”、“Atomic Garden”、さらに“Do What You Want”...と名曲が矢継ぎ早に披露された辺りでは「次は何の曲を演るのかな?」と楽しみで仕方がなかった。こんな感じでファンの期待する曲が次々に披露するものだから、後ろで観てたファンも興奮し、どんどん前に押し寄せてくる。クラウド・サーフィンも盛んで、ステージにまで上りつめた(おそらく)ハーフの男性ファンに、グレッグ・Gが「ハハハ、君の名前は何ていうんだい?」って訊く。自己紹介後、その男性ファンはステージ上からダイヴしていった(笑)。ジェイも何度も曲と曲の間に英語でMC入れてファンとやりとりし、交流。私のそばに居た女性ファンが盛んに新加入のドラマー、ブルックス・ワッカーマンに「ブルックス〜!!!」と声援を送るものの、フロントに5人も並んで居るため、ブルックス君の姿はよく見えなかった(苦笑)。残念ながら友好的なファンばかりではなく、(おそらく外国人の)ファンが暴言吐いたためか激高した?ブライアンが「コッチ来テ、コッチ来テ」って日本語喋ってたのは怖かった(苦笑)。
 “The Defense”の後、Mr. ブレットが「日本の地名が入った曲だ」ってな感じで曲紹介したのは、地球温暖化を憂い、京都議定書へ賛意を示す“Kyoto Now”。この後、グレッグ・Gが「“Change Of Ideas”〜!」とシブい声で曲紹介して始まった“Change Of Ideas”の次は、名曲“Anesthesia”。この曲でもファンは大興奮。“Anesthesia”に続いて披露されたのは、“Fuck Armageddon...This Is Hell”で、観客の間からも「懐かしー」の声も漏れてた。この曲が終わると、意外なことにメンバーが楽器を下ろし、ステージを去っていく。あれ? 今までのバッド・レリジョンのライヴは「アンコール無し」の一本勝負だったのに...。彼らもトシなので、休息が必要なのか、ライヴの構成を「アンコールあり」に変えたようです(苦笑)。勿論、ファンはアンコール要求の手拍子を始めた。
 やがてステージに姿を現わした6人。ギターを構えたブライアンの肩を抱きながらグレッグ・Gがスロウに歌い出したのは、“Generator”。ファンが待ってる名曲が登場。途中からパンク調にテンポ・アップした“Generator”で、♪ oh, yeah〜oh, yeah〜とファンが盛り上る。Mr. ブレットも狂ったように歯でギターを弾いてみせている。“Infected”を挟んで、グレッグ・Gが「last song〜!」と言い終わらないうちにブライアンがイントロ弾き出したのが“American Jesus”。ファンが待ってる「あの曲」がやっぱりここで登場(笑)。名曲“American Jesus”にファンが満足し切ったところでライヴは終了。ステージ去り際にグレッグ・Gが「アリガト!」と言った時の満足気な表情が忘れられない(笑)。
 Mr. ブレット不在時の3枚のアルバムからはわずか2曲(前作『ザ・ニュー・アメリカ』からはゼロ)という片寄った選曲ながら、ファンの求めるものにすべて応えた、盛り上がり過ぎのライヴ。やっぱり、彼らはイイ曲たくさん持ってるね。改めてそう思った。

【SET LIST】...'02.10.6 赤坂BLITZ
1. Supersonic
2. Prove It
3. Suffer
4. Stranger Than Fiction
5. Recipe For Hate
6. 21st Century (Digital Boy)
7. I Want To Conquer The World
8. Sorrow
9. Modern Man
10. Them And Us
11. Can't Stop It
12. Epiphany
13. No Control
14. Skyscraper
15. Turn On The Light
16. Atomic Garden
17. Do What You Want
18. The Defense
19. Kyoto Now
20. Sowing The Seeds Of Utopia
21. Sanity
22. Change Of Ideas
23. Anesthesia
24. Fuck Armageddon...This Is Hell

(encore)
1. Generator
2. Infected
3. American Jesus

BAD RELIGION live @ Osaka Bayside Jenny '00.12.10

BAD RELIGION live @ Kawasaki Club Citta' '99.4.17

INDEX