2ndアルバム『エーテル』のリリースに伴う岡北有由の全国ツアー(と言っても、名古屋・大阪・東京の3ヶ所だけだけど)を観に、11月23日に大阪・バナナホールへ行って来た。
ステージの壁中央には、新作『エーテル』のジャケットをイメージした感じで、アコースティック・ギター(以下、アコギ)が宙に浮いたように飾られてる。開演予定時間の6時30分を5分ほど過ぎた頃、エレクトロニックなBGMが場内に流れ、しばらく間を置いて有由とバックバンドがステージに登場。「来てくれてどうもありがとう!」と観客に御礼を言った有由がエレキ・ギターを構え、足元にあったスウィッチを起動させる。エレクトロニクス度高いトラックに生バンドが演奏重ねたディジタル度の高いこの曲は、“19年目の朝”のマキシに収録されてる“プロミス”。高校時代からフォークギター演ってて、今でもストリートに立つことがあるという有由のキャラクターから掛け離れ過ぎな曲でライヴはスタート。この曲が終わると、エレキを手放しアコギを構えた有由。ここで演った曲は『エーテル』のアタマを飾る“地面の上”。最初からこの曲で始まったほうがスッキリしたんじゃない?(苦笑) 続けて“咲イテ”を披露した有由。こんなオイシイ曲、もっと後まで取っとけばイイのに(苦笑)。バック・バンドは、有由の昔からの盟友(?)ZZ
AIR
WORLD(以下、ZZ)の3人と、スキンヘッドが目印のキーボードの“皆チン”こと皆川真人氏。有由は黒色のTシャツにベージュ色のズボン姿で、青〜緑系の上着を羽織ってた。髪形は(昔と違って)ロングで、前髪だけを極端に短く切り揃えてる。クラムボンの原田郁子さんがロングにした感じ(分かるひとだけに分かる形容...笑)。
“咲イテ”を演ると、「今日は来てくれてどうもありがとう!」と改めて観客に御礼を言い、前日の名古屋のライヴの打ち上げの話をちょこっとした後、「“19年目の朝”」と曲紹介し、最新シングル曲“19年目の朝”を演奏。曲が終わるとギターをエレキに交換した有由、「新曲を2曲演りたいと思います」と言い、新曲を2曲演ってくれた。1曲目は“放て”という曲名らしい。“放て”よりも2曲目のほうが曲構成が凝ってて私は好きだ。エレキで2曲新曲演ったところでギターをアコギに変え、『エーテル』からの“エナジー”を演った有由。この曲が終わると一旦バック・バンドはステージから消え、ひとりだけステージに残った有由のアコギ弾き語りで“no
one without
someone”、皆チンだけステージに復帰して2人で“眠り姫”を演奏。もっと有由だけの弾き語りタイムがあったほうがいいのに。ここでZZの3人もステージに戻り、フルバンドで“かけら”を演奏。
「私、何にでも感動してた時期があって。夕方、陽が沈んで月が昇るってようなアタリマエのことでも感動してて〜」などとMC入れた有由...そのような感動を大切にした大事な曲“エーテル”を演った後、皆チンが弾き始めたキーボードのイントロは“ファイ”。「歌謡曲になってしまった」と一部ファン(含む、私)の反発を買った曲だけど、中盤以降はロックなアレンジで演奏されてた。ドラムのハイハットのオープンクローズとバスドラムのリズム・パターンがハウス・ミュージックっぽいのが癇にさわったケド(笑)。続く“u
o i see”では一緒に♪u o i
see〜って歌ってくれてるファンの姿でも見つけたのか、うれしそうに歌う有由の姿が印象的だった。ここまで『エーテル』からの曲ばかりが続いたけど、“降る夜”の後、ようやく出ました“灰色ラブソング”! ファンに馴染みの曲だから盛り上がり方も違う。“灰色ラブソング”からそのまま“ほんとのもの”へなだれ込んだ。個人的には、このあたりが一番興奮した(笑)。「あと1曲なんですけど」という有由に、ファンが「エ"エ"〜ッ!!!」ってお約束の反応返したところで演奏された“現象”。この曲が終わると、有由と皆チン、ZZは一旦ステージを後にした。
ファンのアンコールを求める手拍子に応え、ひとりステージに戻って来てアコギを構えた有由。「こう見えても私は『ロックな人間』なんですよ。これから『ひとりロック』しまぁーす!」などと言って、ギターにプラグつながないまま弾き出した。ファンが手拍子始めようとしたら、「手拍子はいいですから」と手拍子を拒み、マイクも使わずアコギをかきむしりながらひとりで歌い出した有由。ステージ上で突如ストリート・パフォーマンス敢行!(笑) 有由が歌った曲は、去年の金沢でのフリーライヴでも歌った“エン”。ストリート・パフォーマンスの積み重ねでミュージシャンへの道を拓いた有由だけあって、凄く絵になってた(笑)。『ひとりロック』が終わると、ステージにZZと皆チンを客のコールで呼び戻す。ドラムの秀隆、ベースのきいち、そして女性だけの声でギターのたろうと皆チンを呼び戻したところで、有由が叫ぶ。「“1+1の分離”〜!!!」 だけど、まだ皆チンの演奏準備が出来てなかった(苦笑)。皆チンの演奏準備が整うまで間を持たせたところで、改めて「“1+1の分離”〜!!!」と曲紹介した有由。この“1+1の分離”における有由のヴォーカルは「過剰」または「投げやり」なほどアラニス・モード全開(笑)。
まだ聴き足りない気がしたのか、ファンはここでもアンコールを求め手拍子。この熱心な手拍子に応え、有由と皆チンの2人がステージに戻って来た。有由の代わりに「今日は来てくれてありがとう!」などとファンに御礼を言う皆チン。アコギを構えた有由、チューニングを直そうとして逆に深みにハマってしまい、「あれ、ちょっと待って。チューニング苦手なの〜」と言って慌ててチューニング直してた(苦笑)。ライヴ最後の曲は「最後にこの曲を演るのがお約束になってまして〜」と有由に紹介されてた“incomplete”。新作『エーテル』のラストを締めるこの曲で、有由はこの日のライヴも締め括った。
新作『エーテル』に対する「歌謡曲になった」、「アレンジにキーボード使い過ぎ」、「ヴォーカル・パフォーマンスがこぢんまりしてる」などの一部の批判(私も言ってるけど...苦笑)を知ってか知らずか、予想以上にロックしたライヴを演ってくれた。新作では整理し過ぎだった有由のヴォーカルも、ほど良く『ドブ板を踏み抜い』とりました(笑)。
【SET LIST】...'02.11.23
大阪・バナナホール
1. プロミス
2. 地面の上
3. 咲イテ
4. 19年目の朝
5. 放て (新曲)
6. ? (新曲)
7. エナジー
8. no one without someone
9. 眠り姫
10. かけら
11. エーテル
12. ファイ
13. u o i see
14. 降る夜
15. 灰色ラブソング
16. ほんとのもの
17. 現象
(encore 1)
1. エン
2. 1+1の分離
(encore 2)
1. incomplete
AYU OKAKITA live @ Fukuoka Drum Be-1 '01.9.17