ヒロくんのLIVE REPORT '03 PART 9 小谷美紗子

 小谷美紗子さんがピアノ弾き語りで全国を廻る恒例の『生』ツアーの2003年度一巡目を、5月2日に金沢市民芸術村ミュージック工房で観て来た。
 旧大和紡績工場の煉瓦の倉庫を利用したこのハコでの『生』は
去年の11月に続き2回目。フロアにたくさん並べられている4人掛けの木製の長椅子に座ってファンが開演を待ってると、入場時に配られた「小谷美紗子への質問」を書く紙を係員が回収しに来た。何人かのファンが質問を書いた紙を係員に渡してる。私も質問を3つも書いて渡した(笑)。
 開演予定時間の7時を15分くらい廻ったところで客電が落ち、ステージに小谷美紗子さんが登場。去年私は『生』を2回観たけど、その2回とも小谷さんはドレス姿だった。今回は白系のシャツにスラックスという幾分ラフなスタイル。足元までは見えなかったけど、例によって裸足だったハズ。1曲目は、ベット・ミドラ−のカヴァー“The Rose”。次の曲もカヴァーで、シンディ・ローパーの“Unconditional Love”。コレは普段からシンディのファンであることを公言してる小谷さんらしい選曲(笑)。続いて、最新マキシ・シングル曲の“off you go”。イントロのピアノ・フレーズと♪コエガキキタイ〜アイタイ〜アイタイ〜...のリフレインが印象的なこの曲、
1年前の金沢・もっきりやでの『生』でも演奏してたけど、歌詞はだいぶ練り直したような...。「こんばんは、小谷美紗子です」と、ここで小谷さんが挨拶。この日は早めに金沢入りして寿司屋に行ってたそうで、「アブトロ...焙ったトロですね...美味しかったので、アブトロをアンコールしてきました」などと語る小谷さん、アブトロがお気に入りの模様(笑)。ここで小谷さんが演奏し始めたピアノのイントロは、デビュー・アルバム1曲目の“Care me more, Care me”。新作『night』のリリースが半月後というタイミングから新曲が中心...と思ってたから、こんな昔の曲が来てビックリ! さらに“空が藍色になるまで”を演奏し終わると、伸びかけの髪の毛が鬱陶しいのか、赤い輪ゴムで髪を後ろで結わえた小谷さん、ここで演奏し始めたのは、“こんな風にして終わるもの”! 名曲との評判高いこの曲だけど、ライヴで聴くのは初めて。歌声に込められた「念」もばんばん伝わって来る。次に、“音”を歌い終わると、タオルで顔面の汗を拭う小谷さん。「ここに居るなかで暑いのは私だけだと思う」とか言ってた(苦笑)。
 「ここで、質問タイムに入るんだけど...。MC対策で」と苦笑いする小谷さん。「その前に凄くイイ曲があるんだけど、みんな聴きたい?」とファンに訊くと、当然ファンは聴きたがる(笑)。「東京で1回演ったきり」というこの曲は、AZUMIというアーティストの“ホワイトソング”だそうで、「『ホワイトソング』というアルバムに入ってるので、みんな買って聴いてみて下さい」と小谷さんは言うけど、ネットで調べてみたら、品切れだったゾ!(笑) ここでいよいよ質問タイムへ。開演前に観客から回収した質問を、小谷さん自ら読み上げて、それに答える...という趣向。その一問一答はだいたいこんな感じだった。
Q. ヴィデオで馬に乗ってましたけど、小谷さんは馬に乗れますか? A. オーストラリアに留学中に選択科目で乗馬を取りました。馬に乗るのよりも、毛をとかしたりお馬さんと触れ合うのが好きでした。馬って全ての生き物のなかで一番綺麗な目をしてると思います。
Q. 小谷さんは家ではどんな服装をしてますか? 家でも裸足なのですか? A. ロスにレコーディングに行った時ちょうど良いサイズのTシャツがあったので、それを着てます。そして、そのまんまの格好でゴミを捨てに外に出歩くし、コンビニにも行きます。もし、そんな時の私を見かけても、見なかったフリをしてください。家でも裸足です。
Q. 小谷さんはどうやって好きなひとに想いを伝えますか(または、想いを伝えさせますか)?  A. 想いをストレートに相手にぶつけますね。一度、好きなひとをコーヒーショップに呼び出して、相手と面と向かって「好きです!!!」って告白したことがあります。周りには他のお客さんや店員さんが居て、ビックリしてました。もうそのひとのことしか見えてなくて、周りが一切目に入ってなくて...。「どうやって想いを伝えさせますか」については...逃げます。「逃げれば逃げるほど相手が追っかけてくるという法則」を利用して。
Q. 小谷さんはどんな老後を送ってると思いますか? A. 実は、老後が来るのが楽しみで、早く老後が来ないかなと思ってます。縁側で煎餅を齧りながら「あー、じいさんはもう逝ってしもうたのぉ〜」と、お友達とお喋りしてる...そんな老後が早く来て欲しいです。
Q. 小谷さんは小さな手をしてるのに、ピアノがよく弾けますね? A. 風呂の中でマッサージして指が開くようになりました。今では1オクターブ...ドからドまで指が届きます。だけど、ピアニストになるには、リストの曲には1オクターブ以上...ドからミまで指が届かなきゃいけないのもあるので...。それがピアニストになるのを諦めた理由の1つでもあるんだけど、そのお蔭で歌を始めたので、手が小さくてよかったです♪。
 これだけを見てると、よどみなくお喋りが流れてったように感じるかもしれないけど、実際にはかなり「...」な部分が多かった(苦笑)。この企画じたい口下手な小谷さんのMC対策だったワケだから(苦笑)。「全然盛り上がらない質問タイムでした。私がいかに多重人格かお分かりいただけたと思うんですけど...」と、小谷さんが自分で言って、質問タイムはお終い。私、質問を3つも書いたのに1つも採用されなかった....(泣)。
 質問タイムから演奏に戻り、最初に演奏されたのは“母の日”。歌が入ってすぐに演奏につまり、最初から演奏し直すハプニングも。その後、1stや2ndからの曲を中心に曲が披露されていった。「デビュー時から応援してもらって、ライヴの会場の雰囲気も毎回いいので、金沢が大好きです」と金沢のファンに御礼を言う小谷さん、「どこの街でも言ってることじゃなく、ホントの気持ちよ」と付け加えた。7月の東名阪ライヴの後に予定してる『生』の今年2巡目の時にまたこの街へ演奏しに来ることを、金沢のファンに約束。
 ライヴのほうは、ニュー・シングル“Off you go”のカップリング曲の“ 暁の星”を最後に演奏し、小谷さんは一度ステージを去ったんだけど、ファンのアンコール要求の手拍子にすぐにステージに呼び戻され、5月14日リリースの新作『night』より「オダニ・ダークな曲」(本人談...苦笑)“悪い赤”を演奏してくれた。
 MC対策で設けた『質問タイム』のお蔭で、これまでのように小谷さんのヘタなMCで寒い思いをすることもなく(苦笑)唯一無二の音世界を心ゆくまで堪能出来ました。

【SET LIST】...'03.5.2 金沢市民芸術村ミュージック工房
1. The Rose (ベット・ミドラーのカヴァー)
2. Unconditional Love (シンディ・ローパーのカヴァー)
3. off you go
4. Care me more, Care me
5. 空が藍色になるまで
6. こんな風にして終わるもの
7. 音
8. ホワイトソング (AZUMIのカヴァー)
9. 母の日
10. 子供のような笑い声
11. The Stone
12. I
13. crotchet
14. 暁の星

(encore)
1. 悪い赤

MISAKO ODANI live @ Kanazawa Citizen's Art Center '02.11.2

MISAKO ODANI live @ Kanazawa Mokkiriya '02.5.26

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